金融サービス Archives - マイクロソフト業界別の記事 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/author/ Fri, 04 Oct 2024 07:58:42 +0000 en-US hourly 1 「金融国際情報技術展 FIT 2024」出展のご案内 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2024/09/27/fit-2024/ Thu, 26 Sep 2024 23:41:39 +0000 日本マイクロソフトは、10/17~18 開催の 「金融国際情報技術展 FIT 2024」 に出展いたします。

今回のテーマは「Power your data and AI transformation in financial services with the Microsoft Cloud」。金融業界に特化した DX やクラウド、AI ソリューションのご紹介に注力し、1日セミナーを開催いたします。

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日本マイクロソフトは、10/17~18 開催の 「金融国際情報技術展 FIT 2024」 に出展いたします。

今回のテーマは「Power your data and AI transformation in financial services with the Microsoft Cloud」。金融業界に特化した DX やクラウド、AI ソリューションのご紹介に注力し、1日セミナーを開催いたします。

マイクロソフトの金融業界に向けた取り組みとご支援、Azure OpenAI Service や M365 Copilot、Sales Copilot をはじめとする AI 搭載ソリューション、AI 活用のために必要な共通基盤構築など、AI を最大活用いただくための最新情報をご紹介する他、コミュニケーションと業務プロセスを円滑にする Teams から、Dynamics 365 などの業務効率化のツール、Microsoft 365 によるセキュリティとコンプライアンス管理、業務のインフラとシステム、データの連携・統合をワンストップで実践できる DX ソリューションなど、多数のセッションをご用意しております。

10 月 18日 (金)、FIT2024 セミナー会場「B5」にて、パートナー企業様と共に、皆様のお役に立てる情報満載でお届けいたします。各セッションは事前登録制となっております。座席には限りがございますので、下記公式サイトリンク(準備中)、もしくは下記各セミナー名よりお早めにご登録ください。皆様のご来場をお待ちいたしております。

開催概要

  • イベント名: FIT2024 (正式名称「Financial Information Technology 2024 金融国際情報技術展」)
  • 主催: 日本金融通信社 (ニッキン)
  • 開催期間: 10 月 17日 (木) 、 10 月 18 日 (金) 10:00~18:00 (両日とも同一)
  • 会場: 東京国際フォーラム
  • ご入場について: 入場無料
    金融機関及び、金融機関系列会社の方はご入場が自由です。
    それ以外の方は、出展企業による招待状が必要となります。

▶詳細・事前登録はこちら (FIT 2024 公式サイトに遷移します)


■出展者
日本マイクロソフト (小間番号 EB14)


■共同出展パートナー様(順不同)
ソフトバンク株式会社

ヴイエムウェア株式会社

日本アイ・ビー・エム株式会社

アバナード株式会社


セミナー概要

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生成AIは実用段階へ!住信SBIネット銀と第一生命の事例を紹介~日本MSがセミナー開催  http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2024/09/27/digital_fit_sbi_net_daiichi_life_ms_seminar/ Thu, 26 Sep 2024 23:40:29 +0000 日本マイクロソフトは2024年6月13日、生成AIセミナー「金融機関様向けAI Transformation with the Microsoft Cloud」を開催した。テーマは「AIを創る、使う、守る」。会場ではメガバンクや地方銀行、保険会社など70名が参加し生成AIの最新事例やノウハウ紹介に聞き入っていた。さらに、ライブ配信では300名が視聴するなど金融機関の関心の高さがうかがえた。

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※本ブログは、金融総合専門誌「ニッキン」による情報サイト「digital FIT」にて 2024 年 8 月 15 日に公開された 生成AIは実用段階へ!住信SBIネット銀と第一生命の事例を紹介~日本MSがセミナー開催 | digital FIT (nikkin.co.jp)の再掲です。

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・住信SBIネット銀行は生成AIを活用したデータ分析アプリを全社展開

・第一生命保険は生成AIを活用したチャットサービスやデジタルバディを開発

いずれも生成AIの業務活用で注目を集める事例だ。

これら取り組みの目的や、開発時の注意点、先行事例ゆえに苦労したポイントなどは何だったのか――

日本マイクロソフトは2024年6月13日、生成AIセミナー「金融機関様向けAI Transformation with the Microsoft Cloud」を開催した。テーマは「AIを創る、使う、守る」。会場ではメガバンクや地方銀行、保険会社など70名が参加し生成AIの最新事例やノウハウ紹介に聞き入っていた。さらに、ライブ配信では300名が視聴するなど金融機関の関心の高さがうかがえた。

当日は、住信SBIネット銀行や第一生命保険が登壇し活用事例を紹介。生成AIの専門家によるAI活用の将来像を語るパネルディスカッションも実施された。2024年5月に開催された開発者向けイベント「Microsoft Build」での発表内容の中から金融業務に関する部分を「創る、使う、守る」観点で紹介するなど、金融機関に特化した生成AIの最新動向を盛り込んだ内容だった。

印象的なのは、生成AIが実業務で活用される段階に至っているという事実だ。セミナー内容や事例、パネルディスカッションでは、現実的にどの業務で生成AIを活用するべきか、何から始めるべきか、といった実用に向けた取り組みやノウハウが多く聞かれた。

本稿では当日の模様をご紹介する。

(取材協力:FIT事務局)

AI活用を成功させる要素とは

日本マイクロソフト・荒濤氏

「Microsoft Azure OpenAI Service」の採用が伸びている。2023年5月時点で世界で4,500社だった採用数は、わずか9カ月で12倍に増加した。開会の挨拶で、「本当に目まぐるしい勢いで変化・進歩している」と日本マイクロソフト 執行役員 常務 金融サービス事業本部長の荒濤 大介氏は振り返った。中でも日本の金融機関での導入は他の地域を上回る速度だ。一方で、業務活用するうえで課題を持っている金融機関も少なくない。荒濤氏は「従業員のスキル不足やコスト、リスク管理、データ整備で課題を持っている企業が多い」と話す。

日本マイクロソフトはAI活用が成功するための要素を6項目にまとめている。

1.人材:人材の獲得・育成や管理者層のリーダーシップ発揮

2.プロセス:組織変革のマネジメントやKPIの設定、経営層の関与

3.テクノロジー:既存システム・データソースとAIとのインテグレーション、内製・SaaSなどの判断

4.戦略:活用アイデアの優先順位付け、短期的ROIか中長期的なトランスフォーメーションかの選択

5.組織構造:変革をリードする組織・部署の組成

6.パートナーシップ:最新AI技術に触れるためのパートナー開拓や知見の活用

これらの要素に取り組むことが、AI活用を成功させるポイントとなる。荒濤氏は「この6要素を念頭に、本日紹介する最新のAI情報を聞いてもらいたい」と話した。

ここまでできる!生成AIの実力とマルチモーダルの可能性

日本マイクロソフト・岡嵜氏

生成AI活用が進化している。1年前はインターネットや社内にある情報をうまく組み合わせてコンテンツを生成する使い方が多かった。しかし、現在では「生産性の向上を目的とした活用(AIを使う)、業務プロセスにAIを組み込んでイノベーションを創出するような使い方(AIを創る)が増えてきている」と日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド&AIソリューション事業本部長の岡嵜 禎氏は基調講演「最先端の生成AI活用でビジネスを加速する」で語った。そして、この進化を加速させるために、Microsoft Buildでは50以上の製品アップデートが発表されている。その中では、2024年5月にOpenAIが発表し、Azure OpenAI Serviceとして利用可能な「GPT-4o」の進化についても言及されている。GPT-4oの特徴は大きく3つある。1つは、テキストに加え画像や音声など多様な種類のデータを処理できる「マルチモーダル」の強化。もう一つは高速化したレスポンス、そして最後が低コスト化だ。「性能・レスポンスが上がりながら、コストはGPT4と比べて12分の1になっている」と岡嵜氏は話す。

まず、「AIを使う」の観点でMicrosoftの最近の取り組みが紹介された。AIを使う場合は、「Microsoft Copilot」が中心的な役割を担う。そもそも、Microsoft Copilotは利用者をサポートしてくれるアシスタント機能だ。AIにより人に話しかけるように言葉で指示を出すことができる。利用者の多い「Copilot for Microsoft 365」での進化がデモ動画で示された。

まずは、「Teams 会議 Copilot」。これまでCopilotは個人で使用することが多かった。しかし、デモ動画で示されたのは、まるでチームメンバーの1人のようにミーティングに参加するCopilotだ。会議音声を理解しミーティングの内容をまとめる。「Copilotの回答をみんなで見られるようになったので、会議のファシリテーターやプロジェクトマネージャーの役割を担えるようになった」と岡崎氏。

次に、Teams会議により進化したリアルタイムAI機能として組み込まれたデモ映像が公開された。Webミーティング画面から始まり、参加者はそれぞれの母国語で好き勝手に話している。Copilotは、利用者の言語に合わせ、話者の言語へ、リアルタイムで翻訳し、音声でその内容を伝えてくれた。

「AIを創る」の観点では、「Microsoft Copilot Studio」の進化が紹介された。Copilot Studioは独自のCopilotを素早く作れる開発ツール。これが進化し複数AIを活用して複雑な作業ができるエージェント型のアプリケーションを作成できるようになる。岡嵜氏は「ポイントはやはりマルチモーダル」と強調する。音声で会話でき、画像認識もできる。複雑な作業もこなしてくれる人間のパートナーのような存在を素早く作成可能だ。

デモ動画は、TeamsのWebミーティングでプログラムのソースコードが画面共有されている。AIエージェントは、このソースコードを解読し音声による解説を実施。さらに、株価チャートの解説や、より複雑な処理が必要なキャッシュフローの予測までやってみせた。

日本マイクロソフト・藤原氏

続いて、日本マイクロソフト ローコード テクニカルリード & エバンジェリスト / YouTuberのギークフジワラ氏がAI搭載のローコード開発ツール「Microsoft Power Platform」を紹介した。

「AIを創る」の観点でローコード開発が実演された。AIに業務内容を話しかけるだけで社用車管理のプログラムが作成され、エクセルの管理台帳をAIにアップロードするだけでAIがデータ構造を推定し管理アプリが作成される様子が披露された。

「AIを使う」の観点では、ギーク氏がPower Platformで作成したプログラムが紹介された。まずは、文書情報から想定質問を作成するプログラム。英語の金融レポートなどをAIが翻訳し、同時に想定質問とそれに対する回答を作成する。次に、Web上に投稿された金融機関に対する評判の中から優先度の高いネガティブな評判を抽出するプログラム、戸籍謄本から家系図作成、相続人特定を実施するプログラムなどが紹介された。いずれも、AIによる処理だけでなく、担当者の割り当てや対応結果の記録、チェック、RPAによるオンプレミスシステムへのデータ登録など、業務プロセス全体をPower Platformだけで実現できることが示された。ギーク氏は「使い方は無限大。こういったツールを使いこなせる人材を増やしていくことが重要になる」と話した。

基調講演の最後では、再び岡嵜氏が登壇し、「AIを守る」観点でのMicrosoftの取り組みを紹介した。

MicrosoftはAIの安心・安全な活用を目指し、自社のすべてのサービスや基盤に、開発段階から運用に至るまで安全性を追求していくという原則を定めて、金融機関のAI活用を支援している。同時に、AIの生成物に対する著作権関連の問題解決もサポートしている。

さらに、有害なAI生成物やコードを検知する「Azure AI Content Safety」もMicrosoft Buildで機能強化が発表された。新たに、社会的に不適切とまでは言えないが自社ポリシーには反する、といったコンテンツを検知できるようになった。また、金融機関内の様々なサーバーやクラウド上に点在するデータを仮想的に統合して活用する「Microsoft Fabric」も紹介。利用者が閲覧権限をもつ情報だけで回答を作成するようにする機能で、AIの安全性を確保している。

岡嵜氏は最後に「日本マイクロソフトは、あなたの“Copilot”として成長を支える」と決意を語った。

全従業員をデータサイエンティストに(住信SBIネット銀行の活用事例)

住信SBIネット銀行・渡辺氏

では、実際に生成AIを業務アプリに組み込む場合、どういった点に注意すればいいのだろうか。それが語られたのが、住信SBIネット銀行による事例セミナー「住信SBIネット銀行における生成AI活用事例」だ。同行はデータ分析・業務支援アプリ「Shadow」を内製開発し、2024年4月から全社で利用している。

住信SBIネット銀行 データサイエンス部 マネージャ 渡辺 秀行氏は、「全従業員をデータサイエンティストに」が目的だったと語る。渡辺氏が所属するデータサイエンス部は様々な部署から毎日のようにデータ分析依頼がくるという。すべての依頼に対応することは難しく「複雑な分析を誰でも手軽にできるアプリがあればいいな」と考えた。そこで開発したのがShadowだった。AIとチャット形式で対話しながら必要なデータをアップロードすることでAIがデータ分析やレポート作成をしてくれる。デモでは、住宅ローンのダミーデータ1万件をアップロードし、ヒストグラムや項目ごとの相関を表すヒートマップなどをAIが作成する過程が紹介された。図表を出力するだけでなく、それぞれAIによる解説がつく。さらに、1クリックでMicrosoft PowerPoint形式のレポートが作成された。

このShadowには次の3つの特徴がある。

①1つのアプリだけで分析から資料作成まで完結する

②タスク実現のために自律的に思考をループする仕組みを取り入れている

③Azure OpenAI Serviceを使い閉域ネットワークで安全に動作する

①はデモで示された通り、ShadowアプリのみでAIとの対話、データ分析、レポート作成までを完結できる。

②により、自然言語で入力された利用者からの指示に対し、AIが適した対応を思考し回答できるようになる。例えば、東京の天気を知りたいときに、これまでのアプリケーションは、東京を指定することでその地域の天気情報を取得するよう動作していた。これが、生成AIを活用すると「東京の天気は?」と問いかけるだけで、AIが質問文から利用者が知りたいことを考え、東京の天気を知るために必要な機能を選んで回答を作成できるようになる。こういった、AIが最適な対応を自ら考えて行動するアプリケーションの設計思想はMVAアーキテクチャと呼ばれており、本アプリでも採用されている。これにより、利用者が複数のデータをShadowにアップロードしながら指示を出せば、AIがデータ結合などを自動で実施し利用者の要望に応えた精度の高い分析を実施することができる。

③については安心安全な利用を実現する。渡辺氏は「開発者として最も注意したのがセキュリティだった」と振り返る。本アプリでは、米国のセキュリティ団体であるOWASP(Open Web Application Security Project)が定めるLLM利用のセキュリティチェックリストを活用して安全対策を実施している。リストには、LLMを業務活用するうえで重要になる10項目のセキュリティリスクが記されている。渡辺氏は、この10項目を3つに分類することから始めた。

・Azure OpenAI Serviceを提供するMicrosoftが実施すべき対策

・本アプリでは関係ない項目

・対処すべき項目

3つに分類したのち、本アプリで対処すべきと判断した「プロンプトインジェクション」などへの対策を進めていったという。

また、MicrosoftのAIサービス拡充により、「開発工数の削減だけでなく、自社で対処すべきセキュリティ項目の一部をMicrosoftに任せられるようになってきている」と渡辺氏は話す。

今後の展望としては、「将来的には金融用のLLMを作りたい」と渡辺氏。短期的な目標として、「より複雑な処理ができるアプリ」や「自動的にデータ取得をする機能」の開発を挙げた。渡辺氏は「今後も、どんどん新しいものを作り続けていこうと思っているので期待してもらいたい」と語った。

少しドジだけど憎めないICHIとミスパーフェクト・Sophieが営業職員をサポート(第一生命保険の活用事例)

第一生命保険・市川氏

AIを活用した2種類のキャラクターを作成し、営業職員をサポートするのが第一生命保険だ。第一生命保険 DX推進部 部長 市川 陽一氏は、「生命保険は人が介在しないと売れない」と話す。銀行や証券など多くの金融分野でデジタル化が進み、人の手が介在しないデジタル完結の世界に進んでいる。一方で、「グローバルで見ても完全デジタルな生命保険というのはうまくいっていない」と市川氏。本セミナー「第一生命における生成AI活用事例」では、そんな生命保険領域においてAIをどのように活用しているのかが語られた。

一般的に、生命保険の営業はドアオープン・ハートオープン、提案、クロージング、フォローという流れで行われる。このうち、ドアオープン・ハートオープンを支援するのが新人生涯設計デザイナー「ICHI(イチ)」だ。そして、提案やクロージング、フォローの部分で、営業職員を強力にサポートするのがデジタルバディ「Sophie(ソフィー)」となる。

セミナーでは、まずICHIのデモが紹介された。「少しドジだけどお茶目で憎めない性格」に設定されたICHIがチャット形式で利用者と対話し、打ち解けてハートオープンしていく。「ICHI自体は単なる会話型AIだが、実は顧客の深層心理に迫っている」と市川氏は話す。保険の営業職員が顧客に対しドアオープンを試みるとき、拒絶される理由は一般的に「しつこくされたくない」からだ。営業職員と人間関係が構築されてしまうと、その後の提案を断りにくくなるから拒絶されてしまう。しかし、ICHIには感情がないので顧客が気に入らないなら切り捨ててしまえばいい。この手軽さが、ICHIがチャレンジするドアオープン・ハートオープンに生きてくる。

とはいえ、「PoCはICHIにとってストレスフルな環境だった」と市川氏は振り返る。まず、AIが勝手に話すことによる風評リスクの観点から大々的なプレスリリースや告知は打てなかった。そのため、同社公式LINEと友だち登録をした利用者を対象に期間限定でICHIとの会話機能を提供した。市川氏は「まだ学習中なのでグダグダな会話になってしまうこともある。気に入らなければブロックされてしまう。厳しい環境だった」と話す。しかし、性格設定などが功を奏し「想定を上回る成果が出た。今後の展開に向けて進んでいる」という。

続いて、高い能力で営業職員をサポートするミスパーフェクト・Sophieのデモが紹介された。デモ動画では営業職員の傍らに置かれたPCにSophieが表示されている。Sophieは、営業職員と顧客との会話を聞き、時には顧客と直接会話する。そして、営業職員が回答に窮する場面では、Sophieがサポートする、というものだった。

Sophieの優秀さに注目が集まるデモ動画だが、市川氏は「Sophie自体は単なるインターフェース」と付け加える。裏側では、音声認識や話者分離、表情解析などいくつものマルチモーダルAIが動いているという。そして、「AIモデルが簡単に着脱できるよう開発している。良いモデルがあればすぐに乗り換えができる」と市川氏。営業トークの指導や報告、レポート作成、単純業務の簡素化など、Sophieは今、どんどん進化している。今後は、営業部門などから新機能のニーズを聞き取り、実現できるAIモデルを探しながら機能拡充を進める。現在は顧客との会話データを構造化してCRMに登録していく機能を開発中だという。実現すれば顧客理解の深化に貢献する。市川氏は「色々な用途で人をサポートできるようなAI開発をしていく」と話した。

AIの専門家によるパネルディスカッション

左から、日本マイクロソフト・金子氏、LayerX・中村氏、ACES・與島氏、PKSHA Technology・松澤氏

続いて、日本マイクロソフトのパートナー企業からAIの専門家3名が登壇するパネルディスカッション「金融業界における生成AI活用ソリューションの最新動向」が実施された。

ファシリテーター:日本マイクロソフト 業務執行役員 金融サービス事業本部 銀行・証券営業本部長 金子 暁氏

参加者:

PKSHA Technology AI Solution事業本部 金融領域 副事業責任者 松澤 勇太氏

ACES 取締役 COO 與島 仙太郎氏

LayerX 部門執行役員 AI・LLM事業部長 中村 龍矢氏

今、金融機関から一番引き合いの多い生成AI活用テーマは?

