安並 裕, Author at マイクロソフト業界別の記事 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog Wed, 07 Apr 2021 09:36:55 +0000 en-US hourly 1 研究開発の業務革新を支えるデジタル基盤、効率化や情報の利活用を支援 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2021/04/07/digital-infrastructure-supporting-r-and-d-business-innovation/ Tue, 06 Apr 2021 20:30:25 +0000 製造業における DX (デジタルトランスフォーメーション) の取り組みは研究開発の領域にも広がってきました。いま研究開発の現場では、新たな事業価値創出に向けて、革新的な成果を効率よく生み出し、素早くに新事業につなげる仕組みづくりが求められています。ここで必要とされているのが、研究開発だけでなく、生産、販売 (市場) まで「イノベーション・サイクル」にかかわる一連のプロセス全体を網羅し、新規事業開発におけるアイデア創出から市場投入までの一連の工程を管理するインフラです。

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ディスプレイに向かって作業する男性

製造業における DX (デジタルトランスフォーメーション) の取り組みは研究開発の領域にも広がってきました。いま研究開発の現場では、新たな事業価値創出に向けて、革新的な成果を効率よく生み出し、素早くに新事業につなげる仕組みづくりが求められています。ここで必要とされているのが、研究開発だけでなく、生産、販売 (市場) まで「イノベーション・サイクル」にかかわる一連のプロセス全体を網羅し、新規事業開発におけるアイデア創出から市場投入までの一連の工程を管理するインフラです。このインフラを構築するためのソリューションをマイクロソフトは積極的に展開しています。

社会の変化とともに製造業を取り巻く環境の変化が加速しています。こうした状況を受けて企業の研究開発においては、DX を推進し「イノベーション・サイクルの高速化」することが求められています。つまり研究開発業務の効率化を図り、新たな事業価値創出につながる可能性がある革新的な技術を生み出す頻度を高めると同時に、事業化までに要するリードタイムを短縮することを迫られています。例えば、素材を扱う企業が多いプロセス系の業界では、「マテリアルズ・インフォマティクス」というキーワードがクローズアップされています。これは、最新の ICT (情報通信技術) を活用して、研究にまつわる作業の効率化を図ると共に、実験・検証の精度の向上を図ることで、イノベーションの頻度を高める取り組みを指す言葉です。つまり、マテリアルズ・インフォマティクスは、イノベーション・サイクルの高速化に向けた、DX のアプローチの 1 つと言えます。

研究開発の業務フローとそれを支えるインフラの役割

研究開発の業務フローとそれを支えるインフラの役割

イノベーション・サイクルの高速化を図り、革新的な技術を素早く新規事業につなげる仕組みを実現するために必要なのが、研究開発から生産、販売 (市場) までイノベーション・サイクルにかかわる一連のプロセス全体を網羅し、新規事業開発におけるアイデア創出から市場投入までの一連の工程を管理するインフラです。つまり、「市場調査・ニーズの特定」、「過去情報や手順の検索」「ラボテストの実施」「製品・処方の確定」「少量生産テスト」「商業生産処方・プロセス確定」「生産ノウハウ蓄積」「品質不良原因解析」など各プロセスで発生する、情報探索、実験・検証、データの記録など多くの作業の効率化を図ると同時に、プロセスをまたがる情報を速やかに共有できるようにするインフラが求められています。こうしたインフラを構築する際に直面する課題を解決するソリューションをマクロソフトは数多く提供しています。

研究開発から生産、販売 (市場) までイノベーション・サイクルにかかわる一連のプロセス チャート図

高度な検索機能を数多く提供

例えば、研究開発の起点となる「市場調査、ニーズの特定」のプロセスでは、膨大な過去の蓄積データから有意義な情報を素早く見つける必要があります。ここでは、クラウド・コンピューティング・プラットフォーム「Microsoft Azure」に組み込まれている高度なクラウド検索サービス「Azure Cognitive Search」が役立つでしょう。Azure Cognitive Search は、Web API 経由で利用できるサービスとして提供している Azure Cognitive Service に含まれている機能の 1 つです。高度な機械学習技術を使用してユーザーの意図を的確に把握したうえで、その意図と関連性の高い情報を素早く検出することができます。

