清水 教弘, Author at マイクロソフト業界別の記事 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog Thu, 11 Jul 2024 04:20:55 +0000 en-US hourly 1 日本マイクロソフト主催 製薬業界向け AI 活用推進セミナー〜生成 AI が導く、ヘルスケア・製薬におけるイノベーションの加速〜 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/health/2024/07/09/healthcare-pharmaceutical-seminar-0528/ Tue, 09 Jul 2024 07:45:47 +0000 2024 年 5 月 28 日に、日本マイクロソフト品川本社においてヘルスケア・製薬業界向けの AI 活用推進セミナーが開催されました。

日本マイクロソフトの AI ソリューション紹介に始まり、先進企業の取り組み、そしてパートナー企業によるソリューション発表で構成された本セミナーには多くの来場者が詰めかけ、ヘルスケア・製薬業界における生成 AI の注目度の高さを改めて実感する機会となりました。

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2024 年 5 月 28 日に、日本マイクロソフト品川本社においてヘルスケア・製薬業界向けの AI 活用推進セミナーが開催されました。

日本マイクロソフトの AI ソリューション紹介に始まり、先進企業の取り組み、そしてパートナー企業によるソリューション発表で構成された本セミナーには多くの来場者が詰めかけ、ヘルスケア・製薬業界における生成 AI の注目度の高さを改めて実感する機会となりました。



「マイクロソフトの製薬業界における取組と最新ソリューションについて」

日本マイクロソフト株式会社
医療・製薬営業本部長
清水 教弘

日本マイクロソフト株式会社 清水 教弘の発表の様子

オープニング セッションには日本マイクロソフト株式会社 医療・製薬営業本部長の清水 教弘が登壇。

まず、早期発見や創薬の促進といったアンメット メディカルニーズへの取り組みによって新たな価値創造を目指す製薬業界においては、PHR や RWE(リアルワールドエビデンス)を支える AI の活用が重要なポイントとなることを示します。

患者さんにサービスを提供するにおける、統合的な連携/分析プラットフォーム

そして清水は、生成 AI の活用事例として、Copilot による医療安全管理マニュアルからの情報の抽出と ChatGPT によるデータ構造の統一化を紹介。膨大な資料からのデータの検索や、医師の診断メモやウェアラブルデバイスで計測されたバイタルデータの FHIR 形式への変換など、身近な領域で生成 AI 活用が進んでいることが示されました。

続いて 5 月 27 日に日本マイクロソフトがリリースした「製薬企業向け Copilot for Microsoft 365 プロンプト集」が紹介されました。さまざまな職種で使える生成 AI のプロンプト例が掲載されており、日本マイクロソフトのホームページからダウンロードできます。

Copilot for Microsoft 365 活用シナリオ・プロンプト集 – 製薬業界のビジネスを加速する生成AIの活用法 – マイクロソフト業界別の記事

製薬企業向けCopiplt for Microsoft 365プロンプト集

清水は「創薬から臨床、製造、マーケティングまでさまざまな領域で、生成 AI が皆さまの業務を支援できると強く信じています。ぜひ生成 AI 活用を一緒に進めていきたいと考えています」と呼びかけて、オープニング セッションを終了しました。


「AI の価値ある取り組み方を成功させるためのノウハウ」

日本マイクロソフト株式会社
マイクロソフトテクノロジーセンター
吉田 雄哉

マイクロソフトテクノロジーセンターの吉田 雄哉の発表の様子

日本マイクロソフト株式会社 マイクロソフトテクノロジーセンターの吉田 雄哉からは、AI プロジェクトを成功させるために重要なふたつのポイントについて解説が行われました。

まず吉田は、さまざまな Copilot 製品がリリースされていることで錯覚しがちなものの、Copilot は「コンセプト」であり、アプリケーション利用時の支援を行うものであること。そしてそれはマイクロソフト製品に留まらない、と会場に語りかけます。

吉田はマイクロソフト製品ではない固有の社内システムでも UI を Copilot に合わせることが重要であり、それによってユーザーにシームレスなサポート体験を提供できるとし、Copilot 開発を共通化できる開発パターン「Microsoft Copilot stack」を紹介しました。

ふたつめのポイントは、生成 AI 活用においては業務プロセス全体のデータ化が重要であり、DX の達成度合いが生成 AI の活用促進につながるという主張です。

業務プロセスのデータ化実現の図

吉田は、業務プロセスのデータ化が実現できれば、業務アプリケーションにプロンプトを埋め込むなど、生成 AI 活用の幅が広がることを示唆。そして、生成 AI を使いこなすためには通年通してやり続けることが重要であり、検証を重ねながら積み上げていくことで効果を最大化させられると強調。「そのためにはみんなの頭を変えていかなければなりません。これは文化の話なので時間がかかります」と、腰を据えた取り組みの重要性を語ってセッションを終了しました。


生成 AI 導入製薬企業様御登壇による事例紹介


「企業内における生成 AI 定着化のヒント」

小野薬品工業株式会社

デジタルテクノロジー本部 ビジネスソリューション一部 ユーザエクスペリエンス課 課長
田中 誠次朗 氏

デジタルテクノロジー本部 ビジネスソリューション一部 ユーザエクスペリエンス課
宗綱 葵 氏

デジタルテクノロジー本部 ビジネスソリューション一部 ユーザエクスペリエンス課
中村 哲文 氏

小野薬品工業株式会社様による発表の様子

このセッションでは、生成 AI を導入して業務改革を成功させている先進製薬企業による事例紹介が行われました。

田中氏によると、小野薬品では製薬業界でいち早く生成 AI 導入の検討を開始しており、2023 年 6 月には全従業員に ChatGPT 環境を開放、RAG を同年 7 月より検証開始。同年 11 月にサービス化し、16 のビジネスケースで展開をしました。現在は 40 のビジネスケースで利用されています。

田中氏は、インターネットの普及で後手に回った企業が衰退した姿を目の当たりにしてきた経験から、それに匹敵する激動をもたらし得る生成 AI には早期に対応しなければいけないという危機感があったと振り返ります。

ビジネスケースの整理と生成AI関連のサービス化施策の図

田中氏とともに対応にあたった宗綱氏によると同社では、生成 AI 関連のサービス化施策においては、3 つのケースに分けて対応を行っているそうです。

まず同社で開発した「OnoAI Chat」と呼ばれる標準的な生成 AI の活用で解決できそうなケースでは、ヒアリングやプロンプト作成支援を行う「30 分クイック ミーティング」と、コミュニティの形成や情報共有を目的とした「専用グループ チャット」のふたつのサポートを提供。
さらに高度なケースでは、文書を学習させた生成 AI「OnoAI Navi」により RAG の環境を提供し、グループ チャットによる情報共有や全社共通のチャット ボットによるサポートを実施しているそうです。

さらに同社では、Microsoft Power Platform のツール群による市民開発と生成 AI の組み合わせでさらなる業務効率化を実現しようとしています。宗綱氏からは Excel に入力された報告書に問題がないかどうかを生成 AI が判断し、Microsoft Power Automate のフローを回すことで自動的に回答が返ってくるシステムの事例が示されました。

続いて中村氏から、Copilot for Microsoft 365 の活用施策についての解説が行われました。同社では Copilot の活用推進プロジェクトを実施しており、そこから約 130 の有効事例が生み出されているとのこと。1 日約 1 時間半もの業務効率化を実現できている例もあるそうです。

最後に田中氏から「ビジネスケースに歩調を合わせること」「ビジネスの声を聞くために、日常に接点を持つこと」「自走するための支援をすること」の3 点が生成 AI 活用促進のポイントとして示され、セッションは終了となりました。


「社内向け生成 AI システムを短期間で開発・全社リリースし、定着させるために行ったこと」

第一三共株式会社
DX企画部 全社変革推進グループ 主査
朝生 祐介 氏

第一三共株式会社様による発表の様子

第一三共の朝生氏からは、同社の社内向け生成 AI システム「DS-GAI」の開発・運用の概要に関する解説が行われました。

朝生氏は、大規模言語モデルの急速な進化と幅広い業務領域における活用の可能性、多様なモダリティへの技術応用の広がりを踏まえて「今後、生成 AI の積極的な活用が企業の競争力を維持するうえで不可欠になる」と考え、社内向け生成 AI システム「DS-GAI」の開発を着想したそうです。