松澤氏「稟議書や契約書の自動生成など業務に近い部分で使ってみたいという要望が非常に多く寄せられている。AIが稟議書を作成し、AIが稟議書をレビューするといったAI完結の世界がくるかもしれない。また、社内ドキュメントの検索に生成AIを使いたいというケースもある。6月には当社の「PKSHA AIヘルプデスク」が静岡銀行の照会業務等で導入されるという発表をした。生成AIによるドキュメント検索や問い合わせ対応は実用段階になっていると感じる。」

與島氏「引き合いの多いテーマはコーポレートITや顧客対応、リスク・コンプライアンスだ。特にコーポレートITでは、生成AIを多くの業務で効率的に導入するための基盤整備で相談が多い。顧客対応やリスク・コンプライアンスでは、文書の要約や業務の自動化など、人の作業をAIが代替していくような使い方で引き合いが多い。」

中村氏「引き合いの内容は時期によって変化している。2023年の夏・秋頃は社内のチャット環境を整備したいという声が多かった。その後、RAGによる精度向上などに関心が移っている。全従業員向けの取り組みというより、稟議や監査といった特定部門での利用の方が素早く始められるので成功しやすい。「DX部門が入れたシステムが良かった」という評判を作っていかないと、次のシステム導入に協力してもらいにくくなる。素早く導入できる業務からAI活用を開始し多くの従業員を巻き込んで行くことがデジタル化では重要だ。」

生成AIが苦手な領域や難しい用途は?

中村氏「1つは、顧客に対して直接回答を返すアプリケーションでの利用だ。生成AIの精度を100%にするのは難しいためだ。例えば、外部公開されているWebサイトなどにチャットを設置して顧客対応する用途などは現時点では苦手だ。もう1つは、反復的ではない業務での活用だ。生成AIを使うのであれば、反復業務のほうがやりやすい。正解があって、正解に至るプロセスが明確な業務のほうが生成AIを実用レベルに調整するのが容易になる。」

與島氏「やる度に少しずつやり方が変わるような業務では生成AIの活用が難しい。業務フローが明確で、そのフローのどこでAIを使うか見極めることがAI活用の成功には大切だ。また、データがあまり蓄積できていない業務では短期間で目的を達成するのは難しいだろう。」

松澤氏「生成AIには苦手なことがたくさんある。精度は100%にならないし、数字や絵を読み取るのも今は苦手だ。ただ、業務活用という意味では利用が難しいものはあまりないと思う。生成AIはあくまで部品だ。生成AI単体では難しくても、業務フローの一部として生成AIを組み込むのなら大部分の苦手分野は克服できる。AIがだめなときは有人対応に切り替えるなどのオペレーションをしっかりと設計すれば、生成AIだけではできないことも可能になる」

生成AIが苦手な顧客対応の分野で実用化に向けたポイントは?

松澤氏「1つは、オペレーションをしっかり設定して生成AIの苦手を克服することだ。もう1つは、生成AIの利用に慣れることだ。生成AIに慣れることでモデルの特性がわかり、それを踏まえた設計ができるようになる。苦手な部分だけを人が処理するといったオペレーションが組めるようになる。」

與島氏「活用領域の選び方が肝だ。選ぶべきでないのは、すでに人がやっている業務の中で顧客が高品質なサービスを期待しているような分野だ。一方で、人手の問題などで今まで提供していなかったサービス分野で、少しでも価値が提供できればいいというのであれば、生成AIがうまく機能することが多い。」

中村氏「AIが返した結果が間違っていたとき後から気付けるフローが作れる業務はうまくいく。例えば、顧客の提出書類についてAIで入力を自動化した場合、仮に入力内容が間違っていても金融機関側のチェックで発見することができる。そういう使い方であれば、顧客対応であっても生成AIを使いやすい。」

最新のAIモデル「GPT-4o」は金融機関にどんな影響を与える?

中村氏「まず安くなったことが大きい。金融機関と生成AIの適用領域を検討する際に、費用対効果の面から見送る業務も多い。安くなれば多くの業務で適用できるようになる。マルチモーダルについては、隠すべき情報の検出に効果を発揮するだろう。テキストデータのマスキングに比べて画像やイラストのマスキングは困難だ。資料の中から企業ロゴを検出するなどの用途が容易になるのはインパクトが大きい。」

與島氏「GPT-4oのマルチモーダルはパラダイムシフトを起こすだろう。生成AIが出てもなお、データや情報に人があわせるという利用形態は変わらなかった。この障壁が1つ取り払われる。現在、生成AIを使用する際はチャットで指示するケースが多いが、今後は人が人に依頼するかのように生成AIに指示が出せるようになる。また、営業トークの評価などを生成AIで実施する場合、これまでは外部機能として音声の抑揚や感情値の変化、相槌の検知などをして生成AIに投げることで評価していた。マルチモーダルの生成AIであれば外部機能なしで実現できるようになる。より深い活用や分析が簡単になるだろう。」

松澤氏「例えば面接AIのような、人と人との対話を評価する使い方が増えるだろう。現在の生成AIの使い方だと、会話を音声認識でテキスト化して喋ってる内容を評価する。しかし、音声をテキスト化する段階で表情や仕草など多くの情報が失われている。マルチモーダルにより、これらの情報を含めて評価できるようになる。」

金融機関が今取り組むべき生成AIの活用領域は?

松澤氏「書類の検索や管理業務だ。SaaSを使えば明日からでも取り組める。そういったもので効果を実感しながら活用領域を広げていってもらいたい。いきなり全部変えるのは無理なので、業務分野や利用用途を上手に絞って取り組みを開始していけるといい。」

與島氏「コーポレートITや顧客対応、リスク・コンプライアンス領域で、大量の定型業務が必要な分野が、今取り組むべき活用領域だ。一方で、生成AIはすごい速さで進化している。そのため、使用するAIモデルが変わることを前提に考えるべきだ。そして、AIモデルが変わってなお、金融機関の資産として残る場所を選んで、そこへ投資をすべきだ。」

中村氏「決算書でも契約書でも業務領域は何でもいい。ただ、決め方として、今の仕事を10年続ける場合にどれだけ嫌か、というスコアが一番高い部署や業務から取り組むのがいいだろう。生成AIの活用やAIのチューニングは胆力のいる作業だ。この業務を早くやめて別の業務をしたいという強い思いがある部署のほうが成功しやすい。取り組みやすさの面で考えるなら、業務マニュアルがあって暗黙知が少ない業務の方が取り組みやすい。つまり、やりたくないという強い思いとしっかりとしたマニュアルがある業務から取り組むといいだろう」

懇親会

最後に、懇親会が開かれた。冒頭、荒濤氏が「いよいよ生成AIが金融実務で使われだそうとしている。この懇親会で、参加者同士の情報交換をしてもらいたい。日本マイクロソフトも全力で支援していく。」とあいさつした。

懇親会場では、生成AIの業務活用などで積極的に意見を交わす姿が目立った。参加者からは、「こういった機会はありがたい。色々な生成AI活用のアイデアはあるが、実利用の部分は分からないことも多い。非常に参考になった」といった声が聞かれた。ある参加者は、「現在は社内限定でドキュメント検索や企業情報の要約などで使用しており、将来的には顧客対応などでの活用も考えていた。しかし、今日の事例発表を見て、こんなに進んでいる企業があるのかと驚いた」と語った。「会社として日本マイクロソフトの生成AIイベントには積極的に参加しているし、これからも参加したい」と話す参加者もいるなど、早くも次回開催を期待する声もあった。

また、会場ではパートナー企業3社によるデモ紹介も行われた。

・PKSHA Technology

顧客ニーズに応じたAIをカスタムメイドで作成するソリューション事業とSaaS事業を手掛ける。デモではAIによる音声認識・要約や、静岡銀行にも採用された「PKSHA AIヘルプデスク」を紹介した。

・ACES

2017年設立の東京大学松尾研発のAIスタートアップ。今まで統計的に活用しづらかった非構造データを構造化して企業のデジタル資本として活用する技術などに強みを持つ。これまでに開発してきたAIモジュールを蓄積しており、組み合わせることでAIの実用化を迅速に行うことができる。

・LayerX

2023年11月にAI・LLM事業部を立ち上げた。デモでは、生成AIを業務活用する上で、タスクを分割してAIに指示を出していくことの重要性を解説。さらに、2024年6月に発表したノーコード・ノープロンプト生成AIプラットフォーム「Ai Workforce」を紹介した。

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その熱狂が、世界を変える。Microsoft AI Tour 産業別セッションレポート【金融サービス】〜公平性や信頼性を担保しながら AI 活用の基盤づくりを進める金融業界〜 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2024/04/17/ai-tour-2024-financial-services/ Wed, 17 Apr 2024 05:58:42 +0000 Microsoft ではこの動きをさらに加速すべく、「ビジネスの変革」をテーマとして世界11都市で Microsoft AI Tour を開催。各地で意思決定者及び開発者向けの多彩なプログラムが展開され、大きな盛り上がりを見せています。

2023 年 9 月 13 日の米国ニューヨークを皮切りとして世界中を巡回するこのMicrosoft AI Tour は、2024 年 2 月 20 日に日本に上陸しました。会場となった東京ビッグサイトには開催を待ちかねた大勢の方々が押し寄せ、まさに熱狂の 1 日となりました。
Microsoft AI Tour では、インダストリごとに特化したセッションとブースが展開され、それぞれの業界からの参加者が熱心に耳を傾けていました。本稿では、Microsoft AI Tour の 基調講演と、金融サービスにおけるセッションやブースについてご紹介します。

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AI 元年とも呼べる 2023 年から AI ソリューションの進化は止まることを知らず、全世界をうねりに巻き込んでいます。もはや AI が、インターネットやスマートフォンと同じく、世界を変革する新たなインフラになることは間違いないでしょう。

Microsoft ではこの動きをさらに加速すべく、「ビジネスの変革」をテーマとして世界 11 都市で Microsoft AI Tour を開催。各地で意思決定者及び開発者向けの多彩なプログラムが展開され、大きな盛り上がりを見せています。

2023 年 9 月 13 日の米国ニューヨークを皮切りとして世界中を巡回するこの Microsoft AI Tour は、2024 年 2 月 20 日に日本に上陸しました。会場となった東京ビッグサイトには開催を待ちかねた大勢の方々が押し寄せ、まさに熱狂の 1 日となりました。

本ブログ記事では、基調講演、及び、その後行われた金融サービスに関するセッションについてご紹介します。動画視聴リンクもございますのでぜひご覧ください。

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基調講演
「AI トランスフォーメーションと変革を推進する Microsoft Cloud」

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基調講演には、3000 名を超える来場者のほとんどが参加し、会場は熱気に包まれました。冒頭、日本マイクロソフト代表取締役社長の津坂美樹は、このイベントの目的を「AI の力でビジネスの成長を加速し、新たなソリューションやノウハウの交換を促進すること」であると語り、「Copilot は、Microsoft のミッションである “地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする” をまさに体現するプロダクト。今日から “AI 筋力” をつけるために Copilot を使い続けてほしい」と挨拶しました。

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続いて登壇した Microsoft エグゼクティブ バイス プレジデント兼チーフマーケティングオフィサーの沼本健氏は、AI を「グラフィカル ユーザー インターフェース、モバイル、クラウドといったプラットフォーム シフトの中で、最も大きな規模の変革をもたらすもの」と捉えているとし、Microsoft の製品の開発や提供における方向性や戦略の解説を展開しました。

さらに先進 AI ユーザー企業である本田技研工業社とサイバーエージェント社からのゲストスピーカーと語らいながら、AI によるビジネス変換は未来の話ではなく、すでに現在進行形で行われているものであり、AI の徹底活用こそが、今後の競走優位性のカギとなることを会場に示しました。

最後に沼本は、AI トランスフォーメーションを実現するための Microsoft の取り組みについて総括。AI 活用の鍵は技術だけでなく事業戦略、組織、文化の課題であり、Microsoft はそれらを解決するための知見を持っていることを強調。「少子化、高齢化の進む我が国にとって国民一人ひとりの労働生産性を上げることは至上命題。そこに AI が貢献する機会は大きい」と、ここに集った日本の企業が AI 活用をリードする未来への期待を述べて、セッションを終了しました。

基調講演の視聴はこちら
「AI トランスフォーメーションと変革を推進する Microsoft Cloud」


[金融] ブレイクアウトセッション
「急進する金融機関における生成 AI への取り組みと目指す今後の姿」

Microsoft AI Tour では、インダストリごとに特化したセッションが展開され、それぞれの業界からの参加者が熱心に耳を傾けていました。

金融業界向けのブレイクアウトセッションでは、『急進する金融機関における生成 AI への取り組みと目指す今後の姿』と題したパネルディスカッションを開催いたしました。生成 AI 実装に向けた取り組みと今後のビジョンについて、日本マイクロソフト 巴山の進行のもと 4 名の有識者による情報共有と意見交換が行われました。

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世界的にAI に対する期待が高まるなか、金融業界においてもすでにリスクマネジメントや不正検知、顧客体験の変革に生成 AI を活用しようとする動きが見られます。金融機関の AI トランスフォーメーション実現に向けては、AI を活用するカルチャーの醸成、従業員のリテラシー教育や研究者・技術者の育成、さらに公平性や信頼性を担保しながら AI を活用するための制度や基盤づくりが必要です。

みずほフィナンシャルグループの藤井氏より社内向けに展開したみずほ版 ChatGPT や、生成 AI アイデアソンの実施事例を紹介。アイデアソンでは、全社から約 2,000 件もの応募が集まったといいます。「事務手続きに関するマニュアルの改良」「融資稟議に使用するドキュメントの自動作成」など、優秀な 10 件のアイデアについては、実装に向けたプロジェクトを進行中。今後の取り組みについて、藤井氏は「プロセスの自動化・最適化を進めるとともに、顧客のニーズ分析を重ねながら顧客体験価値を高める新しいサービスの提供を目指したい」と話します。

日本生命保険相互会社では、Azure を活用しながら生成 AI 利用環境を構築し、すでに一部の社員の間で活用を開始しています。併せて、社内ナレッジ活用に向けたユースケースの社内公募も実施。「社内規定照会」「営業職員のロールプレイング支援」への活用に向けて現在検証を進めています。今後は「プロセス自動化、判断高度化の支援」を実現したうえで「顧客との限られた対面時間の価値を高め、最適な商品の提案を目指したい」と阪本氏。

業界全体でのデータ活用推進を目指す金融データ活用推進協会の岡田氏は「AI の実装化においては、経営陣や現場への説明、予算の獲得などさまざまな課題が存在している」と指摘。また、金融業界において避けては通れない金融規制や関連法規制について、同協会では業界に特化した生成 AI ガイドラインの作成(2024 年 4 月に公開予定)を進めていると言います。岡田氏は「金融業界共通のナレッジとして活用できるものにしていく」と意気込みを述べました。

