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FinTech 時代にあるべき金融機関の姿に向け業務プロセスの改革や新ビジネスの創出を支援します – デジタル アドバイザリ サービス

第 2 回 デジタル アドバイザリ サービス本部 チーフデジタルアドバイザー 島田 真由巳

テクノロジの進化によって、金融機関と利用者の関係性は劇的に変わりました。インターネットとスマートフォンが普及したことで、金融サービス・商品に関する情報はネットで簡単に入手・比較できるようになりました。金融商品の売買や資産管理についても、インターネット上で完結可能です。利用者はわざわざリアルな店舗に出向かなくても、金融サービスを享受できる時代になっているのです。

このように利用者の行動が変わり、金融ビジネスのあり方が大きく変わろうとしています。そうした変化の波を金融機関はどう乗り切っていくべきなのでしょうか。

ここでは、リアルな店舗を持つ銀行をはじめとした金融機関がビジネスを展開していくうえで、考えなければならないポイントについてご紹介します。

日本マイクロソフト株式会社
エンタープライズ & パートナー サービス統括本部
デジタル アドバイザリ サービス本部
チーフデジタルアドバイザー
島田 真由巳

プロフィール
日本アイ・ビー・エムに SE として入社。お客様企業の業務システム構築やシステム運用管理の高度化の支援に 10 年以上従事したのち、基礎研究部門を経てコンサルティング部門に異動。ビジネス コンサルタントとしてのキャリアをスタートさせた。

製造業企業を中心に、マーケティング、営業、アフター サービス領域の改革プロジェクトを推進。ビッグ データやアナリティクスを活用したアプローチも取り入れ、活躍。プロジェクトのテーマは、営業改革、フィールド サービス効率化、顧客戦略ならびに顧客ロイヤルティ向上など多岐にわたる。その後、日系コンサルティング会社を経て日本マイクロソフトに入社。

上流コンサルティングからシステム構築までの End To End の経験、他業界の取組みに関する知見、ならびにマイクロソフトのグローバルの先進事例やアセットを武器に、金融機関を中心としたお客様のデジタル トランスフォーメーションの推進を支援している。

■金融業界に押し寄せる変革の大波をどう乗り切っていくか

金融業界は今、大きな変革期を迎えています。その象徴ともいえるのが FinTech (フィンテック) です。一連の規制緩和の流れに加え、FinTech によってこれまでにない “破壊的な” サービスが世界中に広がりつつあります。例えば、投資家と借り手を Web サイト上でマッチングするサービスを提供する米 Lending Club、インターネットを利用した決済サービスを提供する米 PayPal、個人間の国際送金をマッチングする英 TransferWise などが、既存の金融機関の市場を奪いつつあるのです。

日本でも、家計簿アプリや投資の判断を AI が行なうロボアドバイザーといったサービスが普及しつつあります。保険業界でも保険版 FinTech ともいうべき「InsurTech (インシュアテック)」が始まっています。こちらも最新テクノロジを活用することで、これまでにない保険商品・サービスなどの開発が進んでいます。

※InsurTech: インシュアランス (Insurance) と技術を意味するテクノロジー (Technology) を組み合わせた造語

そうした中、各金融機関では、「顧客ロイヤリティをいかに高め、顧客の離反を防止するか」、「それを可能にするためのマーケティング・営業施策をどう再構築するのか」、そしてその結果として、「利益をいかに拡大していくか」など、様々な課題が突きつけられています。こうした問題への対応を念頭に、多くの金融機関では大きく 3 つの課題を抱えています。

1 つ目は「顧客接点の高度化」です。これは、店舗を訪れる顧客が急速に減少している状況の中で、Web や ATM などを含め、様々なタッチポイントにおいて個々の顧客に対し、いかに最適なカスタマー エクスペリエンスを提供していくかという課題です。

2 つ目が「バックオフィス業務の効率化」です。金融機関では、基本的には業務の多くが、紙ベースで行われています。これをいかにシステム化・自動化し、効率性を上げていくか。これはすべての金融機関にとって重要なテーマです。また多くの金融機関では、営業担当者でも直行直帰を行わないという文化が根付いるケースが少なくありません。そうした働き方をどう変革していくべきかも、生産性の向上には不可欠なポイントです。

そして 3 つ目が、「新たなビジネス モデルの構築」です。今日、ネット上では様々な仮想通貨が流通し、その利用可能範囲も広がりつつあります。加えて、それら仮想通貨による安全な取引を支える基盤技術となるブロック チェーンの登場も、金融ビジネスに多大なインパクトをもたらそうとしています。このように、従来では競争相手にはならなかったような、身軽で新しいコンセプトの企業が、斬新なビジネス モデルを掲げて金融業界にも参入してきています。そうした中で、既存のビジネス モデルをいかに変革していくか、あるいはまったく新しいビジネス モデルをいかに描いていくかが、金融機関にとって切実なテーマとなっているのです。

■金融機関の課題解決に向けたデジタル化を総合的に支援

マイクロソフトのデジタル アドバイザリ サービス では、上述のような視点に立ったデジタル トランスフォーメーションを総合的に支援する体制を整えています。

取り組みの具体的な流れとしては、まずお客様とのワークショップを通じて、お客様のビジネスの目指す姿を考察し、それを実現するためのデジタル アプローチや業務上の課題を洗い出してシナリオ化し、そのブルー プリント (青写真) を描きます。続いて、描かれたブルー プリントと、お客様の現在の状況との間にあるギャップを明確化し、お客様の環境、あるいはお客様自身がシナリオに基づく変革を実践可能な状態にするために必要な施策を整理し、それをどういうマイルストーンを設けて進めていくかを検討します。