DS-GAI の開発は 2 フェーズに分けて進められましたが、特筆すべきはその開発期間の短さです。基本的な機能の全社リリースを行なったフェーズ 1 はわずか 1 ヶ月。フェーズ 2 においては、半年の間に次々と機能拡張が行われました。

DS-GAI開発の概要の図

システムの構築にあたって「機能は豊富にしつつ、誰もが使いやすいシステムを目指しました」と朝生氏。「開発を進めることも重要ですが、このような新しい技術を実際に成果に結びつけるためには、定着を促すための取り組みが非常に重要」であり、定着化のために多くのリソースを注いで対応してきたといいます。

その結果、DS-GAI の利用者アンケートでは 8 割以上が業務生産性・品質向上を実感しており、「既存業務の効率化だけにとどまらず、生成 AI によってできなかったことができるようになった」といった声も上がっているそうです。

最後に朝生氏は、DS-GAI の短期開発に寄与した要因として、「明確な経営戦略によって先進デジタル技術活用の位置付けが明確だったこと」「早期から生成 AI に関する技術的知見を蓄積していたこと」「Azure OpenAI Service の採用」「Azure に精通した開発パートナーの選定」「MVP(Minimum Viable Product)開発とアジャイル開発をフェーズごとに組み合わせたこと」を挙げます。

そして早期定着の要因としては、「毎月のように新機能の追加を行って、ユーザーのわくわく感を誘うことによってユーザーの興味関心を引き続けたこと」「システム開発と並行して早期定着を図るための啓蒙活動に幅広く取り組んできたこと」の 2 点であることを示して、セッションを終了しました。


「生成 AI 事業化支援プログラム-パートナー様との取り組みについて」

日本マイクロソフト株式会社
業務執行役員
パートナー事業本部 副事業本部長
エンタープライズパートナー統括本部長
木村 靖

日本マイクロソフト株式会社 木村 靖による日本マイクロソフトが提供する生成 AI 事業支援プログラムの紹介

木村はまず、日本マイクロソフトが提供する生成 AI 事業支援プログラムを紹介。このプログラムは、学習支援、構築や案件推進支援、有効なソリューションの横展開などを通して、生成 AI の活用に向けたビジネス機会の創出とスキルアップを提供するものです。

木村によると、本プログラムは 2024 年 1 月から 160 社のパートナー社とともに運営されており、半年ですでに 250 の事例が生まれているとのこと。木村は「協業を深めて、パートナー社からエンド ユーザーさまへの生成 AI のソリューション、サービスの展開を支援したい」と、パートナー社との共創を強調します。

そしてこれに続くセッションでは、日本マイクロソフトがまとめたヘルスケア業界向けの e-Book に掲載されているパートナー社のうち 4 社から、先進的なソリューションについての発表があることを伝え、ぜひ参考にしてほしいと会場に語りかけました。

日本マイクロソフト株式会社が提供する生成AI事業家プログラムの概要図

製薬業界向け最新eBook 最新生成AI導入事例&ソリューションを一挙にご紹介 (microsoft.com)


「パートナー企業登壇による製薬業界向け最新ソリューション紹介」


「TIS における生成 AI を活用した事例紹介 臨床試験関連文書の作成効率化プロジェクト」

TIS株式会社
デジタルイノベーション事業本部
ヘルスケアサービス事業部 ファーマ&メディカルサービス部
セクションチーフ
嘉村 準弥 氏

TIS 株式会社 嘉村 準弥様による講演の様子

TIS の嘉村氏からは、生成 AI を活用した臨床試験関連文書の作成効率化プロジェクトの紹介が行われました。

このプロジェクトでは、臨床試験のプロトコール文書の優先度の高い章に着目し、生成 AI を用いて文章生成を行おうとしているとのこと。長年製薬業界の統計解析業務を行ってきた同社だからこそ実現できるソリューションです。

このシステムは、試験実施概要書や参考文献の情報を Azure 上にアップすると生成 AI がドラフトを返送、人間による最終確認を経て完成稿を作成する構成。1 週間以内で環境を構築でき、学習済みモデルの生成 AI を使っているため、ただちに開発に着手できるそうです。

生成 AI を活用した臨床試験関連文書の作成効率化プロジェクトの構成図概要

また、臨床試験の関連文書は形式に沿った記述を行う場面が多いため、プロトコールの章に応じて生成方法を使い分けているとのこと。嘉村氏は生成された文書の例を示して、「ルールベースや機械学習でここまで流暢な文章を生成するのは困難」と、生成 AI を使うメリットをアピールします。

新しい技術であるゆえに、評価の仕方や著作権の考え方などで議論を重ねていると嘉村氏。「今後は文書の種類を増やしてプロトコール以外の文章にもチャレンジしたい」と目標を語ってセッションを終了しました。


「三井情報バイオヘルスケアソリューション”MKI-DryLab”紹介」

三井情報株式会社
DX 営業本部 バイオヘルスケア営業部営業室
室長
小川 哲平 氏

三井情報株式会社様による発表の様子

三井情報の小川氏からは、バイオ ヘルスケア ソリューション「MKI-DryLab for Microsoft Azure」の紹介が行われました。MKI-DryLab for Microsoft Azure は生成 AI を使ったソリューションではありませんが、同社がこれまで取り組んできたライフサイエンス領域のデータ解析支援のノウハウが詰め込まれています。
サービスのひとつは Azure 上にユーザーのニーズに沿った計算解析基盤を迅速に提供する「MKI-DryLab Platform」、もうひとつはユーザーの課題を三井情報のスペシャリストが解決する「MKI-DryLab Consulting」です。

MKI-DryLab の概要図

小川氏は「研究用の開発環境だからこそ、セキュリティが重要」と述べ、MKI-DryLab のセキュリティ対策を解説します。クラウドサービスである Azure には強固なセキュリティが担保されていますが、さらに MKI-DryLab では人為的なエラーなども想定したセキュリティ オペレーション センター(SOC)が設けられているとのこと。SOC によってネットワークやシステムを 24 時間 365 日監視することで、セキュリティ脅威の検知やインシデントへの迅速な対応が可能となります。

小川氏は最後に「我々が長年培ってきたバイオヘルスケア技術とセキュリティの両面からお客さまの解析環境を支援いたします」と述べてセッションを終了しました。


「製薬企業向け AI を用いた SAS ソリューションのご紹介」

SAS Institute Japan株式会社
Strategic Enterprise Industrial Services, Customer Advisory Division
Sr. Business Solutions Manager
土生 敏明 氏

Strategic Enterprise Industrial Services, Customer Advisory
Sr. Industry Consultant
William Kuan 氏

SAS Institute Japan株式会社様による発表の様子

SAS の土生氏と Kuan 氏は、同社のライフサイエンス領域に使われているソリューションの紹介を行いました。その製品のうち、同社のプラットフォーム製品である「SAS Viya」は、パフォーマンス、生産性、信頼性が高い AI プラットフォームであり、また直近のリリースでは LLM のオーケストレーションや管理機能を追加したとの事です。

また Viya には Copilot 機能も今後搭載される予定であり、Azure AI Search や Azure OpenAI Service と連携して最適な返答を得ることができます。土生氏は、SAS プログラミングのコメントからの SAS コード生成機能、SAS プログラムのコード解析、プロシジャの例の提示やコードの最適化などの機能を挙げて説明。初心者であっても習熟した SAS プログラマーと同等のプログラムが書けるレベルを目指していると語ります。

製薬企業向け AIを用いたSASソリューションのご紹介の図

さらに同社では、LLM のプロンプト カタログの生成によってランダム性を排除する機能や、LLM の説明可能性を向上させて高品質な回答を生成する機能、LLM に関するガバナンス強化、チャットボックス機能の最適化など、SAS の持つナレッジと生成 AI の組み合わせにより、インダストリーに最適化したものを提供しようとしています。そして、将来的には臨床試験の分析と申請においても生成 AI の活用を見据えていると述べて、セッションを終了しました。


「富士通における生成 AI 活用の取り組み」

富士通株式会社
Healthy Living
瀬山 大祐 氏

富士通株式会社様による発表の様子

富士通の瀬山氏からは、生成 AI を活用した文書自動作成ツール「Digital Data Flow with AI」についての解説が行われました。Digital Data Flow with AI は、AI テクノロジーと医薬品開発におけるグローバル標準を取り入れたソリューションであり、Translate 社が提唱する Digital Data Flow と ICH M11 の標準化プロトコールに基づいて、蓄積したコンテンツ データから LLM による高精度かつ省力化した文書の自動作成が可能となります。