検索については「Microsoft Graph API」も強力なツールです。Azure 上に蓄積した多様な情報を横断的に検索する機能を提供します。情報間のつながりを管理する機能を備えており、1 つの情報から関連する別の情報を容易に引き出せるのが特長です。つまり、個々の情報の価値だけでなく、大きな可能性を秘めた情報間のつながりを、この API の機能を利用して見出すことができます。ベテランの研究者ならば、経験を基に 1 つの情報から関連する有意義な情報を手繰り寄せることができます。つながりを管理することで、こうしたベテランの思考に近い方法で、情報を収集することができるわけです

2000 年にアクセンチュアとマイクロソフトにより設立したアバナードが開発した検索エンジン「Avanade Intelligent Explorer」も検索の効率化に貢献するソリューションです。AI (人工知能) と OCR (Optical Character Recognition/Reader) 機能が実装されており、紙などに描かれたフィジカルな情報も PDF 化しておけば、検索して簡単に必要な情報を引き出すことができます。この機能を利用することでフィジカルなメディアを使って残した過去のデータを検索する作業を大幅に効率化できるでしょう。

データ活用・共有のためのアプリ開発も支援

Microsoft 社が提供しているローコード開発環境「Power Platform」で提供しているアプリ開発用サービス「Power Apps」は、一連のイノベーション・サイクルの中におけるデータ活用の促進に貢献するでしょう。Power Apps は、最小限の知識でプログラミングができるローコードを使って、カスタムアプリを開発する環境を提供します。なかでも便利なのが、あらかじめ用意されたパーツを利用することで簡単にアプリが作成できる「キャンパスアプリ」です。これを利用することで、データ管理や整理など必要な作業を自動化するアプリを素早く、簡単に開発できます。現場のニーズに応じたアプリを用意することで、研究開発にかかる作業の効率化を進めることができます。

このほかにも、プロジェクト全体の動きを可視化するツール「Power BI」や機械学習機能を提供する「Azure Machine Learning」も Azure の機能として用意しています。一連のプロセス全体のソース、バージョン、メトリクスを管理するインフラとして、開発者と現場が密接に連携することを可能にする環境「DevOps」を実現するソリューションも提供しています。さらに、コラボレーションプラットフォーム「Teams」や、ヘッドマウントディスプレイ「Hololens」を使った MR (複合現実) の技術も、プロジェクトにかかわるメンバーのコラボレーションに役立ちます。

こうしたさまざまなソリューションを活用してインフラを構築し、企業全体の研究開発を支えるプラットフォームを構築することで、研究開発の効率化進め、イノベーション・サイクルの高速化を進めることができるはずです。つまり、DX による新たな事業価値の創出の機会を一段と高めることができるでしょう。

(監修:日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。
前編「製造業 DX に聖域なし、研究開発業務のデジタル変革が加速

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製造業 DX に聖域なし、研究開発業務のデジタル変革が加速 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2021/03/26/manufacturing-dx-has-no-sanctuary/ Thu, 25 Mar 2021 21:00:11 +0000 コロナ禍を契機に一段と加速する製造業の DX (デジタルトランスフォーメーション)。その取り組みが及ぶ領域は、ものづくりのプロセス全体にわたります。創造性を重視することから ”聖域” になりがちな研究開発も、例外にはなり得ません。新たな事業価値につながる革新的な成果を創出するために、研究開発にまつわる業務全体の変革を迫られています。その変革を進めるうえで大きな課題の 1 つとして浮上しているのが、広範囲に及ぶ膨大な情報を最大限に利活用するための新たな仕組みづくりです。

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ディスプレイに向かって製品開発を行う男性

コロナ禍を契機に一段と加速する製造業の DX (デジタルトランスフォーメーション)。その取り組みが及ぶ領域は、ものづくりのプロセス全体にわたります。創造性を重視することから ”聖域” になりがちな研究開発も、例外にはなり得ません。新たな事業価値につながる革新的な成果を創出するために、研究開発にまつわる業務全体の変革を迫られています。その変革を進めるうえで大きな課題の 1 つとして浮上しているのが、広範囲に及ぶ膨大な情報を最大限に利活用するための新たな仕組みづくりです。

