やりたいこと、はじめてみよう
探究学舎 親子でボード ゲームを作る会は、モダン PC を使って親子でボード ゲームを作ることにチャレンジしています。
全 3 回の記事でその姿を追います。前回の記事も併せてご覧ください。
はじめての、プレゼン。
「自分たちのオリジナル ボードゲームをつくりたい!」と集まった「探求学舎 ボードゲーム会」の子どもたち。7 人の小学生たちがゲーム クリエイターの高橋晋平さんに教えを乞うた第 1 回のワークショップから約 3 か月。この日は、皆で話し合ってきたゲーム ルールや世界観をデザイナーに伝え、かたちにしてもらう第一歩となる「プレゼン」の日でした。
この日に至るまで、子どもたちは、7 人みんなで集まる 3 回のセッションだけでなく、さらに細かく作業を分担し、チームにわかれて、それぞれ話し合いを重ねてきました。
話し合いのとき、子どもたちは、高橋先生からの教えに常に立ち戻っていたようです。
高橋先生がゲームづくりで大事にしていることとして教えてくれたのは「起承転結」を大切にすること。
それまでの話し合いを振り返って、「起承転結を大事にして、どうルールをつくって、どうやったら面白くなるかを考えてテスト プレイまでやった」「話し合いのときに、会話が生まれるように気をつけた」と言う子どもたちの声は、まさに大人顔負け。「みんなとけんかしないようにした」という子どもらしい声も聞こえます。
さて、子どもたちにとっては初めてとなるリモート プレゼン。Microsoft 『Teams』を使ってデザイナーさんと共有した画面に表し出された PowerPoint のスライド 1 枚目には「よ〜かいキャッチング アイランド」の文字が躍ります。
起承転結を大事に、プレゼンをしてみる。
「妖怪がまだいる島に 4 人の妖怪ハンターがいた。4 人は自分が一番強いことを証明するために力を競い合っていた——」
そんなストーリー仕立てのスライドから始まったプレゼンテーション。子どもたちは担当を決め、1 枚ずつ PC のモニターごしにデザイナーへの説明を進めます。「ゲームに必要なもの」「始める前に必要なこと」「ルールの紹介」……。スライド 1 枚 1 枚に、伝えるべき項目が丁寧にまとめられ、説明は簡潔そのものです。
プレゼンテーションの円滑なさまに、子どもたちはさぞかし普段からモダン PC を使いこなして PowerPoint のスキルを身につけているのかとおもいきや、さにあらず。7 人の子どもたちは皆、これまで PowerPoint を使ったことはなかったといいます。
いくら小学校にオンライン学習の機会が取り入れられているとはいえ、彼らはまだそんな授業は受けていない学次です。
「Word をつかってものを書いたりしたことはあった」という子はまれで、しかし「初めても初めてで、でも自分ひとりでやってみた」「友だち同士で一緒に練習した」と前向きな準備期間だったようです。
その上達ぶりには、プレゼンテーションを見守っていた保護者も目を見張るものがあった様子。「これから先、お小遣いの“賃上げ交渉”は、 PowerPoint でやってもらおうかしら」と、成長っぷりに満足そうな笑い声も出てきました。
7 人の子どもたちでのリレー形式のプレゼンテーションは、まず世界観を伝え、ルールを説明し、ただ仕様を伝えるだけでなく「このゲームのおもしろいところ」もまとめ、最後に、デザイン制作にあたっての希望を伝える全 30 分。
高橋先生の教え通りに、「起承転結」を大事にしたプレゼンテーションを経て、いったいどんなデザインに仕上がるのか。今度は、子どもたちの期待に応える、大人の出番です。
やりたいこと、はじめてみた私たち
本藤美波さん
内田泰歩さん
飯田千有里さん
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