生成 AI を活用した文書自動作成ツール「Digital Data Flow with AIの概要図

Digital Data Flow with AI には 4 つの文書作成支援機能を組み合わせることでさまざまなユースケースに対応でき、さらにユーザーが指定したフォーマットのスタイルを維持しながら文書生成を行えます。

最後に瀬山氏は、ハルシネーションとデータ + プロンプト エンジニアリングへの取り組みの重要性を強調。ハルシネーション対策として RAG を使ってデータに基づいた出力を行うこと、プロンプト エンジニアリングでは複雑なタスクを単純なタスクに分割することの重要性を述べ、目的に応じて最適な技術を選択することでアウトプットの精度を上げられると説明しました。



こうして、3 時間にわたるセミナーが終了。クロージングでは日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員 ヘルスケア統括本部長 大山 訓弘が事例講演の 2 社に謝意を伝えつつ、「共通していたのは IT のプロジェクトというより会社、ひいては業界にインパクトを与えていく思いだったのではいか」と感想を語りました。

またパートナー 4 社に向けては「Azure OpenAI Service は汎用的な部品。パートナー社の最後の料理があってこそ現場で使っていただける最終製品になる」と、さらなる共創を呼びかけました。

そして最後に「より良いヘルスケアのかたちへ」というスローガンを提示して、「パートナーさま、製薬企業の皆さまとパートナーシップを結び、最終受益者である患者さまのためにどんなことができるのかを念頭におきながら、ぜひご一緒させていただきたいと思います」と、より強固なつながりの構築を訴えかけて全セッションの終了を告げました。

IMG_3974

製薬業界における生成 AI 活用の最先端の情報に触れ、パートナー社による AI ソリューションの進化を目の当たりにした参加者にとって、とても有意義な 3 時間になったのではないでしょうか。

日本マイクロソフトでは引き続き、皆さまとともに製薬業界における生成 AI 活用の可能性を探求してまいります。興味をお持ちの方は、ぜひ気軽にお問い合わせください。

ヘルスケア・製薬業界向け e-Book はこちらからダウンロードできます。

製薬業界向け最新eBook 最新生成AI導入事例&ソリューションを一挙にご紹介 (microsoft.com)
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大阪急性期・総合医療センター・ソフトウエア協会様・日本マイクロソフト株式会社:医療機関における情報セキュリティ強化とDX推進に係る連携・協力に関する協定について http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/health/2024/06/17/agreement_strengthening-security-dx-cooperation-for-healthcare/ Mon, 17 Jun 2024 11:28:11 +0000 大阪急性期・総合医療センター、ソフトウエア協会と日本マイクロソフト株式会社は、2024 年 6 月 3 日、連携協定 (以下、本協定) を締結しました。本協定は大阪急性期・総合医療センター、ソフトウエア協会及び日本マイクロソフト株式会社が相互に連携・協力を行い、医療におけるITセキュリティ環境の構築、働き方改革に資する業務効率化の推進及び未来の医療環境に資するデータ活用基盤の構築を行い、その取組事例を発信することにより、全国の医療機関における情報セキュリティ強化とDX推進に貢献することを目的としています。

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大阪急性期・総合医療センター、ソフトウエア協会と日本マイクロソフト株式会社は、2024 年 6 月 3 日、連携協定 (以下、本協定) を締結しました。本協定は大阪急性期・総合医療センター、ソフトウエア協会及び日本マイクロソフト株式会社が相互に連携・協力を行い、医療におけるITセキュリティ環境の構築、働き方改革に資する業務効率化の推進及び未来の医療環境に資するデータ活用基盤の構築を行い、その取組事例を発信することにより、全国の医療機関における情報セキュリティ強化とDX推進に貢献することを目的としています。

① 国際的なセキュリティ基準に合致したシステム環境での医療継続性の担保

  • 大阪急性期・総合医療センターの運用する病院総合情報システムについてマルウエア対策を含めたセキュリティ環境の整備を行う
  • 整備に向けてソフトウエア協会、日本マイクロソフト株式会社は実装時の技術支援の他、利用教育の実施等実運用を踏まえた環境整備の支援を行う
  • 大阪急性期・総合医療センターにおいて実施されたセキュリティ対策を日本国内のモデルケースとすべく全国の医療機関に向けた事例発信を行う

➁ 働き方改革に資する業務効率化の推進

  • 日本マイクロソフト株式会社から提供されるTeamsを中心とするM365サービスを活用した医療従事者の働き方改革の検討、実装支援、教育支援を行う
  • ソフトウエア協会は病院総合情報システムにおける安全なクラウドサービスの活用について適切は助言を行う
  • 大阪急性期・総合医療センターは医療従事者の働き方改革の改善について定性的、定量的な評価を行い2者と協力のもと全国の医療機関に向けた事例発信を行う

③ 医療機関におけるデータ活用の推進

  • 3者の協力のもと病院総合情報システムに格納されているデータ等を安全に活用し医療経営の効率化を図る仕組みづくりを行う
  • 生成AIの医療機関における活用についてセキュリティや倫理面を考慮した上での実証を行い、全国の医療機関に向けた事例発信を行う
医療機関における情報セキュリティ強化とDX推進に係る連携・協力に関する協定締結式での、大阪急性期・総合医療センター、ソフトウエア協会、日本マイクロソフト株式会社の 3 名
医療機関における情報セキュリティ強化とDX推進に係る連携・協力に関する協定締結式での関係者 6 名の集合写真


大阪急性期・総合医療センター
  総長     嶋津 岳士
  病院長    岩瀬 和裕

一般社団法人ソフトウェア協会
  副会長  豊田 崇克
  理事     板東 直樹

日本マイクロソフト株式会社
執行役員 常務 パブリックセクター事業本部長  佐藤 亮太
業務執行役員・ヘルスケア統括本部長  大山 訓弘

大阪急性期総合医療センター:
3者協定の締結について | 地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪急性期・総合医療センター (opho.jp)

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その熱狂が、世界を変える。Microsoft AI Tour  産業別セッションレポート【医療・ヘルスケア】〜医療データ活用にイノベーションを起こす AI テクノロジーの可能性〜 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/health/2024/04/17/ai-tour-2024-healthcare/ Wed, 17 Apr 2024 02:38:58 +0000 Microsoft ではこの動きをさらに加速すべく、「ビジネスの変革」をテーマとして世界11都市で Microsoft AI Tour を開催。各地で意思決定者及び開発者向けの多彩なプログラムが展開され、大きな盛り上がりを見せています。

2023 年 9 月 13 日の米国ニューヨークを皮切りとして世界中を巡回するこのMicrosoft AI Tour は、2024 年 2 月 20 日に日本に上陸しました。会場となった東京ビッグサイトには開催を待ちかねた大勢の方々が押し寄せ、まさに熱狂の 1 日となりました。
Microsoft AI Tour では、インダストリごとに特化したセッションとブースが展開され、それぞれの業界からの参加者が熱心に耳を傾けていました。本稿では、Microsoft AI Tour の 基調講演と、ヘルスケアにおけるセッションについてご紹介します。

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AI 元年とも呼べる 2023 年から AI ソリューションの進化は止まることを知らず、全世界をうねりに巻き込んでいます。もはや AI が、インターネットやスマートフォンと同じく、世界を変革する新たなインフラになることは間違いないでしょう。

Microsoft ではこの動きをさらに加速すべく、「ビジネスの変革」をテーマとして世界 11 都市で Microsoft AI Tour を開催。各地で意思決定者及び開発者向けの多彩なプログラムが展開され、大きな盛り上がりを見せています。

2023 年 9 月 13 日の米国ニューヨークを皮切りとして世界中を巡回するこの Microsoft AI Tour は、2024 年 2 月 20 日に日本に上陸しました。会場となった東京ビッグサイトには開催を待ちかねた大勢の方々が押し寄せ、まさに熱狂の 1 日となりました。

