鈴木 靖隆, Author at マイクロソフト業界別の記事 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog Wed, 25 Jun 2025 05:20:07 +0000 en-US hourly 1 製造業 DX の先進事例も続々。デジタル形式の「ハノーバー メッセ」で披露 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2021/07/15/advanced-case-studies-of-the-manufacturing-dx-were-presented-at-digital-formatted-hannover-messe/ Wed, 14 Jul 2021 15:44:05 +0000 初めてのオンライン開催となったドイツの大型産業見本市「Hannover Messe」。2015 年から継続して出展し、製造業のデジタル革新に貢献する姿勢を示しているマイクロソフトは、新形式で開催された「Hannover Messe 2021 Digital Edition」で、新たな事業コンセプト「Microsoft Cloud for Manufacturing」を披露したうえで、例年と同様に先進事例を軸に最新の取り組みを披露しました。.

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工場のラインで作業する男性

初めてのオンライン開催となったドイツの大型産業見本市「Hannover Messe」。2015 年から継続して出展し、製造業のデジタル革新に貢献する姿勢を示しているマイクロソフトは、新形式で開催された「Hannover Messe 2021 Digital Edition」で、新たな事業コンセプト「Microsoft Cloud for Manufacturing」を披露したうえで、例年と同様に先進事例を軸に最新の取り組みを披露しました。ここでは、そのハイライトをご紹介します。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、2020 年の Hannover Messe は、一旦延期のうえ、開催が取りやめになりました。2021 年は「Hannover Messe 2021 Digital Edition」と題してオンライン形式での開催となりました。主催者の発表では、約 1,800 の企業や団体、研究機関が出展。2021 年 4 月 12 日から 16 日までの 5 日間にわたって、バーチャルな展示ブース、ライブストリーミングなどの手段を使って、それぞれの技術、製品、サービスなどをアピールしました。

製造業におけるデジタル革新を重視するマイクロソフトは、2015 年から続けてこのイベントに出展しています。例年、ユーザー事例を前面に出した展示をしており、それをベースに、製造業にまつわる最新の取り組み、技術、サービスを紹介しています。これは Hannover Messe におけるマイクロソフトの展示の特徴として、リピーターの間では認知されています。このスタイルは、「Hannover Messe 2021 Digital Edition」でも踏襲しました。

DX 支援のコンセプトを発表

マイクロソフトは、デジタル版の Hannover Messe においてバーチャル展示ブースを設けるとともに、数件のビデオストリーミング・プログラムを提供しました。この中で、製造業に向けた新たな事業コンセプト、「Microsoft Cloud for Manufacturing」を発表しました。オープンスタンダードとエコシステムを提供し、デジタル変革に取り組む企業の活動を支援するというものです。このために、大きく 5 つの分野に継続的に投資する方針も名言しました。

具体的には、「働き方の変革 (Transform your workforce)」「新しいやり方でお客様とエンゲージする (Engage customers in new ways)」「もっと俊敏な工場を構築する (Built more agile factories)」「もっと強靭なサプライチェーンをつくる (Create more resilient supply chains)」「イノベーションを加速し、新しいサービスを提供する (Unlock innovation and deliver new services)」の 5 分野です。さらに、これらに加えて、革新を進めるための基盤技術として不可決かつ重要な「セキュリティの合理化・強化」にも継続的に投資することも明らかにしました。

マイクロソフトは、このコンセプトを実践し、製造業における DX を支援するために、「Microsoft Azure」「Microsoft Dynamics 365」「Microsoft 365」の 3 つのクラウドサービスとパートナーエコシステムをベースにしたプラットフォームを提供しており、その仕組みや機能を継続して進化させています。その取り組みの成果や、実際に導入した企業の事例を、今回の Hannover Messe 2021 Digital Edition で紹介しています。

製造業 DX を加速させるマイクロソフトのプラットフォーム

製造業 DX を加速させるマイクロソフトのプラットフォーム

「PoC 地獄」から抜け出せ

例えば、「俊敏な工場」の構築に向けて、IoT と OT デバイスにも継続的にセキュリティを提供する「Azure Defender for IoT」の強化です。また、Azure IoT Edge では、ANSI/ISA-95 規格のネットワーク分離用件に準拠したネスティング機能の一般提供を開始したことを発表しました。製造業の現場で DX を進めるうえでセキュリティの確保は重要な課題です。ここに不安があると、いわゆるエッジに当たる現場とクラウドを安心して接続することができません。現場では数多くの PoC (Point of Concept) が行われているものの、エッジ側での取り組みに終わってしまい、企業規模でスケールさせることができずに終わっています。今回の機能強化は、IIoT 本来のエッジとクラウドのハイブリッドによる迅速な企業展開役立つはずです。

「働き方の変革」については、先進的な事例を紹介しました。いずれもコラボレーションツール「Teams」を使った変革の事例です。コロナ禍が顕在化した 2020 年に、最も導入が進んだのが、コラボレーションツールだと言われています。Toyota Motor North America では、Teams をわずか 3 週間で 4 万人に展開。新型コロナウイルスの感染リスクを抑えるために多くの作業者が一斉に現場に足を運ぶのが難しくなっている状況下においても、「現地現物」の方針を実践できる環境を実現しました。現場の様子を動画に記録してTeamsを介して共有できる仕組みを利用したのです。

Teams を利用して会議を進行する様子

強靭なサプライチェーンとイノベーションの加速

いま業界の関心が高まっている「強靭なサプライチェーン」の構築に貢献する取り組みも紹介しました。2020 年 10 月からプレビューを開始している「Dynamics 365 Supply Chain Management」の新機能、「Cloud and Edge Scale Units」です。サプライチェーンを構成するプロセスに専用にリソースを割り当てることで、安定かつ信頼性の高いサプライチェーンの仕組みを実現します。安定性および信頼性を強化するために、このユニットを実際に作業が行わる場所の近くに設置できるようになっているも特長です。このほかサプライチェーンの強化に関連する取り組みとして、可視化ツールの大手ベンダーである PTC や BlueYonder との連携についても紹介しました。

「イノベーションの加速」に貢献する取り組みについては、クラウド HPC (high performance computing) の利点についてアピールしました。クラウドを利用して安価で高性能のコンピューティング環境が実現できると、製品開発にかかわる誰もが高度なシミュレーションやデジタルツインの仕組みを利用できるようになります。これによって、開発効率が上がれば、イノベーションが生まれる可能性がぐっと高まるでしょう。マイクロソフトでは、こうしたクラウド HPC を提供すると同時に、デジタルツインの導入を促進するためのビルディングブロック「Azure Digital Twins」を提供しています。異なるデバイスやビジネスシステムからのデータ統合や、デジタルモデルの作成を簡素化するビルディングブロックなどを揃えています。さらに、Bently、Ansys、PTC などのパートナ企業と連携して、効率的な研究開発環境を短期間で実現できる仕組みも整えました。

サプライチェーンのシミュレーション

顧客サポートのスキームが変わる

「お客様の新しいエンゲージ」についても、今回の Hannover Messe 2021 Digital Edition で画期的な事例を紹介することができました。大手半導体製造装置メーカーの ASML が導入した遠隔サポートの事例です。MR (Mixed Reality) ヘッドセット「HoloLens2」、「Dynamics 365 Remote Assist」「Teams」などを使って、コロナ禍の中で人が直接サポートすることが難しくなってもサポートを継続できる仕組みを実現しました。製造現場における意図しない装置の停止は企業に大きな損失を招きます。特に、1 回の工程で大量の製品を同時に製造する半導体メーカーの場合、その損失は莫大なものなります。途切れることがなくサポートを提供する仕組みはとても重要です。

ASML が導入した遠隔サポート事例

ただし、高度な技術を駆使する半導体の製造工程には、厳密に保護しなければならない情報が至るところにあります。これまでは、カメラなど情報を取得するデバイスを持ち込むことが不可能だと考えられていました。ところが、コロナ禍に直面したことをキッカケに、厳密な情報の保護と遠隔操作による迅速なサービスを両立する仕組みの実現に取り組み、実装までこぎつけることができました。

開催形式がオンラインへと変わった 2021 年の Hannover Messe でマイクロソフトは、新しいビジョンともに、製造業 DX に貢献する技術、製品、サービス、さらに先進的な事例を数多くご紹介しました。来年も、また新しいトピックを提供できると思います。ぜひ、期待していてください。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。

前編「製造業 DX 実現に向けた取り組みは一段と進化。「ハノーバー メッセ」で新たなコンセプトを披露

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製造業 DX 実現に向けた取り組みは一段と進化。「ハノーバー メッセ」で新たなコンセプトを披露 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2021/07/06/new-manufacturing-dx-concept-to-be-unveiled-at-hannover-messe/ Mon, 05 Jul 2021 15:09:13 +0000 新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大という事態を受けて、2021 年はオンラインという新形態で開催されたドイツの大型産業見本市「Hannover Messe」。ここでマイクロソフトは、例年と同様に製造業に向けた最新の取り組みを披露しました。.

