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2023/12/18

時代に合致したコラボレーションを促す働き方を実現すべく、野村ホールディングスがグローバルで進める、Microsoft 365 導入プロジェクト

1925 年、わずか 84 人でスタートし、2025 年には創立 100 周年を迎える野村グループ。現在では世界 30 以上の国や地域に拠点を持ち、90 に及ぶ国籍を持つ、約 27,000 人が集まるグローバルな組織へと成長し、金融業界で大きなプレゼンスを発揮しています。

同社は、新型コロナウイルス感染拡大による世界的な環境の変化を踏まえ、野村グループ横断的なプロジェクトとして新たに「Nomura Ways of Working」をスタート。カルチャー、ピープル、ワークプレイス、テクノロジーといった側面から、同グループの社員が時間や場所の制約に縛られることなく、最大限のパフォーマンスを発揮してもらうことを目的としたイニシアチブです。

中でもテクノロジーという側面において、同グループで今まさに進められているのが、 Microsoft 365 のコミュニケーション ツール Microsoft Teams によるコラボレーション・働き方の改革です。その裏には、厳しいコンプライアンスが求められる金融業界特有の規制や、グローバルに広がり、異なるルールで動く部署間の統合を乗り越えるための、マイクロソフトのチームとの緊密なコラボレーションがありました。

Nomura Holdings

新型コロナによる外部環境の変化から、働き方改革を推進

新型コロナウイルスの影響によって、感染防止のためにリモート ワークやハイブリッド ワーク、ビデオ会議が急速に普及し、人々の働き方や生活様式は大きく変わりました。野村グループもその例外ではなく、グループ横断的な改革が必要になったと語るのは、野村證券株式会社 ITインフラストラクチャー部 部長の亀倉 龍 氏です。

「新型コロナウイルスを契機とし、当グループでもグループ横断的にビジネス プロセス再構築の必要に迫られました。リモート ワークやハイブリッド ワークというと、これまでは IT 部門がやるものという認識が主流でしたが、それらはビジネス プロセスの変革と両輪で進めることで初めて価値を生みます」(亀倉 氏)

同グループのビジネスは大きく個人顧客向けの営業部門、機関投資家向けのホールセール部門、資産運用サービスを提供するインベストメント・マネジメント部門に分かれており、パンデミック前はホールセール部門を中心に、PCへのリモート アクセスなど、社外から働く仕組みは部分的に存在していたものの、誰もがビデオ会議に参加できる仕組みを整備したのはコロナ禍以降だといいます。

「働き方を変えるような新しいツールを社内に効果的に定着させるには、地域や組織の垣根を超えた全社的な賛同が必要となります。そのため、現在はグループ横断的にデジタル教育やトレーニングを進めており、これは当社が掲げる『Nomura Ways of Working』の根幹となる 1 つの施策でもあります」(亀倉 氏)

同グループが進めるデジタル教育施策として、2021 年には全世界の社員を対象とした e ラーニング・プログラム「デジタル IQ」が立ち上げられ、Nomura Ways of Working が目指す新しい働き方とコラボレーションの実現に向けたテクノロジーの活用が進められています。

2022 年 4 月には、グループ CEO の奥田 健太郎 氏によって野村グループ全体で利用するテクノロジーの標準化も掲げられ、ビジネス部門間の垣根なく統合された同じテクノロジーを導入する機運が高まっている、とも亀倉 氏は説明します。そのひとつが、Microsoft 365 のグローバルな導入による変革でした。

異なるルールで動く組織を統合する難しさを、マイクロソフトとの協働で乗り越えた

野村グループにおける Microsoft 365 の導入プロジェクトが始まったのは、約 2 年前にさかのぼります。最大の課題は技術的な側面というよりも、グローバルに広がり、かつ独立したルールで動いている異なるビジネス部門およびグローバル拠点間の調整でした。

金融という規制の厳しい環境でビジネスを行う同社では、コンプライアンスの遵守はこうした新しいツールを導入する際には必要不可欠であり、そこには多くの困難があったと語るのは、Nomura International PLC Group Infrastructure Services Co-Head Workspace Services の Ian Dobson 氏です。

「この導入プロジェクトは、複数ビジネス部門間またがったIT組織間で協働する初のプロジェクトでした。そのため、当グループのワークスペースとインフラ サービスを担当するチームは、Microsoft 365 による業務・コミュニケーション ツール統合のため、さまざまな要件を持つ多くのステークホルダーと連絡を取り、調整する必要がありました。それは非常に困難な道でしたが、既存のカルチャーを変え、会社を成長に導くためには不可欠だったのです」(Ian 氏)

続けて、同グループのビジネスにおける本プロジェクトの意義について、野村證券株式会社 Group Infrastructure Services Co-Head Workspace Services の Alexander Murray氏が語ります。

「Microsoft 365 と、それに含まれる Teams は、導入以前から多くの社員が求めていたツールでした。これらを活用することで、実際のビジネスにおける多くの課題を解決できるということは明らかでしたので、本プロジェクトを成功させることは我々の使命だと感じていました」(Murray 氏)