本ブログ記事では、基調講演、及び、その後行われた医療・ヘルスケアに関するセッションについてご紹介します。動画視聴リンクもございますのでぜひご覧ください。 

AI Tour Tokyo Connection Hubの様子

基調講演
「AI トランスフォーメーションと変革を推進する Microsoft Cloud」

AI Tour Tokyo基調講演

基調講演には、3000 名を超える来場者のほとんどが参加し、会場は熱気に包まれました。冒頭、日本マイクロソフト代表取締役社長の津坂美樹は、このイベントの目的を「AI の力でビジネスの成長を加速し、新たなソリューションやノウハウの交換を促進すること」であると語り、「Copilot は、Microsoft のミッションである “地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする” をまさに体現するプロダクト。今日から “AI 筋力” をつけるために Copilot を使い続けてほしい」と挨拶しました。

AI Tour Tokyo基調講演で登壇したMicrosoft エグゼクティブ バイス プレジデント兼チーフマーケティングオフィサーの沼本健氏

続いて登壇した Microsoft エグゼクティブ バイス プレジデント兼チーフマーケティングオフィサーの沼本健氏は、AI を「グラフィカル ユーザー インターフェース、モバイル、クラウドといったプラットフォーム シフトの中で、最も大きな規模の変革をもたらすもの」と捉えているとし、Microsoft の製品の開発や提供における方向性や戦略の解説を展開しました。

さらに先進 AI ユーザー企業である本田技研工業社とサイバーエージェント社からのゲストスピーカーと語らいながら、AI によるビジネス変換は未来の話ではなく、すでに現在進行形で行われているものであり、AI の徹底活用こそが、今後の競走優位性のカギとなることを会場に示しました。

最後に沼本は、AI トランスフォーメーションを実現するための Microsoft の取り組みについて総括。AI 活用の鍵は技術だけでなく事業戦略、組織、文化の課題であり、Microsoft はそれらを解決するための知見を持っていることを強調。「少子化、高齢化の進む我が国にとって国民一人ひとりの労働生産性を上げることは至上命題。そこに AI が貢献する機会は大きい」と、ここに集った日本の企業が AI 活用をリードする未来への期待を述べて、セッションを終了しました。

基調講演の視聴はこちら
「AI トランスフォーメーションと変革を推進する Microsoft Cloud」


[医療・ヘルスケア] ブレイクアウト セッション
「AI がもたらすヘルスケアの新たな未来 ~災害・救急・PHR における現状と AI の活用について~」

医療・ヘルスケアブレイクアウトセッション

Microsoft AI Tour では、インダストリごとに特化したセッションが展開され、それぞれの業界からの参加者が熱心に耳を傾けていました。

医療・ヘルスケア業界向けのブレイクアウトセッションでは、救急医療や PHR への取り組みを推進されている、京都大学院医学研究科教授 石見先生と、TXP Medical 株式会社 代表取締役 園生先生をゲストスピーカーとして迎え、ヘルスケアにおける AI の新たな可能性について議論を行いました。

最初に、日本マイクロソフト 医療・製薬営業本部本部長の清水より、ヘルスケア領域におけるマイクロソフトの取組について、業界団体に対する積極的な取組や、マイクロソフトの最新生成 AI ソリューションのデモンストレーションに触れながら、詳しくご紹介しました。

セッション後半では、日本マイクロソフト 社会保障事業推進室 室長 石川のファシリテーションのもと、日本マイクロソフト 業務執行役員ヘルスケア統括本部長 の大山もパネル ディスカッションに加わり、ゲスト スピーカーである現役医師 石見先生・園生先生と積極的な議論を行いました。災害の多い日本における災害・救急・PHR 領域の重要性と現状の課題について、実際の医療現場を知る医師からのインサイトを共有いただきました。また、昨今の技術革新に伴い、ヘルスケアの領域においても AI への期待が高まっている中で、医療の抱える課題を、生成 AI をはじめとする最新技術でどのように解決していくのかについて議論を行いました。

今回のセッションを通して、ヘルスケアにおける現場視点での課題に対して、マイクロソフトの AI ソリューションやその他最新テクノロジーがいかにして変革を可能にし、医療支援を行っていくのか、今後のヘルスケア業界の未来を模索する第一歩となりました。日本マイクロソフトは今後も医療・医薬品業界における取組を加速させて参ります。

[ヘルスケア] シアター セッション
Microsoft の生成 AI ソリューションが実現するより良いヘルスケアのかたち

ヘルスケアシアターセッション

シアター セッションでは、日本マイクロソフト ヘルスケア統括本部 医療・製薬営業本部アカウント テクノロジー ストラテジスト大嶽が、ヘルスケア業界における生成 AI の位置づけや、薬歴文書・企画書作成への活用方法を提案しました。 

プレシジョン医療および医療の均てん化を目指す、マイクロソフトのヘルスケア チーム。プラットフォーマーとして AI や PHR、リアルワールドデータの面から医療支援を行う中で、AI 活用の可能性がより広がっています。 

生成 AI は、診療記述補助や患者サービス、事務、研究と幅広く活用可能です。今回は、ChatGPT による薬歴文書作成のデモンストレーションや、Copilot for Microsoft 365 による医療機関における企画書作成に関する実演を行いながら、ヘルスケア文脈での生成 AI のケイパビリティについてご紹介しました。このようにマイクロソフトは、生成 AI およびテクノロジー全体の観点から、今後も日本のヘルスケア業界全体に貢献していきます。

基調講演の視聴はこちら
「AI トランスフォーメーションと変革を推進する Microsoft Cloud」




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オンライン イベント「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」開催によせて http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/health/2022/04/01/medical-healthcare-industry-dx-day/ Fri, 01 Apr 2022 06:00:00 +0000 日本マイクロソフトは、2022 年 4 月 26 日 (火) に開催されるオンライン イベント「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」に協賛します。

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日本マイクロソフトは、2022 年 4 月 26 日 (火) に開催されるオンライン イベント「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」に協賛します。ニューノーマル時代に対応し、ヘルスケア業界の働き方改革を支援する最新の Mixed Reality ソリューションや医療・医薬品企業の現場における Mixed Reality の活用事例などについて知ることができるまたとない機会ですので、たくさんの視聴をお待ちしております。本稿では、当イベントでも登壇する日本マイクロソフトの清水と村中が本イベントの概要とその背景を解説します。

医療・ヘルスケア業界 DX Day
~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~

開催日時: 2022 年 4 月 26 日 14:00~15:30
参加方法: 事前登録制 (無料) ご登録はこちら
主催: CHANGE-MAKERS (インパクトM株式会社)
協賛: 日本マイクロソフト株式会社
協力: 株式会社 日立ソリューションズ / 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト

■日本のヘルスケア業界が直面する課題とは

次世代ヘルスケア変革に向けた日本の現状

高齢化の進む日本において、ヘルスケア業界はいくつかの課題に直面しています。まずは社会保障給付金の高騰。高齢者の増加に伴い、複数疾患を患う方も増加します。その結果、2025 年には、医療や医薬品、介護等に使われる社会保障給付金は 40 兆円に達すると推定されています。

また、医療資源の少なさも特筆すべき課題です。日本では人口 1,000 人あたりの医療従事者の数は 2.4 人。これは OECD (経済協力開発機構) 平均にも遠く及ばない数値であり、日本の医療サービスのシステムが優れている証左である一方、地方部や過疎部に関して言えば、少ない医療者で多くの患者に対応しなければいけない状況を示しています。

そして製薬業界に関しても、新薬の開発にかかる膨大な期間やコスト、加速するグローバル化に対応するための競争力や技術力の確保といった課題に加えて、コロナ禍において医療機関への訪問が制限され、本来緊密であるべき連携やコミュニケーションが図りにくくなってしまった MR (Medical Representative) の働き方問題、R&D (研究開発) 事業において、研究者が海外や遠隔地にある開発拠点に訪問できない場合の事業継続問題といった、ニューノーマル時代ならではの課題が浮き彫りとなっています。

このような状況のなかで日本マイクロソフトでは、限られたヘルスケアに関する資産における生産性を向上し、先端技術の積極的な活用とヘルスケア データの整備・流通を進めることを目的として、IT の視点から「医療現場の改革」「医療の質の均てん化」「ヘルスケア連携」をテーマとした取り組みを進めています。

日本マイクロソフトが目指しているのは、ヘルスケア分野における社会と人をつなぐ新しいエコシステムの構築です。例えば、一般社団法人医療トレーサビリティ推進協議会の一員として、医薬品のトレーサビリティを一元的に管理するエコシステム プラットフォーム「Seeプラットフォーム」の構築を進めています。このプロジェクトにおいては、Azure上に日本通運社、富士フイルム富山化学社と共同で IoT を活用した温度管理やマッピング機能や医薬品仕分け機能を備えたトレーサビリティ基盤を構築し、作業時間の短縮や仕分け間違いの防止といった成果を得ています。