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新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大という事態を受けて、2021 年はオンラインという新形態で開催されたドイツの大型産業見本市「Hannover Messe」。ここでマイクロソフトは、例年と同様に製造業に向けた最新の取り組みを披露しました。この中で、ポストコロナ時代を見据えた新たな事業コンセプト「Microsoft Cloud for Manufacturing」を発表。DX (デジタルトランスフォーメーション) に挑む製造業のユーザーを広範囲で支援する姿勢を一段と明確にするとともに、いつものように先進ユーザーの事例を軸に、進化を続ける最新の製品・サービスの最新状況を明らかにしました。

製造業にかかわる読者の多くは、すでにご存じかと思いますが、Hannover Messe は毎年春にドイツのハノーバーで開催される大規模な産業見本市です。70 年以上の長い歴史を誇るイベントですが、2013 年にドイツ政府が、製造業革新プロジェクト「インダストリー4.0」のコンセプトを発表して以来、製造業のデジタル革新を巡る最新動向を探る場として、世界中から一段と高い注目を集めるようになりました。その大きな焦点となってきたのが、近年急増した ICT ベンダーの出展です。最近では、来場者も慣れてきましたが、数年前は産業用機械/部品や FA 器機を手掛けるメーカーが出展企業のほとんどを占めていた同見本市の会場で、異業種の ICT ベンダーの展示ブースが一気に増えたことは、来場者の間で大きな話題になりました。こうした ICT ベンダーの展示内容や関連ニュースは、最近のハノーバー メッセを巡る報道の焦点にもなっています。

年々盛り上がりを見せる ICT ベンダーの展示の中で、一貫して大きな存在感を示してきたのが、マイクロソフトの展示ブースです。マイクロソフトは、大手 ICT ベンダーの中でいち早く 2015 年から Hannover Messe への出展を開始。それ以降、継続して大規模なブースを構えて出展してきました。例年、ユーザーが実現した DX の事例を中心に展示しており、製品やサービスの最新情報だけでなく、DX の具体的な事例を目の当たりにできることから、開催期間中は常に多くの来場者でにぎわっていました。

製造業 DX 支援の姿勢が一段と鮮明に

残念ながら新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、2020 年の Hannover Messe は、一旦延期のうえ、開催が取りやめになりましたが、2021 年はデジタル版の「Hannover Messe 2021 Digital Edition」として、2021 年 4 月 12 日から 16 日までの 5 日間にわたって開催されました。初のオンライン開催です。主催者の発表では、約 1,800 の企業や団体、研究機関が出展。バーチャルな展示ブース、ライブストリーミングなど多彩な手段を使って、技術、製品、サービスを紹介しました。マイクロソフトも、こうした手法を駆使して、例年と同様に、製造業に向けた全体方針とともに、事例を中心に最新の取り組みを紹介しました。

今年の大きな目玉とも言えるのが、製造業のデジタル変革を支援するためにマイクロソフトが展開する取り組み全体のコンセプト、「Microsoft Cloud for Manufacturing」です。Hannover Messe 2021 Digital Edition の期間中に配信されたビデオストリーミング・プログラムの 1 つ、「What’s Next for Manufacturing」の中で、製造業担当 Vice President の Caglayan Arkan が明らかにしました。

左が Microsoft 製造業担当 Vice President Caglayan Arkan 氏。右は対談をした McKinsey & Company の Enno de Boer 氏。

左が Microsoft 製造業担当 Vice President Caglayan Arkan 氏。
右は対談をした McKinsey & Company の Enno de Boer 氏。
Microsoft Livestream @ HMI2021 「What’s Next for Manufacturing」より

新型コロナウイルスのパンデミックによって、世界の製造業が大きな打撃を受けました。これをキッカケに、いま製造業にかかわる多くの企業が、強靭性 (Resilient) とサステナビリティを高めるべく、さまざまな変革に乗り出しています。オープンスタンダードとエコシステムを提供し、こうした企業の活動を加速することが、Microsoft Cloud for Manufacturing の基本理念です。

「Microsoft Cloud for Manufacturing」のコンセプト

Arkan は、ビデオストリーミング・プログラムの中で、Microsoft Cloud for Manufacturing を展開するうえでの基本方針として、製造業における大きく 5 つの分野に継続的に投資することを明言しました。すなわち、「働き方の変革 (Transform your workforce)」「新しいやり方でお客様とエンゲージする (Engage customers in new ways)」「もっと俊敏な工場を構築する (Built more agile factories)」「もっと強靭なサプライチェーンをつくる (Create more resilient supply chains)」「イノベーションを加速し、新しいサービスを提供する (Unlock innovation and deliver new services)」の 5 分野です。さらに、これらに加えて、革新を進めるための基盤技術として不可決かつ重要な「セキュリティの合理化・強化」にも投資することも明らかにしています。

このコンセプトを実践するために、マイクロソフトは、絶え間なく技術や製品、サービスを進化させるとともに、それらをさまざまな業界に実装するための支援をしており、実際に数多くの事例も生まれています。「Hannover Messe 2021 Digital Edition」では、その最新状況を数多く紹介しています。その具体的な内容を、このブログの後編でご紹介します。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。

後編「製造業 DX の先進事例も続々。デジタル形式の「ハノーバー メッセ」で披露

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加速するサプライチェーンの「インテリジェント化」、データ活用の成果は着実に形に http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/10/12/accelerate-supply-chain-intelligence/ Sun, 11 Oct 2020 15:05:14 +0000 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて様々な支障をきたしたことをキッカケに、サプライチェーンの基盤強化に取り組む機運が製造業において高まっています。事業環境の変化や予測していなかった問題にも柔軟に対応可能で、被害を受けても速やかに回復できる強靱なサプライチェーンを構築するための重要なポイントが、サプライチェーン全体から創出されるデータを効果的に活用して、サプライチェーン全体の最適化を図ることができるインテリジェントな情報基盤を実現することです。そのためのソリューションを展開しているマイクロソフトは、いち早く自社のサプライチェーンでその成果を出しています。さらに、具体的な成果を出しているユーザーも着実に増えています。.

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モニターで製造ラインを確認する 2 人の男性

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて様々な支障をきたしたことをキッカケに、サプライチェーンの基盤強化に取り組む機運が製造業において高まっています。事業環境の変化や予測していなかった問題にも柔軟に対応可能で、被害を受けても速やかに回復できる強靱なサプライチェーンを構築するための重要なポイントが、サプライチェーン全体から創出されるデータを効果的に活用して、サプライチェーン全体の最適化を図ることができるインテリジェントな情報基盤を実現することです。そのためのソリューションを展開しているマイクロソフトは、いち早く自社のサプライチェーンでその成果を出しています。さらに、具体的な成果を出しているユーザーも着実に増えています。

製造業に関わる多くの企業がこれまで築いてきたサプライチェーンが抱えている大きな問題の 1 つは、設計・開発、購買、製造 (加工/組み立て)、物流 (配送)、サポートなど、サプライチェーンを構成する工程ごとに、情報やデータ管理の仕組みが最適化されていることです。このため工程間で迅速に連携する仕組みが十分に整備されていないという企業は少なくないと思います。前編で述べたように、世界経済の不確実性が高まる中で、大規模化かつ複雑化したサプライチェーンを強化するために取り組むべき課題は大きく 3 つあるとマイクロソフトは考えています。すなわち、第一は、サプライチェーン全体の動きを可視化して、発生した問題の状況を的確に把握できる仕組みを設けること。第二は、発生した問題や関連する情報を、関係部門部門や関係者の間で素早く正確に共有できるようにすること。第三は、人の動きが制限された場合でも、場所を問わず担当者が問題やリスクに対応できるようにリモートワーク環境を構築することです。

サプライチェーン連携の比較

これら 3 つの課題を解決するために必要なのが、「現場」から収集した大量データを効果的に利用するためのデジタル プラットフォームです。このプラットフォームを利用して、データを軸に、サプライチェーンの各工程を有機的に連携させながら、状況に応じて動的にサプライチェーンの構造や機能を最適化する仕組みを実現することができます。マイクロソフトは、こうしたデジタル プラットフォーム上に構築したサプライチェーンを「インテリジェント・サプライチェーン」と呼んでおり、これを実現するためのクラウド・ベースのソリューションをパートナー企業と連携しながら製造業の皆さんに提供しています。

パートナーとの連携で業務に特化した機能を強化

具体的には、Word、Excel、PowerPoint などのアプリケーションをサブスクリプション サービスとして提供する「Microsoft 365」、クラウド型の ERP (Enterprise Resource Planning) や CRM (Customer Relationship Management) を提供する「Microsoft Dynamics 365」、クラウド サービス「Azure」を連携させることで、インテリジェント・サプライチェーンを実現するためのプラットフォームを実現。生産現場や設備、倉庫からのデータを収集から、データの分析、状況の可視化などサプライチェーン全体を包括的に管理するための多彩な機能を提供します。

ここで重要な特徴は、このプラットフォーム上に実装する様々なクラウド型サービスがデータを介してシームレスに連携できるようにするためのデータ モデル「CDM (Common Data Model)」が用意されていることです。データ モデルとは、アプリケーションに最適化したデータ形式のことです。データを分析・整理してデータ モデルを求める作業はデータ モデリングと呼ばれています。複数のアプリケーションで共有することを前提に最適なデータ モデリングを実施すれば、データを共有するアプリケーションのいずれにおいても扱いやすいデータ モデルを作成できます。つまり、データを共有しながら効率よく複数のアプリケーションが連携でき仕組みを実現できるわけです。

データ モデル「CDM (Common Data Model)」

さらに、サプライチェーン特有のノウハウや知見が必要な機能やサービスについては、サプライチェーン マネジメント・ソリューションの分野で 35 年以上の実績を築き、この業界の最大手として知られている米 Blue Yonder と連携して提供している点も重要な特徴です。サプライチェーンに特化したアプリケーションを、Blue Yonder が提供します。「サプライチェーン マネジメントの基本である『可視化』の機能はもとより、『予測分析』『自己学習』など、AI や機械学習を活用した先進的な機能を提供するツールをいち早くそろえています。これらを各企業のサプライチェーンの成熟度やニーズに応じて段階的に導入していただくことが可能です」(Blue Yonderジャパン 代表取締役社長 桐生卓氏)。

マイクロソフト自身が効果を “体感”

インテリジェント・サプライチェーンは、すでに多くの企業が導入しています。実は、マイクロソフト自身がその 1 つです。いまやクラウドや IT のソリューション・ベンダーとして広く知られている同社ですが、タブレット型端末「Surface」などハードウエアを提供するメーカーでもあります。かつては 4万2,000 種類以上の部品や製品を在庫し、取り引きしているサプライヤは 250 社を超えていました。しかも、122 カ国でビジネスを展開し、年間の製品出荷数は 130 万個に上ります。このため、サプライチェーンがかなり複雑化し、市場の動きに的確に追随させることが難しくなることが懸念されていました。そこで、インテリジェント・サプライチェーンを導入し、生産計画や在庫管理の最適化を推進。この結果、生産計画の策定に要する時間を 2 日間から 4 時間へと大幅に短縮。生産の歩留まりを 30% も改善しました。さらに、過剰在庫などに起因する廃棄のコストを年間 200 億円も抑えることができました。

