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Excel で文字数をカウントしたい! 関数を使った確認方法と注意点

2022 年 4 月 15 日

Microsoft Excel は表計算用ソフトですが、変換効率を考えて Excel で文章を管理することがあります。また、文字数のカウントに Excel を使うこともできます。
そこで今回は、文字数を確認する方法について、基本的な操作から応用まで紹介します。

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1. LEN 関数を用いて文字数を確認する

LEN 関数は文字列を参照し、文字数を返す関数です。引数には直接文字列を入力するか、1 つのセルを指定します。文字を直接入力する場合は入力した文字数をカウントし、セルを指定する場合はセル内の文字数をカウントします。

【引数に直接文字列を入力した場合】

セルに 5 文字の文字列の引数となる「=LEN(“あいうえお”)」と直接入力します。文字列を直接入力する場合には、文字列を「“”」 (ダブルクォーテーション)で囲みます。

LEN 関数の引数に直接文字列を入力した場合

この場合、文字数は引数で指定した 5 文字となります。

【引数にセルを指定した場合】

A1 のセルに 5 文字の文字列を入力し、B1 のセルに「=LEN(A1)」と A1 のセルを指定した式を入力します。

LEN 関数の引数にセルを指定した場合

この場合、文字数は A1 のセル内の「あいうえお」の文字数である 5 文字となります。

LEN 関数では、「a」「1」「ア」などの半角文字 (1 バイト文字) も「a」「1」「あ」などの全角文字 (2 バイト文字) も一律 1 文字としてカウントされます。また、セル内の改行やスペースも 1 文字としてカウントされます。
例を見てみましょう。

LEN 関数で文字数をカウントした例

A2 のセルの「あいうえお」と「かきくけこ」の間に [Alt] + [Enter] キーを入力し、改行しています。
この場合、LEN 関数では 11 文字なります。また、A3 のセルでは「あ い う え お 」と文字の後に合計 5 個の全角スペースが入っていて、A4 のセルではそれが半角スペースになっていて合計 10 文字です。この場合、どちらも LEN 関数の結果は 10 文字となります。

2. 文字列のバイト数を返す LENB 関数

LEN 関数と似ている関数に LENB 関数があります。LENB 関数は文字列のバイト数を返す関数で、半角文字 (1 バイト文字) を 1、全角文字 (2 バイト文字) を 2 としてカウントします。
以下の例では、半角英字の「A」、全角文字の「あ」、半角数字の「1」をそれぞれ LEN 関数、LENB 関数でカウントしています。

LEN 関数、LENB 関数で文字数をカウントした例

LEN 関数ではすべて 1 文字とカウントされましたが、LENB 関数では異なります。LENB 関数で文字数カウントを行う場合、半角英字の「A」を入力したセルを引数にすると「1」、全角文字の「あ」は「2」が、半角数字の「1」は「1」が返ります。
では、セル内の改行やスペースはどうでしょうか。

LEN 関数、LENB 関数で文字数をカウントした例

この場合、[Alt] + [Enter] キーで改行した A2 のセルは LENB 関数では「21」が返り、改行は半角文字としてカウントされます。
また、合計 5 個の全角スペースが入っている A3 のセルは「20」、同じく 5 個の半角スペースが入っている A4 のセルでは「15」が返ります。

3. LEN 関数・LENB 関数利用の際の注意点

LEN 関数も LENB 関数も通常の文字に対して使用するときには特に問題ありませんが、文字コードが Unicode で規定されている結合文字、サロゲート ペア、合字などに使用する際には注意が必要です。

【引数にセルを指定した場合】

結合文字は「か」と「゛」を結合して「が」とするなど複数の文字で 1 つの字形を表示します。サロゲート ペアは、「𠮟」「𠮷」など 1 つの文字に対して 2 つの文字コードを使って表される文字です。また合字は、「㋿」「㍻」など 2 文字を 1 字に収めたカレンダー システムなどに使われる文字です。これらが入っている場合、見た目と関数の文字数のカウント結果が合致しないことがあります。