「海外では AI を活用した業務効率化の動きが活発化している」と話すのは、マイクロソフトコーポレーションのランジャン。日本でも今後、同様の取り組み拡大が期待できるといいます。「弊社が提供する Copilot のようなツールを活用しながら業務効率化を実現いただき、そこで生まれた時間を新たなスキルの獲得や、あらゆるシーンでのイノベーション創出に向けた取り組みに使っていただきたいです」(ランジャン)。

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生成 AI の業務適用にあたっては金融業界特有の課題も未だに多く残されています。岡田氏は「業界全体で成功事例を共有しながら、各社の成長と業界全体の底上げを進めていく取り組みが必要」であるとの考えを示し、他のパネリストもこの意見に同意を示されました。今後、企業を横断した取り組みの活発化が期待できるセッションとなりました。

[金融] シアターセッション
「アクセンチュアと Microsoft が考える金融機関の生成 AI を活用した未来像」

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シアターセッションでは、アクセンチュアの七宮氏と日本マイクロソフトの金子より金融機関における生成 AI 活用の未来像についてのセッションを行いました。

業界内での生成 AI 技術に対する期待が高まるなか、今後、生成 AI の実装フェーズに移行するにあたっては「あらゆる備えが必要」だと金子は話します。

生成 AI 技術を活用しながら新たなビジネス価値を創出するためには、「既存の業務プロセスに囚われず、ゼロベースで業務プロセスを再設計することが重要」と七宮氏。さらに、ビジネス部門と IT 部門の双方が安心して AI を活用し、業務を高度化させるためにはプラットフォームの整備が欠かせないと言います。

アクセンチュアは、複数の AI サービスを連携させながら業務変革をサポートする統合ソリューションプラットフォーム『AI Hub プラットフォーム』を 2018 年にリリース。このツールは、「AI の進化に備える」「複数の AI を組み合わせる」「データを蓄積して活用する」「責任ある AI の備え」の 4 つのコンセプトをもとに開発されました。

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金融機関がプラットフォームの構築を進める際には、情報セキュリティに関しても細心の注意を払う必要があります。情報アクセスに関する権限管理の設定と管理のほか、クラウド環境上でプラットフォームを運用する場合は、「自社の情報セキュリティーポリシーに沿った運用ができるようにする必要がある」と七宮氏。

これに対し、金子は「『Azure Open AI Service』をはじめとするマイクロソフトの LLMには 『責任ある AI の原則』、出力されたデータに対する著作権保護を保証するコピーライトコミットメントを前提として提供されている」と説明。さらに、データの暗号化や監査ログ、アクセス制御などのセキュリティ機能について紹介したうえで「クラウドで提供するセキュリティ機能や認証機能を組み合わせ、プラットフォームに実装することでよりセキュリティを強化することも可能」と話します。

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最後に、金子は「2024 年は金融機関のお客様が生成 AI を活用してより業務の生産性向上、サービス向上に繋げていく 1 年になる」と自身の考えを示しました。続けて、「今後もアクセンチュア様と共に皆様のご支援をしてまいりたいと思います」と今後の展望を語り、セッションを締めくくりました。

金融ブースでは、AI による顧客コミュニケーションの進化やコンプライアンスへの適応についてご紹介

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会場内の金融のブースでは、動画とともに業界内で注目を集める AI の活用事例が紹介されました。

生成 AI では、OCR のようにテキスト情報を拾うだけでなく、画像やグラフを理解することも可能です。例えば、運用レポート内のグラフなどの画像データを理解し、解釈を加えたテキストを生成することができます。さらに、戸籍謄本から家系図を作成するといった複雑な処理も可能です。

ブースでは、金融業界で大きなテーマとなるコンプライアンスの観点からも AI が活躍できるシーンについて解説が行われていました。例えば、社内外へ送るメールを下書き状態で AI がチェックを行い、インサイダー取引やパワハラに該当する内容になっていないかを判別。リスク軽減はもちろん、上長のメール確認の手間を大幅に削減することが可能です。

また、AI が生成した人の画像がアバターとなり、画面内で動きながら音声でのやり取りが可能になる技術も紹介。現時点で、人と会話しているような、より自然なかたちでのコミュニケーションが行えるようになっています。アバターの性別や年齢、見た目もカスタマイズ可能です。顧客とのコミュニケーションのあり方を革新的に変化させる可能性を感じられる展示でした。

基調講演の視聴はこちら
「AI トランスフォーメーションと変革を推進する Microsoft Cloud」




関連ページ:Microsoft AI Tour〜ビジョンをアクションに移す

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国内外の AI 活用事例と、導入・運用時に意識すべきポイント。金融機関向け AI Transformation with the Microsoft Cloud セミナーレポート。 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2024/03/01/1206-aoai-seminar-for-financial-services-report/ Fri, 01 Mar 2024 00:00:00 +0000 2023 年 12 月 6 日 (水)、マイクロソフトは品川本社にて「金融機関向け AI Transformation with the Microsoft Cloud セミナー」を開催しました。本セミナーでは、AI を活用したトランスフォーメーションのために必要な情報、国内外の事例をご紹介。本稿では、当日行われた以下のプログラムの概要を紹介します。

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2023 年 12 月 6 日 (水)、マイクロソフトは品川本社にて「金融機関向け AI Transformation with the Microsoft Cloud セミナー」を開催しました。本セミナーでは、AI を活用したトランスフォーメーションのために必要な情報、国内外の事例をご紹介。本稿では、当日行われた以下のプログラムの概要を紹介します。

開会のご挨拶 ~ 生成 AI 活用を支援するマイクロソフトの想い

金融サービス事業本部 業務執行役員 銀行・証券営業本部長 金子 暁

セミナーの冒頭、マイクロソフト金子が挨拶を行い、2023 年を振り返りながら、本セミナーへ込めた想いを語ります。「( 2023 年は)お客様が生成 AI に触れて、ビジネスの中でどのように使っていくかの議論が繰り返された 1 年だったと思います。マイクロソフトも、製品を一変させるような機能を提供していく準備があります。AI を活用したトランスフォーメーションをマイクロソフトが支援させていただく想いをセミナー名に込めました」

Microsoft Ignite 2023 Keynote 解説

マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 吉田 雄哉

最初のセッションでは、マイクロソフトテクノロジーセンター センター長 吉田 雄哉が、2023 年 11 月に US で開催された Microsoft Ignite 2023 のキーノートの内容をわかりやすく解説しました。

はじめに、キーノートの冒頭で「Microsoft は Copilot の会社である」と述べたサティア・ナデラのメッセージや、副操縦士である Copilot の世界観について次のように紹介しました。

・Copilot は、世界中の知識と組織の知識にアクセスするのに役立つ新しい UI である
・常にアクティブに人間が動いているときに相談する相手
・デジタルのパーソナルアシスタントがユーザーの意図を汲んで、様々な情報を検索し、分析、整理する

Copilot の開発背景 –アプリケーション間で統一されたインターフェースを実現する「Copilot stack」が拡充

ユーザーが Word や Excel といった様々なアプリケーションを開いた際、Copilot の解釈が異ならないように統一させたのが「Copilot stack」です。

「フロントエンドは、ブラウザや Word、Excel などのアプリケーションで、ユーザーが  AI に触れるインターフェースにあたる部分です。ここは、みんなが普通に使えるようになってくると差別化の要因にはなりません。回答生成だけでなく、複雑なことができるようになる連鎖反応を仕切るレイヤーがオーケストレーションです。そして、最終的に重要になってくるのが、バックエンドの部分。業務ノウハウや社内のデータを活用すれば、スケールアウト、差別化ができます」

Copilot を活用する 3 つのアプローチ

次に、Copilot を活用するアプローチについて、次のように語りました。

「ひとつ目が、用意されたものを使うアプローチです。アプリケーションを改造して Copilot を導入します。Microsoft が提供するアプリケーションに Copilot が練りこまれてくるアプローチです。ふたつ目が、より複雑な入口としてみて、その先を創りこんでいくアプローチ。アプリケーションを開発して Copilot を導入します。簡易的に拡張するアプローチとしては、カスタマイズし市民開発としてユーザーがアプリケーションを作れる『Copilot Studio』がリリースされてきます」

さらに、Microsoft Copilot for Sales では、Salesforce などのサービスと連携ができます。

「Salesforce の案件情報との連携など、他のシステム間を結合してくれます。さらに、Teams の会議の内容を自動的に読み取り、情報をトランスクリプト化しサポート。お客様からの問い合わせに対しても、コンテキストを見た上でドラフトを書くこともできるため、ホスピタリティ高い顧客対応が実現します。SaaS を提供している企業が Copilot Ecosystem の名のもとに、こういった連携をたくさん作ることを表明してくれています」

まとめ~ 生成 AI を活用するために必要な行動

最後に、次のようにまとめ、セッションを締めくくりました。

「体質を作るために、まずは生成 AI に加えられているサービスを利用していくことが重要です。また、社内のあらゆる仕事の中で生成AIを使えるようにしていくことが効果的。さらに、外に向けて新しいサービスを作っていくためには、社内システムの改造やデータを見えるようにしておく活動も重要です。自分たちはどんな情報を持っていて、それをどこで使うとビジネス的なインパクトがあるのかにフォーカスして、検討をしていただくのが良いと思います」

世界の成功事例から学ぶ Generative AI 活用と展開

Amit Ranjan
Microsoft Corporation
Director, Financial Service Industry Advisor

次のセッションでは、Microsoft Corporation Director, Financial Service Industry Advisor Amit Ranjan 氏が、世界での AI 活用の成功事例を紹介しました。

「JPモルガンでは、IndexGPT を活用して、市場情報を集約し、富裕層だけでなく中間層のお客様にも投資を容易にする環境を整えました。お客様一人ひとりのニーズと予算に合わせたカスタマイズされたサービスを提供しています。BAJAJ FINSERV では、モバイル端末を通じたローンの事前承認と積極的なオファーにより、コールセンターの負担を軽減しました。オランダのABN・AMRO銀行では、コールセンターで顧客の問い合わせ理由を特定し、エージェントが迅速かつ正確に対応することで、通話時間を短縮し、コストを削減しつつサービスの質を向上させ、顧客満足度を高めることに成功しました。金融業界はマイクロソフトの最先端テクノロジーを駆使して、顧客のニーズに応え、業務の効率化と従業員の満足度向上を実現しています。これにより、ビジネスの枠組みが変わり、顧客サービスが次のレベルへと進化しています」

お客様事例 『三菱UFJ銀行×生成 AI 金融サービスの革新と展望』

株式会社三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 AI・データ推進Gr 谷川 綾氏

次のセッションでは、株式会社三菱UFJ銀行 デジタル戦略統括部 AI・データ推進Gr谷川 綾氏が、三菱UFJ銀行での活用の取り組みやユースケースについて、同社システム企画部DX推進Gr 中本 博久氏がシステム開発/リスク対応について紹介しました。

同行ではセキュアな環境で ChatGPT と同等のサービスを利用できるように、Azure Open AI Service を使い、2023 年 5 月末から社内での利用を開始。ユースケースの検証や、アイデアソンも開催したと言います。同年 11 月から国内の全社員約 3 万人向けのシステムをリリース。社内の業務への活用を本格化しています。

三菱UFJ銀行における AI 活用の取り組み

同行での活用の取り組みについて、谷川氏は次のように語ります。

「稟議作成アシスト、手続照会のふたつについて、初期検証の段階においては短期間の検証ながら多くの効果実感を得ることができました。金融レポートの要約サポートでは、検証段階で約 40 %の削減効果を実感。また、社内で出てきた 110 を超えるユースケースの深掘りを行い、更なる効果創出を図っていきたいと考えているところです」

AI 活用で見えてきた課題と対策

次に、谷川氏は AI を活用する中で見えてきた課題と、その対策について次のように語りました。

「ひとつ目が、『いきなり道具を渡されても使えない』という点。とある金融機関では、月間の ChatGPT のアクティブユーザー割合が 10% 未満でした。対策として、弊行ではアイデアソンでのノウハウ蓄積、充実した利用ガイドラインの作成、『業態横断 PT』を立ち上げ、様々なノウハウの共有を蓄積し、個々の対策を打っています。ふたつ目が、『生成 AI ならではの新たなリスク』です。生成 AI の登場により、多くの企業にとって AI のリスク管理の重要性が増していると考えます。弊行では元々 AI 管理手続きを設けていたのですが、その中に生成 AI 対応のアップデートを実施しました。また、利用者に向けて全社員向けに e ラーニングを提供しています。最後が、『ドキュメントの加工負担』です。社内に様々なファイル形式、構造のドキュメントがある中で、RAG にドキュメントをそのまま読み込ませても上手く回答されないことがわかってきました。そこで、( 2023 年) 10 月末時点で約 5 万件のドキュメントを前処理した上で RAG に格納し、検証を行っている状況です」

AI 環境のシステム詳細とリスク対策

株式会社 三菱UFJ銀行
システム企画部DX推進Gr 中本 博久氏

続いて中本氏が、生成 AI のシステム開発とリスク対応について、同行の取り組みを紹介しました。

「2020 年頃から、当行では Azure(IaaS) を利用した MUFG グループで利用可能な共同基盤を構築しています。今回はこの共同基盤の上で ChatGPT のシステムを作りました。この共同基盤システムの構成はハブスポーク構成を採用しており、ハブに監視などの共通機能を集約し、ゲストシステム単位でスポークを作る構成にしています。ゲスト単位のスポークには各業態のデータセンターから専用線を通してハブ経由で繋ぎ、ゲストシステム間は直接通信しないようなセキュアな構成にしています。また、グループ会社ごとにテナントを分けることで銀証ファイアウォール規制といったコンプライアンスリスクにも対応できる構成にしています。
今回の ChatGPT システムの開発手法についてはアジャイルとウォーターフォールを組み合わせています。ユースケース検証用の PoC 環境についてはアジャイルを採用し、システム企画部で内製開発を行いました。また、全社員向けの本番環境の開発時にはウォーターフォールを採用し、開発会社 (MUIT) に開発を委託しました。この対応によりスピードと品質の両方を実現しました。」

今後の展望

最後に、中本氏は今後の展望について語りました。

「社員が ChatGPT を利用したチャットやファイル検索を行えるようになりましたが、今後は Copilot for M365 導入等、手元のファイルへの対応も行いたいと考えています。また、開発を行う社員の支援として GitHub Copilot の導入も検討していきます。一方で社員からの ChatGPT の直接利用以外の観点では、業務システムからの ChatGPT 利用の為の API の仕組みの導入や社内のデータを蓄積しているシステムとの自動連携を予定しています。」

生成 AI モデル選択と導入アプローチ ~RAG と Finetune の使い分け~

業務執行役員 クラウド& AI ソリューションズ事業本部
データプラットフォーム統括本部 統括本部長  大谷 健

次のセッションでは、マイクロソフト業務執行役員 クラウド& AI ソリューションズ事業本部 データプラットフォーム統括本部 統括本部長  大谷 健が、生成 AI を運用する上で大切なステップについて紹介しました。

「この 1 年、AI を活用する中でお客様から、正しく聞いているのに正しく答えてくれない状況(ハルシネーション)もあったと聞いています。嘘をついているというのは、『データがない』だけなのです。そのため、まず手をつけるべきは社内のナレッジベース( Your Data )。データにも構造化(数字的なデータ)と非構造化(テキスト)の 2 種類がありますが、それらにオペレーショナルとトランザクション・データを掛け算することで、多様性のある膨大なデータになり、それを利活用することができます」

これらのデータは家で例えるなら 1 階部分。その上で、「Your Prompts」「Your App」の順で考えていくことが重要だと続けます。

「この質問だったら正しく答えてくれるというプロンプトを使いながら見つけること、つまり、問いかけ上手になることが大切です。ここまでで、ある程度良い答えを回答してくれるようにはなります。ただ、生産性は上がるけれども、イノベーションとまではいきません。そこで重要になるのが、『Your App』の部分。UI・UX が生成 AI に合った形でアプリケーションを作るべきですし、アプリケーションを制作してこそのイノベーションです。ただ単に単独で存在しているのではなく、皆様が普段使っている業務アプリケーションの中に入り込んでいくことが大切です」

AI 環境を整えるためのマイクロソフトの支援

次に、大谷はそうした環境を実現するためのマイクロソフトの支援について語ります。

「AI 管理コンソール Azure AI Studio には、イノベーションを生み出すためのデータなどが詰め込まれています。早くイノベーションを起こしたい場合には、活用してショートカットしていただければと思います。他にも、生成 AI と一緒にコーディングができる『GitHub Copilot』、プロの開発者だけでなく市民開発者がアプリケーションを作れる『Power Platform』も用意しています。また、データを安全に保存するデータベースなど、マイクロソフトでは様々なサービスを提供しています。ORACLE、Snowflake、Databricks に入っているデータとも連携可能です」

LLM (大規模言語モデル)を最適化していく方法

OpenAI 社の提供する ChatGPT だけではなく、AI には様々な選択肢があります。それらを目的別に使い分けていくことが重要だと大谷は語ります。

「マイクロソフトは『選択肢を提供する』ことを心がけており、それぞれの領域に強い LLM も選択肢として提供できるスタンスを取っています。性能とコストのバランスを見ながら、タスクや使用目的に応じてモデルを使い分けることが重要です。また、生成 AI を使ったユースケースの 90 %は、RAG とプロンプトエンジニアリングでカバーできます。残りの 10 %は、90 %をやり切った後に、ファインチューニングすることを推奨します。ファインチューニングから始めてしまうと、今までできたことができなくなる例もあります。まず LLM を選んでいただき、それを RAG やプロンプトエンジニアリングで良くしていただいて、実際にアプリケーションを導入する。その PDCA を回していく『LLM ライフサイクル』を実現してほしいと思っています」

