Microsoft は次期 OS「Windows 10」についての詳細を発表しました。PC およびタブレット版の Windows 10 にも、パーソナル デジタル アシスタントの「Cortana」が追加されることも明らかになりました。

同社はまた、「Microsoft HoloLens」と呼ばれる拡張現実 (AR) ヘッドセットも発表しました。このヘッドセットを装着することで、ユーザーは Windows 10 が投影する 3D映像を体感したり、操作したりできるようになります。

Microsoft で OS 担当エグゼクティブ バイスプレジデントを務めるテリー・マイヤーソン氏はメディア向け発表イベントで、Windows 10 はこれまでになく広範なハードウェアをサポートすると説明しました。Windows 10 はタブレットと PC だけでなく、スマートフォンにも搭載されます。

また、Windows 10 は Windows としては初めて、サービスとしてユーザーに提供されます。つまり、いったん Windows 10 にアップグレードすれば (Windows 10 リリース後の 1年間であれば、Windows 7、Windows 8、Windows Phone からのアップグレードは無償)、そのハードウェアの利用中は追加コストなしで最新の OS を使えることになります。

● Cortana が PC でも利用可能に

Windows Phone 搭載スマートフォンの既存ユーザーにとっては、Microsoft の音声制御式パーソナル デジタル アシスタントの Cortana は馴染み深いものです。これが、Windows 10 で PC およびタブレットでも利用できるようになります。

OS 担当のコーポレート バイスプレジデント、ジョー・ベルフィオーレ氏は、Cortana を使って PC とやりとりする多数の方法をデモしました。たとえば、口頭でメールを作成して送信したり、ミーティングの予定を入力したり、音楽を再生してみせました。

「音声対話モデルがユーザーの仕事処理能力をどう変えるのかをご紹介しています。Cortana は、PC と自然にやりとりする新たな方法を提供します。」 (ベルフィオーレ氏)

● HoloLens の拡張現実機能

Windows 10 を搭載する Microsoft HoloLens は、世界初のホログラフィック コンピューティング プラットフォームです。この無線式の拡張現実ヘッドセットを装着すると、ユーザーは高精細のホログラムとサラウンド サウンドを視聴できます。HoloLens は高度なセンサーで周囲をマッピングし、ユーザーの視線を検出し、音声命令と手のジェスチャーを理解します。

Microsoft は HoloLens の性能をデモしました。この動画では、HoloLens を装着した男性がゲーム「Minecraft」の 3D版をプレーするようすや、女性が職場を歩きながら同僚の 3Dホログラムに話し掛けるシーンなどが紹介されています。

Microsoft は間もなく、開発者が独自のホログラフィック アプリを開発するための API セットを提供する予定です。同社はまた、米航空宇宙局 (NASA) のジェット推進研究所 (JPL) が、Microsoft のホログラフィック技術「Windows Holographic」を使い始めており、研究者らは近く火星探査車が撮影した画像のホログラムを使ったバーチャル火星探索を行うことも明らかにしました。

●新 Web ブラウザー「Project Spartan」

Windows 10 と共に、新しい Web ブラウザー「Project Spartan」が登場します。この Web ブラウザーは、Internet Explorer (IE) に置き換わります。

Windows 10 向けに開発されたこの新 Web ブラウザーは Cortana と統合されており、音声コマンドや手描きの注釈、パーソナライズされたレコメンデーション機能などを備えます。

Microsoft は 1 月に、日本語を含む 25 か国語以上に対応する PC 向けの Windows 10 テクニカル プレビューの最新ビルドを Windows Insiders のメンバーに向けてリリースし、さらにスマートフォン向け Windows 10 の初のテクニカル プレビューを 2 月にリリースしました。

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Microsoft は 2014 年、「Detecta」と名付けられた犯罪データの収集・解析プラットフォームの導入で、ブラジルのサンパウロ市と提携しました。このシステムは、検索エンジンのように警察内の膨大な情報をインデクシング (データの検索を高速化するための処理) し、自動的にデータを関連付け、地元当局が犯罪に立ち向かう方法を改善する取り組みを支援します。Detecta は既に大きな成果を上げていますが、当局はこのシステムの利用範囲の拡大と、地元警察がより効果的に勤めを果たせるようさらに多くの情報を収集する方法を検討しています。

Detecta は、2012 年に Microsoft がニューヨーク市と共同開発した「Domain Awareness System (DAS) 」をベースにしています。これは、公共安全データをリアルタイムで収集・解析し、ニューヨーク市警の捜査官と分析官に潜在的脅威や犯罪行為の包括的な情報を提示するというものです。2013 年通年で、約 6000 台の監視カメラが DAS に接続されました。その 3 分の 1 は警察のカメラで、残りは民間企業が所有するカメラです。

サンパウロ市当局は、Detecta に接続する監視カメラを増やせば増やすほど、犯罪対策の効率を上げるための情報量が増えることを理解しています。当局は昨年 8 月、政府保有の監視カメラ 540 台を Detecta に接続しました。10 月には民間企業保有のカメラ 120 台を追加しましたが、接続台数をさらに増やしたいと考えています。

そのためには、当局自身がセキュリティ カメラ増設のために投資する必要があるだけでなく、既に地元の企業、レストラン、ショップ、住宅に設置されている民間の監視カメラを活用する必要があります。

監視カメラ ソリューション企業 Genetec のブラジル支社で IP ビデオ監視スペシャリストを務めるデニス・アンドレ・コテ氏は、Detecta に接続するカメラを増やすことは想像以上に難しいと説明しています。「サンパウロ市が Detecta をフル活用するには、さらに多くのカメラを接続する必要がありますが、そのためには最新システムである Detecta とサンパウロの既存の多数の監視カメラを接続する方法を見つける必要があります。既存の監視カメラは多様なシステムで稼働しており、中にはアナログ カメラもあります。」 (アンドレ・コテ氏)

サンパウロ西部の商業地、ヴィラ・マダレナ地区の自治会は、この問題の解決に取り組んでいます。同会は Genetec と提携して地域の公共/民間監視カメラを統括する監視センターを構築し、Detecta と連携する計画です。

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