LEN 関数、LENB 関数で文字数をカウントした例

カウントした際の文字数がおかしいときは、このような特殊な文字が入っている場合があります。

【文字列や数値以外の書式設定の場合】

また、セルの書式設定が文字列や数値ではないときにも注意が必要です。

セルの書式設定

たとえば、書式を日付やパーセントにした文字に対して LEN 関数を使った場合、表示の文字列ではなく、書式が文字列のときの文字数がカウントされます。

セルの書式による LEN 関数、LENB 関数で文字数をカウントした例

これは、LEN 関数で文字数カウントした際に文字列の書式である 5 桁のシリアル値がカウントされるためです。
Excel の日付は「1900/1/1」の「1」から始まる整数の通し番号となるシリアル値で管理されていて、「44575」は日付に書式設定するとシリアル値から日付の表示となり「2022/1/14」と表示されます。また、「0.001」をパーセンテージに書式設定した場合、文字列のときの「0.001」がカウントされ、「5」が返ります。

4. 複数セルに含まれる文字をカウントする

複数のセルの文字数を同時にカウントしたい場合はセルを LEN 関数でカウントし、SUM 関数で合計するとよいでしょう。LEN 関数はスピル対応の関数となっていて、複数セルを選択した場合、その複数セル分の関数結果を展開します。そのため、SUM 関数で囲うことで 1 つのセルにまとめることができます。

スピルとは、1 つの数式が複数の値を生成し、それらの値を隣接するセルに配置する機能です。以下の例では、A1 から A5 の値を B1 から B5 でセル参照を行うのに、B1 に「=A1:A5」と入力しています。

スピルによるセルの参照

スピルにより、「=A1:A5」という 1 つの式だけで B2 から B5 のセルにも A2 から A5 までの対応するセルを参照し値を表示します。スピルを使って値を返している範囲は青い線で囲まれています。

まずは、スピルを使って LEN 関数で複数セルの文字数をカウントしてみましょう。
以下の例では、B1 のセルにスピルを使った式「=LEN(A1:A9)」を入力します。

スピルと LEN 関数で複数セルの文字数をカウントした例

結果として、スピルにより、B1 のセルに式を入力しただけで、B1 から B9 のセルに A1 から A9 の文字数が表示されます。

それでは、LEN 関数とスピル、SUM 関数を使って、複数のセルで 1 つの文章を作成する時の文字数をカウントしてみましょう。
以下の例では、SUM 関数でスピルを使った LEN 関数の合計を求めるため、B10 のセルに「=SUM(LEN(A1:A9))」と入力します。

LEN 関数とスピル、SUM 関数を使って複数セルの文章の文字数をカウントした例

結果としては B10 に合計の文字数「136」が返ります。

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5. カンマで区切られた文字列の字数をチェックする

LEN 関数を応用して、「,」 (カンマ) で区切られたセル内のカンマ区切りの値の文字数をカウントすることも可能です。たとえば顧客管理システムから取得した住所を印刷するときなど、セル内のカンマ区切りの値の文字数を確認することで、規定の文字数を超過してしまうデータがないかチェックすることができます。

下記の関数を併せて利用します。

  • LEFT 関数 文字列の左側から指定した文字数を取り出す
  • REPLACE 関数 文字列から指定した字数分の文字を別の文字に置き換える
  • FIND 関数 指定された文字列を他の文字列の中で検索し、その文字列が最初に現れる位置を左端から数え、その番号を返す

以下の例では、セル内のカンマで囲まれている市区町村部分を抽出し、LEN 関数でその部分の値の文字数をカウントしています。
例では、A2 の「東京都,豊島区,西池袋」と表示しているセルに対して、「=LEN(LEFT(REPLACE(A2,1,FIND(",",A2),""),FIND(",",REPLACE(A2,1,FIND(",",A2),""))-1))」の式を入力しています。

セル内のカンマで囲まれている市区町村部分を抽出し、LEN 関数でその部分の値の文字数をカウントする例

この場合、市区町村部分であるカンマの間の文字列「豊島区」を抽出し、文字数カウントで「3」を返します。

ここでは式を分解して解説しましょう。

まず FIND 関数でカンマの左端からの位置を取得します。FIND 関数の引数は「検索文字列, 対象, 開始位置」で、開始位置は省略可能です。この場合、A2 のセルのカンマの位置が 4 文字目のため、「4」が返ります。