マイクロソフトにおける責任ある AI と Customer Copyright Commitment

政策渉外・法務本部 中島 麻里

最後のセッションでは、マイクロソフト政策渉外・法務本部 中島 麻里が、ガバナンス面におけるマイクロソフトの取り組みを紹介。はじめに、AI 事業者としての取り組みについて、中島は次のように語りました。

「現在は、AI を利用するフェーズと、実際に AI に対してどのような法規制を設けるべきかという議論が同時並行して進んでいる段階です。マイクロソフトは、生成 AI のガバナンスに関する国際指針、行動規範といった部分に、生成 AI の事業者として、積極的に関与・支援をしています。製品にはコンテンツフィルタリングを設けるなど技術面による保護に加えて、実際に生成 AI サービスを使っていただく際の契約条件も改良しています」(中島)

責任ある AI のガバナンスフレームワーク

次に、中島は責任ある AI のガバナンスフレームワークにおける 6 つの原則について語ります。

「公平性、信頼性と安全性、プライバシーとセキュリティ、包摂性が大切な価値観です。これら 4 つの価値観を支えるものとして『透明性』と『説明責任』が必要と考えています。」
続けて、中島はマイクロソフトが提供する、透明性に関するツール「Transparency Documents」について語ります。

「Transparency Documents」とは、MS の生成 AI サービスについて、どういったユースケースが向いているのか、使用する上で何を考慮する必要があるのかを文書化しウェブサイトで発表しているものです。皆様が AI のシステムを作る際、役立てていただきたいのが『Impact Assessment Template』です。AI システムが人や組織、社会に与える影響を分析するためのアセスメントテンプレートとしてご活用いただければ幸いです」

Customer Copyright Commitment

セッションの後半では、生成 AI をより安心して使用してもらうために 2023 年 9 月にマイクロソフトが発表した「Customer Copyright Commitment」の内容について語りました。

「Microsoft の生成 AI サービスの利用に関して、お客様が第三者から著作権や特許権等の知的財産権の侵害を主張された場合には Microsoft が防御いたします。2023 年 11 月の IGNITE で Azure OpenAI Service も対象とすることを発表しました。Microsoft は、生成 AI の事業者として、製品の利用者であるお客様を支援することは重要と考えています。クリエイターからは『自分たちの著作権が侵害されるのではないか』、お客様からは『意図せず権利侵害というリスクを負うのではないか』という懸念を聞くことがあります。それらの懸念に対し、生成 AI の事業者として Microsoft が何らかの対応をするのが適切と考え、Customer Copyright Commitment を発表しました。また、この Commitment の適用にあたっては、MS サービスに組み込まれている権利侵害を軽減するためのセーフティーガードを利用いただくことを条件としています。」

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「Japan FinTech Week 2024」参画のご案内 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2024/01/30/japan-fintech-week-2024/ Tue, 30 Jan 2024 03:15:16 +0000 日本マイクロソフトは、2024 年 3 月 4 日~3 月 8 日に初開催される、金融業界向けイベントウィーク「Japan Fintech Week 2024」に参画いたします。また同時に、本イベントウィークの中核となる、本年で 8 回目開催の「FIN/SUM 2024 (フィンサム 2024) 」へもゴールドスポンサーとして出展いたします。

本年の「FIN/SUM」は、「“幸福な”成長をもたらす金融」をテーマとしております。ビッグデータ解析、ブロックチェーン、そして AI のさらなる活用を通じ、預金に偏重しているニッポンマネーを資産運用やベンチャー投資を通して経済成長の実現を目指すと共に、環境問題や多様性・人権配慮といった社会的課題への解決策を導く事で、経済価値の追求と人々の幸福の両立を模索していきます。開催期間中は、シンポジウム・ワークショップ・インパクトピッチ・ネットワーキング等多様なプログラムが用意されています。その中でマイクロソフトは、金融業界の皆様に向けて、信頼性の高い AI 活用と取り組みなどを中心に紹介し、DX 推進のための情報やご支援策についての情報発信を先導してまいります。

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日本マイクロソフトは、2024 年 3 月 4 日 ~ 3 月 8 日に初開催される、金融業界向けイベントウィーク「Japan Fintech Week 2024」に参画いたします。また同時に、本イベントウィークの中核となる、本年で 8 回目開催の「FIN/SUM 2024 (フィンサム 2024) 」へもスポンサー出展いたします。

本年の「FIN/SUM」は、「“幸福な”成長をもたらす金融」をテーマとしており、ビッグデータ解析、ブロックチェーン、そして AI のさらなる活用を通じ、預金に偏重しているニッポンマネーを資産運用やベンチャー投資を通して経済成長の実現を目指すと共に、環境問題や多様性・人権配慮といった社会的課題への解決策を導く事で、経済価値の追求と人々の幸福の両立を模索していきます。開催期間中は、シンポジウム・ワークショップ・インパクトピッチ・ネットワーキング等多様なプログラムが用意されています。その中でマイクロソフトは、金融業界の皆様に向けて、信頼性の高い AI 活用と取り組みなどを中心に紹介し、DX 推進のための情報やご支援策についての情報発信を先導してまいります。

皆様の「Japan Fintech Week 2024」のご参加をお待ちしております。

■出展概要

FIN/SUM2024 (フィンサム2024) 〜“幸福”な成長をもたらす金融

【日本マイクロソフト 協賛プログラム】

[開催期間] 2024 年 3 月 5 (火) 〜 8 日 (金) 
[会場] 丸ビルホール (丸ビル 7F) 、丸ビルコンファレンススクエア (同 8F) 、
   マルキューブ (同 1F) 、コンファレンススクエアM+ (三菱ビル 10F)
[主催] 日本経済新聞社、金融庁
[お申込み方法] 公式サイトにてご確認ください
[注目プログラム]

●シンポジウム
[会場] 丸ビルホール (丸ビル 7F)

開催日時     セッション名スピーカー
3/5 (火)
10:50-11:30
Generative AI が変える金融機関の未来
~Microsoft Japan will Empower and Copilot Your Growth~
津坂 美樹            
 日本マイクロソフト株式会社
 代表取締役 社長 

金子 暁
 日本マイクロソフト株式会社
 業務執行役員
 金融サービス事業本部
 銀行・証券営業本部長     

●ワークショップ
[会場] 丸ビルコンファレンススクエア (丸ビル 8F)

開催日時    セッション名           スピーカー             
3/5 (火)
17:40-18:30
AI 活用を推進するための AI ガバナンスLee Hickin
 AI Policy and Technology
 Advocacy Lead,
 Microsoft Asia

Japan FinTech Festival

[開催日] 2024 年 3 月 4 (月) ~ 8 日 (火)
[会場] 江戸総鎮守 神田明神、ほか
[主催] Elvandi Japan
[概要] 「Japan FinTech Week」の一環として開催される、日本と世界のコミュニ
   ティが一体となり、テクノロジー主導の金融サービス革新に取り組むこと
   を目的としたイベントです。政策立案者、技術者、ビジネスリーダー、投
   資家が参加し、金融サービスの将来の成長に関する様々な側面について包
   括的な対話を行います。
[お申込み方法] 公式サイトにてご確認ください
[注目プログラム]

●パネルディスカッション

開催日時    セッション名        スピーカー
3/4 (月)
15:50-16:40
The AI Hour: Application of AI in Financial ServicesMr. Brent Wagener          
 Principal Security Specialist,
 GitHub Japan

荒濤 大介
 日本マイクロソフト株式会社
 執行役員 常務
 金融サービス事業本部長

FINOPITCH 2024

[開催日] 2024 年 3 月 7 日 (木) 10:00-20:00
[会場] 観世能楽堂 (GINZA SIX B3)
[主催] 株式会社 FINOLAB/一般社団法人 金融革新同友会 FINOVATORS
[概要] 今回で 12 回目の開催の「FINOPITCH」は、FinTech スタートアップによる
   技術革新やビジネスモデルを紹介し、内外の交流機会を拡げていくピッチ
   コンテストです。
[お申込み方法] 公式サイトにてご確認ください
[注目プログラム]

開催日時  セッション名        スピーカー          
3/7 (木)
16:45-
Fireside Chat伊藤 千恵 氏
 株式会社 FINOLAB
 代表取締役

津坂 美樹
 日本マイクロソフト株式会社
 代表取締役 社長 

4F (FINOLABがJapan FinTech Week中に開催するイベントの詳細)はこちら


Japan FinTech Week についてはこちら (金融庁のサイトに遷移します)

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最新事例から学ぶ、Copilot の活用シナリオとは?「Microsoft 金融機関向け Copilot for Microsoft 365 セミナー」現場レポート http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2024/01/05/copilot-for-microsoft-365-seminar-report/ Fri, 05 Jan 2024 04:54:00 +0000 2023 年 11 月 20 日 (月)、マイクロソフトは品川本社にて「金融業界向け Copilot セミナー」を開催しました。本セミナーでは、11 日 1 日 (水) に一般公開した Copilot についての全体像、具体的な活用方法などをご紹介。本稿では、当日行われた以下のプログラムの概要を紹介します。当日の内容はオンデマンド配信でも視聴可能です。

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2023 年 11 月 20 日 (月)、マイクロソフトは品川本社にて「金融業界向け Copilot セミナー」を開催しました。本セミナーでは、11 日 1 日 (水) に一般公開した Copilot についての全体像、具体的な活用方法などをご紹介。本稿では、当日行われた以下のプログラムの概要を紹介します。当日の内容はオンデマンド配信でも視聴可能です。

※オンデマンド配信はこちら

【プログラム】

講演の挨拶~Microsoft の AI 全体戦略と Copilot for Microsoft 365 の位置づけ
金融サービス事業本部 業務執行役員 銀行・証券営業本部長 金子 暁
Copilot for Microsoft 365 の金融機関向けご活用シナリオ
テクニカルスペシャリスト 富澤 聡
Dynamics 365 Copilot/Power Platform Copilot のご紹介/金融機関向けご活用シナリオ
ビジネス統括本部 瀬戸 瞳
Responsible AI と Customer Copyright Commitment
政策渉外法務本部 中島 麻里


講演の挨拶~ Microsoft の AI 全体戦略と Copilot for Microsoft 365 の位置づけ

金融サービス事業本部 業務執行役員 銀行・証券営業本部長 金子 暁


2022 年 11 月に ChatGPT が登場してから 1 年。生成 AI への認知度も高まり、実際にシステムの検討を始める企業が増えた「激動の年」だったと、日本マイクロソフトの金子が、冒頭の挨拶に続いて話します。マイクロソフトでは 2023 年 11 月 1 日に、Copilot を全世界に公開。Copilot という名前には、「人間の副操縦士」という思いが込められています。

マイクロソフトでは、あらゆる生成 AI の機能を追加し、製品を一変させていく取り組みを進めています。金子は「様々な業務のアプリケーションに Copilot を活用することで、劇的に業務の生産性・効率性を上げていくことを支援していきたい」と挨拶を締め括りました。

Copilot for Microsoft 365 の金融機関向けご活用シナリオ

本セッションでは、マイクロソフトの富澤が、Copilot for Microsoft 365 (旧Microsoft 365 Copilot) の位置付けと機能を紹介し、実際にどのように活用できるのかをデモンストレーションしました。

テクニカルスペシャリスト 富澤 聡


副操縦士として身近な存在である Copilot

富澤は、はじめに「Copilot for Microsoft 365」の位置付けについて紹介。Word、Excel、PowerPoint、Teams、Outlookなど、日常業務で使用しているツールの動線上に AI が溶け込んでくる時代が来ると話し、「より身近な存在として Copilot が強い味方になる」と強調しました。Copilot はあくまで副操縦士であり、最終的なビジネスの判断は人間自身が下していくことが必要ですが、24 時間 365 日いつでもそれを支援してくれる存在であると話します。

次に、実際に富澤が業務で使用している Copilot の機能を紹介するデモンストレーションを行いました。

・【銀行業界向け】Teams を活用したオンライン会議の要約、発言回数・発言率の数値化。
・【証券業界向け】Word、PowerPointを活用した資料の自動作成。
・【生損保向け】Excelを活用したデータからインサイトを得るデモ。

Microsoft Teams の Copilot 機能を活用することで、不参加のオンライン会議の内容をキャッチアップする時間を大幅に短縮することができます。また、富澤は「社内のデータベースにアクセスできる点が Copilot の大きなメリット」と話します。Word、PowerPoint、Excelでは、プロンプトを入力するだけで資料を自動生成することも可能です。

※Excel は英語のみ対応。2024 年の 1 月から 3 月の間に日本語対応予定。

Microsoft 365 が使えている環境であれば、ネットワーク環境を変更せずに Copilot を利用することができます。ただし、Copilot を利用するためには、Microsoft 365 Apps が最新チャネルであることが必要です (2023 年 12 月からは、月次チャネルでの対応も可能となりました)。

Copilot で実現する生産性革命

先行利用しているユーザーからは、「毎日使っているツールで AI を使えるのは非常にありがたい。画期的だ」「文章生成系はかなり精度が高く、Teams 会議の要約だけで、ROI を見込めるのではないか」というお声をいただいています。

Copilot を通じて生産性革命を実現していくためには、一般の行員・社員の方々が日常業務でどれだけ AI を活用できるかが鍵です。今まで外部のお客様向けの AI 活用がメインだったものを、行員・社員の方まで広げることで、無駄な業務にかかる時間の削減ができます。富澤は「タイムパフォーマンスを上げていくための、メインになるのが Copilot for Microsoft 365 です。確実にパラダイムシフトを起こす製品になると信じています」と話します。

最後に、富澤は開発者・IT プロフェッショナル向けの年次会議「Microsoft Ignite」で発表された最新情報について紹介し、本セッションを締め括りました。

【Microsoft Ignite で発表された最新情報】
・Teams:会議中にメモを自動生成してくれる Collaborative Notes、会議のリキャップ機能が統合される。
・Word:ユーザーの好み/興味ポイントを考慮しパーソナライゼーション。
・PowerPoint:Microsoft Designer を活用して AI による画像の自動生成。
・Outlook:会議の自動調整。


Dynamics 365 Copilot/Power Platform Copilot の紹介【金融機関向けご活用シナリオ】

本セッションでは、ビジネスアプリケーションにまつわる AI 活用について、マイクロソフトの瀬戸がデモンストレーションを交えながら解説をしました。

ビジネス統括本部 瀬戸 瞳


瀬戸は、はじめに業務アプリケーションに搭載された「Dynamics 365 Copilot」について紹介。「業務の中で日常的に利用できる AI として、手早く迅速にインサイトを得て、飛躍的に業務を効率化が可能。メール文章の作成、マーケティング向け配信メールコンテンツの作成、タスクの自動抽出を自然言語で利用できることを紹介しました。

Sales Copilot のデモンストレーション (営業担当者の例)

Dynamics 365 Copilot は、営業、マーケティングからカスタマーサービス、サプライチェーンに至るまでビジネス機能の全般に AI を活用して担当者をアシストする業務支援機能です。

瀬戸は、企業の営業担当者は、1 日のうち 66% ほどの時間をメールのチェックや返信などの事務作業に費やしているというデータを紹介。「営業担当者がお客様とのコミュニケーションや商談の成立に集中するために、Copilot (Dynamics 365 Sales) を活用して欲しい」と話し、メール作成のデモンストレーションを行いました。この機能の大きな特徴は、お客様の情報が CRM 内に登録されている場合、そのお客様の情報や紐づく案件情報を関連付けてメールを作成してくれる点です。また、「礼儀正しく」「友好的に」など文章のトーンについても指示をすることができます。

Customer Insights のデモンストレーション (マーケティング担当者の例)

次に、マーケティング担当者の例を挙げて Customer Insights のデモンストレーションを行いました。マーケティングの担当者がメールを書く際の文章の内容、差し込むべき素材、色合いといったメールの作成業務全体を AI が支援します(現在英語のみ対応)。

デモンストレーションの最後には、Dynamics 365 Customer Service のチャットボット機能を紹介。これまでは、決まった単語やフレーズに対する回答をその都度用意する必要があり、増え続ける単語を追加・修正・最新化する作業に、多くの工数を取られる点が課題だったといいますこの機能では、指定した Web サイトの URL をチャットボットの AI が解析し、わかりやすく文章に要約した上で回答をしてくれます。「例えば、コールセンターなどで外部の情報や社内のウェブサイトのナレッジベースを参照できるように設定することで、お客様とのリアルタイムチャットで AI が回答を生成してくれたり、お客様がウェブサイトを開いて解決させたりといったことが可能になります」(瀬戸)

※現在、Dynamics 365 Customer Service のチャットボット機能は英語のみ対応しています。

ローコードアプリケーション開発における Copilot の活用

続いて瀬戸は、ローコード、ノーコードでアプリケーション開発ができる PowerAppsとワークフローの作成ができる Power Automate で活用できる Copilot 機能について紹介しました。

