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リモート ワークで変わるハイブリッド ワーク時代のオフィスの役割

2022 年 1 月 11 日

コロナ禍の中で定着したかのように見えたリモート ワークですが、感染者数が落ち着き、原則出社の企業も増加しつつある今、リモート ワークと出勤を合わせた「ハイブリッド ワーク」に注目が集まっています。この新しいワーク スタイルが定着しつつある今、果たしてオフィスの役割はどのように変わっていくのでしょうか。

1. ハイブリッド ワークとは?

まずはハイブリッド ワークの定義と、導入企業の例を確認したいと思います。

1-1. リモート ワークとオフィス ワークを自由に選択

ハイブリッド ワークは、リモート ワークとリアル出勤によるオフィス ワークを組み合わせた働き方を指す言葉です。ポイントは、あくまで会社側の都合ではなく、あくまで従業員が自分の都合に合わせて出社、もしくは在宅を含めた柔軟な働き方を選択できる点にあります。従業員の都合というのは、様々な理由があります。たとえば、育児や介護などにより毎日の出社が難しい場合に、在宅ワークを選択したいと考えるのも当然です。

ワーケーションのように、オフィスや自宅からも遠く離れた郷里や観光地で仕事をしたいと思うときもあるでしょう。もちろん、仕事上、どうしてもお客様と面談しなくてはならない、あるいは顔を合わせたミーティングをしなくてはならないなどの制限もあるかと思いますが、自分できちんとスケジュール管理をすれば良いでしょうし、そもそもそれらのミーティングもリモートで実施することも可能です。とにかくこのようにリモート ワークとオフィス ワークどちらか一方だけを選択するのではなく、その両方を組み合わせながら働く場所を自由に選択できるのがハイブリッド ワークの定義となります。

1-2. 企業によって基準が違う

リモート ワークとオフィス ワークを使い分け、自分らしく働くことを可能とするハイブリッド ワークですが、企業によっては、最低限の出勤日数が定められていたり、全員出社日が設けられているケースもあります。あるいは給与体系が変わったりする場合もあるので、新しく制定されたハイブリッド ワーク制度を活用する場合、改定された従業員規定などに目を通したり、人事部門に確認を入れたほうが良いでしょう。

ノート PC のキーボードを操作する手元

1-3. 海外のハイブリッド ワーク導入事例

日本では、ようやく認知が広がってきたハイブリッド ワークですが、リモート ワーク同様、欧米諸国、特にアメリカでは先進的企業の間ですでに導入が進んでいます。米マイクロソフト社は、2021 年 3 月 2 日、“Hybrid work is here. Are you ready?”というメッセージを公開し、その中に「ハイブリッド ワーク」への言及がありました。それによると、マイクロソフトは「ハイブリッド」こそが、これからの働き方だと確信していると明言。従業員は勤務時間の 50% まで在宅勤務が可能とし、従業員がハイブリッドに働ける環境や制度を整えています。また「多くの組織が柔軟な働き方に関して本腰を入れている」と述べ、先進的企業の事例として「Twitter」社、「Dropbox」社、「Spotify」社の名を挙げています。

2. ハイブリッド ワークに最適なオフィス設計

コロナ禍のリモート ワークにはじまり、感染者数が落ち着いたのちに、出社したいと考えるようになった社員と、継続的にリモート ワークを続けたいと考える社員の、その両方を満足させる制度として注目を集めるハイブリッド ワーク。その変化の過程の中で課題になっているのがオフィスの再設計です。

マスクをして打ち合わせをする 3 人のビジネスパーソン

2-1. ハイブリッド ワークに適したオフィスとは?

従来の出社メインのオフィスから、強制的にリモートが主流となり、“オフィス縮小”一辺倒の流れになりました。極端な話、IT ベンチャーを中心に大規模オフィス解約や移転が進み、「オフィス不要論」まで生まれました。しかし、ハイブリッド ワークの時代がやってきて、出社する社員、しない社員が混在する組織となった今、このスタイルに適していて、なおかつ無駄のないオフィスとはどういうものなのかについて、改めて考え直す機会がやってきたということです。

2-2. Activity Based Working とは?