同グループのプロジェクト チームは、こうした大規模な調整において日本、イギリス、アメリカでのマイクロソフトとのグローバル パートナーシップを活用し、Microsoft Consultancy Services のチームと緊密に連携。業界内の規制と社内の複雑な要件に対応するため、国を超えた連携が不可欠だったと、Nomura International PLC Group Infrastructure Services Head of Programme Management である Murray Dunlop 氏は話します。

「このプロジェクトでは Microsoft Consultancy Services と緊密に連携を取りました。特に重要だったのは、高度な規制が必要な環境におけるコンプライアンスと、部門間の統合という課題をどのように解決するかということでした。マイクロソフトは、私たちのエンジニアリング チームに専門知識を提供し、設計や技術文書の作成を支援してくれました」(Dunlop 氏)

導入における複雑さの一方で、社員のマイクロソフトのサービス自体への期待値は驚くほど高かったといいます。たとえば、インベストメント・バンキング部門では社外顧客とのビデオ会議機能、その他の部門では社内チャットやコラボレーション ツールに関心が集まっていました。

実際に、Microsoft 365 の導入後は、おもに Teams を活用することでコラボレーションの質、量が向上したと、Nomura Securities International, Inc. Group Infrastructure Services Workspace Engineering Head である Andre John 氏は強調します。

「以前はコラボレーションといえば、基本的にはファイルや画像を共有したり、文書への赤入れやハイライトを入れたりすることでした。しかし、現在ではリアルタイムでの共同執筆や共同作業が行われるようになっています。マイクロソフトのサービスは、組織全体におけるチームのコラボレーションのあり方を確実に変えているのです」(John 氏)。

これらすべての基盤となる同グループ社のデータ管理は、オンプレミスとクラウドを組み合わせ、金融業のセキュリティ要件と効率的な処理の間でバランスを取って運用されています。金融業におけるセキュリティ要件は厳しいと言えど、近年は金融業によるクラウド利用も可能になっていると Murray 氏は説明します。

「セキュリティ要件に対する認識は、金融業界や規制当局の間でも変化しつつあります。適切なセキュリティ プロトコルが導入されている限り、データをクラウド上で処理することに寛容になってきているのです。マイクロソフトのセキュリティ機能は国や地域によって例外はあるものの、規制当局にはよく理解されており、我々のコンプライアンス・セキュリティ チームや経営陣も我々がマイクロソフトを選んだことにかなり満足していると思います」(Murray 氏)

グループ横断で統合を進め、100 周年を迎えるために

現在、野村グループのインフラ チームは、Microsoft 365 を、地域や部門ごとに最適な形で展開し、既に数千名の社員をオンボーディングしているといいます。

亀倉 氏は、Microsoft 365 の定着や活用に向けた取り組みについて、次のように語ります。

「今回のプロジェクトで整備したコミュニケーション インフラは、オンラインでのワークショップやトレーニングの拡充にも貢献しています。参加者は、距離や時間の制約を超えて、知識やスキルの習得効果を最大化できるようになりました。マイクロソフトの製品やプラットフォームを利用して、こうした活動を続けていくことを期待しています」(亀倉 氏)

同グループ内での Microsoft 365 および Teams の普及においてユニークなのは、グローバルで数百人規模に及ぶエバンジェリスト コミュニティを構築していることです。若手社員からマネジメント層まで幅広いメンバーが参加する「チェンジ・リード」と呼ばれるこのコミュニティの目的は、グループ各社内に新しいアイデアやビジネス プロセス、働き方を啓発していくことです。

Ian 氏は、チェンジ・リードはマイクロソフトのサービスの特徴や機能を知ってもらうための重要な役割を担っていると強調します。

「彼らは各社内でツールにアクセスする最初のビジネス パーソンであり、カジュアルに誰かのデスクに出向いて、リアルタイム翻訳や各種プロセスの自動化、新しいコラボレーション機能を試したかどうかを尋ねることができるのです」(Ian 氏)

また、Microsoft 365 の展開と並行して、同グループはクライアント PC を従来のデスクトップ環境から、ラップトップをより重視する方向へと移行しています。このことは、今回のプロジェクトがグループのカルチャーやワークスタイルに大きな影響を与えたことを意味しています。

社員がノートPCを手に、世界中どこからでもコラボレーション スペースにアクセスし、常に良好なコミュニケーションを図れるよう、さらなる環境の整備が必要となります。

今後は、Exchange Online、OneDrive、SharePoint や Yammer など、マイクロソフトの他の製品の活用も見据えている野村グループ。2025 年に創立 100 周年という節目を迎える同社は、これからどのような変革を見せてくれるのでしょうか。

“働き方を変えるような新しいツールを社内に効果的に定着させるには、地域や組織の垣根を超えた全社的な賛同が必要となります。そのため、現在はグループ横断的にデジタル教育やトレーニングを進めており、これは当社が掲げる「Nomura Ways of Working」の根幹となる 1 つの施策でもあります”

亀倉 龍 氏, ITインフラストラクチャー部 部長, 野村證券株式会社

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