Power Apps の Copilot 機能では、Excel ファイルからアプリを自動生成することが可能です。例えば、Excel データに「備品一覧リスト」「貸出日時」などの列を用意するだけで、画面上から社内の備品管理アプリを作ることができます。また、業務画面からは、新しいデータの登録、既存データの編集、参照、更新が可能。「アプリケーション開発に慣れていない方でも、自動生成されたアプリケーションの基礎となる部分を活用することで、迅速に効率的にアプリケーションを開発できます」(瀬戸)

次に、自然言語でワークフロー自動生成することができる Power Automate の機能について紹介しました。この機能では、文書で指示をすることによって AI が内容を解析。何をきっかけにワークフローを起動すればよいのか、その後のアクションとしてどういった処理を行えばよいのかを判別してくれます。「自分自身でワークフローを構築するのは少し敷居が高いと感じていたユーザーも、手元の業務を効率化するために、簡単なワークフローを作成できるようになります」(瀬戸)

金融機関向けの 2 つのシナリオ例

最後に、Power PlatformとAzure Open AI を組み合わせた金融機関向けのシナリオ例を ふたつ紹介しました。

ひとつ目が、質問文からキーワードを抽出して、社内文書から FAQ の回答を行う機能です。あらかじめ探したい資料の場所を指定しておくだけで、資料の中身まで検索をして最適な回答文書を自動的に作成して提案してくれます。

ふたつ目が、メールを自動化して取り込む機能。メール内の情報を AI に読み込ませ、必要な箇所だけを抽出し、人の確認後に、自動的に基幹システムや自社システム、RPA などに連携される仕組みを作ることができます。

瀬戸は、「マイクロソフトでは様々な業務シーンで Copilot を活用していただくことで、普段の業務を飛躍的に効率化するとともに、お客様対応などの時間を増やし、業務時間をより有効的にご活用できると考えております」と本セッションを締め括りました。

Responsible AI と Customer Copyright Commitment

最後のセッションでは、マイクロソフトの中島が、AI サービスを安心してお客様に使っていただくための取り組みについて紹介しました。

政策渉外法務本部 中島 麻里


責任ある AI の開発と利用

AI によるサービスは、業務効率化など人の負担を大幅に軽減してくれる一方、フェイク画像が不適切に利用されてしまうなど、不適切利用の課題もあります。テクノロジーを開発する事業者は大きな責任があると考え、マイクロソフトでは責任ある AI の開発と利用を宣言しています。2016 年には、サティア・ナデラが責任ある AI の取り組みについての方向性を発表。毎年少しずつ進化を重ねています。

マイクロソフトには、「責任ある AI における 6 つの基本原則」が用意されていますが、微妙な解釈のズレがあり、原則だけでは、実際の開発に落とし込むことが難しいと中島は話します。「AI 開発をするエンジニア、AI 製品を取り扱う社員がそれぞれの職責に応じて AI 原則を具体的に実施できるように、『ポリシーと基準』を定めています。さらに、定期的な社内トレーニングや、意識をしなくても自然と実践できるような社内ツールを作成し、それに対してテストを重ねています。日々内容をアップデートするガバナンスフレームワークを日々回しています」(中島)

次に、中島はマイクロソフトが Web サイト上で公開している Transparency Documents についてご紹介。責任ある AI 原則のひとつである「透明性」に関するツールで、Microsoft の AI テクノロジーを活用するときに避けるべきリスクなどを公開しています。「Microsoft 自身の透明性を高める目的に加え、皆さんに共有し、フィードバックをいただくことで、さらに改良していくエコシステムを作ることも大きな目標」(中島)

続いて、中島はマイクロソフトの AI 保証プログラムについて紹介しました。AI 保証プログラムは、リーガルレギュラトリーコンプライアンスについて、マイクロソフトの学びを共有するものです。「法規制対応に関してマイクロソフトもお客様をサポートしますという心意気のようなものと捉えていただければ」(中島)

Copilot によるアウトプットの権利の所在

最後に、中島は Microsoft の AI とデータについての方針について触れました。生成 AI からのアウトプットはお客様のものであり、Microsoft が権利を主張しないこと、インプットやアウトプットを AI モデルの基盤 AI モデルの学習には使用しないと話します。これは、Microsoft クラウドサービスの高度なコンプライアンス セキュリティ制御の生成 AI についても適用されます。

また、中島は 2023 年 9 月に発表した「Copilot Copyright Commitment (CCC)」についても言及。ユーザーやクリエイターが持つ以下の懸念について、製品を提供している Microsoft が積極的に解決、責任を負うのが適当との解釈を示しました。「アウトプットを使うことで、第三者の権利を侵害するのではないか」「自分の大切な作品が生成 AI によって権利を侵害されるのではないか」。

Copilot には、著作権を尊重するためのさまざまな安全装置を組み込んでいます。また、Copilot サービスそのものが権利を侵害している、もしくは Copilot のアウトプットが誰かの権利を侵害している、それらを理由に、お客様が第三者から訴えられた場合、一定の条件を満たしていれば、マイクロソフトがお客様を防御すること、万が一賠償金を支払うというようなことになった場合には、マイクロソフトがその金額を支払うことを説明しました。

ただし、これからの防御の対象となるには、以下の 3 つの条件を満たしていることが必要です。

1)組み込まれているコンテンツフィルターやメタプロンプトの制限など、権利侵害を防ぐためのシステムを無効化したり、回避したり妨害しないこと
2)アウトプットの利用時、必要に応じて変更を加えても良いが、誰かの権利を侵害するような利用はしない
3)インプットには、使用してはいけないデータを使わない。
※Azure Open AI は対象外ですが、12 月 1 日から Azure オープン AI も CCC の対象とするということを発表しました(一定の条件を満たす必要があります)

中島は、「機能面でも契約面でも、生成 AI のサービスは日々改良を重ねています。今後も更なる改良のため、ぜひ皆様にご利用いただいて、フィードバックをいただければと思っております」と本セッションを締め括りました。

セミナー終了後は、参加者、登壇者が参加する懇親会を開催

セミナー終了後には参加者、講演者が交流する懇親会が行われ、参加者と登壇者が意見を交わしました。登壇者を囲んでの談笑や、Surface のデモ機を使用した説明が行われるなど、一体感のある交流の場となりました。


オンデマンド配信

オンデマンド
前編
     
講演の挨拶~Microsoft の AI 全体戦略と Copilot for Microsoft 365 の位置づけ
金融サービス事業本部 業務執行役員 銀行・証券営業本部長 金子 暁
Copilot for Microsoft 365 の金融機関向けご活用シナリオ
テクニカルスペシャリスト 富澤 聡
オンデマンド
後編
Dynamics 365 Copilot/Power Platform Copilot のご紹介/金融機関向けご活用シナリオ
ビジネス統括本部 瀬戸 瞳
Responsible AI と Customer Copyright Commitment
政策渉外法務本部 中島 麻里

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FIT2023 レポート:副操縦士として、金融機関の DX を強力にサポート。日本マイクロソフトの戦略! http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2023/12/31/fit2023-event-report/ Sun, 31 Dec 2023 12:38:13 +0000 2023 年 10 月 26 日(木)・27 日(金)に開催された金融国際情報技術展「FIT2023」では、日本マイクロソフトが昨年に引き続きブースを構えた。

今回のテーマは「Power Your AI Transformation with the Microsoft Cloud」。11 月 1 日より提供が開始された Copilot for Microsoft 365、ChatGPT や GPT-4 をはじめとする多様な生成 AI モデルが利用可能な Azure OpenAI Service、AI がコーディングの支援をする GitHub Copilot などを紹介するブース構成だ。

また、27 日にはパートナー企業とともに、マイクロソフトの金融業界に向けた取り組み、AI を最大限活用するための最新情報、業務効率化ツールや DX ソリューション、多数の金融業界事例の紹介など、最先端のナレッジを凝縮した 8 つのセミナーを開催した。

日本マイクロソフトは、その革新的な技術とソリューションで、金融業界にどのような貢献を果たそうとしているのか――。本稿では、同社の金融業界向けの施策とセミナーの概要を紹介する。

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※本ブログは、金融総合専門誌「ニッキン」による情報サイト「digital FIT」にて 2023 年 12 月 1 日に公開された[FIT2023レポート]副操縦士として、金融機関のDXを強力にサポート。日本マイクロソフトの戦略!の再掲です。

2023 年 10 月 26 日(木)・27 日(金)に開催された金融国際情報技術展「FIT2023」では、日本マイクロソフトが昨年に引き続きブースを構えた。

(本記事内で紹介する各セミナーは YouTube でご視聴いただけます)

今回のテーマは「Power Your AI Transformation with the Microsoft Cloud」。11 月 1 日より提供が開始された Copilot for Microsoft 365、ChatGPT や GPT-4 をはじめとする多様な生成 AI モデルが利用可能な Azure OpenAI Service、AI がコーディングの支援をする GitHub Copilot などを紹介するブース構成だ。

また、27 日にはパートナー企業とともに、マイクロソフトの金融業界に向けた取り組み、AI を最大限活用するための最新情報、業務効率化ツールや DX ソリューション、多数の金融業界事例の紹介など、最先端のナレッジを凝縮した 8 つのセミナーを開催した。

日本マイクロソフトは、その革新的な技術とソリューションで、金融業界にどのような貢献を果たそうとしているのか――。本稿では、同社の金融業界向けの施策とセミナーの概要を紹介する。

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日本マイクロソフト・金子氏

金融業界特化型クラウドサービス Microsoft Cloud for Financial Services の提供など、金融機関の DX推進に力を注ぐ日本マイクロソフト。金融サービス事業本部 銀行・証券営業本部長の金子暁氏、同じく金融サービス事業本部 保険・地域金融営業本部長の長町浩史氏に、同社の金融業界に向けた取り組みや今回の出展の狙いについて話を聞いた。

日本マイクロソフトが金融機関の DX 支援に向けたソリューションで重視しているのは、「革新的な顧客体験」「業務効率の向上」「金融犯罪への対応(不正防止/リスク・コンプライアンス対応)」――。すなわち、同社はクラウドサービスを通じ、金融サービスにおける優れた顧客体験、従業員のコラボレーション、高度なセキュリティと安全性を提供することを目指している。

「そこに生成 AI という新たなテクノロジーを加えることで、『革新的な顧客体験』『業務効率の向上』『金融犯罪への対応』をさらに加速させるソリューションを提供していく。例えば、生成 AI の得意な領域の 1 つとして、自然言語をシステム言語に書き換えてシステムに指示を出す、つまり人間とシステムの橋渡しがある。生成 AI によって人間とシステムとの会話がスムーズになれば、多種多様なシステムを使用する金融機関では業務効率が格段に向上するのはもちろん、よりよい顧客サービスの提供にもつながると考えている」と金子氏。

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日本マイクロソフト・長町氏

そのうえで、今回の出展の目的は大きく 2 つあるとした。「1 つは、生成 AI という新たなテクノロジーを搭載した当社のソリューションに触れていただきたいということ。もう 1 つは、今回の展示やセミナーを通し、当社とパートナー企業との連携やエコシステムについても認知していただきたいということだ」と金子氏。

今回、日本マイクロソフトが金融業界向けに提供する主要な生成 AI ソリューションは、Microsoft 365 Copilot、Azure OpenAI Service、Sales Copilot の 3 つ。

Microsoft 365 Copilot は、Word や Excel、PowerPoint、Outlook、Teams など従来の Microsoft 365 に生成 AI が組み込まれた新時代のソリューションである。例えば、Copilot in Word は、自然言語で簡単な指示を与えるだけで、必要に応じて組織内の情報を盛り込みながら文章の下書きを作成する。文章の要約や推敲のサポートなども可能だ。Copilot in Excel はデータの分析と探索を支援する機能を有し、これによりユーザーは掘り下げた分析が可能となる。また、Copilot in PowerPoint は、既存の文書をプレゼン資料に変換したり、簡単な指示でプレゼンテーションを新規作成したりできる。Microsoft 365 Copilot の活用により、圧倒的な業務効率化を実現することができるだろう。

Azure OpenAI Service は、ChatGPT や GPT-4 をはじめとする多様な生成AIモデルを Microsoft Azureのクラウドプラットフォーム上で利用できるサービスだ。Azure OpenAI Service を使うことで、AI の専門知識がなくてもアプリケーションやサービスを容易に構築することができる。また、高度なセキュリティを実現する Microsoft Azure のクラウドプラットフォーム上で提供されるため、データ保護の観点でも優れていることから、企業や自治体などの大きな注目を集めている。

そして、Sales Copilot は営業チームの日常業務の生産性向上と効率化を支援する AI アシスタントである。CRM システムへの顧客情報の登録や取得の自動化、メールコンテンツの作成、メールや会議の内容の要約などが可能だ。また、取引先企業に関する最新ニュースなどを読むことができるチャットインターフェイスも備わっている。

「これら生成 AI を組み込んだソリューションの導入により、業務で利用するデジタルツールをより簡単に、かつ最大限使いこなしていただけるようになるだろう」と金子氏。また、長町氏はほぼすべての地方銀行が生成 AI に関心を寄せており、同社への問い合わせも増えているとしたうえで、「生成 AI をめぐる社会動向や金融機関における検討状況などを勘案すると、生成 AI 導入は当社製品で言えば Microsoft Windows 導入に匹敵するほどのインパクトと業務改善を促すのではないか」と示唆する。

最後に、金融業界に向けた今後の施策や目標を両氏に聞いた。「当社が目指すのは、顧客体験の向上や業務効率の改善、金融犯罪への対応など、金融機関が抱える課題を一緒に解決していくこと。そのために、今後も生成 AI などさまざまな先端技術を取り入れながらソリューションを進化させていきたい」と金子氏。長町氏は「Pilot(操縦士)は金融機関の皆様であり、われわれが提供するソリューションやサービスは操縦士を陰で支える Copilot(副操縦士)。これからも副操縦士として、金融機関の DX を強力にサポートしていきたい」と結んだ。

「FIT2023」2 日目の 27 日には、両氏が語ってくれた日本マイクロソフトの取り組みや施策が具体的に分かる 5 つのセミナーを開催。いずれのセミナーにも多くの来場者がつめかけ、熱気に満ちたセッションとなった。以下に、各セミナーの概要を紹介する。

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セミナー 01:生成 AI 活用の現在地とMicrosoft AI と金融業における今後の取り組み

本セミナーでは、クラウド&AI ソリューション事業本部 データプラットフォーム統括本部 Data&AI 営業第三本部 シニアスペシャリストである田中研一氏が登壇し、生成 AI の登場から早 1 年が経過する中、現時点での生成 AI の活用状況を共有するとともに、マイクロソフトが今後金融業界に向けて AI をどのように活用し貢献していくかについて紹介した。

田中氏は冒頭、2023 年 1 月から一般公開している Azure OpenAI Service の利用状況に触れ、世界では約 1 万 1,000 社、日本においては 560 社を超える顧客が利用していると述べた。また、業界別では金融機関が 1 位であり、その後に商社や製造メーカーが続くと言及。「Microsoft Azure の AI 分野において、560 社超まで急激に利用者数が拡大したソリューションはこれまでなかった。それだけAzure OpenAI Service に対する市場のニーズや期待は大きいと考えられる」と分析した。

次に、金融機関での活用事例として、アメリカの格付け企業であるムーディーズを紹介。同社はマイクロソフトと戦略的なパートナーシップを結んで Moody’s Copilot を開発し、1 万 4,000 人の従業員に展開している。例えば、顧客との面談の中で、顧客が知りたいことがあった場合、あるいは顧客への説明過程で数値的なエビデンスがほしい場合などに、従業員が Moody’s Copilot に質問すると、Copilot は同社が有している多種多様なデータから情報を集約して瞬時に提供。従業員は顧客からの質問や要望などにその場で答えることができるため、業務効率化や顧客満足度の向上が実現する。

田中氏は、顧客体験強化や不正検出、リスク管理など利用シーンは多岐にわたるが、調査結果では金融機関の経営者の 75% が生成 AI の活用に期待していると述べたうえで、「日本においても Moody’s Copilot のようなアプリケーション開発が多くの金融機関で進んでおり、近いうちにニュースリリースができるのではないかと考えている」と言及した。

同時に、生成 AI の実用に向けた検証を行っている企業も多数にのぼり、マイクロソフトではそうした企業に対しさまざまな支援を行っていると田中氏。「その一環として、企業からの要請を受け、当社が生成 AI ソリューション開発に伴走する Microsoft AI Co-Innovation Lab を神戸市に開設した。現在、問い合わせや申し込みが多数寄せられている。興味があれば、ぜひこうしたサービスの活用も検討していただきたい」と述べた。

次に、田中氏は今後の展望について話を進めた。「当社は『すべての人に Copilot を――創造性の拡大』『AI を使いこなす――自在なアプリ開発』『安全で信頼性の高いクラウドプラットフォーム――責任ある AI』という 3 つのコンセプトに基づき製品開発を行っていく。また、当社は Microsoft Copilot に対して Copilot Copyright Commitment を発表。これは、Microsoft Copilot をお客様が製品に組み込まれたガードレールとコンテンツフィルターを使用しているという条件の下で利用いただく限りにおいては、仮に著作権等の問題で訴訟を起こされた場合でも当社がお客様の弁護を行い、万が一訴訟の結果生じた不利な判決または和解により課された金額を支払うというもの。したがって、Microsoft Copilot を使っていただく限りにおいて、お客様は著作権の心配の一部が軽減されます」と田中氏。

