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店舗 DX とは? 企業が得られるメリット、AI を活用したマイクロソフトの事例を紹介

2023 年 7 月 24 日

ポストコロナによる生活様式の変化もあり、顧客ニーズは大きく変化しました。多様化する顧客ニーズに応えるため、多くの店舗で店舗のデジタル トランスフォメーション (DX) が必要になってきています。店舗 DX を推進することで、顧客が求めるニーズに応えるだけではなく、最新の顧客ニーズを的確に把握することもできるため、顧客満足度を常に向上させることが期待できます。店舗運用の省力化や無人化により、人件費の削減や人材不足の解消などのメリットも享受できるでしょう。

本記事では、店舗 DX を推進するメリットや必要性、またマイクロソフトにおける店舗 DX の事例を、紹介します。

1. 店舗 DX とは

店舗 DX とは、店舗におけるデジタル トランスフォーメーション (DX) を指します。店舗運営に伴うさまざまな業務に IT ツールやデジタル技術を導入し、新しい顧客体験の創出や業務プロセスの改善を目指す取り組みです。

近年では、インターネットや SNS の普及に伴い、あらゆる情報にいつでもアクセスできるようになり、顧客が求める商品やサービスが多様化しています。店舗を運営している企業は、さまざまな商品開発やサービス提供方法を検討し、顧客ニーズの変化に対応することが必要不可欠です。流行の移り変わりが急速に進む社会の中で競争に打ち勝つためには、デジタルを駆使して他店舗との差別化を図る必要があります。

1-1. 店舗 DX は 2 種類に分けられる

店舗 DX を進める方法には「店舗運用にかかる DX」と「店舗体験にかかる DX」の 2 種類があります。それぞれの特徴について解説します。

店舗運用にかかる DX

スマートフォンに表示されたバーコードを読み取り機器で読み取る様子

「店舗運用にかかる DX」の主な目的は、店舗業務の効率化です。たとえば、下記のような方法が挙げられます。

  • 会員カードの電子化、アプリ活用
  • キャッシュレス決済への対応
  • 電子荷札、セルフ レジによる省人化
  • AI カメラを活用した店内の動態分析、需要予測
  • これまで属人的に行っていた分析のシステム化

店舗運用を効率化できれば、店舗で働くスタッフの業務効率化に加えて、店舗を利用するお客様の利便性向上や満足度アップも実現できるでしょう。

店舗体験にかかる DX

スマートフォンでの買い物を表したイラスト

「店舗体験にかかる DX」の主な目的は、店舗そのものをオンライン化してお客様の利便性を向上させることです。たとえば、下記のような方法があります。

  • オンライン接客
  • VR、アバターなどを利用したバーチャル ショップ、ショールーム
  • 体験型ショップ

店舗の利用方法を増やし、利便性を高めたり、顧客に新たな購買体験を提供したりすることで、顧客満足度の向上につながります。

2. 店舗 DX の必要性

近年、店舗 DX を推進する店舗が増加しています。この章では、店舗 DX がなぜ必要なのか、解説します。

2-1. ビジネス環境の変化に対応する

2020 年からの新型コロナ ウイルス感染拡大の影響により、多くの業界で新たな生活様式に適したビジネス モデルを構築する必要がありました。また、インターネット通信やスマートフォンなどのモバイル端末の普及によって、EC サイトの利用率は上昇しており、従来のアナログ店舗の運営だけでは生き残れない時代です。こうしたビジネス環境の変化は今後も続いていく可能性が高いです。迅速に対応するため、店舗 DX の推進が求められています。

2-2. 他店舗との差別化を図り競争優位性を高められる

スマートフォンの普及に伴い、顧客のニーズは多様化しています。あらゆる顧客ニーズに対応するためには、他店舗との差別化を図り、競争優位性を高めなければなりません。店舗 DX を推進することで、オンライン/オフラインどちらの店舗においても、さまざまな形でサービスを提供でき、顧客ニーズの変化に応えられるようになります。