その後、システム設計、構築のフェーズにおいては、デジタル アドバイザリ サービス チームが変革プロジェクトを管理する PMO (プロジェクト マネジメント オフィス) としての役割を果たします。さらに、構築したビジネス プロセスやシステムをお客様のビジネスの現場に定着させ、その効果を享受していくうえで必要となる組織体制や制度、KPI などを策定した上で、定着支援を担当するチームに引き継ぎます。さらに、お客様による変革の実践が開始された後に、最大限の効果が実現できるよう、様々な角度から支援するのも我々デジタル アドバイザリ サービス チームの重要な役割です。

それでは、実際に我々がどのような形でお客様のデジタル トランスフォーメーションを支援できるのか、その具体例を先ほどの顧客視点からご紹介します。

■富裕層との関係強化や既存の店舗改革など様々な切り口で提案を実施

まず 1 つ目の「顧客接点の高度化」としては、富裕層の顧客とのリレーションを、より強固なものにするという取り組みを支援した例があります。最近では、富裕層の顧客が資産を国内の銀行から外資系の証券会社などに移動させるケースもあります。特に顧客が亡くなった後、その資産が相続者にわたるタイミングでそうした資金移動が行われる傾向があるようです。

そうした顧客の離反を防ぐために重要なのが、カスタマー ジャーニーを意識してコミュニケーション、コンタクトの機会を最大化することです。例えば、ノートパソコンの Surface に Skype for Business を組み込んで顧客に提供し、顧客と金融機関側で担当者がいつでも相談に乗れるようにしておく方法はその 1 つでしょう。その中で得られた顧客の家族構成や嗜好などの情報を蓄積して、それらをベースに顧客のペルソナに応じてメール、SNS などのタッチポイントを適切に選択し、ディープ ラーニングなどの技術も駆使しながら、レコメンドの精度を極限にまで高めていくといったマーケティング施策などもご提案しています。

もちろん顧客接点という文脈では、店舗改革も急務です。店舗数の縮小が不可避になる中、残留させる店舗においては、金融の基幹業務についてのオペレーショナルな部分についてはできるだけ省力化を図りながら、顧客との間におけるハイ タッチなコミュニケーションを実現し、カスタマー エクスペリエンスをより良好なものとしていくことが肝要です。

これに関しては、例えば顔認識技術で来店される各顧客を認識し、過去の接客履歴を全店で把握・共有。その情報をもとに AI と連携した従業員が適切な対応を実現するといったことも技術的には可能です。仮に資産運用や住宅ローンなどの専門知識が必要な場合は、経験豊富なスタッフにすぐにエスカレーションすることで、きめ細かなサービスをどの店舗でも展開できます。このように、デジタル アドバイザリ サービスでは様々な角度からお客様をご支援していきます。

2 つ目の「バックオフィス業務の効率化」については、カスタマー ジャーニーならぬ “従業員ジャーニー” を描き、現状の制約事項を離れて業務のあり方の理想形をアイディエーションし、それを実現するプロセスやテクノロジを検証します。冒頭で述べたように、金融機関では業務にかかわるオペレーションの多くが紙文書をベースに行われています。このため社内で何か必要な情報を入手するにも、場合によってはキャビネットに格納された膨大な量の資料のページを繰らなければならないといったケースもあり、その点が課題となっています。

これに対し、最近ではチャット ボットを活用し、必要な情報にスムーズにアクセスできるような仕組みを提案するケースが増えています。そのほかにも、会議の議事録の作成を省力化する音声テキスト化技術や、大量の海外資料の中から参照すべき資料を素早く見つけ出すための文書要約技術なども、業務効率化に貢献しています。

参考事例: 三井住友フィナンシャルグループの、パブリック クラウド・人工知能を活用した働き方改革の取組みについて 新規ウィンドウで開きます

■エコシステムの形成など、新サービスの創出に向けたビジネス モデルを描く

最後に 3 つめの視点である、新たなビジネス モデルの構築については、自社が将来に向けてどのような形で勝ち残りを図るかを明らかにし、取り組みを具体化していくことが求められています。今後、次々に形成されてくるエコシステムの中で、FinTech 企業や他の金融機関、さらには他業種の企業とも連携して新サービスの創出を目指していくことも見据える必要があるでしょう。

デジタル アドバイザリ サービスでは、ブロック チェーンやオープン API といった新しい技術の潮流を見据えたビジネス モデルの構築支援や、技術面だけでなくケイパビリティの補完に関するご相談も行っています。それに際して、マイクロソフトが全世界の拠点に擁する、グローバルな金融ビジネス、あるいはブロック チェーンといった技術領域に関する高度な知見を備えたスペシャリストが直接、お客様とのワークショップに参加してご支援することもあります。

今まさに、金融ビジネスのあるべき方がドラスティックに変わろうとしています。マイクロソフトのデジタル アドバイザリ サービスでは、お客様がそうした変化の波を乗り切り、さらなる成長を遂げるために、観念的なビジョンだけでなく、地に足の着いた具体的な提案を行ってまいります。

関連リンク

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