また、医療 AI プラットフォーム技術研究組合に参画して、医療データの分析や活用に AI を利用できるポータル システムの構築を進めています。このシステムの社会実装を進めることにより、医療の質の確保や医療関係者への負担軽減、ヘルスケア分野における Society5.0 の実現を目指します。

社会と人をつなぐ新しいエコシステムの実現に向けて

これらの取り組みに加えて、日本マイクロソフトでは Mixed Reality (MR) を活用したコラボレーティブ コンピューティングの普及を推進しています。オンライン イベント「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」では、コラボレーティブ コンピューティングを取り入れて変革に成功した事例についてもご紹介していきます。

医療・ヘルスケア業界 DX Day
~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~

開催日時: 2022 年 4 月 26 日 14:00~15:30
参加方法: 事前登録制 (無料) ご登録はこちら
主催: CHANGE-MAKERS (インパクトM株式会社)
協賛: 日本マイクロソフト株式会社
協力: 株式会社 日立ソリューションズ / 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト

■日本マイクロソフトが推進する MR ソリューション

XR と総称される現実世界とデジタル世界を融合するテクノロジ群のなかで、MR の定義をひとことで表すならば「現実世界とデジタル世界を融合し、ユーザーは物理世界に存在しながら、現実・デジタル両方のオブジェクトとやり取りができる世界」となります。

現実世界にいながらも、「HoloLens 2」のようなホログラフィック デバイスを装着することで、目の前の現実世界の風景を見ながらデジタルの情報も知覚し、アプリを通してその濃淡を調整しながら現実とデジタルの世界を行き来できる。そんな世界を下支えするテクノロジが MR なのです。

MIXED REALITY ソリューション ポートフォリオ

日本マイクロソフトでは、身の回りの空間すべてをワークスペースにできる MR とその発展系として位置付けられる「コラボレーティブ コンピューティング」の概念は、これまでの PC やスマートフォンといったプラットフォームと一線を画すものであり、社会のありようを変革する大きな可能性を秘めた次世代のコンピューティング プラットフォームと位置付けています。

そして、HoloLens 2 を始めとするハードウェア、「Dynamics 365 Remote Assist 」や「Dynamics 365 Guides」といったアプリケーション、マイクロソフトのクラウド Microsoft Azure を用いてパートナー企業とともにつくり上げるサービスをベースとした三位一体のソリューションを展開しています。

■ヘルスケア分野における MR の活用実例

MIXED REALITY 主要な活用業種・シナリオ

日本マイクロソフトは、ヘルスケアの現場における MR 活用シーンを、主に「遠隔支援」「トレーニング & 学習」「視覚化 & 共同作業」「空間シミュレーション」の 4 つに分類 して取り組みを進めています。なかでも私たちがヘルスケア業界からの期待を感じているのが遠隔支援です。

Kinect 現実世界をリアルタイムに 3D センシングし、人の骨格や声を捉えることができる

遠隔支援や質の均てん化の分野で注目されているのがホログラフィック デバイス「Microsoft HoloLens 2」と三次元カメラ「Azure Kinect DK」の連携ソリューションです。たとえば画面越しに遠隔で屈伸運動のリハビリテーションを行う場合、正面から見ただけでは正しい姿勢で屈伸できているか判断するのが難しい場合があります。そこで Azure Kinect DK を使えば、リアルタイムに 3D センシングを行って人の骨格や声を捉え、関節の奥行きまで測定できるので、姿勢が正しいかどうか瞬時に把握することができるのです。

医療や介護の現場では暗黙知ではなく定量的な評価が必要な場合が多く、三次元のものを三次元で評価できる Azure Kinect DK が活用されるシーンも増えてくることが予想されます。

患者と接する医師が HoloLens 2 を装着し、別室にいる医師と Dynamics 365 Remote Assist でデータを共有し Microsoft Teams でコミュニケーションを取りながら診察を進める様子

また、英国で国民保険サービスを提供する大型病院「NHSトラスト」社では、新型コロナウィルスの患者を診察する際に、患者と接する医師が HoloLens 2 を装着し、別室にいる医師と Dynamics 365 Remote Assist でデータを共有して Microsoft Teams でコミュニケーションを取りながら診察を進めています。この診察方法により、感染リスクの低減のみならず、防護具を着脱する手間や防護具自体のコスト削減といった効果が得られています。このソリューションは専門医のいない遠隔地での診療にも応用できるため、今後ニーズが増えてくると考えています。

製薬の分野の活用イメージを挙げると、創薬研究と臨床研究の拠点が国内外に分散している武田薬品工業社では、これまでは R & D の研究拠点に専門家が赴いて指導やトレーニングを実施していました。ですが、ニューノーマル時代においては現地に行けない状況も想定されるため、業務の継続が課題となっています。

そこで HoloLens 2 と Mixed Reality ソリューションを用いて、ラボの実験操作サポートやリアルタイムのコミュニケーション、リモート メンテナンスを行える取り組みを進めています。HoloLens 2 のハンズフリーという特性やボイス コマンド機能を生かせば、生化学系の実験でも手袋を着脱せずに遠隔でサポートを受けながら調べものや記録ができるメリットも得られます。

参考:「武田薬品工業における HoloLens 2 と Dynamics 365 Mixed Reality アプリケーションを活用した CMC 研究の DX

HoloLens 2 は空間把握にも優れたデバイスです。業界は異なりますが、自動車の修理を行うにあたり、自動車の形状を HoloLens 2 で認識、Microsoft Azure 上で識別することで車種を特定し、メンテナンスや修理を自動的にナビゲートできるシステムを導入した企業もあります。これは医療機器や医薬品の製造機器のメンテナンスにも応用できるはずです。

3D 作業支援・指示、手順確認

今後、日本マイクロソフトが目指す「コラボレーティブ コンピューティング」の実現は、Microsoft Mesh が主な担い手となるはずです。Microsoft Mesh を使えば、アバターやそれに類するものを通じて、あたかも目の前に相手がいるような臨場感を伴うコミュニケーションが図れます。Microsoft Mesh のユーザーは世界のどこにいても、仮想空間上で相手の存在を感じ、経験を共にし、つながることができるのです。Microsoft Mesh はより多くの人たちとコラボレーションできるプラットフォームを目指しており、今後は HoloLens 2 以外のホログラフィック デバイスやスマート デバイスにも対応する予定です。

Introducing Microsoft Mesh 人と人とのつながりを実現するコラボレーティブ コンピューティング プラットフォーム

■ニューノーマル時代に対応する新たな医療・ヘルスケア業界の事例を紹介

「医療・ヘルスケア業界 DX Day~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~」では、3 つのセッションが用意されています。1 つめは、本稿でご紹介した日本マイクロソフトのソリューションや MR ソリューションを通して、私たちが実現したい未来像についてお話しさせていただきます。

2 つめのセッションでは、武田薬品工業社によるデジタルプラントの将来像とそれを実現するための取り組みについての講演をご覧いただけます。

そして 3 つめは、日立ソリューションズ社による医療機器トレーニングへの Dynamics 365 Guides の適用事例と、HoloLens 2 のオフライン使用によるアイトラッキング技術事例についての講演をご覧いただけます。

いずれのセッションも、IT の視点からのヘルスケア領域でのビジネス変革と、それを下支えする MR を軸足にしたテクノロジについて深く知ることができる、日本マイクロソフトの協賛イベントならではの内容となっています。

近年社会的な盛り上がりを見せている仮想空間におけるヘルスケア領域の最新コラボレーションについても触れられるまたとない機会ですので、働き方改革や事業継続にお悩みの医療関係者の皆様には、ぜひご視聴いただきたいと考えております。

医療・ヘルスケア業界 DX Day
~最先端のデジタル技術活用で実現する医療・ヘルスケア変革~

開催日時: 2022 年 4 月 26 日 14:00~15:30
参加方法: 事前登録制 (無料) ご登録はこちら
主催: CHANGE-MAKERS (インパクトM株式会社)
協賛: 日本マイクロソフト株式会社
協力: 株式会社 日立ソリューションズ / 株式会社 日立ソリューションズ・クリエイト