近年、製造業において DX に取り組む機運が高まっている背景には、社会の変化にともなって「大量生産・大量消費」を前提にした従来のビジネスを続けることが難しくなってきたことがあります。しかも、従来に比べて市場ニーズの多様化が進み、製品やサービスのサイクルが短期化。さらに従来に比べて事業環境が不安定になっていることから、変化に迅速に対応できる柔軟性もビジネスも求められるようになっています。これらの課題の解決するための有力なアプローチがデジタル技術を活用した事業変革、すなわち DX です。2020 年初めから顕在化したコロナ禍によって製造業が抱えている課題の一部が具体的な問題として浮き上がってきたことから、DX に取り組む動きが一段と加速しています。

製造業における DX を巡る話題は、これまで製造工程に関するものが目立っていました。さらに最近では、コロナ禍をキッカケにリモート化や働き方改革をはじめ、コロナ禍によって多くの問題が発生したサプライチェーンに関する話題も増えています。ただし、本来の DX の目的は、業務プロセス全体を変革して新たな事業価値を創出することです。その実現に向けた取り組みは、製造業のバリューチェーン全体に及びます。当然、バリューチェーンに上流にある研究開発においても様々な変革が求められています。しかも、研究開発は新たな事業価値のタネとなる革新的な技術を創出する役割を担っています。製造業の DX を推進するうえで重要なポイントであることは間違いありません。

埋もれてしまいかねない革新的技術

DX によって解決することが期待されている企業の研究開発に関する目下の大きな課題の 1 つが、「イノベーション・サイクルの高速化」です。事業環境の変化に柔軟に対応しながら、市場競争力を維持するためには、新しい付加価値につながる革新的な成果を、一段と効率よく、短い期間で生み出す必要があります。実際、研究開発における課題として「効率化」や「高速化」を挙げる企業は少なくありません。特に、化学製品、石油、食品・飲料、金属、紙・パルプ、薬品、ガラス・セメントなど素材を扱う企業が多いプロセス系と呼ばれるカテゴリの業界で、研究開発の「効率化」や「高速化」を重視する機運が高まっています。

この理由は、業界全体の基調として研究開発の負荷が年々増えているからです。例えば、この 10 年間は毎年 100 種類以上の新しい化学物質が開発されています。ところが、それらを製品化するには、それぞれについて応用や量産技術など、さらに多くの開発が必要です。このため毎年増え続ける新物質の全てについて製品化に向けた開発を進めることは、なかなかできません。しかし、全ての新物質が製品につながるとは限りませんが、可能性を追い切れなかった物質の中に、革新的な物質がないとは限りません。そこで、多くの新物質の中に埋もれてしまいかねない、大きな可能性を秘めた物質を見出すために研究開発の高速化や効率化が求められているわけです。

研究開発における高速化や効率化を阻んでいる具体的な問題は数多くあります。例えば、研究者間の情報共有が進んでいないことなどから発生する実験の重複。複雑化する法規制に関する情報の収集や対応にかかる作業負荷の増加。低い実験精度に起因する研究開発の遅れ。研究開発にまつわる膨大な情報の検索にかかる時間や作業負荷の増加、などの要因があります。研究開発の高速化や効率化を進めるには、これらの課題を解決する必要があります。

イノベーション・サイクルの高速化を妨げる要因と解決法

イノベーション・サイクルの高速化を妨げる要因と解決法

イノベーションを効率よく生み出すためのインフラが必要に

さらに研究開発を起点としたイノベーション・サイクルの高速化を図るには、研究開発だけでなく、生産、販売 (市場) までイノベーション・サイクルにかかわる一連のプロセス全体を視野に入れて、新規事業開発におけるアイデア創出から市場投入までの一連の工程を管理するインフラが必要です。つまり、研究開発のテーマを考案するための「市場調査・ニーズの特定」にはじまり、「過去情報や手順の検索」「ラボテストの実施」「製品・処方の確定」「少量生産テスト」「商業生産処方・プロセス確定」「生産ノウハウ蓄積」「品質不良原因解析」といったアイデアの発案から製品化した後の市場からのフィードバックまで網羅する一連のサイクルの各プロセスで、情報探索、実験・検証、データの記録など多くの作業が発生します。さらに、これらをプロセス間で速やかに情報を共有する必要もあるでしょう。これらの作業の強化を図るとともに速やか進めることができる環境を実現することがインフラの役割です。