FIND 関数でカンマの左端からの位置を取得

次に REPLACE 関数で最初のカンマまでの文字を削除します。REPLACE 関数の引数は、「文字列, 開始位置, 文字数, 置換文字列」です。
例では、「東京都,」までが「“”」 (値なし) と置換され、「豊島区,西池袋」が返ります。

REPLACE 関数で最初のカンマまでの文字を削除

この結果が LEFT 関数の文字列の引数となります。LEFT 関数の引数は、「文字列,文字数」です。

まず LEFT 関数の文字数の引数となる数値を取得します。都道府県が除かれた値に対して FIND 関数で 2 つめのカンマまでの左端からの位置を取得し、この数値で文字列を抽出するとカンマも含まれてしまうため、「-1」(1 を引く)します。

この場合、「豊島区,西池袋」の文字列に対して、カンマの位置が 4 文字目のため、4 が返り、更に「-1」されるため「3」の値が返ります。

「豊島区,西池袋」の文字列に対してカンマの位置が 4 文字目のため、4 が返り、更に「-1」されるため「3」の値が返る

LEFT 関数で 1 つ目のカンマと 2 つ目のカンマの間の値を抽出します。
例では、「豊島区,西池袋」の 3 文字目までの文字列を抽出するので、「豊島区」が返ります。

「豊島区,西池袋」の 3 文字目までの文字列を抽出するので、「豊島区」が返る

その文字列を LEN 関数で文字数カウントします。
例では、「豊島区」の文字列をカウントするため、「3」が返ります。

「豊島区」の文字列をカウントするため、「3」が返る

LEN 関数と他の関数を組み合わせ、カンマの間の文字列のカウントができました。

6. 条件付き書式と組み合わせて注意喚起を行う

Excel がフォーマットの帳票で最大文字数が決まっている項目に文章入力を行う場合に LEN 関数で文字数をカウントし、最大値を超えた際に色を変えて注意喚起するといった使い方も可能です。

以下の例では、稟議書の件名に 30 文字より多く文字を入力したら、条件付き書式で色を変える設定を行っています。

稟議書の件名に 30 文字より多く文字を入力したら、条件付き書式で色を変える設定を行った例

条件付き書式の設定手順を見ていきましょう。

LEN 関数を使った条件付き書式を設定

1. 「ホーム」タブの「条件付き書式」をクリックし、「新しいルール」をクリックする

「ホーム」タブ「条件付き書式」の「新しいルール」

2. 「数式を使用して、書式設定するセルを決定」をクリックする

「新しい書式ルール」ダイアログ ボックスで「数式を使用して、書式設定するセルを決定」を選択

3. 「↑」をクリックする

「新しい書式ルール」ダイアログ ボックスで「↑」をクリック

4. 件名のセルを選択し、新しい書式ルール欄に条件式 (例では「=LEN($B$3)>30」) を入力、「↓」をクリックする

件名のセルを選択し、新しい書式ルール欄に条件式を入力し、「↓」をクリック

5. 「書式」をクリックする

「新しい書式ルール」ダイアログ ボックスで「書式」をクリック

6. 「フォント」タブで色を設定し、「塗りつぶし」タブで背景色を設定して、「OK」ボタンをクリックする

「セルの書式設定」ダイアログ ボックスの「塗りつぶし」タブ

7. 「OK」ボタンをクリックする

「新しい書式ルール」ダイアログ ボックスで「OK」をクリック

8. 条件付き書式が設定される

件名に条件付き書式が設定された稟議書

30 文字より多い文字が入力されると、書式設定が適用されるようになりました。

7. まとめ

文字数をカウントする際には LEN 関数が利用できます。また、LEN 関数と他の関数を組み合わせて、複数のセルやセルの中の特定の値の文字列のカウントもできます。さらに、文字数を制限したい場合に書式設定と組み合わせることで、帳票の注意喚起も可能です。

【参考】関連する関数

  • LEN 関数 文字列の長さを調べる。
  • LENB 関数 文字列の長さを調べる。ただし全角を 2 文字、半角を 1 文字として区別する。
  • SUM 関数 数値を合計する
  • LEFT 関数 先頭から指定した字数を返す。
  • FIND 関数 指定された文字列を検索し、先頭から数え、その番号を返す。
  • REPLACE 関数 指定された文字数の文字を別の文字に置き換える。

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