また、FDUA(一般社団法人金融データ活用推進協会)では生成 AI ワーキンググループを立ち上げており、同社も事務局の一員として参加し、金融機関が生成 AI を安全・安心に利用するためのガイドラインの策定に取り組んでいるところであると紹介。「Microsoft Copilot を使っていただく限りは当社がお客様をお守りするが、アプリケーションに生成 AI を組み込む場合はこうしたガイドラインを利用し、生成 AI を安全に活用していただければと考えている」と呼びかけた。

本セミナー動画視聴へ(YouTube)
「生成 AI 活用の現在地と Microsoft AI と金融業における今後の取り組み」

セミナー 02:5 日後に登場! Copilot for Microsoft 365(このときの呼称はMicrosoft 365 Copilot)で変わる働き方

本セミナーでは、モダンワークビジネス本部 Sr. GTM マネージャー 春日井良隆氏が登壇し、FIT2023の 5 日後となる 11 月 1 日より法人向けの提供がスタートした Copilot for Microsoft 365 の概要とこれによって働き方がどのように変わるのかについて詳しく紹介した。

前述のように、Copilot for Microsoft 365 とは、Word や Excel、PowerPoint、Outlook、Teams などMicrosoft 365 アプリで生成 AI が利用できるソリューションだ。春日井氏はまず Copilot in Word を取り上げ、Copilot を使ってイベントの企画書を作成するデモを実施。「例えば、『11 月 1 日に開催するイベントの企画書を作成してください』と指示すると、Copilot がタイトルやイベントの概要、スケジュールなど基本的なことを押さえながら下書きをつくってくれる。そこに例えば役割分担表を入れたい場合は『役割分担も入れてください』と指示をすると、単に行が足されるのではなく、サンプルの表組みを加えて、改めて企画書の下書きをつくってくれる。これが Copilot の 1 つ目の特徴だ」と春日井氏。

また、文章の言い回しや他によい表現はないか迷った場合などは、Copilot in Word に質問すると Copilot が提案してくれる。「ChatGPT の利点としてアイデアの壁打ちができるということがよく言われるが、それが Word や Excel などのアプリケーションの中でできることが Copilot の 2 つ目の特徴だ」と春日井氏は述べる。

春日井氏は続いて、Copilot in PowerPoint を使用して、既存の Word ドキュメントからプレゼンテーションを作成する流れを紹介。Copilot in PowerPoint にさきほど Word で作成したイベントの企画書へのリンクを指定すると、Copilot が Word 文書の章立てや意図を解釈したうえで、スライドの生成、レイアウトの適用、テーマの選択を行い、プレゼンテーションをつくる。また、イメージ写真を追加したいと思った場合は、例えば「人と人が笑い合っている写真を追加してください」と Copilot in PowerPoint に指示をすると、Microsoft365 のストック画像の中からイメージ画像を選んでプレゼンテーションに貼り付け、さらにレイアウトも調整してくれる。

「Word でのイベントの企画書づくりにしても、PowerPoint でのプレゼンテーション作成にしても、ある程度の形にするまでにかなりの手間と時間を要する。しかし、本当に大切なのは、企画の内容であり、またそれを人に伝えることだ。人の手間や時間はそうした本質的なところに注力をし、そうでない作業は生成 AI に任せる。これがマイクロソフトの考えであり、Copilot for Microsoft 365 で変えられる仕事のやり方の 1 つだ」と春日井氏は言う。さらに、春日井氏は Copilot in Word の文章要約機能や Copilot in Teams の会議の要約機能について触れるなど、Copilot for Microsoft 365 の多彩な機能やメリットについて解説した。

最後に、春日井氏は Microsoft 365 Chat というチャットサービスについて言及。Microsoft 365 Chat は Web 上の情報検索はもちろん、チャットやメール、ファイルなど Microsoft 365 の中で行き交うデータにアクセスし検索することが可能だ。「例えば、新入社員で出張申請の仕方が分からないといった場合、従来は上司や先輩に聞いていたが、Microsoft365 Chat に質問すると Copilot が社内の SharePoint を検索し、自然言語で返答を返すとともに、データソースも表示してくれる。一方、例えば社内情報だからといって同僚の給料を Microsoft 365 Chat に尋ねても、そうした個人的なことは回答できないと返答するなど、法人でも安心して利用できるサービスとなっている」

春日井氏は「MBA や医師免許を取得しており、法律に詳しく、さまざまな言語に対応可能で、文章が書けて要約もでき、社内事情にも精通していて、しかも呼び出せばいつでも来てくれる。そんな強力で頼れるアシスタント、それが Copilot だと思っていただきたい」と呼びかけ、本セミナーを締めくくった。

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5 日後に登場!Microsoft 365 Copilot で変わる働き方

セミナー 03:最新 AI で実現する革新的な顧客体験と業務変革 ―― Dynamics 365 & Power Platform

同社は、ERP・CRM の Dynamics 365 と、ローコード・ノーコードプラットフォームの Power Platform に、AI 機能である Copilot を搭載した。本セミナーでは、クラウド&AI ソリューション事業本部 ビジネスアプリケーション統括本部 Dynamics365 セールススペシャリストである三谷亜子氏と、デジタルセールスエンタープライズ事業部 デジタルスペシャリストである稲冨広樹氏が登壇し、この Power Platform および Dynamics 365 の Copilot が有するさまざまな機能についてデモを交えながら紹介した。

まずローコード・ノーコードプラットフォームである Power Platform の一部となる Power Apps と Power Automate について解説。Power Apps の特徴は、プログラミングなしで簡単に業務アプリケーションを作成できることだ。ユーザーは PowerPoint で図形などを追加していくようなイメージで業務アプリケーションを開発できる。また、Copilot の搭載により自然言語で指示するだけで業務アプリケーションの作成が可能だ。「当社の CRM も実はこの PowerApps をベースに開発している。簡単なものから CRM のような複雑なものまで、市民開発からプロ開発まで開発できるのが Power Apps のメリット」と稲冨氏。デモでは、実際の操作画面を示しながら簡単なアプリケーションを作成し、その優れた操作性を披露した。

一方、Power Automate は複雑なプログラミングなしでさまざまな業務を自動化できるアプリケーションで、複数のアプリケーションやシステムを連携させれば生産性向上、業務の自動化に大きく寄与することが期待できる。Power Apps と同様、Copilot の搭載により自然言語で指示するだけで業務を自動化することが可能だ。自動返信メールや添付ファイルの自動保存、会議招集の自動化、承認フローの自動化など、さまざまな業務に利用できる。デモでは、Outlook で受信したファイルをSharePoint でチームメンバー全員が共有できるようにし、その操作が完了したら Teams でメンバー全員に通知するという、一連の業務を Power Automate で自動化する方法を紹介した。

続いて、ERP・CRM の Dynamics 365 について解説。稲冨氏は「あるアンケート調査によると、営業担当者は業務時間の 28% しか顧客への営業に使えていない。もちろん見込み客の調査や見積もりの作成、社内会議などもあるが、実は CRM や SFA システムへのデータ入力にも多くの時間がとられている。当社は Microsoft Copilot for Sales の活用により、28% という顧客への営業時間割合を最大化することを提案している」と言及した。

実機を用いたデモでは、Outlook や Teams から Dynamics 365 へのアクセスを可能とすることで、CRM の Dynamics 365 を立ち上げなくとも、顧客情報や営業履歴、現在進捗している案件などさまざまな情報が把握できる機能を紹介。また、Microsoft Copilot for Sales は、Outlook や Teams での顧客とのやりとりと CRM の情報の両方を加味したうえで、顧客に送るメールの文案を提案するとともに、文案の文言や数値のデータソースも示すことを実際の画面を使いながら解説した。

Power Platform および Dynamics 365 が、業務効率向上や新しい顧客体験の創出に大きく貢献することが分かりやすく示された本セミナー。会場では実機を用いたデモの様子を見ながら、製品の特徴や機能の詳細に熱心に耳を傾ける来場者の姿が多く見られた。

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最新 AI で実現する革新的な顧客体験と業務変革

セミナー 04:金融業界における Azure HPC ソリューションの活用と効果

本セミナーでは、グローバルブラックベルト HPC テクニカルスペシャリストである倉石英明氏が登壇し、クラウドプラットフォーム Microsoft Azure が有するハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)ソリューションとその活用方法について解説した。

倉石氏はまず「金融業界においては、リスク分析やポートフォリオマネジメントで使用される金融工学分野で非常に多くの計算パワーが必要とされる。特に最近では新規制対応やシミュレーションの複雑化、AI の活用などにより計算ニーズが爆発的に増加し、それに伴い解析処理基盤の高速化や処理効率化が喫緊の課題となっている」と指摘。

そうした中で、自社サーバーのみでは繁忙期の処理に対応できない、逆に閑散期には未使用のサーバー料が負担となるなどの課題がある。一方、ニーズに応じて計算パワーを調達できるクラウドコンピューティングは、繁忙期の膨大な計算ニーズにも迅速に対応でき、また閑散期には計算パワーの調達を抑えることでコスト最適化を実現できる。「市場の変化が激しい金融業界において、クラウドコンピューティングの活用は安定的かつ継続的な計算処理を行うための有効な選択肢と言える」と倉石氏。

そのうえで、マイクロソフトが提供する Microsoft Azure で実現するコンピューティングソリューションの特徴を解説。「Microsoft Azure のコンピューティングソリューションは IaaS、PaaS、SaaS のおおよそ 3 層でサービスを提供しており、いずれの形でもユーザーの好みのスタイルにカスタマイズして使うことができる。また、Microsoft Azure はセキュリティ面でも優れており、世界最高レベルの安全性を保っている」と述べた。

次に、実際の活用事例として海外の投資銀行と保険サービス会社 2 社の活用事例を紹介。海外投資銀行の例では、オンプレミスのサーバーを Microsoft Azure に徐々にマイグレーションし、現在では大規模な計算環境を Microsoft Azure 上に展開することで約 40% の費用削減を実現した。一方、保険サービス会社の例では、気候変動の影響とリスクを分析する計算モデルを実行するために、Azure SQL、Azure Machine Learning、Azure Cosmos DB を併用した Azure HPC ソリューションを採用してクラウドでの計算基盤を強化するとともに、業務プロセス全体の効率化を図った。また、日本国内においても金融・保険業界で Microsoft Azure を活用して計算処理を行う企業が増えてきていると倉石氏は言う。

実際に Azure HPC ソリューションを活用するにあたっては、「スモールスタートがお勧め」と倉石氏。「性能や操作性を見ながら、どのような業務をクラウドに移行したら効果が出るかを検証するのが第一歩。以降、クラウドに順次マイグレーションしていくことで、最終的には大規模な計算パワーを Microsoft Azure に展開するとともに、業務効率化を実現することが可能だ」と締めくくった。

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金融業界における Azure HPC ソリューションの活用と効果

セミナー 05:セキュリティ・ガバナンス共通基盤構築のススメ~Azure で安全にデータを取り扱うために~

本セミナーでは、カスタマーサクセス事業本部 プリンシパルクラウドソリューションアーキテクトである赤間信幸氏が登壇し、Azure 上で安全にデータを取り扱うために必要な考え方やポイントについて紹介した。

昨今、生成系 AI が起爆剤となってクラウドを活用したデジタルトランスフォーメーションの機運が高まっている。しかしその一方で、運用やガバナンスを考えずにクラウド利活用を進めると、必ず「壁」にぶつかり、結果として PoC から先へ進まない、CCoE や DX 部が主導する案件しか成功しない、セキュリティ上の懸念を払拭できないといった問題に突き当たる。こうした課題に対し、マイクロソフトはどのようなアプローチをとっているのか。

「マイクロソフトは AI 導入を推進しているベンダーであると同時に、セキュリティに非常に力を注いでいるベンダーでもある。そうしたセキュリティベンダーであるマイクロソフトがつくったクラウドサービス――、それが Microsoft Azure だ。そのため、Microsoft Azure にはセキュリティやガバナンスに関する標準機能が一通り揃っており、それらを正しく使うことで高いセキュリティやガバナンスを実現できる」と赤間氏。

「しかし、それを実際に行うための方法について悩んでいる企業が多いのも事実。そうした問題を解決するため、当社ではクラウドの適切な使い方や設計に関し、ガイドラインや具体的なリファレンスアーキテクチャを提供している。具体的には Azure Architecture Center、Azure Cloud Adoption Framework、Azure Well-Architected Framework という3種類のガイドラインだ」と赤間氏は言う。

簡単に言えば、Architecture Center はつくり方ガイドであり、Well-Architected Framework(WAF)はクラウドならではの留意点を整理したものである。「そして、当社がもっとも注力しているガイドラインが Cloud Adoption Framework(CAF)だ。一言で言えば、“転ばぬ先の杖ガイド”というイメージだろうか。先駆者たちの失敗などをすべて情報として収集し、その膨大な情報を基にクラウドプロジェクトの円滑な進め方、失敗を回避する方法などをまとめたものが CAF であり、当社はこの CAF をネット上で公開している」と赤間氏。

クラウドプロジェクトの推進にあたっては、戦略や計画をしっかり立案したうえで共通基盤をつくり、実際にシステム構築を行っていかなければならない。CAF が優れているのは、共通基盤はどのような機能を有していなければならないかということを明確に定義している点だ。しかし、CAF を読み解くのは難しく、さらに CAF は欧米で開発されたため日本の事情には適していない部分がある。例えば、ネットワークの閉域化について言及されていないなど、金融機関が利用するにはハードルが高い。

「そこで、われわれは当社のクラウドソリューションアーキテクトのメンバーとともに、そのギャップを解消するためのコンテンツをつくった。それが日本版 Azure 共通基盤 設計・構築ガイドだ。 Azure の共通基盤を早く安くつくりたいという多くのお客様の要望に応えるため、現在、この日本版 Azure 共通基盤 設計・構築ガイドを GitHub 上で無償公開している。具体的には、戦略立案ガイド、構築スクリプトを含んだ設計構築ガイド、そして共通基盤構築のデモビデオの 3 つを提供している。ベンダーは構築スクリプトをカット&ペーストしカスタマイズして利用することで、優れた共通基盤を迅速につくり上げることが可能だ」と赤間氏。

金融機関における共通基盤 設計・構築ガイドの有効な使い方について、赤間氏は次のように述べる。「最初にデモビデオをベンダーと一緒に閲覧し、共通基盤とはこういうものだという認識を互いに共有することが重要。そのうえで金融機関の皆様は戦略立案ガイドを参考に計画立案を行い、ベンダーの皆様は設計構築ガイドを見ながら実際に作業を進めていくという使い方をお勧めしたい。金融機関の皆様は、ぜひベンダーの皆様を巻き込む形で共通基盤 設計・構築ガイドを活用し、共通基盤を早く安くうまく整備していただきたい」と訴え、本セミナーを結んだ。

本セミナー動画視聴へ(YouTube)
セキュリティ・ガバナンス共通基盤構築のススメ ~Azure で安全にデータを取り扱うために~

パートナー企業 3 社も、多彩なテーマによるセミナーを開催

27 日には、パートナー企業であるヴイエムウェア、PHONE APPLI、SAS Institute Japan もそれぞれセミナーを開催した。以下に、その概要を紹介する。

ヴイエムウェア

同社は「海外金融機関の事例から学ぶ成功する DX プラットフォームとは」と題したセミナーを開催。海外の金融機関などの事例を紹介しながら、金融機関が競争力を維持し、さらなる成長を達成するために必要な DX プラットフォームとそれを支える技術やプラットフォームエンジニアリングチームづくりについて紹介した。

PHONE APPLI

同社は「人と人が繋がることによって生まれるこれからの組織 ~人の力と AI の力で紡ぐ新しい働き方~」というテーマでセミナーを行った。セミナーでは、Azure OpenAI Service を活用しながら「人となり」を知ることにより心理的安全性を高め、組織をよりよく変化させた事例を紹介。金融機関において、従業員のウェルビーイングと組織のエンゲージメントの向上を実現できる働き方を提案した。

SAS Institute Japan

同社のセミナーのテーマは「地方銀行マーケティングDXの成功事例と提案 ~データ活用の約半世紀の現場経験を提供する “SAS Cloud”」。地方銀行をはじめとする国内金融機関における OMO(オンラインとオフラインの融合)や対面営業強化の成功事例を紹介するとともに、AI や CDP、MA などのテクノロジーをその効果的活用のナレッジと合わせてクラウド上で提供する SAS Cloud について解説した。

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日本マイクロソフトおよびパートナー企業のセミナーは、来場者の関心が非常に高く、満員御礼が相次いだ。また、ブースでは Microsoft 365 Copilot のデモンストレーションに感嘆の声を上げる来場者の姿が見られるなど、同社の出展は大盛況のうちに幕を閉じた。