研究開発の業務フローとそれを支えるインフラの役割

研究開発の業務フローとそれを支えるインフラの役割

さらに重要なことは、こうしたインフラを構築することで、アイデア創出から市場投入までのプロセスの節目、いわゆる「ステージゲート」を明確にし、各ステージゲートにおいて、次の段階に進めるか否かの判断ができるようになることです。これによって、問題を引きずったまま製品化を進めてしまい、最終段階で事業化を断念、あるいは事業化してから大きな問題が発生して撤退を余儀なくされるといった事態を防げるでしょう。早い段階で事業化の可否を判断できれば、いち早く次の新規事業案に着手することができるので、より多くの新しい可能性に挑むこともできます。マイクロソフトは、こうしたインフラの構築に役立つソリューションを提供し、研究開発における DX を積極的に支援する考えです。
(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

オンデマンドウェブセミナー

世界のプロセス製造業における DX 事例と進め方のポイント

 

この投稿は前後編です。

 

 

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「データ活用」で進化するプロセス製造業、情報の一元化がもたらす新たな可能性 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/12/14/new-possibilities-evolve-process-manufacturing/ Sun, 13 Dec 2020 22:06:32 +0000 化学製品、石油、金属、ガラス、鉱物などを扱う、いわゆるプロセス製造業において、新たな発展を目指してDX (デジタル トランスフォーメーション) に取り組む動きが進んでいます。

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Mixed Reality で発電プラントをシミュレートする男女

化学製品、石油、金属、ガラス、鉱物などを扱う、いわゆるプロセス製造業において、新たな発展を目指してDX (デジタル トランスフォーメーション) に取り組む動きが進んでいます。少子高齢会に伴うベテラン技術者の不足、短期化する製品サイクルに追随できる工程の実現、さらに新たな付加価値の創出など、業界が抱える本質的な課題を解決するうえで DX が必要だからです。その重要なポイントとなっているのは「データ活用」の仕組みを構築することです。そのためのソリューションをマイクロソフトは着々と強化しています。

マイクロソフトでは、さまざまなユースケースを想定してプロセス製造業の DX に向けたソリューションを展開しています。プロセス製造業の DX につながるデジタル技術のユースケースは数多くあります。例えば、材料開発の効率化です。消費者が手にする最終製品の市場の変化が加速していることを受けて、素材などを提供するプロセス製造業においても新しい製品を開発する頻度を高めるとともに、製品化までのリードタイムを短縮する必要に迫られています。材料開発では、研究者が膨大な情報を探索しながら、無限にある材料同士の組み合わせの中から、目的にあった特性を引き出せる組み合わせを探しだすといった負担の大きいアプローチで進めてきました。この作業に、AI (人工知能) 技術を適用することで、その負荷と要する時間を大幅に短縮できる可能性があります。いわゆる「マテリアルズ・インフォマティクス」に対するニーズが高まっています。

 

タブレット端末で製造ラインを制御する女性

また材料開発の過程で実施する実験・検証で得たデータは、これまで個々の研究者が管理していることが多く、ノートなどの紙ベースで記録されている情報も少なくありません。これらのデータを企業の中で集めると膨大な量になるでしょう。このデータを全社で共有し、活用することで、新たな材料が生まれる可能性は高まります。こうしたデータ活用の基盤を提供するのが、マイクロソフトのクラウド・コンピューティング・プラットフォーム「Microsoft Azure」です。研究開発部門に蓄積されている膨大なデータを一元管理し、さらに AI などの技術を使いながらデータを効率よく活用する環境を提供します。また、クラウドを利用することによって、研究開発だけでなく、製造や販売などバリューチェーン全体から集まるさまざまなデータも含めて一元管理することも可能になります。蓄積した大量の情報の中から検索機能を利用して効率よく必要な情報を引き出せるようにすれば、効果的な情報共有が実現できるはずです。

 

クラウド コンピューティングの活用で問題を解決した男女

最近では最終製品で問題が生じたときに、迅速かつ正確に原因を究明することが厳しく求められます。この要求に応えるためにもデータの一元管理は重要です。つまり、製造時の条件や環境にまつわるデータなど製造現場で収集した情報と、発注情報を紐づけて管理する仕組みが欠かせません。