社外の事例では、コロナ禍の中で立ち上げた「VentilatorChallengeUK Consortium」の緊急プロジェクトがあります。航空宇宙、自動車、医療など分野の壁を越えて英国企業が連携し、新型コロナウイルス感染者の急増によって不足している人工呼吸器を緊急で生産するプロジェクトです。マイクロソフトは、このプロジェクトに参加し、リモートワークやリモート トレーニングの環境と併せて、インテリジェント・サプライチェーンの仕組みを提供。最初のデザインレビューからわずか 2 週間で、8,000 台の人工呼吸器を量産。さらに約 10 週間で、過去 10 年分に相当する台数の人工呼吸器を製造するという目覚ましい成果の実現に貢献しました。

マイクロソフトとパートナー企業である Blue Yonder と連携して実現したソリューションも着実に導入実績が増えています。例えば、最近の事例では原材料や部品の調達先から商品の取引先まで網羅したサプライチェーン全体の状況を可視化するシステムを、医療用の装置や検査用品、実験機器を手掛ける米 Becton, Dickinson and Company に提供。新型コロナウイルス感染拡大によって需要が急増した医療機器や医療用品の需給調整と供給安定化に貢献しています。国際物流大手の DHL には、両社のソリューションを組み合わせて実現した搬送ロボットの制御システムを提供しており、すでに実際の現場で稼働しています。

このほかにも世界各地で導入の動きが進んでいますが、日本でも先進的な企業がインテリジェント・サプライチェーンの導入を進めているところです。例えば、少量多品種生産のハードウエアを手がけている、ある国内メーカーは、AI の機能が組み込まれた Blue Yonder の需要予測ソリューションを導入し、これまで人手に頼っていた需要予測にともなう作業の効率化と精度向上の可能性を探っています。「需要予測ツールの導入は、小売りや流通の業界が先行しています。産業用商材を扱うメーカーの間では、先進的な取り組みだと思います。この事例が呼び水になって、Blue Yonder とマイクロソフトが提供するソリューションが製造業によりいっそう広く活用され、変化に強く回復力の高いサプライチェーンの再構築に貢献することを期待しています」(桐生氏)。

 

製造ラインの作業内容を設定する男性

大規模化かつ複雑化したサプライチェーンの仕組みを変えることは容易なことではありません。その一方で、製造業における DX のトレンドを背景に、ICT をベースにしたサプライチェーン・ソリューションは近年急速に進化しています。コロナ禍の中で現状のサプライチェーンが抱えている課題が現実の問題として浮き彫りになったいまは、新しい時代を先取りしたソリューションを活用してサプライチェーンの大胆な改革を行う好機と言えるかもしれません。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

クラウド活用で変動に強いサプライチェーンを築く

サプライチェーン変革のシナリオを具体的なシーンごとにまとめた資料をダウンロードいただけます。

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この投稿は前後編です。

前編ポスト コロナに向けたサプライチェーン構築、課題はデジタル化によるプラットフォーム強化

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ポスト コロナに向けたサプライチェーン構築、課題はデジタル化によるプラットフォーム強化 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/10/05/challenges-in-building-a-supply-chain-for-post-corona/ Sun, 04 Oct 2020 15:05:34 +0000 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、製造業に携わる多くの企業がサプライチェーンに大きな打撃を受けました。こうした企業を中心に、サプライチェーンの強化に乗り出す機運が高まっています。ここで課題としてクローズアップされているのが、事業環境の変化や想定外の問題に速やかに対応できる「柔軟性」と、被害を受けても短期間で回復する「復元力」を備えたサプライチェーン、いわゆる「レジリエントなサプライチェーン」を構築することです。それを実現するために欠かせない重要なポイントは、サプライチェーンを巡る大量の情報 (データ) を一元的に活用できる、インテリジェントな基盤を構築することです。ここでは、製造業のサプライチェーンが直面している課題を整理しながら、サプライチェーンのインテリジェント化に向けてマイクロソフトが展開している具体的なソリューションとその事例を紹介します。.

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倉庫で在庫確認を行う男性

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、製造業に携わる多くの企業がサプライチェーンに大きな打撃を受けました。こうした企業を中心に、サプライチェーンの強化に乗り出す機運が高まっています。ここで課題としてクローズアップされているのが、事業環境の変化や想定外の問題に速やかに対応できる「柔軟性」と、被害を受けても短期間で回復する「復元力」を備えたサプライチェーン、いわゆる「レジリエントなサプライチェーン」を構築することです。それを実現するために欠かせない重要なポイントは、サプライチェーンを巡る大量の情報 (データ) を一元的に活用できる、インテリジェントな基盤を構築することです。ここでは、製造業のサプライチェーンが直面している課題を整理しながら、サプライチェーンのインテリジェント化に向けてマイクロソフトが展開している具体的なソリューションとその事例を紹介します。

新型ウイルスによる感染症の世界的な拡大という予期していなかった事態は、日本の産業界に様々な被害をもたらしました。その中でも特に大きくクローズアップされた問題の 1 つがサプライチェーンの機能不全です。感染拡大防止のために世界各国間や国内において人の移動が制限されたことで、部品や材料の生産や物流が停止。これによって産業活動を支えているサプライチェーンの一連の流れが分断されて正常に機能しなくなり、多くの企業が事業計画を見直さざるを得なくなりました。

 

ストックヤード

こうした事態を収拾するために、部品・部材の調達先変更や、代替品の検討など様々な対策を急ぐ一方で、根本的な解決に向けてサプライチェーンの仕組みを強化し、自然災害などサプライチェーンの機能を脅かすリスクや不確実性に対する耐性や回復能力を一段と高める取り組みを始める動きが製造業に関わる企業の間で出てきました。

この背景には、今回のコロナ禍がサプライチェーンに対して引き起こした事態が、企業にとって想定以上に厳しかったことがあるのではないでしょうか。東日本大震災 (2011 年) や熊本地震 (2016 年)、多くの日本企業が進出していたタイで発生した洪水 (2011 年) など、近年の大きな自然災害に遭遇したことで、BCP (Business Continuity Planning、事業継続計画) を整備した企業は多いと思います。その中で、ほとんどの企業がサプライチェーンで発生する問題についての対応も織り込んだはずです。ただし、今回のコロナ禍では、従来よりも難しい事態が発生しました。1 つは、新型ウイルスの感染拡大とともに、サプライチェーンで発生する問題が刻々と変化したことです。従来の自然災害の際には、問題となったポイントは決まっていました。さらに、市場の動きも止まってしまったことが企業にとって一段と事態を深刻にしました。つまり、サプライチェーンを超えて商流全体の動きが止まってしまいました。こうした、より複雑な問題に実際に直面した以上、企業がサプライチェーンの強化に取り組まざるを得えないと考えるのは当然でしょう。

もっともコロナ禍はあくまで 1 つのキッカケに過ぎず、もともとサプライチェーンの仕組みを強化することは、製造業に携わる企業の多くが従来抱えていた課題だったとも言えます。国内だけでなく海外でビジネスを展開し、グローバルなサプライチェーンを構築している企業が増えたからです。これにともなって、サプライチェーンが大規模化すると同時に、モノや情報の流れが複雑化しています。しかも、世界経済に大きな影響を与えかねない国際問題が次々と浮上しており、世界情勢の不確実性が高まってきました。グローバルな規模で安定したサプライチェーンを構築することは難しくなる一方です。こうした状況に対応するために、サプライチェーンに関する大きな改革の必要性を感じている企業は少なくないのではないでしょうか。

 

生産現場で在庫管理を行う女性

クラウドをベースにしたシステム構築は必須

このような状況に対応できる強力なサプライチェーンを構築し、市場における競争力を維持するために、製造業のサプライチェーンに関して企業が、取り組むべき課題は大きく 3 つあるとマイクロソフトは考えています。第一は、サプライチェーン全体の動きを可視化して、サプライチェーンのどこで何か発生しているかを迅速かつ的確に把握できる仕組みを設けることです。第二は、発生した問題や関連する情報を、関係部門や関係者の間で素早く正確に共有できるようにすること。第三は、人の動きが制限された場合でも、場所を問わず担当者が問題やリスクに対応できるようにリモートワーク環境を構築することです。今回のコロナ禍によって、リモートワークを導入する動きが産業界に一気に広がりました。もはや、リモートワークへの対応は必須といえるでしょう。

これら 3 つの課題を最も合理的な形で解決するうえで欠かせないのは、言うまでもなくICT (情報通信技術) とデジタル化の取り組みです。設計・開発、購買、製造 (加工/組み立て)、物流 (配送)、サポートなど、サプライチェーンを構成する様々な工程からデータを収集し、情報システムで一元管理することで、サプライチェーン全体の状況を迅速かつ的確に把握し、速やかに問題解決に向けたアクションを始めることができます。情報ネットワークを介して部門間で効率よく情報を共有することも可能で、リモートワークの環境でもその情報を活用できるようになります。また国や地域の枠を超えた広範囲からデータを収集する必要があることや、膨大な量のデータを扱うことから、サプライチェーンを管理する一連の仕組みは、クラウド上に設けることが前提になるでしょう。

こうした仕組みを構築することは、製造業全体の大きなトレンドである DX (デジタル トランスフォーメーション) の実現に向けた取り組みにほかなりません。マイクロソフトは、パートナー企業と連携しながらサプライチェーンの強化に向けた一貫したソリューションを提供しています。それを導入し、すでにサプライチェーンの改革を進めている企業もあります。この記事の後半では、マイクロソフトが展開している具体的なソリューションと、そのソリューションを導入した企業の事例を紹介します。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。
後編加速するサプライチェーンの「インテリジェント化」、データ活用の成果は着実に形に

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ビジネス変革を見据えた製造業 DX、データモデル「CDM」の強化で基礎を整備 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/07/21/establish-the-foundation-by-strengthening-the-data-model-cdm/ Mon, 20 Jul 2020 21:00:10 +0000 特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ ~ 第 7 回
データを活用してビジネスモデルにおよぶ企業の変革を進める「デジタル トランスフォーメーション (DX)」。この概念を実践し、新たな競争力を身に着けることは、ポスト コロナを企業が生き抜くうえで不可避という認識が製造業に広がっています。これとともに重要性がクローズアップされているのが、ものづくりのバリューチェーンから集めたデータを活用する仕組みです。.