コロナ以前から、大企業のオフィスには、様々な目的別スペースが用意されていました。打ち合わせをする、一人で集中するなど、アクティビティに合わせた場が選べるオフィスを欧米では、「Activity Based Working (アクティビティ・ベースド・ワーキング)」と呼びます。いわゆる日本語で“万能型オフィス”と表現されるものがこれです。
ところが、コロナ禍が拡大することで、ひとつのオフィスの中に、すべての機能をそろえる必要がないという考え方が生まれました。現にオフィス以外の場所、カフェやコワーキング、サテライト オフィスで仕事をした方が集中できる、リラックスできるという人も多くいると思います。

2-3. オフィスでしか実現できない仕事

オフィスでしか実現できない仕事、機能というものはどのようなものでしょうか。ざっと思い浮かぶものとしては、捺印や承認が必要な手続き、社内で保管している書類の閲覧などがあげられると思いますが、こういった類のペーパー ワークは徐々になくなっていきます。電子帳簿保存法が適用され、電子印鑑も定着しつつあります。Microsoft Teams に代表されるグループウェアを活用すれば、これらの情報共有はデジタルに置き換わっていきます。報告や相談、会議もすでにオンラインで可能です。これらの事務的な仕事はすでに出社せずとも可能になっていきます。

2-4. クリエイティブの場となるオフィス

では、実際にオフィスで顔を合わせたほうが良いと思われる業務とはどのようなものでしょうか。プロジェクトのキックオフやアイデアを持ち寄ってのブレストについては、オンラインには不向きだという声もあがっています。Web 会議では相手の表情やリアクションが見えづらいといった不満を抱く人もいます。Web 会議では声がかぶると聞きづらくなるので、リアルな場と比べても議論が活発になりにくいといわれています。やはり活発な議論があり、人が交わって初めて何かを生み出すことができる、オフィスはそんなクリエイティブの場であると考えられます。

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3. オフィスに求められる多様な機能

オフィスは、業務を行う場所としての機能だけでなく、他にもさまざまな機能があります。

3-1. 帰属意識を醸成する場

オフィスはただの「働く場所」ではありません。従業員の帰属意識を醸成したり、コーポレート ブランディングや採用を行ううえでシンボリックな役割を担う場所でもあります。リモート ワークが中心になると、どうしても組織に対する帰属意識は薄れますが、自分たちが誇りを持てるような形あるオフィスに足を踏み入れることで、“この場所は特別な場所だ”と思えることがあります。特に名のある大手企業に勤務し、愛社精神にあふれる人ほどそういった傾向が強くなります。

3-2. ブランディングを目的とした場

コーポレート ブランディングの目的を満足するオフィスとはどういうものでしょう。最近、スタートアップの企業でも、しっかりエントランスにロゴを掲出したりしていますが、これもスタートアップながら、ブランディングの観点から重要視している事項の一つです。表から見える顔の部分は非常に重要です。またエントランスからお客様を招き入れる応接室までの空間づくりも重要。ある意味で、執務室は多少、乱れていても良いです。そういった対外的な空間は、小さいながらもその会社の社会的イメージを発信するうえで重要な場所といえます。

3-3. プロモーションに使用する場

オフィスはプロモーションに使用する場でもあります。商品やサービスをアピールしたり、会社の歴史、風土、実績、商品、イメージなどを伝える場でもあります。ショールームとして、あるいはセミナーや講座、イベント開催の場として活用します。やはりオンライン展示会やセミナーでは伝わらない部分も多々あるので、プロモーションを見据えたオフィスはこれから注目を集める可能性が高いです。

3-4. ミッションやビジョンを共有する場

またオフィスは共通認識を醸成する場でもあります。ミッションやビジョンなど、目に見えない“思い”を共有するには、やはりリアルな場は重要です。文字に書けば済むという人もいますが、腹落ちさせて深い理解を促すためには、直接話しかけ、反応を見ながら共感を作っていく、同じ空間にいなければ醸成できないものがあります。こういった理念を理解、共有しないままにリモート ワークに突入しても、共通言語や共通認識がないため、コミュニケーションがうまくいかなくなります。もはやオフィス、“仕事をする”スペースというより、社員が集まり、意識を共有する場となっているといえます。