2-3. 店舗運営の課題解決につながる

店舗 DX によって、店舗の省人化、無人化などを実現できます。データを活用することで利便性が上がる業務は DX 化を推進し、親密な顧客対応が必要な業務などは人が対応することで、業務の分断と負担軽減が可能です。必要最低限の人数での店舗運営が可能となるため、多くの店舗が課題として挙げている人手不足を解消できるほか、人件費の削減にもつながります。また、売上情報や顧客情報などのデータを参照して、店舗運営の課題を把握したり、より良いサービスを立案したりするなど、人がやるべき業務に注力できる点もメリットです。

3. 店舗 DX の必要性が特に高い店舗の特徴

店舗 DX は、店舗の課題解決や売上アップにつながる点が最大のメリットです。しかし、自分の店舗で店舗 DX を進める必要があるのか、イメージできないケースも多いでしょう。この章では、店舗 DX の必要性が高い店舗の特徴について解説します。

店舗 DX を推進するべき店舗には、下記のような特徴があります。

  • 店頭対応での人的ミスが多い
    会員カードがアナログであるため、新規発行や再発行などを店頭で対応しなければいけない。対応時間が増加することで慌しくなり、ポイントの付け忘れなどの人的なミスが増えている。ミスに対する対応を適宜実施しなければいけなくなり、店舗運営やサービス向上に注力できない状況に陥っている。
  • 接客ミスなどの共有もれが発生している
    接客履歴を紙などで残しているため、従業員全体で接客内容を把握できない。共有漏れなども発生している。お客様に合わせたサービスが実施できなくなり、顧客満足度の低下に繋がっている。
  • 現場の改善業務が滞っている
    現場のデータや気づきなどを共有できる仕組みがないため、貴重な気付きがあったとしても店舗運営に有効活用できていない。業務の属人化が進み、専任の担当者が不在だと業務が滞ってしまう。
  • 社員の教育不足
    業務マニュアルの更新が追い付かず、社員教育がうまく進められない。社員一人一人の業務習熟度が向上しないため、サービスの品質が上がらない状態に陥っている。

逆に、下記のような特徴がある店舗は、店舗 DX の必要性が低いといえます。

  • 1 日の客数が限定されており、1 人 1 人に手厚いサービスを行える。
  • 2 ~ 3 人の少人数でも接客対応ができる小規模な店舗。

店舗 DX を進めるためには、まず店舗ごとに抱えている課題を明確にすることが重要です。課題を可視化することで、どのような対策が必要か、どのようなツールを活用するべきかを検討できるでしょう。

日本の現場 DX を進める Microsoft 365

現場で働く従業員のデジタル トランスフォーメーション
デジタル トランスフォーメーションを実現した現場で働く従業員

4. 店舗 DX を推進するメリットと注意点

店舗 DX の推進によって、店舗が抱えている課題を解決でき、さまざまなメリットを享受できます。この章では、店舗 DX を推進するメリットと注意点を解説します。

4-1. 「店舗運用にかかる DX」のメリット

「店舗運用にかかる DX」のメリットは、店舗業務の効率化により、ランニングコストの削減及び店舗サービスの向上による顧客満足度アップを実現できることです。

たとえば、会員カードの新規発行や再発行などに対応する時間が多い店舗の場合、POS レジや店舗専用アプリを導入すれば、物理的な会員カードを発行しなくてもポイントの付与を行えます。カードの新規発行や再発行などの手間がなくなり、顧客情報の管理もしやすくなるでしょう。また、人的なミスも起こりにくくなります。

また、顧客の接客履歴や購入状況などをデータ化すれば、紙による管理をなくせます。スムーズに分析を行えるようになり、店舗サービスの品質向上が可能です。他にも、キャッシュレス決済やセルフ レジを導入すれば、スピーディな会計を行えるようになります。会計の際に混雑しがちな店舗では、レジの待ち時間を短縮でき、顧客満足度アップにつながるでしょう。

4-2. 「店舗体験にかかる DX」のメリット

「店舗体験にかかる DX」の主なメリットは、顧客の利便性向上や負担軽減につながる点です。

たとえば、EC サイトにオンライン接客を導入することによって、店舗にわざわざ足を運ばなくても店員と相談しながら商品を選べるようになります。オンライン接客の導入によって、顧客は少ない負担で満足度が高い買い物を楽しめるようになるでしょう。

