Build 2021 での Azure Stack HCI に関する新しい発表
本ポストは以下のブログ記事の翻訳です。
Build 2021 での Azure Stack HCI に関する新しい発表 – Microsoft Tech Community
2021 年 5 月 25 日、午前 8 時 33 分発行
Microsoft Build にて、Azure Stack HCI によって Azure Arc 対応ハイブリッド インフラストラクチャの運用を支援する新しい方法をアナウンスしました。これには、Azure Kubernetes Service (AKS) の一般提供、オペレーティング システムのまったく新しいプレビュー チャネル、マルチクラスター監視のための Azure Monitor Insights (プレビュー)、新しい地域での提供開始、柔軟性が向上した無料トライアルなどが含まれます。それらについて見ていきましょう。
Azure Kubernetes Service の一般提供
最大のニュースは、Satya Nadella が基調講演で述べたように、Azure Stack HCI 上の AKS が一般提供 (GA) になったことです。IT チームや運用チームは AKS を活用することによって、モダンなコンテナー ベースのアプリ (Azure Arc enabled Serviceなども含む) と従来型の仮想化アプリを Azure Stack HCI 上でサイド バイ サイドで実行できます。Azure パブリック クラウドと同じプッシュ ボタン式の Kubernetes エクスペリエンスが提供されます。GA は、AKS を実稼働で使用する準備ができたことを意味します。マイクロソフトは、フィードバックに応じて多くの改善を行いました。Azure サポートは技術的な支援を提供する準備ができており、標準料金による課金がまもなく開始されます。
Ben Armstrong の AKS のリリースに関するブログをお読みください >>
Azure Stack HCI 上の AKS に関するドキュメント >>
無料トライアルの期間を 60 日間に延長
インフラストラクチャを購入する場合、事前に徹底的に評価する必要があります。そのため、Azure Stack HCI では無料トライアルを提供しています。評価が確実に成功するように、新たな変更をいくつか発表します。第一に、30 日間のトライアル期間を倍の 60 日間にします。第二に、クラスターを登録した時点からトライアル期間が開始されるようにします。したがって、初期設定を急いで終わらせる必要がなくなります。ご自身のペースで、環境でのラックとケーブルの設置、ネットワークの構成、ソフトウェアのインストール、クラスターの作成を行うことができます。その後、登録を行い、ワークロードの作成または移行を開始し、60 日間すべてを使用して、Azure Stack HCI が要件を満たすかどうかテストいただけます。
これらの変更は、2021 年 5 月 3 日以降、世界中の現在と将来のすべてのトライアルに適用されます。たとえば、クラスターを既に登録していて、無料期間が 7 日間残っていた場合は、この変更の適用によって残り期間は 37 日間になります。クラスターをまだ登録していない場合、登録すると、無料トライアルは 60 日間として自動的に開始されます。
中国で提供開始
一般提供後の最初の 6 か月、世界中で膨大な量の Azure Stack HCI の需要が発生しました。マイクロソフトのチームは、より多くの地域でサービスを提供できるよう尽力しており、今月、大きな一歩を踏み出します。Azure Stack HCI が Azure China で一般提供となります。中国にお住まいの場合、azure.cn から Azure Stack HCI をダウンロードし、中国東部 2 リージョンにクラスターを登録することによって、60 日間の無料トライアルなど、Azure Stack HCI のすべての利点を活用できるようになります。Azure Stack HCI 用の統合システムは、中国では Lenovo と Dell から入手できます。また、このシステムは、多数の地域パートナーからの検証済みノードに加えて、最善の技術的アドバイスとソリューション サポートを提供する強力な現地拠点によって支援されます。
Windows Server 仮想マシンの便利なアクティブ化
Windows Server は、Azure Stack HCI で最も広く使用されているゲスト オペレーティング システムです。2021 年 6 月の累積的な更新プログラム以降、Azure Stack HCI で、Hyper-V の人気機能である Windows Server 用の仮想マシンの自動ライセンス認証 (AVMA) がサポートされます。Windows Server 2019 Datacenter Edition のライセンス認証キーを既にお持ちのお客様は、Windows Admin Center または PowerShell を使用して、Azure Stack HCI ホストにそれらのキーを直接入力できます。Windows Server を実行する仮想マシンはホストからライセンス認証を自動的に継承するため、VM ごとに個別にプロダクト キーを管理する必要はありません。