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2 つのディスプレイでデータ分析をする男性

特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ ~ 第 7 回

データを活用してビジネスモデルにおよぶ企業の変革を進める「デジタル トランスフォーメーション (DX)」。この概念を実践し、新たな競争力を身に着けることは、ポスト コロナを企業が生き抜くうえで不可避という認識が製造業に広がっています。これとともに重要性がクローズアップされているのが、ものづくりのバリューチェーンから集めたデータを活用する仕組みです。膨大な量のデータから抽出した有意義な情報が新たな付加価値をもたらし、これが新ビジネスの創出につながる可能性があります。こうしたビジネス変革を見据えた製造業 DX を推進する基盤を構築するためにマイクロソフトは、クラウド型サービスのデータ連携のために開発したデータモデル「Common Data Model (CDM)」の強化を進めています。

数年前の「第 4 次産業革命」のブームを契機に製造業における DX の潮流が、にわかに顕在化しました。この背景には、工業先進国を中心に少子高齢化などによる社会や市場の変化によって、大量生産大量消費を前提にした従来の製造業のビジネスに限界が見えてきたことがあります。製造業 DX を巡る様々話題の中では、IoT (Internet of Things)、AI (人工知能)、VR (仮想現実)、デジタル ツインなど目新しい技術の動向に目が行きがちですが、本来製造業 DX によって目指すべき目標は、ビジネスモデルを革新し、製造業の新たな発展の道を開くことです。

そのための、もっとも有力なアプローチが「つながる工場」と「データ活用」です。「つながる工場」は、製造業のバリューチェーンを構成する様々な工程を情報ネットワークで接続して、それらが連携する仕組みを実現するアプローチです。装置と装置をつなぐ、装置で構成された生産ラインと生産ラインをつなぐ、工場と工場をつなぐ、企業と企業をつなぐ、といったように工場や企業、国や地域の枠を超えてつながる範囲を拡大する方向へと進みます。これとともに、ものづくりのプロセスの合理化や効率化が進むことで事業環境の変化に素早く適応できる柔軟性が高まることが期待されています。

製造ラインで PC をチェックしながら部品を組み立てる女性

「データ活用」が表しているのは、バリューチェーンの随所から収集したデータを、ものづくりの課題解決に活用するアプローチです。データを収集する領域を広げながら、より多く、より多様なデータを収集する方向へ進みます。活用するデータの種類や量が増えるにつれて、そこから抽出できる有意義な情報の量や価値は高まるでしょう。

この「つながる工場」と「データ活用」の 2 つのアプローチを同時に進めることで、DX が進展することが期待されています。「つながる工場」や「データ活用」の概念は、第 4 次産業革命のブームを引き起 こしたドイツの製造業革新プロジェクト「インダストリー4.0」のコンセプトに登場しており、第 4 次産業革命のブームの中で大きな注目を集めました。最近では、製造業がこれから進む方向を示す概念として、工業先進国を中心に業界に定着しています。

DXに不可欠なデータ連携

実際に「つながる工場」や「データ活用」を進めるとなると、様々な問題が浮上するはずです。その中で、いち早く顕在化している課題の1つが、「データ活用」を進めるうえで欠かせないデータ連携の拡大です。データ連携とは、異なる情報システム間で同じデータを共有し、それぞれで活用できるようにすることです。

製造業の一連のバリューチェーンの中で、工程ごとに様々なアプリケーションが使われていますが、多くの場合、アプリケーションによって扱うデータの形式が異なっています。これは ICT ベンダーの多くが特定の領域に特化した製品を提供しており、アプリケーションに依存したデータ形式を採用しているからです。このような状況の中で、様々な工程から集めたデータを統合して活用しようとすると、データ形式を変換するシステムが必要なります。こうなると、どうしてもシステムが複雑化するうえに、費用がかさみます。このままでは、バリューチェーン全体でデータを共有する仕組みが広がらず、DX はなかなか進まない状況が続くという事態になりかねません。

有力3社が連携してデータモデルを共通化

こうした課題の解決に向けてマイクロソフトは、汎用性を備えたデータモデルの開発を進めています。データモデルとは、アプリケーションに最適化したデータ形式のことです。データを分析、整理してデータモデルを求める作業はデータモデリングと呼ばれていますが、複数のアプリケーションで共有することを前提に最適なデータモデリングを実施すれば、データを共有するアプリケーションのいずれにおいても扱いやすいデータモデルを作成できます。

マイクロソフトは、「Dynamics365」、クラウドサービス「Azure」、チームコラボレーションハブ「Teams」といった 3 つのクラウドサービスのデータ連携のために「CDM (Common Data Model)」を用意しています。さらに CDM をベースに、広範囲のデータ連携に適したデータモデルの開発を進めているところです。

このための取り組みの一環として、2018 年 9 月に「Open Data Initiative (ODI)」を立ち上げました。ODI は、欧州 SAP と米 Adobe、マイクロソフトの 3 社が提供する業務アプリケーション間におけるデータ連携に適したデータモデルを開発するイニシアティブです。CRM (Customer Relationship Management: 顧客関係管理システム)や、ERP (統合基幹業務システム) の機能を提供するマイクロソフトの「Dynamics365」、SAP の CRM「SAP C/4HANA」および ERP「SAP S/4HANA」、Adobe のマーケティング プラットフォーム「Adobe Experience Cloud」および顧客体験管理プラットフォーム「Adobe Experience Platform」の間で共用できるデータモデルを開発。マイクロソフトのクラウドサービス「Azure」上にあるデータレイクサービスを介して連携できるようにする考えです。

Adobe CEO Shantanu Narayen、マイクロソフト CEO Satya Nadella、SAP CEO Bill McDermott

Adobe CEO Shantanu Narayen、マイクロソフト CEO Satya Nadella、SAP CEO Bill McDermott

さらに、マイクロソフトは、2019 年 4 月に大手自動車メーカーの独 BMW Group とともに、「つながる工場」の実現に向けたコミュニティ「Open Manufacturing Platform (OMP)」を立ち上げました。OMP は、業界の枠を超えて参加企業が連携し、技術や情報を共有しながら、それぞれが新しいコンセプトに基づく次世代工場を速やかに実現するためのアライアンスです。この活動の中でも製造業向けのアプリケーションでデータ連携を進めるためのデータモデルの開発に取り組んでいるところです。OMP の活動は着々と拡大しており、立ち上げ時の 2 社に加えて、大手自動車部品メーカーの独 ZF Friedrichshafen や独 BOSCH などが参加しています。

データ連携強化に向けた企業買収

マイクロソフトは、ODI や OMP の活動で得られた知見を CDM に反映する方針です。これに加えてさらなる CDM の強化に向けて、2020 年 6 月に、データモデリングの研究開発と販売を手掛ける米 ADRM Software を買収したことを発表しました。ADRM Software は、業務分野別に 30 種類にもおよぶデータモデルを開発しており、様々な企業に提供しています。マイクロソフトは、ADRM Software が持っているデータモデリングに関する高度な技術や、抱負な実績も基づくノウハウを共有することで、CDM の最適化をさらに進める考えです。

ADRM データモデル

冒頭に述べたように製造業におけるDX の大きな目標は、製造業のビジネスモデルを変革することです。そのために企業が目指すべき方向の 1 つが「データ活用」です。マイクロソフトが取り組んでいるデータ連携に向けたデータモデルの開発は、製造業 DX 戦略の基礎となる重要な取り組みだと言えるでしょう。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

マイクロソフトの With/Post COVID-19 における製造業のお客様向けご支援策

下記の資料やウェブ サイトから、この環境下で必要な対応への支援例を参照ください。

 

この投稿はシリーズです。
第 1 回「コロナ禍で加速する製造業 DX、的確かつ迅速な「現場」の変革が不可避に
第 2 回「現場が“腹落ち”する製造業 DX、手戻り最小限で速やかな変革
第 3 回「先行する製造現場の DX に素早く追随、最適な筋書きを浮き上がらせる 5 つのメニュー
第 4 回「「DX は成長戦略の大きなチカラ」、大胆な取り組みを着々と展開
第 5 回「製造業 DX は確実に加速、柔軟な姿勢で多様なエコシステムを構築
第 6 回「現場で鍛えた ICT を活用する局面へ「先人の知恵」を生かして製造業 DX を加速

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現場で鍛えた ICT を活用する局面へ「先人の知恵」を生かして製造業 DX を加速 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/07/14/the-stage-of-utilizing-ict-trained-in-the-field/ Mon, 13 Jul 2020 18:54:24 +0000 特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ ~ 第 6 回 「ポスト コロナ」を見据えて DX (デジタル トランスフォーメーション) 戦略を強化する動きが製造業で広がっています。迅速な変化を迫られている中、有利な形で DX を推進するうえで重要なポイントとして見逃せないのが「先人の知恵」です。先行する企業の経験やノウハウを生かすことで、効率よく進めることができるはずです。実は ICT ベンダーが提供する商品やサービスが、こうした利点を提供する可能性を秘めています。.