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よりよいヘルスケアに貢献する革新的なクラウドサービス Microsoft Cloud for Healthcare http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/health/2021/08/27/microsoft-cloud-for-healthcare-the-innovative-cloud-service-that-contributes-to-better-healthcare/ Thu, 26 Aug 2021 15:01:26 +0000 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、リモートワークの定着や接触型サービスの非接触化など、私たちの経済活動、社会活動に大きな変革をもたらしました。医療業界においても、医療アクセスの改善や臨床医の安全確保、職員の働き方などを見直すきっかけとなり、携わる人々はそれぞれの立場から、このニューノーマル時代に対応するための新たな医療サービスのあり方を模索しています。

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都市のランドスケープと話し合う男女のシルエット

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、リモートワークの定着や接触型サービスの非接触化など、私たちの経済活動、社会活動に大きな変革をもたらしました。医療業界においても、医療アクセスの改善や臨床医の安全確保、職員の働き方などを見直すきっかけとなり、携わる人々はそれぞれの立場から、このニューノーマル時代に対応するための新たな医療サービスのあり方を模索しています。

この医療業界の変革の流れに対して、これまでも医療業界のニーズに応えるサービスやソリューションを提供してきたマイクロソフトは、2020 年 5 月に初の特定業種向けクラウドサービス「Microsoft Cloud for Healthcare」を発表しました。トライアル期間を経て大きな反響が寄せられており、今後日本語対応版もリリースされる予定です。

本稿では、医療業界が直面しているさまざまな課題を解決するために、幅広い方々にご活用いただける Microsoft Cloud for Healthcare の概要と、マイクロソフトが目指す「よりよいヘルスケア」についてご案内します。

Microsoft Cloud for Healthcareの概要

Microsoft Cloud for Healthcare とは

Microsoft Cloud for Healthcare は、MicrosoftDynamics365、Microsoft Azure、Microsoft Power Platform、Microsoft365 などのマイクロソフトのサービスを活用した、エンドツーエンドで医療サービスを提供するクラウドソリューションです。AI を利用した健康管理ボットからオンライン診療まで、パートナー企業さまが、医療業界のニーズに細やかに対応するサービスをご提供できるよう支援します。

Microsoft Cloud for Healthcare では、医療機関がクラウド上に蓄積した患者さんのケア (医療や介護) に関係するさまざまなデータに対して、患者さんを起点に医療機関のみならず、さまざまなサービスプロバイダーの皆さまが患者さんに対するサービスを提供できるような機能、コンプライアンス、ガイドライン対応を実施しています。また、AI による予測分析を導入することで、患者データを財務、業務、医療機器などの情報と突合できるようになるため、データモデリングやリスク評価、意思決定支援の精度を上げることも目指しています。

Microsoft Cloud for Healthcare はとても安全なソリューションです。マイクロソフトでは、物理データセンターから Microsoft Azure での運用に至るまで、多層構造のセキュリティを提供しており、Microsoft Cloud for Healthcare も、国内外の医療情報を扱ううえで必要とされるガイドラインに対応し、コンプライアンス認定を取得しているので、安心して運用していただけます。

Microsoft Cloud for Healthcareの柱

Microsoft Cloud for Healthcare が支える医療業界の変革

Microsoft Cloud for Healthcare の基本思想は、以下の 3 つのテーマを追求することで医療業界の変革を支えることです。まず 1 つ目は、「患者エクスペリエンスの向上」。患者さん一人ひとりに最適化されたデータを医療チームに提供し、患者さんが適切なケアを受けられる環境づくりをサポートします。また、バーチャル技術や複合現実技術を活用した新しいサービスのあり方を提言します。2 つ目は「医療チームのコラボレーション強化」。患者さんの継続的なモニタリングから得られるデータを分析して治療の最適化を支援するとともに、データの見える化によるチームの生産性向上と、多職種連携といった医療機関におけるコラボレーションを高めることを目指します。3 つ目は「臨床・業務データ運用の深化」。医療業務に関する莫大で複雑なデータを、権限に基づいて、職域や組織の垣根を超えて収集・共有し、必要なデータをクリティカルに抽出することで、最適なオペレーションを支援します。

Microsoft Cloud for Healthcareを構成するソリューション

Microsoft Cloud for Healthcare は、より優れたエクスペリエンスと、より深いインサイト (データ運用)、そしてよりよいケアを目指しています。

患者さん、医療サービス提供者、医療保険機関が適切な関係を築き、患者さんごとにパーソナライズされた治療プランの作成や適切な医療機関の選定、拠点を超えた医療チームのコラボレーション、多様なデータの共有と分析といった医療サービスを実現し、拡張性やセキュリティ、相互運用性に優れたツールをご提供すること。そして、誰もがいつでもどこでも、安心して質の高い医療を享受できる社会を実現するための安心・安全なプラットフォームの実現のために、Microsoft Cloud for Healthcare を活用していただきたいと考えています。

Microsoft Cloud for Healthcare の活用事例

事例1                                                                                      

ランチョ・ロス・アミーゴス国立リハビリテーションセンター

ランチョ・ロス・アミーゴス国立リハビリテーションセンターのロゴ

病院でも自宅でも、患者さんの継続的なモニタリングは、タイムリーな医療介入を可能にし、再入院率を低下させ、健康状態を改善するために不可欠です。マイクロソフトのパートナー企業である Sensoria Health 社は、Microsoft Azure IoT Central と Azure API for FHIR (Fast Healthcare Interoperability Resources) を活用して、下肢切断のリスクが高い糖尿病の患者さん向けに、健康データをモニタリングする専用ソフトウェアに接続する IoT センサーを搭載したスマートブーツと、安全性の高い継続的モニタリングソリューションを開発しました。

同社が開発したマイクロエレクトロニクスデバイス「Sensoria Core」によって収集される健康データをもとに、医師はよりよい判断をくだすことができます。患者さんの日々の状態に合わせた治療が可能になることで、糖尿病性潰瘍が完治する可能性が高まり、糖尿病患者が手足を失うといった重篤化の可能性が低くなることが期待されています。

Sensoria Coreの画像

事例2

インペリアル・カレッジ・ヘルスケア NHS トラスト

インペリアル・カレッジ・ヘルスケアNHSトラストのロゴ

インペリアル・カレッジでは、新型コロナウイルスのパンデミックが始まったとき、人の近接を防ぐために、Microsoft HoloLens 2 と Dynamics 365 Remote Assist を使ったバーチャルな病棟回診を開始しました。HoloLens が優れているのは、ハンズフリーの遠隔医療機能を活用できるという点で、最も重要なのは、防護服を着用したまま使用できることです。致命的なウイルスへの曝露を抑えつつ、重篤な患者の治療を続けることができるので、限られた医療者においても、危機的状況下での大きな問題を解決することができました。それだけでなく、防護服の消費量が減り、病棟回診の効率が大幅に改善されたと言います。

さらに、HoloLens 2 を装着した医師は、Dynamics 365 Remote Assist を使って、世界のどこにいても、同僚や専門家とハンズフリーでヘッドアップの Teams ビデオ通話を行うことができます。医師は、遠隔のかかりつけ医や患者さんと同時に対話しながらアドバイスを受けることができ、通話中に、診療メモやX線写真を装着者の視野に入れることもできます。このような取り組みは、パンデミックのケースのみならず、患者のベッドサイドで必要とされるすべての情報、すべての専門家による治療が、その場で、しかもひとつのヘッドセットに集約される、新しい医療の在り方についての新たな一歩となるはずです。

遠隔医療のイメージ図

事例3

デイトン小児病院

デイトン小児病院のロゴ

Dayton Children’s Hospital は現在、米国でトップレベルの小児病院であり、2019 年には 38 万 4,000 件以上の来院がありました。Dayton Children’s Hospital では、患者とその家族が、直接の来院やデジタルアプリケーションなど、さまざまな方法で交流しています。システムが分断されているため、ケアチームは患者さんとのコミュニケーション全般に関する重要な情報を把握できず、マーケティングチームは患者さんがどのような病歴を持ち、普段はどのような生活をしているのかといった個人にまつわるデータを作成することができませんでした。

この課題を解決するために、同院は Microsoft Dynamics 365 Customer Insights を導入しました。その結果、複数のシステムからのデータを統合し、HIPAA (医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律) やその他の重要な規制に準拠した、統一された患者プロファイルを作成できるようになりました。同病院では、このデータを利用して、あらゆるチャネルやタッチポイントにおける患者エクスペリエンスの向上を図っています。