プレビュー チャネルの発表
Azure Stack HCI の新機能を確認するための新しい手段であるプレビュー チャネルを発表しました。
プレビュー チャネルは、Windows Insider Program に似ていますが、Azure Stack HCI のためのものです。2021 年 6 月の累積的な更新プログラム以降、セカンダリ (非実稼働) クラスターをプレビュー チャネルに参加させてフライティングを開始できます。参加後、クラスターは Over-the-Air 更新として Azure Stack HCI のプレリリース ビルドを受け取ります。これは、クラスター対応更新を使用してロール アウトできます。これは、マイクロソフトにとって画期的な出来事です。初めて、サーバー製品でフライティングを有効にしたからです。
プレビュー チャネルに参加するには、Windows Admin Center または PowerShell を使用します。
プレビュー チャネルに参加して、いち早く Azure Stack HCI の 21H2 機能更新プログラムをお試しください。クラスター化された仮想マシンの GPU サポート、ネットワーク ATC を使用したインテント ドリブン ネットワーク構成、世代混在ハードウェアを使用したクラスターのための新しい動的 CPU 互換モード、記憶域スペース ダイレクトのシン プロビジョニングなど、大いに期待される機能が備わっています。
プレビュー チャネルは評価とテストのみを目的としています。Azure Stack HCI に対しては課金されません。クラスターは実稼働サポートの対象ではなく、バグ、クラッシュ、セキュリティの脆弱性、データ損失が発生する可能性があります。Azure Portal で「Azure Stack HCI プレビュー」のサポート トピックを使用して、プレビュー チャネルへの参加、21H2 機能更新プログラムのインストール、新機能の評価に関する経験をフィードバックとして共有してください。
ドキュメント: Azure Stack HCI プレビュー チャネル >>
Azure Monitor Insights for Azure Stack HCI (プレビュー)
小売、製造などの業界では、ますます多くの Azure Stack HCI がエッジにデプロイされています。これらのお客様には多数の拠点があり、それらの拠点を 1 つの画面で一元的に監視する必要があります。そうしたことから、本日、Azure Monitor Insights for Azure Stack HCI を発表することになりました。この機能は、最初はプレビュー チャネル内のクラスターに対してのみ使用できます。Azure Monitor Insights は、21H2 機能更新プログラムで追加された Azure Arc 統合に基づいて構築されているため、Azure Portal から離れずに設定できます。
マルチクラスター ダッシュボードには、ホスト ノード、仮想マシン、ボリューム、およびドライブのステータス、コンピューティング、メモリ、およびストレージの消費、パフォーマンス メトリックなど、クラスターの正常性の概要が示されます。これは、Windows Admin Center が提供する同じ基礎データですが、一度に 500 のクラスターにスケールアップできるように設計されています。
このソリューションは Log Analytics および Azure Monitor ブックに基づき構築されているため、拡張性があります。追加のログやメトリックを収集でき、独自のダッシュボードをカスタマイズできます。皆様の組織でどのビューが最も便利だったかを教えてください! 下にコメントを入力するか、Azure Portal の「Insights for Azure Stack HCI」のサポート トピックを使用してください。
ドキュメント: Azure Monitor Insights for Azure Stack HCI >>
本日はここまでです
本日の発表は、すべてのサブスクライバーのために、定期的な更新および新機能によって Azure Stack HCI が時間の経過とともに改善されていく様子を示す例です。今後数か月で、より多くの新機能、新リージョン、新ソリューションを期待できます。また、21H2 機能更新プログラムがプレビュー チャネルから一般提供に移行することも期待できます。
レドモンドのチームを代表して、Azure Stack HCI を選んでいただいたことについてお礼を申し上げます。
マイクロソフトは、将来のロードマップを具体化するために皆様のフィードバックを頼りにしています。ぜひ今後もフィードバックをお寄せください。