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製造ラインをタブレット端末情報で設定する男性作業員 2 名

特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ ~ 第 6 回

「ポスト コロナ」を見据えて DX (デジタル トランスフォーメーション) 戦略を強化する動きが製造業で広がっています。迅速な変化を迫られている中、有利な形で DX を推進するうえで重要なポイントとして見逃せないのが「先人の知恵」です。先行する企業の経験やノウハウを生かすことで、効率よく進めることができるはずです。実は ICT ベンダーが提供する商品やサービスが、こうした利点を提供する可能性を秘めています。数年前の「第 4 次産業革命」の世界的ブームを契機に、いち早く現場を抱える企業と連携した ICT ベンダーが、現場から多くのことを学び、それを製品やサービスに反映しているからです。ここでは、製造業 DX を巡る最近の ICT ベンダーの動きとともに、現場で得た知見やノウハウを反映したソリューションの拡充を図っているマイクロソフトの取り組みを紹介します。

産業見本市「ハノーバーメッセ」2019 年、インダストリー4.0 ブース

新型コロナウイルス感染拡大によって深刻な事態に直面したことを契機に、製造業では DX を重視する機運が、いま改めて高まっています。もっとも、製造業 DX の流れが見えてきたのは、数年前の 2013 年ころのことです。ドイツ政府が、製造業強化の国家プロジェクト「インダストリー4.0」のコンセプトを明らかにしたのをキッカケに、「第 4 次産業革命」のブームが世界を席巻。このとき ICT を活用して製造業の仕組みを根本的に革新するという製造業 DX の概念が世界に広がりました。

製造業革新の機運が高まった背景には、高齢化による労働力の不足や市場の成熟化など、社会の変化を背景に、これまで続けてきた製造業の仕組みの中で様々な本質的な課題が浮上してきたことがあります。そうは言っても、製造業の仕組みを根本的に変えるには、それなりの時間がかかると見る雰囲気が日本の製造業は強かったように思います。ところが、ここにきて製造業 DX を加速する機運が急速に高まっているのは、新型コロナウイルス感染拡大によって、従来から挙がっていた製造業の課題のいくつかが現実の問題として多くの企業が直面することになったからです。

「第 4 次産業革命」のブームとともに DX の概念が製造業に広がる中で、新たな動きを見せたのが DX の基盤となる情報システムに関わる ICT 業界でした。もともと多くの ICT ベンダーが、ものづくりの現場から集めたデータを管理するシステムを展開していましたが、これに加えて、ものづくりの「現場」の領域にある課題におよぶ製品やサービスに力を入れる ICT ベンダーが続々と登場してきました。ただし、「情報システム」と、ものづくりの現場では、ICT に対するニーズが異なります。ユーザーの特性も違います。具体的には、情報システムは企業の IT 部門が担当していますが、ものづくりの現場に実装する IT システムには多くの場合 IT 部門の担当ではありません。したがって、これまでの製品やサービスの延長で、現場のニーズに応えることは、なかなかできません。そこで一部の ICT ベンダーは、現場を抱える企業と連携して、実際のニーズを意識した実践的な製品やサービスの開発に乗り出しました。

産業見本市「ハノーバーメッセ」2019 年、マイクロソフトは航空機エンジン メーカーと協業

マイクロソフトは航空機エンジン メーカーと協業

「現場」に積極的に踏み込む ICT ベンダー

こうした製造業を巡る ICT 業界の動きを目の当たりにすることができたのが、毎年春にドイツのハノーバーで開催される大規模な産業見本市「ハノーバーメッセ」です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、残念ながら 2020 年は開催が中止されましたが、70 年以上の歴史を誇る大型イベントです。このハノーバーメッセは、「インダストリー4.0」のブームが始まってから、ICT による製造業革新を巡るトレンドの最新状況を探る場として世界の注目を集めてきました。そのハノーバーメッセでは数年前から、ものづくりの現場に積極的にアプローチしようという大手の ICT ベンダーの出展が急増しています。それまで、産業用機械/部品や FA 器機を手掛けるメーカーが出展企業のほとんどを占めていたので、異業種である ICT ベンダーの出展増加は、かなり目立ちました。

産業見本市「ハノーバーメッセ」2019 年、マイクロソフトのブース

2019 年のハノーバーメッセにおけるマイクロソフトのブース

ものづくり企業との実践でノウハウを蓄積

最近になってハノーバーメッセに参加した ICT ベンダーの中で、ひときわ大きな存在感を示していたのが、業界でもいち早く 2015 年からハノーバーメッセへの出展を始めたマイクロソフトです。2015 年~2019 年まで継続して、大規模なブースを構えて出展しています。マイクロソフトの展示の大きな特徴は、マイクロソフトが提供するサービスや製品を利用してユーザーが実現した DX の事例を前面に展示していることです。この展示方針は、2015 年から一貫しています。

産業見本市「ハノーバーメッセ」2019 年、トヨタマテリアルハンドリングヨーロッパが開発した AGV

トヨタマテリアルハンドリングヨーロッパが開発した AGV

例えば、2015 年は、産業用ロボット・メーカーの独 KUKA やエレベーター大手の  ThyssenKrupp ともに産業用ロボットの先進的な応用や遠隔監視の事例を紹介。2016 年は、英 Rolls-Royce 社の巨大な航空機用エンジンを展示してクラウドを使って大量のデータを収集する仕組みを披露しました。2017 年は、マイクロソフトが開発したヘッドマウントディスプレイ「Microsoft HoloLens」を使った MR (Mixed Realty) 技術を導入した ThyssenKrupp の製品開発システムなどを展示。2018 年~2019 年は、トヨタマテリアルハンドリングヨーロッパが開発した AGV (自動搬送車) や、スイスの食品加工機メーカー Bühler のトウモロコシ選別装置など AI (人工知能) を応用したシステムを中心にユーザー事例を展示しています。

産業見本市「ハノーバーメッセ」2019 年、スイス Bühler のトウモロコシ選別装置

スイス Bühler のトウモロコシ選別装置

製造業 DX に向けた環境作りを着々

ハノーバーメッセにおけるマイクロソフトの活動を見ると、製造業に向けた取り組みが年々進化していることが分かります。2015 年は、IoT (Internet of Things) の要素技術を中心に展示しました。2016 年は、IoT の仕組みを使って収集したデータを、クラウドを使って活用するシステムへと展示する技術領域が広がっています。2017 年は、さらに IoT の技術を利用して現実世界の事象を仮想空間に再現するデジタル ツインに関連する展示が加わりました。翌年の 2018 年には、物流関連の事例も含めて、ものづくりのバリュー チェーン全体にわたる、技術や製品を展示しています。2019 年は、展示の内容が、ものづくりの仕組みだけでなくビジネスの領域まで踏み込んだ展示が増えました。先に述べた「IT と OT の融合」を実践し、「現場」に密着したソリューションの拡充を図っていることが、ここ数年の取り組みから分かります。

産業見本市「ハノーバーメッセ」2019 年、ロボットアーム デモンストレーション

ここまで製造業DXの実現に向けて「現場」にアプローチするICT業界の動きと、その中でいち早く活動を始めたマイクロソフトの取り組みを紹介しました。実は、マイクロソフトの様々な活動の中で、製造用DXの実践に関わる注目すべき取り組みが、もう一つあります。企業の組織、さらに企業や業界の枠を超えて収集したデータを統合して活用し、さらにそこから新たな付加価値を引き出すための環境作りです(後編へ続く)。
(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

現場に活用するICT (クラウド x AI) 利用例の資料ダウンロード

ICT (クラウド x AI) を現場で活用する具体的なユースケースをイラストでわかりやすく解説した資料をダウンロードいただけます。

AIで自動化する、製造業の新しい「ものづくり」

 

この投稿はシリーズです。
第 1 回「コロナ禍で加速する製造業 DX、的確かつ迅速な「現場」の変革が不可避に
第 2 回「現場が“腹落ち”する製造業 DX、手戻り最小限で速やかな変革
第 3 回「先行する製造現場の DX に素早く追随、最適な筋書きを浮き上がらせる 5 つのメニュー
第 4 回「「DX は成長戦略の大きなチカラ」、大胆な取り組みを着々と展開
第 5 回「製造業 DX は確実に加速、柔軟な姿勢で多様なエコシステムを構築
第 7 回「ビジネス変革を見据えた製造業 DX、データモデル「CDM」の強化で基礎を整備

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製造業 DX は確実に加速、柔軟な姿勢で多様なエコシステムを構築 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/07/10/manufacturing-dx-is-steadily-accelerating/ Fri, 10 Jul 2020 02:48:47 +0000 特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ~ 第 5 回
DX (デジタル トランスフォーメーション) にいち早く取り組んでいる機械要素部品メーカーとして注目を集める THK。同社が推進する DX にまつわる先進的なプロジェクトの指揮を執る執行役員 IOT イノベーション本部 本部長 坂本卓哉氏へのインタビューの後半では、DXを巡るトレンドや同社の今後の展開について話をしていただきました.

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電子工場の製造ラインで製品を運搬する作業員

特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ ~ 第 5 回

DX (デジタル トランスフォーメーション) にいち早く取り組んでいる機械要素部品メーカーとして注目を集める THK。同社が推進する DX にまつわる先進的なプロジェクトの指揮を執る執行役員 IOT イノベーション本部 本部長 坂本 卓哉氏へのインタビューの後半では、DX を巡るトレンドや同社の今後の展開について話をしていただきました(前編はこちら)。

THK 株式会社 執行役員 IOTイノベーション本部 本部長 坂本 卓哉 氏

THK 株式会社 執行役員 IOT イノベーション本部 本部長
坂本 卓哉 氏

―― 「Omni THK」は、お客様と THK が直接つながるインタフェースです。取り引きの仕組みが大きく変わるのでしょうか。

坂本氏 誤解しないでいただきたいのですが、「Omni THK」はオンラインの直販 EC サービスではありません。つまり単純に既存の商流を合理化することを狙ったシステムではありません。あくまで既存のビジネス プロセスの良い部分はそのままにしながら、最適化を進めて、プロセス全体を発展させるためのシステムです。THK は、創業から約 50 年にわたって代理店や販売店のネットワークをグローバルに築いてきました。これは THK にとって大きな強みであり、大切な資産です。この資産をさらに進化、最適化することを前提に、「Omni THK」を開発しました。「Omni THK」は、これまでの強みを足掛かりに、さらなる成長を目指すためのシステムなのです。

THK は、「Omni THK」をグローバルに展開する考えです。すでに中国や欧州ではサービスを始めています。ただし、商流や業務プロセスは、世界中どこでも同じというわけではありません。このため 1 つのシステムを海外に展開するのではなく、商流や業務プロセスの違いに合わせて「Omni THK」の機能や仕組みを最適化しています。これによって、それぞれの市場の特徴に合わせて、もっとも効果的なサービスを提供するつもりです。今後、「Omni THK」が世界各地に広がるにつれて、システムのバリエーションが増えるでしょう。