■ご紹介セミナー一覧
※以下リンクからも各セミナーの動画をご視聴いただけます。

開催時間セミナー名
10:00-10:30海外金融機関の事例から学ぶ成功する DX プラットフォームとは(ヴイエムウェア株式会社)
10:50-11:20人と人が繋がることで生まれるこれからの組織~人の力と AI の力で紡ぐ新しい働き方~(株式会社 PHONE APPLI)
11:40-12:10地方銀行マーケティング DX の成功例~データ活用の半世紀の経験を提供する SAS Cloud(SAS Institute Japan 株式会社)
12:30-13:00金融業界における Azure HPC ソリューションの活用と効果(日本マイクロソフト株式会社)
13:30-14:10生成 AI 活用の現在地と Microsoft AI と金融業における今後の取り組み(日本マイクロソフト株式会社)
14:30-15:10最新 AI で実現する革新的な顧客体験と業務変革 – Microsoft CRM&ローコード(日本マイクロソフト株式会社)
15:30-16:105日後に登場!Microsoft 365 Copilot で変わる働き方
(日本マイクロソフト株式会社)
16:30-17:10セキュリティ・ガバナンス共通基盤構築のススメ~Azure で安全にデータを取り扱うために~(日本マイクロソフト株式会社)

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マイクロソフトが金融向け GPT セミナー初開催!東京海上日動火災の利用方法とは http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2023/08/23/azure-openai-seminar-0629/ Wed, 23 Aug 2023 06:52:11 +0000 「問い合わせ内容を投げて、AIから回答が返ってきたときは感動した」――。東京海上日動火災保険 dX推進部課長代理 高山 寛史氏は、生成AIを活用した照会応答システムに初めて触れたときのことを、こう振り返った。
そして、「業務適用への可能性を実感した。現場でも前向きな反応をもらっている」と付け加えた。生成AIの金融業務への活用可能性を示す率直な感想だ。
ChatGPTなど生成AIへの関心が高まり、金融業務への適用も盛んに議論されている。各金融機関からも、試験運用や実証実験の開始などのアナウンスが次々と出ている。一方で、「生成AIは金融業務で本当に使えるものなのか」、「いったいどうやって業務適用をしてるのか」といった疑問に対する具体的な回答が聞ける場は決して多くない。

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※こちらの記事は、Digital FIT からの転載記事となります。

Portrait
東京海上日動火災保険・高山氏

「問い合わせ内容を投げて、AI から回答が返ってきたときは感動した」――。東京海上日動火災保険  dX 推進部課長代理 高山 寛史氏は、生成AIを活用した照会応答システムに初めて触れたときのことを、こう振り返った。

そして、「業務適用への可能性を実感した。現場でも前向きな反応をもらっている」と付け加えた。生成 AI の金融業務への活用可能性を示す率直な感想だ。

ChatGPT など生成 AI への関心が高まり、金融業務への適用も盛んに議論されている。各金融機関からも、試験運用や実証実験の開始などのアナウンスが次々と出ている。一方で、「生成AIは金融業務で本当に使えるものなのか」、「いったいどうやって業務適用をしてるのか」といった疑問に対する具体的な回答が聞ける場は決して多くない。

そんな中、日本マイクロソフトは 2023 年 6 月 29 日(木)、金融機関に特化した生成AI活用セミナー「金融機関向け Azure OpenAI セミナー」を開催した。日本マイクロソフトが開催する初の金融特化の生成 AI セミナーだ。会場は、メガバンクや地方銀行、保険会社など 120 名の参加者で満席となった。

そこで語られたのは、東京海上ホールディングス・東京海上日動火災保険による活用事例の紹介。そして、5 月に開催された Microsoft Build 2023 や 6 月に開催された Microsoft Build Japan の発表内容を踏まえた今後の Microsoft の取り組みなどだ。

本稿では当日の模様をご紹介する。

(取材協力:FIT 事務局)

セミナーをオンデマンド配信中!今すぐ視聴する


目次

  • 日報アプリのデモなどで金融機関での使い方を提示
  • 生成 AI は万能ではない。業務に特化した活用の仕組み(東京海上日動火災保険の事例)
  • そもそも GPT って?
  • パートナー企業セッション
  • 懇親会

日報アプリのデモなどで金融機関での使い方を提示

Portrait Mr. Okazaki
日本マイクロソフト・岡嵜氏

ChatGPTに代表される生成 AI が大きな盛り上がりを見せている。基調講演「金融業界における MicrosoftのAI 活用~Microsoft Build Update~」で、日本マイクロソフト 執行役員 常務 クラウド & ソリューション事業本部長 岡嵜 禎氏はこの要因を「精度が大きく上がり、活用するための手間が大きく下がっている」ためだと強調した。

そして、生成 AI の活用を目指す金融機関に対して、日本マイクロソフトは OpenAI 社やパートナー企業と共同で、迅速な導入、安定した運用、安心・安全なAI活用などの価値を提供していく。その中心的な役割を担うのが、OpenAI 社の AI を利用できるクラウドサービス「Microsoft Azure OpenAI Service (以下 Azure OpenAI Service) 」だ。

例えば、ローコード開発環境である「Microsoft Power Platform」を使用することで、生成 AI を組み込んだ様々な業務アプリを作成できる。岡嵜氏は例として「活動報告アプリ with GPT」のデモを披露した。業務日報アプリに生成 AI を組み込んだもので、日付や活動内容などを登録すると AI が文章の添削や誤字・誤変換の指摘などをしてくれる。さらに、AI が 1 週間分の日報を解析し、週報(サマリー)まで作成してくれた。

次に Microsoft Build で発表された 50 以上の新機能から重要なものをピックアップして紹介した。

まずは「Copilot stack」。Microsoft は自社製品に AI によるユーザー支援機能 (Copilot) を組み込んでいるが、利用企業の間で自社の業務アプリなどにも独自の Copilot 機能を組み込みたいというニーズが増加しているという。Copilot stack は独自の Copilot を組み込むための方法論だ。セミナー中では、デモとしてプラグインを利用した法律文書のチェック機能や変更箇所の抽出機能が実演された。生成 AI はプラグインによって様々な機能拡張が可能になっている。Microsoft と OpenAI 社のプラグイン仕様は共通化されており、1 つの開発で Microsoft 製品や ChatGPT など様々な生成AIを使用したシステムの機能を拡張していくことができる。

また、Microsoft が重視する「責任ある AI の原則」を担保する仕組みとして、「Azure AI Content Safety」も紹介した。AI が作成したコンテンツであるかを判別すると同時に、不正なコンテンツでないかもチェックすることで、AI 活用の公平性や信頼性・安全性、プライバシーとセキュリティ、包括性、透明性、説明責任などを確保していく。

最後に岡嵜氏は、「生成 AI は DX 推進の核になる。どのように活用して何をしていくのか、どれだけ迅速にできるかが重要だ。日本マイクロソフトは金融機関の生成 AI 活用を支援していきたい」と決意を語った。

生成 AI は万能ではない。業務に特化した活用の仕組み(東京海上日動火災保険の事例)

Portrait Mr.Sato
東京海上ホールディングス・佐藤氏

生成 AI はなんでもできるように思われがちだが、弱点も多い。では、生成 AI をどうやって業務で生かしていけばいいのか。その方法が語られたのが、東京海上ホールディングスと東京海上日動火災保険、PKSHA Technology による事例セミナー「AI が創る保険業界の未来のコミュニケーション」だった。東京海上ホールディングス デジタル戦略部マネージャー 佐藤 竜介氏や東京海上日動火災保険 dX 推進部課長代理 高山 寛史氏、システム構築を手掛ける PKSHA Technology 事業本部 三尾 俊平氏が試験運用やシステムの仕組みなどを紹介した。

東京海上日動火災保険では、早いうちから生成 AI の業務活用について議論を重ねてきたという。活用のアイデアを出し合い、実現可能性や業務上の効果などの観点で取り組む業務分野を決定した。代理店などからの問い合わせに営業担当者が回答するときに、回答内容の作成を補助する照会応答システムとして試験運用を実施している。これまで、問い合わせがあると、営業担当者が約款・ハンドブックや社内 QA などの情報を調べて回答していた。照会応答システムでは、生成 AI が社内情報を検索し回答文を作成する。さらに、回答の作成時に参照した文書も表示する。営業担当者はAIが生成した回答文を確認・利用して問い合わせ対応をすればよいので、対応にかかる時間が大幅に短縮できる。

東京海上日動火災保険の高山氏は「生成 AI を実務で活用するには一定のハードルがあった」と振り返る。保険特有の専門用語や複雑な約款などだ。そのため、日本マイクロソフトや自然言語処理に強みを持つ PKSHA Technology と連携しシステム化を進めることにした。PKSHA Technology の三尾氏は最初に話を聞いたとき「保険業界特有の課題があり ChatGPT だけでは実現が難しい」と感じたという。そして、「セキュリティやデータ処理などの各種機能と組み合わせることで課題を解決できる」と考えた。

まずはセキュリティだ。顧客情報を扱うことの多い金融業務に対し、安全性を確保するためには Azure OpenAI Service の利用が最適だった。また、入力された情報から個人情報を削除するデータ処理機能も組み合わせて、万全のセキュリティ体制を構築する予定をしている。次に、約款のテキスト化機能が必要になった。社内情報から問い合わせに関連する文書を探すための検索機能も開発した。こうして、ブロックを組み合わせるように、それぞれの課題を解決する機能を作っていった。

実際のシステムでは問い合わせ内容が入力されると、検索機能が約款や FAQ などの社内情報を検索し関連する文書をピックアップする。関連文書の中から回答を作成するよう GPT に指示することで正確性の高い回答文が作成されるようになる。

試験運用は大きく 2 つのフェーズに分かれており、現在は第 1 段階として約款などの公開情報だけを使用した照会応答を実施している。今後は、第 2 段階として機密情報や個人情報など非公開情報の活用も進めていく。また、現在は自動車保険分野で運用しているが、今後は火災保険など利用分野も広げていくとしている。あわせて、新しい活用領域にもチャレンジしていく方針だ。東京海上ホールディングスの佐藤氏は、「AI のリスクをしっかり把握し、金融領域でどう生成 AI を活用していくべきかを議論しながら、人とデジタルのベストミックスを図っていく」と締めくくった。

そもそも GPT って?

Portrait Mr. Gamou
日本マイクロソフト・蒲生氏

続いて、日本マイクロソフト クラウドソリューションアーキテクト Azure OpenAI Champ 蒲生 弘郷氏が「ChatGPT がもたらすインパクトと生成 AI 時代を支える Microsoft Cloud」と題し、GPT の基礎や Azure OpenAI Service について解説した。

そもそも GPT とは、自然言語処理で「次に入りそうな単語」を予測し自然な文章を生成することができる AI モデルのことだ。有名な ChatGPT は、この GPT を使用してチャット形式で自然な会話をすることができるサービスとなる。予測にあたっては、学習データとプロンプト(GPT に対する命令文)、文脈を加味して確率分布を生成し、次に入りそうな単語を選択していく。この GPT を使用した最初のサービスは「GitHub Copilot」で、関数の説明などを書くとプログラミングコードを生成してくれるものだった。

GPT には弱点が多くあることも知られている。最新情報には疎いし計算も苦手だ。時にはハルシネーションとよばれる「もっともらしいウソ」もつく。しかし、「苦手だからといって、何もできないわけじゃないのが GPT の奥深さ」と蒲生氏は語る。事実関係をしっかりとデータで与えてあげれば最新の情報をもとに推論できるし、計算などの苦手なことはツールと連携することで克服できる。

例えば、GPT を活用した Bing チャットで「2023 年の WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の優勝国はどこ?」と聞くとする。GPT は 2021 年 9 月までの情報を学習しているので、単体では回答することができない。しかし、Bing チャットでは、ツールを使ってこの質問から検索用のキーワード「2023 WBC 優勝国」を抜き出す。そして、このキーワードで検索ツールがWeb検索をかけて結果を取得する。検索結果を改めて GPT に与えて、それをもとに回答するよう指示することで、結果的に「日本」と正しく回答できるようになる。このように、ツールと組み合わせれば、GPT の苦手部分をカバーしながら色々な使い方ができる。前述の東京海上日動火災保険の照会応答システムも同様の発想で様々なツールと組み合わせて構築されている。

Microsoft は自社の製品に AI 機能を搭載すると発表しており、「Microsoft 365」やインターネットブラウザ「Microsoft Edge」、「Microsoft Windows」、セキュリティ製品にもAIが組み込まれていく。一方で、金融機関が自社サービスや社内システムで生成AIを活用していく場合に利用するのが Azure OpenAI Service。データとプロンプトを送ると、GPT が推論結果を返すサービスだ。このサービスを使うことで、業務システムなどに生成 AI を組み込むことができる。

Azure OpenAI Service は、最初は GPT の API だけを提供する形でスタートした。しかし、GPT が注目を集め、様々な企業・領域で活用されるとともに、Azure OpenAI Service も開発や管理を支援する多くの機能が付加されていった。

例えば、「Prompt Flow」では、プロンプトの管理や可視化が可能だ。GPT ではプロンプトの書き方を工夫することで、より望ましい回答を得ることができるようになる。こういったテクニックを用いることをプロンプトエンジニアリングと呼び、注目を集めている。テクニックは多岐にわたるため、プロンプトは複雑になりやすい。この管理を容易にするのが Prompt Flow だ。

また、「Azure OpenAI Service On Your Data」機能は、長いプロンプトを GPT が扱える長さに自動で区切ってくれる。検索ツールと連動したチャットボットを手軽に設置できるなど、試験運用が容易になる機能だ。蒲生氏は「日本マイクロソフトは GPT のプロジェクト経験が豊富で強みが多い。GPT を使って未来を変えたいと考える企業をサポートしていきたい」と話した。

パートナー企業セッション

Photo of session

次に Azure OpenAI Service の導入サポートをしているパートナー企業6社が登壇し、それぞれのソリューション内容や強みを紹介した。

・アバナード

「アバナード・インサイト・ディスカバリー」は、金融機関内の文書や音声、動画データを解析しレポートを作成するソリューション。データソースの位置を変えずに、そのままの状態で取り込んで検索できるのが特徴。また、アプリ開発やAIガバナンス、ガイドライン作成、行職員への定着支援までワンストップで提供できるのも強みだ。

・PKSHA Technology

2023 年 3 月に提供を開始した「PKSHA LLMS」は、金融機関へ生成 AI 関連の技術やノウハウを提供し、実際の業務で使えるシステムに仕上げていくソリューション。例えば、稟議書を自動で生成するシステムを開発しているという。金融機関ごとに中身や重要視するポイントの異なる稟議書だが、採用金融機関にあわせて作成できるようにしている。

・電通国際情報サービス

GPT 導入プロセスを、①行職員が自由に試せる環境を構築②ログから利用方法を分析③実際の業務に適用して更に利用率を向上させる――の循環を回すことと定義し、それぞれのフェーズを支援するソリューション群「Know Narrator」を提供。すでに十数社で採用されているという。GPT の有効活用には、行職員の自主性が重要となるため、自主性をうまく活用できるソリューションとなっている。

・日本ビジネスシステムズ

GPT 技術を安心・迅速に導入するためのコンサルティングサービス「アイプリシティ チャット Powered by ChatGPT API」を手掛けている。「ChatGPT を試してみたい」という金融機関からの要望に対応し、素早く簡単に使用開始できるチャットサービスだ。閉域網の安全な環境で試行を開始できる。あわせて導入コンサルティングも提供する。

・ブレインパッド

データ分析やデジタルマーケティングに関するサービスを手掛ける同社は、ChatGPT によりデジタルマーケティングは「超パーソナライズ時代」が来ると予測する。いくつかのおすすめ商品を提示するのではなく、顧客に最適な商品を 1 つに絞って提案する時代だ。活用領域の洗い出しやシステム実装、業務アプリ開発、ハルシネーション対策などで金融機関を支援していく方針。

・日本アイ・ビー・エム

コンタクトセンターの照会応答や金融機関の基幹業務周りに残る少量多品種業務の自動化、KYC 業務、融資稟議書作成支援など、国内外金融機関での様々な AI 活用例を紹介した。さらに、コンサルティングサービスとしてロードマップ作成や戦略作成なども手掛けており、それらの事例・ノウハウをもとに金融機関の AI 導入を支援していく方針だ。

懇親会

Photo of speakers
講師陣

最後に、講師、参加者が参加する懇親会が開かれた。会場では多くの金融機関参加者が生成 AI の活用などで意見を交わしていた。

参加者からは「事例が参考になった。特に、社内での試験運用の進め方が勉強になった」や「期待していた内容を聞くことができた」、「日本マイクロソフトの今後の取り組みについて知ることができてよかった」など、満足度の高さがうかがえる感想が多かった。また、生成AIは社会的な関心の高さもあり、「普段、保守的な利用部門にも協力をしてもらいやすい」といった声もあり、今後も活用領域は広がっていきそうだ。

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グロースマインドセットが導く DX 伝道師への道〜SMBC グループと日本マイクロソフトの人材育成コラボレーション〜 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2023/03/31/smbc_msacademy2022-02/ Fri, 31 Mar 2023 08:30:00 +0000 2022 年 3 月に、マイクロソフトと SMBC グループはクラウド分野における戦略的提携の締結を発表しました。現在 Microsoft Azure の活用促進に向けた施策や人材育成を進めており、その取り組みの一環として、SMBC グループの従業員を対象とした DX 人材育成プログラム「2022 MS Academy」を開校しました。

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2022 年 3 月に、マイクロソフトと SMBC グループはクラウド分野における戦略的提携の締結を発表しました。現在 Microsoft Azure の活用促進に向けた施策や人材育成を進めており、その取り組みの一環として、SMBC グループの従業員を対象とした DX 人材育成プログラム「2022 MS Academy」を開校しました。

参考:ビジネス変革の“タネ”は社内にあり。新たな価値を生み出す SMBC グループの自律人材育成アカデミー

本稿では 2022 MS Academy を振り返りつつ、2023 年 3 月 9 日に開催された結果発表会において優秀賞に選ばれた皆さんの声をお届けします。

株式会社日本総合研究所
ネットワーク・クラウド基盤システム本部 CCoE グループ 次長
秋吉 郁郎 氏

三井住友フィナンシャルグループ
IT企画部 インフラ企画グループ グループ長
北野 健太 氏

業務執行役員 金融サービス事業本部 銀行・証券営業本部長
金子 暁

インダストリーソリューションデリバリー事業本部 エンタープライズソリューションデリバリー統括本部 アーキテクト
大原 誠

マインドの変化と企画力の強化が大きな収穫に

――MS Academy を開校した意図を改めてお聞かせください。

秋吉 DX を成功に導ける人材とは、デジタル技術を使いこなすだけではなく、目的と課題を明確にしたうえで、やるべきこととそれ以外を区別し推進できる人材だと思っています。MS Academy でもその点を重視し、企画力の向上を目的として日本マイクロソフトと一緒にプログラムを組み立てました。

大原  MS Academy ではまず思考法や企画立案を学んだうえで、実際に企画を立案し、その後にクラウドを活用して企画を実装・実現していただく点に大きなポイントがあります。 日本マイクロソフトでは、チャレンジを推奨し、経験のすべてを成長につなげる考え方である「グロースマインドセット」を社員が共有し、自社の変革を進めています。MS Academy のプログラム中は、参加者の皆さんがもともと持っているグロースマインドセットを、少しでも多く引き出せるよう常に意識しました。開始当初はどうしたらよい企画が立てられるのか戸惑われた方もいるかもしれませんが、プログラムで日を重ねるにつれてもともと備わっていたグロースマインドセットが花開き、最終的には自身で考え企画を実現する体験をしていただけたのではないかと考えています。

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――MS Academy を振り返って、どのような感想をお持ちでしょうか?