デイトン小児病院の来院数などの数字画像

医療サービスの業務プロセス円滑化につながるNuance社の買収

Nuance社とマイクロソフトの画像

マイクロソフトはクラウド事業者として、医療サービスに関係する皆さまがより多くのことを実現できるように、テクノロジーを活用した、より新しく、より便利なソリューションを探究し続けています。ただし、私たちのテクノロジーが直接医療行為のために使われることはなく、私たちマイクロソフトがカルテ事業に乗り出すこともありません。あくまで患者さんを起点に医療サービスを展開する事業者の皆さまと連携しながら、ともに「よりよいヘルスケアの世界」の実現を目指すことが、私たちマイクロソフトの使命です。

マイクロソフトは 2021 年 4 月、Nuance Communications の買収を発表しました。Nuance 社のテクノロジーには音声認識や AI、自然言語処理 (NLP) が用いられており、話し言葉から文字への変換技術に関しても大きな期待が寄せられています。今後、患者さんとの会話内容の完全なテキスト化や構造化が実現すれば、医療者の皆さまはより多くの時間を患者さんとのコミュニケーションに費やすことが可能となり、医療サービスにおけるさらなる業務プロセスの円滑化と生産性の向上につなげられるよう、たゆまぬサポートを続けてまいります。

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マイクロソフトが取り組むデジタル技術×ヘルスケアの現在地 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/health/2021/05/31/status-of-digital-technology-and-healthcare-that-microsoft-working-on/ Sun, 30 May 2021 15:46:31 +0000 現在日本では、少子高齢化や社会保障給付金の高騰、医療サービスの地域格差拡大といった、かねてからの不安要素に加えて、新型コロナウイルス対策という緊急の課題に直面し、これまで以上にヘルスケア分野の変革が急務となっています。日本マイクロソフトでは、これまでもAIやクラウドサービスを活用したヘルスケア分野のデジタル化を支援してきましたが、今後はさらに医療業界やパートナー企業との連携を深めて、どこでもだれでも平等に質の高い医療を受けられる社会の実現に向けた動きを加速していきます。

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都市をデータが飛び交うイメージ

現在日本では、少子高齢化や社会保障給付金の高騰、医療サービスの地域格差拡大といった、かねてからの不安要素に加えて、新型コロナウイルス対策という緊急の課題に直面し、これまで以上にヘルスケア分野の変革が急務となっています。日本マイクロソフトでは、これまでもAIやクラウドサービスを活用したヘルスケア分野のデジタル化を支援してきましたが、今後はさらに医療業界やパートナー企業との連携を深めて、どこでもだれでも平等に質の高い医療を受けられる社会の実現に向けた動きを加速していきます。この記事では、今まさに進行しているマイクロソフトのヘルスケアの取り組みについてご紹介します。

医薬品のトレーサビリティ可能なプラットフォームの実証実験を実施

医療現場で利用される医薬品や医療機器、医療材料等を確実に利用者まで送り届けるトレーサビリティの向上は、誤配送や偽造薬の流通を防ぐことで医療サービスを受ける人々の安心・安全を守るだけでなく、一連の業務をより円滑にし、製造業者や流通業者、医療従事者の働き方改革や災害時対応にもつながります。

日本マイクロソフトは、一般社団法人医療トレーサビリティ推進協議会に参画し、医薬品、医療機器等の製造から使用、廃棄までの全流通過程をトレースできるプラットフォーム「Seeプラットフォーム」の検討を進めています。協議会として目指しているのは、サプライチェーン領域と患者治療・処方領域をつなぎ、医療資材の流通情報・使用状況を一気通貫で管理することで、「いつ」「どこで」「誰が」「誰に」「なにを」「どうする・どうした」といったデータを、必要に応じて迅速かつ効率的に利用できるプラットフォームです。

医療トレーサビリティのコンセプト

(医療トレーサビリティ推進協議会発表資料より抜粋)

「Seeプラットフォーム」の実用化に向けて、2021 年 1 月から 2 月にかけて実証実験が行われました。医薬品を対象に、メーカーから医療機関までの流通と自治体との情報連携を機能別に検証し、その結果、非常にポジティブな成果が得られました (詳細はこちら)。なお、この実証実験では、日本通運様が、医薬品の位置情報や温度情報に関するトレーサビリティ基盤を、富士フィルム富士化学様が医薬品を読み取る APL を、それぞれ Microsoft Azure で構築いただいております。なお、実証実験の結果として、医薬品の仕分け作業時間が約 58% 短縮、精度も向上したという成果が報告されています。また、医療従事者の負荷軽減に関しての実証実験においては、医療機関のカルテの所見情報の構造化検証について Microsoft Azure で機能検証を行い、一度の入力で情報の利活用を可能にする構造化に関する負荷軽減について有効であることが検証できました。
この第一ステップの結果を踏まえつつ、次のステップでは、協議会として、医療現場での受入れ、在庫管理、処方から患者服用といった、患者治療・処方領域におけるトレーサビリティの検証を行い、さらに実装に向けた工程を進めていく予定です。

HoloLens 2 と Azure Kinect DK がつなぐ遠隔診療の未来

人口減少時代において、過疎地域における医療サービスの確保は重要なテーマです。厚生労働省でも、へき地医療計画に基づいて医療体制の整備を進めていますが、特に専門医が求められるような分野においては、都市部との医療格差が顕著になっています。また新型コロナウイルスの流行によって長距離移動が困難な現在、へき地や離島に住む人々はさらに専門的な医療サービスを受けにくい状況にあると言えるでしょう。
そんな医療格差問題を解決する手段として注目されているのが、遠隔診療です。長崎大学では、MR (Mixed Reality: 仮想現実) や 3D 技術を用いた国内初の関節リウマチの遠隔医療システム「NURAS」を開発、2021 年 3 月から実証実験を開始しました。

次世代オンライン遠隔医療システムの開発・提供で、長崎大学、五島中央病院、長崎県、五島市と連携協定を締結 – News Center Japan (microsoft.com)

この「NURAS」の核となっているのが、Microsoft の Azure Kinect DK (深度センサー) と HoloLens 2 (MR デバイス) です。実証実験では、離島の病院に撮影器具を設置し、患者さんの病変部位のホログラム 3D 映像を長崎大学に転送。長崎大学の専門医が HoloLens 2 を通してその映像を見ながら診察を行いました。関節の見え方や皮膚のシワまで正確に表現され、それをさまざまな角度から見られるため、専門医は多くの情報を得ることができます。一方患者さんは、専門医とその場にいる地域のかかりつけ医双方から助言を受けることができます。このシステムが、リアルな診察と同じかそれ以上にきめ細かい医療サービスを実現し得ることを示す結果となりました。

Mixed Reality 技術・人工知能を活用した関節リウマチ診療

長崎大学では「NURAS」にさらに改良を重ねて普及させることで、へき地や離島に住む患者さんの QOL 向上を目指しています。日本マイクロソフトとしても、①Azure Kinect DK の表情認識システムを使って患者さんの表情を評価し、心情を読み取る ②Microsoft Azure の Custom Vision を使って病変部位の映像から腫脹関節を検出し、MR による診察精度を向上する ③Microsoft Teams の言語認識機能で診察時の会話をテキスト化し、それをカルテ保存することで診察時間を短縮する といったブラッシュアップを行いながら、住む場所にかかわらず高水準の医療サービスを受けられるソリューションをサポートしていきたいと考えています。

Mixed Reality 技術・人工知能を活用した関節リウマチ診療の実際の様子

Microsoft Azure を用いた会話型 認知症診断支援 AI プログラム

日本における認知症患者数は増加の一途を辿っており、2025 年には高齢者の約 5 人にひとりに達すると言われています。一方、認知症の診断には専門的な知識や経験が必要とされるため、それが早期診断や早期治療を妨げる要因になっています。

日本マイクロソフトと株式会社 FRONTEO 様は、2020 年 10 月から協業し、FRONTEO 様の「会話型 認知症診断支援 AI プログラム」の Microsoft Azure 上での提供に向けた開発に取り組んできました。このプログラムは、FRONTEO 様が培ってきた自然言語処理 AI 技術を用いて、通常の診療場面における医師や医療スタッフと患者との 10 分程度の日常会話から認知症をスクリーニングすることができます。基礎的な検証では、85% 以上の判定精度を誇っており、これにより、潜在的な認知症患者を早期に発見するだけでなく、認知症診断についての専門知識や経験の少ない一般医や、オンラインでの遠隔診療での診断も可能となります。判定結果に基づき専門的な医療機関での治療や適切なサポートとの迅速な連携をはかることで、患者、医療者、さらには介護者の負担を大幅に減らすことにつながります。