―― 「OMNIedge」は、THK にとって新しい分野のビジネスですね。

坂本氏 製造業向け IoT サービス「OMNIedge」は、DX の本質である新しいビジネスを創出する取り組みの一環として開発しました。DX がもたらすビジネス変革の可能性はいろいろとあると思いますが、いまの時点で見えている 1 つの方向がサービス化。いわゆる「モノ」から「コト」へ付加価値の源泉が移行する動きです。この動きを先取りしたサービスが「OMNIedge」です。

「OMNIedge」の概要

「OMNIedge」の概要

 

「OMNIedge」は、私たちが提供する機械要素部品から収集したデータから、お客様に役立つ情報を抽出して提供するサービスです。LM ガイドなどの機械要素部品にセンサーを追加して、その部品の状態などに関するデータを集めます。これを分析して、故障の予兆など有意義な情報を取り出してお客様に提供することができます。「OMNIedge」が提供する機能は、部品の遠隔モニタリングだけではありません。機械要素部品から収集した情報から、部品だけでなく、部品を実装した機器の動作状態を検出することも目指しております。これによって、コストや手間を最小限に抑えながら装置全体の高度な遠隔監視が可能になります。しかも、「OMINIedge」は、いわゆるレトロフィットのシステムです。センサーを追加することで、既存の設備を進化させることができます。

THK は、この仕組みを構成するセンサー、ネットワーク、データを分析するシステムまで一式を提供します。従来のように、この装置を買っていただくのではなく、使用料を定額で定期的にいただくサブスクリプション方式のサービスです。2019 年 12 月から、まず主力製品である LM ガイドを対象にサービスを開始。すでに約 50 社のお客様が、このサービスを利用されています。2020 年半ばには、ボールねじを対象にしたサービスも開始する予定です。もちろん THK 製品のみならず他社製品、部品、部位へも展開を加速します。

予兆検知は、つけるだけ。OMNIedge

―― DX にまつわる取り組みの先駆けとしてコミュニケーションプラットフォーム「Omni THK」や製造業 IoT サービス「OMNIedge」を立ち上げたところですが、今後の展開をどのように考えておられますか。

坂本氏 「Omni THK」や「OMNIedge」は、これから世界に展開し、3 年~5 年の間に新しい THK の成長エンジンに育てたいと思っています。前述の通り「Omni THK」は、すでに中国や欧州で提供していますが、さらにほかの国や地域でも導入に向けた検討が進めているところです。一方、「OMNIedge」は、機械要素部品のビジネスに注力してきた THK にとって、全く新しいビジネスです。まずは国内を中心に普及を図り、ある程度のノウハウを蓄積してから海外への展開を一気に加速する方針です。

DX に向けた新しいビジネスやその仕組みを普及させるのは容易ではないことは承知しています。すでに多くの企業が、IoT などの最先端の ICT を利用した製造業向けの新しい製品やサービスを展開していますが、新しい事業の柱と言えるところまで進んでいる企業は、まだほとんど見当たらないのが現状ではないでしょうか。THK は、世界で大きな市場シェアを誇る LM ガイドという製品を持っているという独自の強みを生かすことで、DX による新しいビジネスを有利に進めることができるのではとの思いはありますが、他社と同様に向かう先の状況は甘くはないと認識しています。

―― 難題に挑戦するうえで重視していることは。

新しいサービスやビジネスを成功させるための大きなカギの 1 つは、それらを支えるエコシステムを構築することだと思っています。THK は、これまで製品の開発から販売まで一貫して自社で手掛けてきました。これに対して、DX から生まれる新しいビジネスについては、必要なリソースが自社内ですぐに揃うとは限りません。このため社外との連携が必要になります。足りない部分を補うだけでなく、より良いサービスや商材を提供するために、新しいリソースが必要になることもあるでしょう。また国や地域に合わせてサービスを最適化する際に、その市場における実績に基づくノウハウも必要です。こうした場合に、業界や分野の枠を超えて様々な企業と連携し、最適なサービスを安定して提供するためのエコシステムを素早く実現するつもりです。必要あればこれまで競合していた企業と連携することもあるかもしれません。

電子工場の製造ラインのロボットアーム

とにかく重要なのは構想を実現するスピードです。ポスト コロナを見据えて、これから世界の製造業において DX のトレンドが加速するのは間違いありません。DX に関連する取り組みを進める上で、ますますスピードが重要になるでしょう。ただし、DX を巡る新しいビジネスを拡大するのは現状では容易なことではありません。具体的な問題が大きく顕在化していないかぎり、革新的なことに取り組むことに少し躊躇する、お客様が少なくないからです。

THK は、これまで機械要素部品を提供することで、幅広い産業の基盤を支えてきました。いわば、「縁の下の力持ち」です。この立ち位置は、大きく変わることはないと思っています。ただし、DX を積極的に進めることでビジネスや企業の性質は大きく変わるでしょう。

DX は、数年前から世界の製造業における大きな話題の焦点になっています。ただし、THK のように、その実践に向けて一歩を踏み出した日本企業は、まだ限られているのが現状です。その理由として、DX に対する切迫感が業界全体に不足していることを指摘する声は少なくありません。しかし、今回のコロナ禍によって、現状のものづくりの仕組みが抱えている問題が浮き彫りになりました。しかも、感染対策にテレワークが役立ったように、問題を解決するうえで DX が有力なアプローチであることを実感する機会もありました。DX に慎重な構えを見せていた企業は、いまこそマインドを変えるときだと言えるのではないでしょうか。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

環境変化への対応(オンデマンド ウェビナー)

McKinsey & Company のゲスト講演者を迎えた、製造業における現在の環境を踏まえた破壊的変化への対応についての オンデマンド ウェビナーをご覧いただけます。
視聴はこちらから

 

この投稿はシリーズです。

第 1 回「コロナ禍で加速する製造業 DX、的確かつ迅速な「現場」の変革が不可避に
第 2 回「現場が“腹落ち”する製造業 DX、手戻り最小限で速やかな変革
第 3 回「先行する製造現場の DX に素早く追随、最適な筋書きを浮き上がらせる 5 つのメニュー
第 4 回「「DX は成長戦略の大きなチカラ」、大胆な取り組みを着々と展開
第 6 回「現場で鍛えた ICT を活用する局面へ「先人の知恵」を生かして製造業 DX を加速
第 7 回「ビジネス変革を見据えた製造業 DX、データモデル「CDM」の強化で基礎を整備

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「DX は成長戦略の大きなチカラ」、大胆な取り組みを着々と展開 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/07/03/dx-is-a-major-growth-strategy/ Thu, 02 Jul 2020 22:30:19 +0000 特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ~ 第 4 回
ポスト コロナを見据えて DX (デジタル トランスフォーメーション) を重視する動きが製造業において活発化してきました。コロナ禍によって大きな打撃を受けたことで製造業が抱えていた本質的な課題が、改めて浮き彫りになったからです。これによって、これまで必要性を認識していながらも、喫緊の課題と捉えていなかった経営者や現場で、DX に本腰を入れる動きが出てきたようです。こうした中、いち早く DX への取り組みを開始した企業の動向が注目を集めています。その中の1社が、THK です。.

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電子工場の製造ラインの産業用ツール

特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ~ 第 4 回

ポスト コロナを見据えて DX (デジタル トランスフォーメーション) を重視する動きが製造業において活発化してきました。コロナ禍によって大きな打撃を受けたことで製造業が抱えていた本質的な課題が、改めて浮き彫りになったからです。これによって、これまで必要性を認識していながらも、喫緊の課題と捉えていなかった経営者や現場で、DX に本腰を入れる動きが出てきたようです。こうした中、いち早く DX への取り組みを開始した企業の動向が注目を集めています。その中の1社が、THK です。装置の正確な直線運動を可能とする機械要素部品「LMガイド (Linear Motion Guide)」を業界に先駆けて開発し、その世界市場で大きな存在感を示している同社は、DX の概念を先取りした製品やサービスを 2019 年から次々と市場に展開しています。こうした同社の取り組みの指揮を執る同社執行役員 IOT イノベーション本部 本部長 坂本 卓哉氏に、DX に対する同社の考え、今後の展開などについて聞きました。前半では、DX を推進する動機と、DX を巡る同社の現状についてお話していただきました。

THK 株式会社 執行役員 IOTイノベーション本部 本部長 坂本 卓也

THK 株式会社 執行役員 IOTイノベーション本部 本部長
坂本 卓哉 氏

―― Web をベースにしたコミュニケーションプラットフォーム「Omni THK」や製造業向け IoT サービス「OMNIedge」など、ICT (情報通信技術) を駆使した新サービスを 2019 年に相次いで立ち上げられました。この取り組みから DX に対する積極的な姿勢がうかがえます。DX に力を入れている理由を教えて下さい。

坂本 卓哉氏 (以下、坂本氏)「Omni THK」や「OMNIedge」などの DX を意識した新しいサービスの開発は 2016 年ころから徐々に始めていました。生産性の向上や市場の変化に応じたビジネス変革を重視する機運が産業界全体で年々高まる中で、お客様と私たちのそれぞれが抱えている課題を解決するためには、根本的な取り組みが必要なのではないかという考えが社内にあったからです。これが新サービスの開発を始める元々の動機です。そこに IoT (Internet of Things)、AI (人工知能) など最新の ICT を活用することも、当初から念頭にありました。

DX を巡る社内の動きは、この  3年間に加速しています。キッカケは、2016 年初めに経営トップが新たな成長戦略を打ち出し、この中で DX を推進する方針を明確に示したことです。従来からの成長戦略である「グローバル展開」「新規分野への展開」に加えて「ビジネススタイルの変革」が示されました。DX をチカラにして、これらの戦略を推進することで成長を加速する考えです。そのための取り組みの第一弾として登場したのが「Omni THK」や「OMNIedge」です。

―― DX関連の「Omni THK」や「OMNIedge」を推進しているのは IOT イノベーション本部ですね。

坂本氏 IOT イノベーション本部は、2020 年 1 月に新たに設けた本部です。従来は DX 関連のプロジェクトが複数の部署に分散しており、それらが横串で連携する形で活動していました。そこで情報を一元管理し、より効率的にプロジェクトを推進できるように、1 つの組織に統合しました。こうして生まれたのが IOT イノベーション本部です。傘下に開発、営業、企画 / マーケティングの部門があります。つまり、ビジネスに必要な基本機能をコンパクトにまとめた機動性の高い組織です。