3-5. 交流を深めるための場

ハイブリッド ワークに移行し、バー カウンターやカフェ スペースなどを用意するオフィスが増えています。海外でも安全性を確保しながら社員同士の交流が図れる空間を用意する企業もあるようです。こういったソーシャル エリアで、安心して社員同士が対面交流することが可能になります。これは帰属意識醸成と福利厚生の両方の面を考慮した取り組みのようで、リモート ワークが中心となることで薄れた会社への愛着やチームメンバーとの交流を埋めようという考えが根底にあります。

4. 次世代のオフィスに導入すべき仕組みやツール

ハイブリッド ワークに適したオフィス環境を実現するために導入すべき仕組みやツールは?

4-1. フリー アドレス

一時期流行して、一旦廃れかけていたフリー アドレスに再び注目が集まっています。フリー アドレスは固定のデスクを持たず、社内に点在するデスクやスペースを自由に使えるという制度ですが、結局、荷物が多い人が特定の場所を占有したり、事務用品や書類などを固定設置できないという問題があり、通常の“島”に戻す企業も多くありました。しかし、コロナ禍を経験し、出勤者が減った段階で“島”の存在価値が薄れ、人数分のデスクを用意する意味がなくなりました。このような背景から再び注目を集め始めたフリー アドレスですが、上記のような問題に立ち返らないためにも、資料のペーパー レス化などを同時に進める必要があります。

4-2. コミュニケーションを活性化するグループウェア

テレワークを行う社員が増えると、どうしても対面でのコミュニケーションが減少してしまいがちです。また、出社している社員と出社していない社員が同時に出席する必要がある会議もあるかと思いますが、メンバーが混在していると調整も難しくなります。やはりチャットやグループウェアなどを活用した情報共有は不可欠です。

多くのビジネス パーソンが、海外拠点やパートナーとのミーティングに、「Microsoft Teams」を活用しています。「Microsoft Teams」は、Microsoft のサブスクリプション サービス「Microsoft 365」に含まれるグループウェアです。「Microsoft Teams」にはチャット・通話機能の他、ビデオ会議機能、ファイル共有機能、Office アプリとの連携機能があります。コロナ禍の影響もあってか、Teams の利用者は急増しています。日本マイクロソフトによれば、日本国内における「Microsoft Teams」利用者数は、1 億 4500 万人にのぼり、日経225 の 94% にあたる企業が利用しています。

「Microsoft Teams」を活用すれば、スピーディな情報の共有はもちろん、メンバーのスケジュールやタスク管理、ファイル共有などが容易に可能となります。「Microsoft Teams」がよく利用される理由は、いくつかありますが、まずその操作性があげられます。相手を招待するにはリンクを送るだけ。受ける側もリンクをワンクリックするだけで参加が可能。すぐに会議をスタートできます。やはり圧倒的な知名度のある Microsoft 社製品なので、多くのグローバル ビジネス パーソンにとってポピュラーなツールである点が大きいです。

4-3. オフィスの進化は不可欠

最近は、リモート ワークやハイブリッド ワークを導入している企業への転職を希望する求職者が増加傾向にあります。裏を返せば、企業側がハイブリッド ワークを制度として導入すれば、新しく優秀な人材を採用できるようになるということです。今時、リモート ワークを導入していない会社は、時代の変化に対応できない会社という印象を与えがちですし、そもそも人材を大切にしない会社と思われてしまいます。ハイブリッド ワークに適したオフィスであることをアピールすれば、間違いなく先端企業として認識され、それは対外的に好印象を与えることになるのです。

リモートワーク・ハイブリッドワークに適した環境設置のために

リモートワーク・テレワーク・在宅勤務環境を安全・快適に実現するためには、「セキュリティの確保」「Web 会議のためのデバイス選択」「グループワークのためのアプリケーション」など検討する課題も多く、またこれらを潤沢な資金で準備するのではなくコスト削減につなげることが大切です。

これらの達成のための Microsoft 365、Excel の使い方や、リモートワーク・ハイブリッドワーク環境を充実させるために以下の記事が参考になります。

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