4-3. 店舗 DX を推進する上での注意点

店舗 DX を進めるためには、ツールやアプリケーションの導入費用やランニング コストなどが必ず発生します。店舗の経営状況や予算などを考慮し、費用対効果が高い施策から取り組まなければなりません。店舗の状況によっては、成果が出るまでに時間がかかるケースもあることを認識しておきましょう。

また、ツール導入後には、予測していた効果を得られているかの検証も必要です。ツールの導入前と導入後の状況を比較し、顧客の利便性向上につながっているか、店舗の業務効率化を実現できているかを把握しましょう。

5. マイクロソフトにおける店舗 DX の事例

日本国内でも、店舗 DX に取り組む企業が増加しています。この章では、マイクロソフトにおける店舗 DX の事例を紹介します。

5-1. ローソンと日本マイクロソフト、AI やデータを活用した店舗 DX で協業

ローソンの店内に設置されたカメラやマイク

日本マイクロソフトと株式会社ローソンは、神奈川県内の 4 店舗で、店舗運営を支援する AI (店舗運営支援 AI) を活用した実験を開始しています。ローソンでは、POS の売上データや会員カードのデータ化など、これまでに様々な施策を実施してきました。

今回の実験では、売場の通過人数やお客様が滞留している時間、商品の購入率などのデータを、カメラやマイクで取得し、POS の売上データなどと合わせて分析する取り組みを行いました。分析したデータを参考にして各店舗の売場を改善し、お客様にとって利用しやすい売場の実現と、店舗の利益向上を図ることが主なねらいです。

「店舗運営支援 AI」を活用し、データに基づいた検証を行うことで、よりスピーディに自律的な店舗運営に取り組めるようになります。

参考:
ローソンと日本マイクロソフト、AI やデータを活用した店舗のデジタル トランス フォーメーションにおいて協業

5-2. 店舗 DX を進められるマイクロソフトのソリューション

マイクロソフトでは、店舗 DX の促進に役立つさまざまなソリューションを提供しています。ここでは、「Microsoft Teams」と「Microsoft Stream」を紹介します。

Microsoft Teams

Microsoft Teams のアイコン

Microsoft Teams とは、メンバーとのチャット機能や、資料を共有する機能、通話やビデオ会議を開催する機能など、幅広い機能を搭載するソリューションです。モバイル版のアプリも提供されており、過去のやり取りなどの必要な情報をスムーズに検索できる点が特徴です。

Microsoft Teams を活用することで、現場での気付きや顧客からのクレームなどを即座に店舗や本社と共有できます。情報共有の効率化により、必要な対策をすぐに立案できるため、課題の早期解決や顧客満足度アップにつながるでしょう。また、接客内容を Teams で連携しておけば、店員が共通認識を持って顧客に適した接客を行えるようになる点もメリットです。

Microsoft Stream

Microsoft Stream のアイコン

Microsoft Stream とは、コミュニティ内で動画配信やライブ配信ができるソリューションです。たとえば、業務マニュアルの更新が追い付かず、社員教育がうまく進められない店舗での活用がおすすめです。スピーディなマニュアル更新、社員教育が可能となります。

Stream は、テキストや描画などを用いて、わかりやすいマニュアル動画を作成できる点が魅力です。Microsoft Teams での会議を録画して、空き時間にさまざまなデバイスで視聴することもできます。Stream を導入すれば、社員教育をスムーズに進められるでしょう。

参考:
日本の現場 DX を進める Microsoft 365
Microsoft Stream

6. まとめ

顧客が求める商品やサービスが多様化している背景もあり、各店舗において店舗 DX の推進が求められています。店舗 DX を推進できれば、サービスの品質向上や従業員の負担軽減、顧客満足度アップ、利便性向上など、さまざまなメリットを得られるでしょう。

店舗によって抱えている課題は異なるため、目的に合わせて適切なソリューションを選定する必要があります。「Microsoft Teams」と「Microsoft Stream」は、Microsoft 365 F3 に搭載されているソリューションです。店舗 DX を推進するために、ぜひ導入をご検討ください。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

デジタル トランスフォーメーションを実現した現場で働く従業員

日本の現場 DX を進める Microsoft 365

現場で働く従業員のデジタル トランスフォーメーション

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