IOT イノベーション本部の組織

IOT イノベーション本部の組織

 

IOT イノベーション本部は、ビジネス領域の階層で言うと従来よりも上位のレイヤーを担当します。つまり、これまで THK の産業用機器事業では、機械要素部品を提供するコンポーネントのビジネスと、コンポーネントを組み合わせたユニットなどを提供するメカニカル システムのビジネスを中心に展開してきました。IOT イノベーション本部は、メカニカル システムと共に提供するメカトロニクス領域や、それをベースにした各種 IoT/AI サービスを提供するビジネスを担当します。

接するお客様も従来と少し異なります。これまでは、機械要素部品を実装する産業機器メーカーの方々を中心に接してきました。これに対して IOT イノベーション本部は、産業用機器を使って製品を製造するエンド ユーザーの方々との関わりも増えてまいります。つまり市場と THK の接点が増えるわけです。

IOT イノベーション本部の目下のミッションは、大きく 3 つあります。第 1 は、「OMNIedge」を中心にした DX による新しいビジネスの創出。第 2 は、お客様とのコミュニケーションのデジタル化。つまり「Omni THK」の展開です。第 3 は、IoT/AI やリニア制御技術など革新的な技術を活用した既存商材の付加価値向上です。

―― 「Omni THK」を開発した経緯は。

坂本氏 我々がコミュニケーションプラットフォームと呼んでいる「Omni THK」は、インターネットを介してお客様の設計や購買のプロセスをサポートするシステムです。クラウドをベースにした PaaS (Platform as a Service) を利用して開発しました。2019 年 7 月から稼働させています。具体的には、短納期で調達できる品種のリストの中からお客様が最適な製品を選択して発注できる「Fast Delivery」。過去にお客様が発注した特殊製品の図面データの管理および、それらを解析した情報などを提供する「Your Catalog」。見積書の作成依頼や製品の発注をサポートする「Orders」。お客様、販売代理店、当社の情報を連携させて生産計画、在庫状況と納品を管理する「Forecast」の大きく 4 つの機能を、現在は提供しています。

OmniTHK のシステム構成

「Omni THK」のシステム構成

 

「Omni THK」 が生まれた背景には、THK の基幹事業である機械要素部品のビジネス プロセスの多くを対面業務が占めており、かなりの人手がかかっていることがあります。このままビジネスが拡大すると、いずれは人が足りなくなる、あるいはプロセスが複雑化して管理が難しくなるなどの問題が生じ、そこで THK の成長が頭打ちになるのではないかという危機感が社内にはありました。そこで、こうした構造的な問題を根本的に解決するには、対面業務を減らし、プロセスの効率化につながる新しい仕組みが必要だという考えが浮上してきました。ただし、お客様にとっての利点も提供しなければ、新しい仕組みは市場に受け入れていただけません。このため 「Omni THK」 は、お客様の抱えている課題やニーズを起点に開発を進めました。

―― 「Omni THK」は、お客様と THK が直接つながるインタフェースです。取り引きの仕組みが大きく変わるのでしょうか。(以下、後編に続く)

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

IoT 活用事例集カタログ

IoT を活用して DX を推進している国内外の事例を集めたカタログがダウンロードできます。

IoT 活用事例集

 

この投稿はシリーズです。

第 1 回「コロナ禍で加速する製造業 DX、的確かつ迅速な「現場」の変革が不可避に
第 2 回「現場が“腹落ち”する製造業 DX、手戻り最小限で速やかな変革
第 3 回「先行する製造現場の DX に素早く追随、最適な筋書きを浮き上がらせる 5 つのメニュー
第 5 回「製造業 DX は確実に加速、柔軟な姿勢で多様なエコシステムを構築
第 6 回「現場で鍛えた ICT を活用する局面へ「先人の知恵」を生かして製造業 DX を加速
第 7 回「ビジネス変革を見据えた製造業 DX、データモデル「CDM」の強化で基礎を整備

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先行する製造現場の DX に素早く追随、最適な筋書きを浮き上がらせる 5 つのメニュー http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/06/24/5-menus-to-quickly-follow-preceding-manufacturing/ Wed, 24 Jun 2020 08:49:42 +0000 特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ~第 3 回
製造業にかかわる企業にとって、効率的かつ合理的に DX (デジタル トランスフォーメーション) を進めることは、目下の最大の課題です。それを解決するための有力なソリューションとして、マイクロソフトは「リファレンスアーキテクチャ」を活用することを提案しています。世界の動向に合わせてアップデートを続けながら進化する「リファレンスアーキテクチャ」は、ものづくりの仕組み全体を網羅したうえで、今後の展開も視野にいれた、効果的かつ効率的な DX のアプローチを提供するために編み出されたものです。.

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製造現場をタブレット端末で管理する男性

特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX 実践アプローチ~第 3 回

製造業にかかわる企業にとって、効率的かつ合理的に DX (デジタル・トランスフォーメーション) を進めることは、目下の最大の課題です。それを解決するための有力なソリューションとして、マイクロソフトは「リファレンスアーキテクチャ」を活用することを提案しています。世界の動向に合わせてアップデートを続けながら進化する「リファレンスアーキテクチャ」は、ものづくりの仕組み全体を網羅したうえで、今後の展開も視野にいれた、効果的かつ効率的な DX のアプローチを提供するために編み出されたものです。

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって大きな打撃を受けた製造業の現場では、かねてから懸念されていた数々の本質的な課題を DX で解決する動きが加速しています。新型コロナウイルスの影響が沈静化した後のニューノーマルの時代に向けて、ものづくりの仕組み全体の革新が不可避だからです。こうした状況に直面している製造業に向けた有力なソリューションとマイクロソフトが位置付けているのが「リファレンスアーキテクチャ」です。

「リファレンスアーキテクチャ」とは、IT の一般的な用途に合わせた標準的な仕組みや方法を示す言葉ですが、マイクロソフトが掲げる「リファレンスアーキテクチャ」は、それだけではなく、製造業の現場における課題抽出から、DX 推進のシナリオ作り、システム構築、実装まで一連の DX の取り組みを、製造業の現場が主体的に進めるための情報が盛り込まれています。いわば、製造業 DX の「ガイドブック」です。その内容を簡潔にまとまたドキュメントは、マイクロソフトのホームページから入手できます。

マイクロソフトは、製造業に関連する 5 つの領域におけるイノベーションに向けた「リファレンスアーキテクチャ」を用意しています。具体的には、「未来の工場/オペレーション」「インテリジェントサプライチェーン」「コネクテッド製品/製品イノベーション」「コネクテッドフィールドサービス」「コネクテッド販売およびサービス」です。「未来の工場/オペレーション」は、いわゆるスマートファクトリーを実現するためのリファレンスアーキテクチャ。「インテリジェントサプライチェーン」は、ICT を活用した次世代サプライチェーンの構築のためのリファレンスアーキテクチャ。「コネクテッド製品/製品イノベーション」は、“コトづくり”の時代に向けた製品開発環境を実現するためのリファレンスアーキテクチャ。「コネクテッドフィールドサービス」「コネクテッド販売およびサービス」は製造業を巡る新しいサービスやビジネスモデルの構築を支援するレファレンスアーキテクチャです。

段階を追って最適な具体策を浮き彫りに

さらに、それぞれのリファレンスアーキテクチャごとに、大きく 5 つのメニューがあります。すなわち、「ユースケース」「ソリューションシナリオ・サブシナリオ」「ファンクションマップ」「全体構成イメージ」「リファレンスアーキテクチャ (狭義)」です。これらを順番に参照しながら、自社の現場の状況の分析や、そこで明らかになった課題を解決するシステムの検討を進めることができるようになっています。特に注目すべき特徴は、一連のメニューに盛り込まれた情報が、ものづくりの現場で使われている言葉で表現されていることです。このため、これまで ICT 業界の言葉との接点が少なかった現場でも分かりやすい内容になっています。

以下では、「未来の工場/オペレーション」を例に、それぞれのメニューの役割を紹介します。

最初のメニューの「ユースケース」に掲載されているのは、ものづくりのプロセス全体で情報共有するための、情報システムの仕組みです。一般的なものづくりのフローに合わせて、情報基盤の機能や情報の流れが描かれています。これによって、情報基盤の全体像を俯瞰しながら、情報共有に関するシステムの全体像や問題点を把握できるでしょう。

ユースケース チャート図

ユースケース

「ソリューションシナリオ・サブシナリオ一覧」では、ものづくりの現場で、必要とされている典型的な DX のテーマ (シナリオ)が列挙されており、それぞれのテーマごとに期待できる業務改善のサブシナリオが記載されています。ここから選ぶ形で、自社の現場に必要な取り組みを明らかにすることが可能です。このサブシナリオの内容には、マイクロソフトが様々な製造業の企業と課題解決に取り組んだ経験が生かされています。つまり、現時点で多くの企業が取り組むべき典型的なテーマが、実績に基づいてピックアップされて列挙されているわけです。こうした情報を活用することで、的確なテーマを素早く設定できます。

続く、「ファンクションマップ」は、一段と粒度を下げた形で自社に適したシナリオを検討するためのメニューです。サブシナリオで実現できることを、現場の課題に当てはめる形で整理した分かりやすいチャート (ファンクションマップ)が用意されてます。ここでいうファンクションは、情報システムの機能 (ファンクション) ではなく、あくまで現場に実装されている機能 (ファンクション) です。個々の機能を一段ブレークダウンした詳細版も用意されているので、現場の実情に合わせてきめ細かく DX の目的を設定できるでしょう。

ファンクションシナリオ (詳細版) チャート図

ファンクションシナリオ (詳細版)

その後に使うのが、「全体システム構成イメージ」。冒頭のユースケースをベースに、もっとも合理的な情報システムのブロック図が描かれています。これをテンプレートにして、必要な情報システム構成を検討すれば、将来に向けた拡張性を備えたシステムを構築できるわけです。