会話型 認知症診断支援 AI プログラムのフロー

このプログラムは、3 月 12 日に医薬品医療機器総合機構 (PMDA) に治験届けを提出、医療機器としての承認取得に向けて、4 月より複数の医療機関で治験を進めています。今後は 2023 年度の上市を目指すとともに、うつ病や統合失調症など認知症以外の精神神経疾患の診断支援にも幅広く応用していく予定です。また FRONTEO 様では、その他のライフサイエンス AI プロダクトや創薬支援 AI、論文探索 AI についても Microsoft Azure でのシステム構築をご検討頂いています。今後も幅広い医療機関・研究機関・製薬企業等での利用を促進してまいります。

医療機器開発 4 つのステージと 3 つのゲート

Microsoft Teams を活用したオンライン診療の広がり

少子高齢化や過疎化が進むなかで、患者さんが院外から非対面で診察を受けられるオンライン診療は、早くからその必要性を認識されてきましたが、技術面や心理面のハードルがあり、これまでなかなか普及してきませんでした。それが、新型コロナウイルスの流行によって対面診療のリスクが高まったここ 1 年で、急速に普及しつつあります。2021 年秋以降には、現在は特例として初診や電話診療を認めているガイドラインの恒久化を視野に入れた改正も予定されているため、今後さらにオンライン診療の導入は進みそうです。

オンライン診療システム ヤードッククイック

一方で、通信環境の問題や情報漏洩リスクへの懸念などから、利用にためらいがある患者さんや、導入をためらう医療機関様も少なくありません。そこで日本マイクロソフトは、2021 年 4 月から患者と医師・医療機関それぞれに向けたオンライン診療導入マニュアルに関して無償提供を開始しました。Microsoft Teams を活用したオンライン診療の手順をわかりやすく解説し、導入推進をサポートしています。また、多くの医療機関様に導入されている株式会社インテグリティ・ヘルスケア様のオンライン診療システム「YaDoc Quick」にはMicrosoft Teams が採用されており、診療予約から決済までオールインワンで完結できる利便性と、Microsoft Teams の安定した映像品質が支持頂いています。Microsoft Teams のチャットやビデオ会議機能をコミュニケーションツールとして導入する医療機関も多く、働き方改革の観点でも、日本マイクロソフトは皆さまの支援を続けてまいります。

オンライン診療ガイド

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医療機関向けセキュリティリファレンスへの『Microsoft Teams』の対応について http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/health/2020/08/20/microsoft-teams-to-security-reference-for-medical-institutions/ Wed, 19 Aug 2020 22:57:13 +0000 日本は、世界でも類を見ない超高齢化社会が到来するといわれています。高齢化時代に伴い、2025年の社会保障給付金は約 150 兆円とも言われており、さらには、国内での医師や看護師の地域偏在化がより顕著になることで、医療サービスに対して地域格差が進みます。

具体的には、24% の地域において人口対比での医療従事者数が減少し、その傾向は過疎部になればなる程顕著になるといわれています。また、急性期を中心とした大規模病院での電子カルテ普及率はほぼ 100% である一方、診療所含めた一般病院の電子カルテ普及率はいまだに 50% 以下となっています。

地域包括ケアや地域医療連携をより促進するためには、情報の電子化ならびに連携するデータの標準化が喫緊の課題となります。

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データ入力する女性医師

※当記事は、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版」の要求事項に対して、Microsoft Teams の対応状況を確認・整理した結果を『医療機関向けクラウドサービス対応セキュリティリファレンス』として公開するにあたり、執筆されたものです。

参考 https://www.mri.co.jp/service/digital015.html

次世代ヘルスケア改革に向けた日本の現状

日本は、世界でも類を見ない超高齢化社会が到来するといわれています。高齢化時代に伴い、2025年の社会保障給付金は約 150 兆円とも言われており、さらには、国内での医師や看護師の地域偏在化がより顕著になることで、医療サービスに対して地域格差が進みます。

具体的には、24% の地域において人口対比での医療従事者数が減少し、その傾向は過疎部になればなる程顕著になるといわれています。また、急性期を中心とした大規模病院での電子カルテ普及率はほぼ 100% である一方、診療所含めた一般病院の電子カルテ普及率はいまだに 50% 以下となっています。

地域包括ケアや地域医療連携をより促進するためには、情報の電子化ならびに連携するデータの標準化が喫緊の課題となります。そのような状況を受け、政府の未来投資会議において、「医療サービスの生産性向上」、「先端技術の積極活用」、「保健医療データの整備・流通」に多くの投資がされていくことが決定されています。

特に地域による医師の偏在化や、患者 1 人当たりの医師の数が OECD 平均よりも少ない我が国の医療資産を効率的に活用するためには、デジタル技術によって医療従事者の働き方を変えていくことで、「医療サービスの生産性向上」を実現することが必要不可欠となっています。

次世代ヘルスケア変格に向けた日本の現状の図

医療機関向けクラウドサービス対応セキュリティリファレンスとは

これまで医療機関においては、取り扱う患者情報の性質や、非常時を想定した可用性の確保および大容量な医療画像の取り扱いなどの観点から、日本国内でのクラウド利活用はあまり進んでいませんでした。

しかしながら、ヘルスケア分野におけるデータ利活用、災害対策としての医療データの保全、院内システムのコスト低減等のニーズから、医療機関においてもクラウドサービスの採用が増加傾向にあります。さらに新型コロナウイルス (COVID-19) による公衆衛生上のリスクの顕在化により、リモート会議システム等による人的接触回数の低減、非対面による診療サービスの提供、効率的な事務手続きによる病院滞在時間の短縮等のニーズがこれまで以上に高まり、クラウドサービスを利用する医療機関が増えています。

そのような状況を踏まえ、医療業界におけるクラウドサービスの利活用促進を目的として、医療機関向けの情報セキュリティガイドラインに対して、対象とするクラウドサービスの対応状況を確認・整理し、医療機関および医療システムを提供する企業向けに公開することにしました。その結果を、ここでは「医療機関向けクラウドサービス対応セキュリティリファレンス」と呼んでいます。

  1. 厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版」(平成 29 年 5 月)
  2. 経済産業省「医療情報を受託管理する情報処理事業者における安全管理ガイドライン」(平成 24 年 10 月)
  3. 総務省「クラウドサービス事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン 第1版」(平成 30 年 7 月)
  4. 総務省「ASP・SaaSにおける情報セキュリティ対策ガイドライン」(平成 20 年 1 月 30 日)
  5. 総務省「ASP・SaaS事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン 第1.1版」(平成 22 年 12 月)

なお、上記①、②および③を合わせて「3 省 3 ガイドライン」、上記①、②、④および⑤を合わせて「3 省 4 ガイドライン」と呼びます。

3 省 3 ガイドラインの図

出典:総務省「クラウドサービス事業者が医療情報を取り扱う際の安全管理に関するガイドライン 第1版」および厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版」をもとに株式会社三菱総合研究所様にて作成

医療機関向け『Microsoft Teams』対応セキュリティリファレンスの公開

今回、株式会社三菱総合研究所様にて調査いただき、「医療機関向け『Microsoft Teams』対応セキュリティリファレンス」(以下、 『Teams対応セキュリティリファレンス』)は、Microsoft Teams (以下、『Teams』) に関して、医療機関が Teams を使用する場合を想定して、医療システムに関連するセキュリティガイドラインへの対応状況を公開いただきます。

本リファレンスでは、厚生労働省「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン 第5版」(平成 29 年 5 月) に対する調査結果を掲載しております。
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000166275.html

最新の情報は三菱総合研究所様の以下URLにてご確認ください。
https://www.mri.co.jp/service/digital015.html

また、今回公開いただく「Teams 対応セキュリティリファレンス」以外にも、上記 URL にてセキュリティリファレンスを、株式会社三菱総合研究所様にて調査、公開いただいています。

今後も、医療情報を安心・安全にお使いいただける環境を整えるとともに、働き方改革をはじめ、医療者がより良い治療ができるよう、医療機関がより良い医療を患者さまへ提供できるようご支援を続けてまいります。

 

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