効果的なデータ活用の環境構築を支援

マイクロソフトでは、社内のデータを最大限に活用できるように、クラウド・コンピューティング・プラットフォーム上に実装するさまざまなサービスがシームレスに連携できるようにするデータモデル「CDM (Common Data Model)」の整備も進めています。ものづくりの工程全体からデータを収集している企業が数多くありますが、工程ごとに別々のシステムで収集しているケースが少ないのが現状です。この場合、それぞれのシステムごとにデータ形式が異なっていることが多いので、包括的にデータ活用することが、なかなかできません。データモデルとは、アプリケーションに最適化したデータ形式のことです。データを分析・整理してデータモデルを求める作業はデータモデリングと呼ばれていますが、複数のアプリケーションで共有することを前提にデータモデリングを実施することで、データを共有するアプリケーションのいずれにおいても扱いやすいデータモデルを作成できます。このデータモデリングの技術を強化するために、マイクロソフトは 2020 年にデータモデリングに関する高度な技術を抱える ADRM Software を買収しました。

また工場の現場では、紙に書いた文章や写真などの形で記録された情報もたくさんあるはずです。そこで、マイクロソフトは、これらの情報をデジタル化すると同時に、AI を利用して素早く検索できるように適切なタグを自動的に付与する技術を、AI の解析技術など手掛けるアバナードと共同で開発しています。データを活用する環境を構築するうえで欠かせないのがセキュリティの強化です。マイクロソフトは、情報システムだけでなく、工場の現場におけるセキュリティの強化に向けたソリューションの強化も図っています。例えば、その一環として制御ネットワークのセキュリティ対策技術で高い評価を受けているセキュリティ技術のベンチャー企業 CyberX を 2020 年 6 月に買収しました。

 

複数画面を活用して製造工程を確認する男女

先行企業の知見を提供

さらに材料開発や製造現場などプロセス製造業のさまざまなシーンにおける DX を促進するために、マイクロソフトは「リファレンスアーキテクチャ」を用意しています。リファレンスアーキテクチャは、それぞれの現場に応じた的確な DX を効率よく推進するための、いわば「ガイドブック」です。リファレンスアーキテクチャにはマイクロソフトが、製造業の皆さんとさまざまな課題解決に取り組む中で獲得した知見が、反映されています。DX の先進企業との取り組みの中で得られたノウハウも反映されているので、先行する企業の “知恵” を活用しながら、効率的に DX を推進することができるでしょう。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

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前編「いよいよ本格化するプロセス製造の DX、課題解決のカギを握るデータ活用

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いよいよ本格化するプロセス製造の DX、課題解決のカギを握るデータ活用 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/manufacturing/2020/12/07/realizing-dx-of-process-manufacturing/ Sun, 06 Dec 2020 15:05:22 +0000 コロナ禍を契機に DX (デジタル トランスフォーメーション) を加速する機運が産業界で高まっています。こうした中、化学製品、石油、金属、ガラス、鉱物などを扱う、いわゆるプロセス製造業では、社会や市場の変化とともに日増しに深刻化する業界の課題を乗り越えるために、デジタル技術による変革に取り組む動きが本格化してきました。自動車や電子機器などさまざまな部品を集めて組み立てるディスクリート製造業とは、特性が大きく異なるプロセス製造業ですが、変革を進めるうえでの大きなカギを握っているのは、ディスクリート製造業と同様に「データ活用」です。

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製造ラインをMixed Realityで制御する男女

コロナ禍を契機に DX (デジタル トランスフォーメーション) を加速する機運が産業界で高まっています。こうした中、化学製品、石油、金属、ガラス、鉱物などを扱う、いわゆるプロセス製造業では、社会や市場の変化とともに日増しに深刻化する業界の課題を乗り越えるために、デジタル技術による変革に取り組む動きが本格化してきました。自動車や電子機器などさまざまな部品を集めて組み立てるディスクリート製造業とは、特性が大きく異なるプロセス製造業ですが、変革を進めるうえでの大きなカギを握っているのは、ディスクリート製造業と同様に「データ活用」です。

「製造業」には多くの業種がありますが、これを大きく 2 つに分けて「プロセス系」と「ディスクリート (組み立て) 系」と呼ぶ慣習は、いまや業界にすっかり定着しています。プロセス系は、流体・ガス・粉体など形が一定ではない材料を主に扱い、反応や合成といった工程を使って製品を製造する企業のカテゴリを表しています。具体的には、化学製品、石油、金属、紙・パルプ、薬品、ガラス・セメント、鉄鋼などを手掛ける企業が、このカテゴリに含まれます。一方、形のあるさまざまな部品を組み合わせる工程を連携させて製品を製造する業種のカテゴリが「ディスクリート系」です。自動車や電子機器などが、このカテゴリの主な業種になります。ここでは、プロセス系の業界を、「プロセス製造業」と呼び、この業界の DX を巡る状況と、DX を進めるうえでのキーポイントについて解説します。