全体システム構成イメージ チャート図

全体システム構成イメージ

最後の「リファレンスアーキテクチャ (狭義)」では、マイクロソフトが提供している様々なツールを組み合わせてシナリオを実践する方法が記載されています。つまり、これまで検討してきた、シナリオを形にして、速やかに実装することができます。

現場の主体的な活動を活発に

現場の目線で、しかも現場の言葉を使って表現されているリファレンスアーキテクチャは、ICT 業界の目線で作成されたドキュメントに比べて、現場との親和性が格段に向上しているはずです。特に注目すべきは、「リファレンスアークテクチャ」を活用することで、製造業の現場にとって新しい領域である DX の取り組みが、現場が主体となって進められることです。これによって、現場のニーズに密着した DX が実現できるだけでなく、新しい仕組みが速やかに現場に定着することが期待できます。

マイクロソフトでは、技術の進化を取り込みながら、リファレンスアーキテクチャを定期的に更新する方針です。つまり、継続して活用することで、最新状況を反映しながら DX を進めることができるようになっています。
(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

スマートファクトリーとリファレンスアーキテクチャ (オンデマンドウェブセミナー)

未来の工場 (スマートファクトリー) の考え方と、この分野のリファレンスアーキテクチャについてのオンデマンドのウェブセミナーをご覧ください。シリーズ第 2 回でダウンロードした資料の使い方も解説しています。
「Smart Factory」 の現在と将来 ~製造現場の IoT 活用実践編

 

 

この投稿はシリーズです。

第 1 回 「コロナ禍で加速する製造業DX、的確かつ迅速な「現場」の変革が不可避に
第 2 回 現場が“腹落ち”する製造業DX、手戻り最小限で速やかな変革
第 4 回「 「DX は成長戦略の大きなチカラ」、大胆な取り組みを着々と展開
第 5 回「製造業 DX は確実に加速、柔軟な姿勢で多様なエコシステムを構築
第 6 回「現場で鍛えた ICT を活用する局面へ「先人の知恵」を生かして製造業 DX を加速
第 7 回「ビジネス変革を見据えた製造業 DX、データモデル「CDM」の強化で基礎を整備

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現場が“腹落ち”する製造業 DX、手戻り最小限で速やかな変革 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/06/22/quick-change-with-minimal-rework/ Sun, 21 Jun 2020 15:00:36 +0000 特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ~ 第 2 回
新型コロナウイルス感染がもたらした非常事態が沈静化した後に訪れる産業界の「ニューノーマル」。これを見据えて、製造業の現場で DX (デジタル トランスフォーメーション) を加速する機運が高まってきました。この一方で、IoT や AI など DX のけん引力となる革新技術と、実際の現場における課題が結びついておらず、なかなか DXが進まないという声は少なくありません。こうした現場が、主体的かつ効率的に DX を実践するためのソリューションとして、マイクロソフトは「リファレンスアーキテクチャ」の活用を提案しています。.

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工場の組立てラインで作業する男性

特集: 加速する製造業の変貌 ~ポスト・パンデミックのDX実践アプローチ~ 第 2 回

新型コロナウイルス感染がもたらした非常事態が沈静化した後に訪れる産業界の「ニューノーマル」。これを見据えて、製造業の現場で DX (デジタル トランスフォーメーション) を加速する機運が高まってきました。この一方で、IoT や AI など DX のけん引力となる革新技術と、実際の現場における課題が結びついておらず、なかなか DX が進まないという声は少なくありません。こうした現場が、主体的かつ効率的に DX を実践するためのソリューションとして、マイクロソフトは「リファレンスアーキテクチャ」の活用を提案しています。

「第 4 次産業革命 (インダストリー4.0)」の大きなブームをキッカケに、ICT (情報通信技術) を活用した業務プロセスの革新、すなわち製造業 DX に取り組む企業が、この数年間に日本国内でぐっと増えました。DX 推進をミッションとして経営層から与えられている現場も多いのではないでしょうか。こうした製造業の現場に向けられる DX 推進の圧力は、今後一段と高まるでしょう。新型コロナウイルスの世界規模の感染拡大という事態を受けてサプライチェーンの分断や生産停止といった深刻な事態に直面。これによって従来から浮上していた製造業の課題が、一段と鮮明に浮き彫りになったからです。

しかも、新型コロナウイルスが製造業にもたらす様々な問題が長期化するのは確実です。新たな状況を前提に、従来から懸念されていた現場の課題を根本的に解決しなければ事業の競争力が低下する一方という事態になりかねません。いまや製造業にかかわるすべて企業にとって DX を加速することが不可避という状況になりました。しかも、その取り組みのスピードも問われています。世界の潮流の中で後れを取ることが国際競争力の低下に直結するからです。

全体最適が前提のシナリオが重要に

こうした状況の中で、効率的に DX を進めるためには、ものづくりのプロセス全体を見渡して、自社が取り組むべき課題を明確にしたうえで、全体を最適化するシナリオやロードマップを描くことが重要です。製造業 DX は、一夜にして実現するわけではありません。業界の動きをにらみながら、自社のニーズに応じた適切なロードマップを描いて段階を追って取り組むのが現実的です。特に、最近まで製造業 DX の話題は、IoT を利用した特定の工程の改善など、部分最適の取り組みに集中しがちでした。いまやこの状況は変わりました。様々な工程が有機的につながった大きなものづくりのシステム全体を最適化することが DX の前提という認識が世界に広がっています。ものづくりの仕組み全体を視野にいれた DX のシナリオは、ますます重要になっています。

HoloLensでガイドビデオに従ってエンジンを組み立てる女性

それに加えて、DX の基盤となる IT システムには、合理的で拡張性を備えていることが求められます。段階を追って DX を進める過程で、たびたびシステムを作り直していたのでは非効率的だからです。将来の拡張を見越したうえで、新しい標準の登場など業界や技術の動きに柔軟に対応できる仕組みを構築すべきでしょう。

「先人の知恵」を活用して効率的な DX

ICT ベンダーの多くは、こうした前提を念頭において製造業 DX に向けた様々なソリューションを提供してきました。その一方で、現場の目標が高度化するにつれて、DX を阻む課題も浮き上がってきました。その 1 つは、ICT ベンダーが提供する新しい技術と、現場の課題が、なかなか結びついていないことです。このため現場に ICT が広がらないうえに、全体最適を前提にしたシナリオがなかなか描けないという事態を招いています。

こうした問題を解決し、効率的な製造業 DX を推進するためのソリューションとして、いまマイクロソフトは、「リファレンスアーキテクチャ」を積極的に展開しています。リファレンスアーキテクチャは、それぞれの現場に応じた的確な DX を効率よく推進するための、いわば「ガイドブック」です。

「リファレンスアーキテクチャ」には、ここ数年間の製造業における活動を通じて、マイクロソフトが実際の現場で獲得した多くの知見が、反映されています。しかも、徹底的に現場の言葉を使いながら、現場の実情に合わせて情報を表現しているのが大きな特徴です。現場の方がこれを見ると ICT 業界が提供する様々な技術や手法の利点が、従来よりも早く “腹落ち” するはずです。また、ものづくりのシステム全体を俯瞰した形で情報を揃えているので、全体最適を前提にした自社のロードマップを描くのにも役立つでしょう。しかも、DX の先進企業との取り組みの中で生まれた先進的なソリューションのエッセンスを随所に盛り込んでいます。つまり、「先人の知恵」を活用して、効率的に DX を推進できるわけです。これまでの実績を踏まえたシナリオやソリューションを描けるので、試行錯誤や手戻りの削減も期待できます。

「リファレンスアーキテクチャ」には、「未来の工場/オペレーション(スマートファクトリー)」「インテリジェント・サプライチェーン」「コネクテッド製品/製品イノベーション(モノからコトのプロセスづくり)」「コネクテッド・フィールドサービス(リモート保守)」「コネクテッド販売およびサービス (保守以外のサービス)」といった大きく5つのイノベーションのシナリオが用意されています。さらに、それぞれについて、「ユースケース」「ソリューション・シナリオ」「ファンクションマップ (ユーザーの業務機能)」「全体構成システムイメージ (全体の構成)」「リファレンスアーキテクチャ」といったメニューがあります。これらに沿ってアプローチすることで、課題の抽出、DX のシナリオ作り、具体的なシステム構築、実装までの一連の DX の取り組みを、現場が主体となって進めることができるようになっています。もちろん、その過程で行き詰ってしまうことがないように、新しい技術をテーマにしたワークショップやセミナーの開催など、様々なサポートをマイクロソフトが提供しています。

製造業の現場は、最近まで ICT ベンダーにとって馴染みの少ない領域でした。ところが製造業 DX の動きが出てきた数年前から、積極的に現場の領域に踏み込み実践的な情報やノウハウを獲得し、自社の製品やサービスに反映する ICT ベンダーが着実に増えています。マイクロソフトも、こうした取り組みをいち早く始めたベンダーの 1 つです。現在展開している「リファレンスアーキテクチャ」は、その大きな成果と言えるでしょう。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

リファレンスアーキテクチャ資料のダウンロード

リファレンスアーキテクチャの資料は下記からダウンロードできます。

未来の工場/オペレーション (スマートファクトリー) 編

インテリジェント・サプライチェーン編

コネクテッド製品/製品イノベーション (モノからコトのプロセスづくり)/コネクテッド・フィールドサービス (リモート保守)/コネクテッド販売およびサービス (保守以外のサービス) 編 (3 分野が 1 つの資料に含まれます)

この投稿はシリーズです。

第 1 回 「コロナ禍で加速する製造業 DX、的確かつ迅速な「現場」の変革が不可避に
第 3 回 「先行する製造現場の DX に素早く追随、最適な筋書きを浮き上がらせる 5 つのメニュー
第 4 回「 「DX は成長戦略の大きなチカラ」、大胆な取り組みを着々と展開
第 5 回「製造業 DX は確実に加速、柔軟な姿勢で多様なエコシステムを構築
第 6 回「現場で鍛えた ICT を活用する局面へ「先人の知恵」を生かして製造業 DX を加速
第 7 回「ビジネス変革を見据えた製造業 DX、データモデル「CDM」の強化で基礎を整備

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