制御盤を Mixed Reality で調整する女性

プロセス製造業は、ディスクリート系の業界に比べて特性が大きく異なっています。プロセス製造業の大きな特徴は、ディスクリート系にくらべて事業全体の流れがゆっくりしていることです。例えばプロセス製造業では多くの場合、製品のライフサイクルが長い。10 年以上という製品が珍しくありません。中には 50 年に及ぶ製品もあます。これにともなって生産設備が長年にわたって使われているようで、ディスクリート系の業界に比べて設備を更新する時期の間隔が長いことが多いです。これに加えて消費者が手にする最終製品の市場が変化したときに、その影響が生産に及ぶまでの時間が長いのもプロセス製造業の特徴です。比較的、短い場合で数か月。長い場合は数年ということもあります。

デジタル革新が不可避な状況に

こうした特性を備えたプロセス製造業では、ここにきて DX に乗り出す企業が増えています。この背景には、従来の取り組みの延長では解決できない深刻な問題が浮上していることがあります。その 1 つが、少子高齢化に伴うベテラン技術者の不足です。プロセス製造業の工場では、反応や合成という工程が多いことから、気温や湿度など環境の変化に応じた工程の調整が必要になります。この調整の作業は現場の技術者の経験や勘に頼っていることが多く、どうしてもベテランが担当することになります。ところが最近、多くの企業が若い人材の確保に苦労しています。このためベテラン技術者の知見やノウハウの継承が危うくなっている状況です。いまのところ安定して稼働している工場も、ベテラン技術者が定年を迎えて現場を離れると、現状を維持することが難しくなります。ひとたび大きな問題が発生すると、迅速かつ適切な対応をとることができなくなるのではないかという不安の声を業界の皆さんから聞く機会が、ここ数年増えています。

リモート画面で作業指示を受ける女性

さらに製品サイクルの短期化も大きな課題として浮上しています。日本をはじめとする工業先進国のプロセス製造業では、新興国に比べて人件費が高いことなどから、多くの企業が、携帯電話など付加価値が高い最終製品にかかわる市場にターゲットをシフトしています。こうした最終製品の市場では製品サイクルの短期化が進んでいるうえに、パーソナル化の傾向が進んでおり、少量多品種生産の製品が増えています。こうした動きに対応するために、製品サイクルの大幅な短縮を迫られているプロセス製造業の企業が増えてきました。もはや従来のペースで開発や生産を続けることが難しくなっているということです。同時に、日本のように人件費が高い地域では、製造コスト削減に向けて省力化も考える必要があります。

さまざまな領域の革新を支援

これらの大きな課題は、現場の改善活動など従来の取り組みの延長だけで解決することは、なかなかできません。そこで注目を集めているのがICT (情報通信技術) やAI (人工知能) などの先進技術を活用して、従来の業務やものづくりの仕組みの根本的な変革を図ること、つまり DX というわけです。デジタル化は、研究開発の効率化、製造現場における生産管理の高度化、品質向上、省力化などプロセス製造業のさまざまな工程の変革に貢献します。

こうした状況を受けてマイクロソフトでは、プロセス製造業のデジタル革新に向けたソリューションの強化を図っています。さまざまな課題解決を図るうえでのキーポイントは「データ活用」です。バリューチェーン全体から収集した、種類や頻度、形式の異なる情報をデジタル化し、そのデータを一元管理できる環境を構築。そのうえで多様なデータを有機的に組み合わせることで課題解決の新たなアプローチが生まれるでしょう。そのためのさまざまな仕組み作りを支援する考えです。

プロセス製造業に向けたマイクロソフトの提供価値

具体的には、リモートワークや効率的な情報共有、工程の自動化による「働き方改革」。デジタルマーケティングなどによる「顧客接点の強化」。データを活用した「生産の高度化」。シミュレーションや企業の枠を超えた情報連携による「サプライチェーンの最適化」など幅広い観点でプロセス製造業の新たな進化を支援する考えです。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。

後編「「データ活用」で進化するプロセス製造業、情報の一元化がもたらす新たな可能性

 

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