北野 画一的な座学ではなく、日本マイクロソフトのスペシャリストによるコーチングのもと、参加者の皆さんが自ら企画を立て、そのアイデアを具体的に実装し、成果を競い合えたことは大きな収穫だったと思います。
結果発表会では、普段の業務や生活のなかで感じていた問題意識をしっかりと課題に落とし込んで、いきいきとプレゼンする様子がとても印象的でした。

秋吉 参加者の皆さんのマインドの変化や成し遂げた結果には目を見張るものがあり、SMBC グループの DX を成功に導く人材として、新しい一歩を踏み出したものと確信しています。特に効果的だと感じたのは、彼ら自身が自分の課題に気づき具体化するきっかけになったこと。そして失敗を恐れずチャレンジを続けるといったマインドの変化につながったことです。
皆さんにとっては、これまでほとんど経験のなかった企画力や実践力を問われる課題に対するプレゼンテーションや実装を経験するにあたり、思い描いていたのとまったく違うと感じたことも多かったのではないでしょうか。そんななかでも失敗を繰り返しながらやり抜く機会を得たことで、これまでの考え方では通用しない壁があること、それを乗り越えるためには企画力と技術スキル、チームワークが欠かせない要素であることに気づきがあったのではないかと思います。

北野 クラウドは、迅速にサービスインできるといったメリットがある反面、その内容を理解した上で正しく使いこなさなければ、効果が半減するどころかセキュリティインシデントにつながるリスクを孕んでいます。ですからクラウドを熟知し、使いこなせる人材はとても重要ですし、参加者の皆さんが MS Academy を通して Azure を使いこなす入口に立てたことは、SMBC グループとしても大きな成果だったと思っています。

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――これから、どのような展開を期待しますか。

北野 参加者の皆さんには、これからもチャレンジを重ねて、自らの成長につなげるとともに、SMBC グループにおける Azure を利用した開発案件に従事するなど、適切なクラウド活用の促進に貢献してくれることを期待しています。そして日本マイクロソフトには、引き続き人材育成も含めた SMBC グループ全体の DX を推進するための支援をお願いしたいと思っています。

大原 MS Academy は金融業界のみならずすべてのお客さま、パートナーさまとの共創における人材育成のモデルケースになったのではないかと考えています。
私たち日本マイクロソフトにとっても、大変意義深いプログラムになりました。SMBC グループのようなパートナーさまのなかに DX を推進するためのマインドを持った人材が増えることで、私たちのテクノロジーを最大限活用いただくことができ、それがテクノロジーの進化につながり、さらにパートナーさまのDX 推進に役立てていただける、そんな循環が構築できることを期待しています。

秋吉 私たちは 2022 年度の MS Academy の経験を踏まえて、今後さらに自分たち自身の力で目的と課題を明確化し、DX を推進できる人材の育成に力を注いでいきたいと考えています。具体的には、本プログラムをさらに改良して企画力と実現性を問うプログラムに成長させていきたいと思っていますので、日本マイクロソフトにも、Azure のベストプラクティスに基づくアーキテクチャデザインのレクチャーなど、育成プログラムの充実に協力をお願いしたいと思っています。

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三者三様に評価を受けたチームが各賞を受賞

MS Academy に参加した 8 チームが、それぞれ工夫を凝らしたプレゼンテーションを繰り広げた結果、以下の 3 チームが表彰を受けました。評価対象は企画・アーキテクチャ・プレゼンテーションの 3 点。成果物だけではなく、そこに込められた思いやアピールへの意識も含めた審査が行われました。

結果

最優秀賞 D チーム「AI Boss」
株式会社日本総合研究所 ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
廣川 奏絵 氏

株式会社日本総合研究所 ホスト・情報基盤システム本部 コンタクト・情報基盤システム
石川 勇太 氏

株式会社日本総研情報サービス 銀行運用本部 東京ITシステム運用第一部
中川 直 氏

株式会社日本総研情報サービス 開発本部 開発第二部
中牟田 匠梧 氏

企画賞 E チーム「つながるソフト」

株式会社日本総合研究所 ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
栗田 果穂 氏

株式会社日本総合研究所 グローバル市場システム本部 金利・デリバティブシステム部
萩原 敦史 氏

アーキテクト賞 F チーム「ワークライフパッション」

株式会社日本総合研究所 ホスト・情報基盤システム本部 コンタクト・情報基盤システム チーム長
鷲尾 光彦 氏

株式会社日本総研情報サービス 開発本部 開発第二部
八重樫 秀一 氏

株式会社日本総合研究所 ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
礒部 紫帆 氏

ここで生まれたつながりが DX の原動力となることに期待

三井住友フィナンシャルグループ
IT 企画部 インフラ企画グループ グループ長
北野 健太 氏

参加者の皆さんは現業を抱え、相当大変な思いをしながら企画・実装・プレゼンの準備まで取り組まれたと思います。もっと専念したいという思いもあったかもしれません。ですがプレゼンを拝見して、どの企画もこの短期間でつくるものとしてはとても素晴らしいと感じました。

「AI Boss」は、私たち管理職の業務を肩代わりしてくれるツールだと思うので、早く実用化されてほしいですね。「つながるソフト」は、実は私は一番高く採点しました。アジャイル開発によって実装できた部分とできていない部分を踏まえた上での提案で、工夫の余地まで見えたのが好印象でした。「ワークライフパッション」は、パッションという一見会社の業務とはかけ離れた着眼点がとてもよかったと思います。どの企画も改善の余地は大いに残されていると思うので、このプロジェクト終了後も、やり残した部分に取り組んでもらえると嬉しいです。

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ひとつ贅沢を言えば、もう少し現状を踏まえた提案もほしかったですね。新規で実装する視点だけではなく、現在使われているツールやシステムをどう生かすか、といった視点があれば、もっと実用に近いアイデアが生まれたのではないかと思います。

MS Academy で最も印象的だったのは、参加者の皆さんが自分たちで率先して、協力しながら楽しそうに取り組む様子です。私は主にリモートで参加していたのですが、もっと現場で皆さんと触れ合って熱を感じておけばよかったと少し後悔しています。

この経験を通して DX の入り口に立った皆さんには、現部署に戻ってからぜひとも DX の伝道師になっていただきたいと思います。そして MS Academy で生まれた業務や部門を超えたつながりが、SMBC グループの DX 推進の原動力になることを願っています。

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授賞チームの声

アーキテクト賞 F チーム「ワークライフパッション」

私たちが提案した「ワークライフパッション」は、タスクの登録管理と予実の見える化、タスクのマッチング、スキル管理の 3 つの機能を備えています。実用化するにはもっとレベルを上げないといけないと思いますが、音声認識や自然言語解析など、当初見込んでいなかった機能も盛り込めたので、ある程度は満足しています。

アーキテクト賞を受賞できた理由としては、ワークライフパッションは Azure の特定のサービスではなく複数のサービスを組み合わせてつくったソリューションなので、その辺りの工夫を評価していただけたのではないかと思っています。

私たちのチームはメンバーの年次や職掌がバラバラで、違う角度からのアイデア出しやペルソナの設定のリアリティといった点でよい効果が生まれたと思っています。3 人が役割分担してお互いにカバーし合えたことも、この結果につながった理由ではないでしょうか。

MS Academy でアジャイル開発を経験できたこと、Azure について学べたこと、グロースマインドセットを意識できるようになったこと、そしてなにより、ひとつの成果物をつくる成功体験を得られたことが大きな収穫だったと感じています。

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企画賞 E チーム「つながるソフト」

私たちのソリューションでは、社内のつながりをより向上させることをコンセプトに、C パズルというプロダクトをつくりました。企画を応募したいときにお勧めの参加者を推薦したり、ユーザーにとってお勧めの企画を機械学習を用いて提案したりする機能を想定しており、PowerApps を使ってサイトを構築して、データを Azure とやり取りする仕組みを実装しました。

私たち自身、中途入社だったりコロナ禍の入社だったりしたので、横のつながりがないことを課題に感じていたことから、社内マッチングというアイデアが浮かびました。業務だけではなくプライベートでも使えるアプリという点が、評価されたポイントではないかと感じています。プレゼンでも、チームを会社に見立てて、コンセプトをわかりやすく伝える工夫をしました。

正直、最初の企画出しの段階では本当に完成できるのか不安でいっぱいだったのですが、グロースマインドセットに基づいて失敗を恐れずにタスクを進めるうちに、楽しもうという気持ちで取り組めるようになりました。また、アジャイル開発に触れたことで、自分のタスクだけでなく相手のタスクのことも意識できるようになりました。これらの経験はきっと現業でも生かせると思います。

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最優秀賞 D チーム「AI Boss」

私たちが作ったのは、普段業務で使っている Microsoft Teams での会話を自動で収集して、質問項目を投げると適切な回答を返してくれる「AI Boss」です。Teams の機能を拡張する形で、通常のチャットボットをさらにレベルアップしたアーキテクチャになります。何人もの部下から同じ質問をされたり、何度も同じことを指摘したりする上司の手間や、逆に質問した人やタイミングによって別の答えが帰ってくることがある部下の不満を減らしたいという思いや、先輩方の頭の中だけにある知識を自動的に収集して次の世代に受け継げると便利だな、というアイデアが元になっています。

当初想定していた機能に加えて追加機能も実装できたので、自分たちの評価としては及第点以上のものはできたと思っています。プレゼンのときにちょっとした寸劇や審査員の方に参加していただくなど、演出を工夫した点も評価につながったのではないでしょうか。

活用できそうな Azure のサービスを調べるところから始めたので苦労もあったのですが、日本マイクロソフトのサポートで、のびのびと取り組めました。また、失敗を恐れないグロースマインドセットで臨んだことで、完璧ではないかもしれませんがひとつの成果物を残すことができました。なにより、お昼休みに食事しながら打ち合わせをするなど、メンバー全員が楽しみながら開発に取り組めたことが一番の収穫だったと思っています。あのワクワクした気持ちはこの先も忘れることはないと思います。

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[最新事例集を公開] FIT 2022 レポート・日本マイクロソフトの金融機関向け DX 支援とは http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/financial-services/2023/02/01/fit2022-report/ Wed, 01 Feb 2023 02:30:00 +0000 2022 年 11 月 10 日 (木)・11 日 (金) に開催された金融 IT 展示会「FIT 2022」では、日本マイクロソフトが 3 年ぶりにブースを構えた。今回の出展テーマは「"Future-first financial services" (金融業界向け DX ソリューション)」。金融業界へのソリューションとして日本マイクロソフトが重視する「革新的な顧客体験」「業務効率の向上」「金融犯罪への対応」を網羅するブース構成だ。

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※本ブログは、金融総合専門誌「ニッキン」による情報サイト「digital FIT」にて 2022 年 12 月 8 日に公開された[最新事例集を公開]FIT2022レポート・日本マイクロソフトの金融機関向けDX支援とは|digital FIT (nikkin.co.jp)の再掲です。

2022 年 11 月 10 日 (木)・11 日 (金) に開催された金融 IT 展示会「FIT 2022」では、日本マイクロソフトが 3 年ぶりにブースを構えた。今回の出展テーマは「”Future-first financial services” (金融業界向け DX ソリューション)」。金融業界へのソリューションとして日本マイクロソフトが重視する「革新的な顧客体験」「業務効率の向上」「金融犯罪への対応」を網羅するブース構成だ。

さらに、傘下の Nuance Japan、パートナー企業の Backbase Japan、Personetics、PHONE APPLI、Contentsquare Japan、電通国際情報サービス、日本ビジネスシステムズが、「Microsoft Azure (以下 Azure)」「Microsoft Dynamics 365 (以下 Dynamics 365)」や「Microsoft Teams (以下 Teams)」などのマイクロソフトのプラットフォームを活用したソリューションを紹介した。

ブース内では、ミニセミナーも併催され、同社とパートナー企業による DX ソリューションの紹介に、足を止めて熱心に耳を傾ける来場者も多かった。

本稿では、日本マイクロソフトの金融業界向けの戦略とブースの模様をご紹介する。

さらに、同社が作成した最新の金融事例集も特別公開。セブン銀行や三菱 UFJ フィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、北國銀行、明治安田生命保険など 13 社の成功事例が詳細にまとめられている。

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日本マイクロソフトが金融業界向けソリューションに特化してブースを構えるのは今回が初めての試みであり 、それだけの理由がある。消費者の行動変容や顧客とのコミュニケーションのあり方が多様化する一方で、外部のみならず企業内部においても堅牢なセキュリティとコンプライアンスが求められる。こうしたニーズに応えるべく同社では、勘定系からマーケティング、社内コミュニケーションに至るまで幅広いソリューションの拡充を進めており、多くの金融機関への採用が広がっているからだ。

金融サービス営業統括本部 業務執行役員 金融イノベーション本部長の藤井 達人氏から、今回の出展の狙いについて話を聞いた。

加速するデジタル上での顧客対応

感染対策が日常的におこなわれ、顧客が来店を自粛したり、行員が訪問営業をしにくくなったりという環境が続く中で、金融サービスの提供もデジタルチャネルへのシフトが進んだ。そのため、デジタルでの顧客との関係構築が重視され、その質の向上は喫緊の課題となった。

例えば、ローン申し込みの場合、ウェブで申し込みを受け付けるシステムがあり、顧客のステータス管理には別のシステムが使われ、審査のシステムはさらに別のシステムが存在する。それぞれが連携していないがために、業務と業務の間を介在するオペレーションが必要になる。このように分断された状態では業務をシームレスに遂行することは困難だ。また、行内での連携においても、顧客とのデジタル上でのやり取りをリアルタイムで担当部署と連携してタイムリーに応対する必要性が出てきている。日本マイクロソフトはこうした動きに着目している。

今回、日本マイクロソフトが金融業界向けに提案するのは、コミュニケーションと業務プロセスを円滑にする Teams から、Dynamics 365 などの業務効率化のツール、Microsoft 365 によるセキュリティとコンプライアンス管理まで、マイクロソフトのクラウドプラットフォーム Azure で、業務のインフラとシステム、データの連携・統合をワンストップで実践できる DX ソリューションとなる。

多くの金融機関においては、すでに幅広くマイクロソフト製品が使われている環境がある。人と人とを繋げてビジネスプロセスを円滑にする Teams をベースとした仕組みの導入について、「こうした環境があるから、新しいツールを使い始める抵抗感を持たれることなく、安心して日本マイクロソフトのソリューションを選択していただけている」と藤井氏は話す。デジタル上での顧客対応に加え、行内においては、チャットによるやり取りから資料の共有、過去の履歴を検索できるなど、日常業務を Teams のプラットフォーム上でおこなえる。また、Teams は、オンライン会議システムとして使えるほか、社内の会議をグループチャットに移行したり、稟議や決裁を可能にしたりすることから、意思決定のスピードが上がったという金融機関の数が増えている。

例えば、PHONE APPLI が提供する「PHONE APPLI PEOPLE」は、Microsoft 365 と連携し、社内で連絡したい相手が会話可能であるかを確認し Teams でチャットをしたり Outlook でスケジュールを確認したりできるほか、顧客など外部との連絡も社内で共有された顧客情報を参照しながら初めてのコミュニケーションでも円滑におこなえる良さが評判のソリューションとなっている。

利便性や成約率の向上に直結する DX ソリューション

働き方改革や、データ分析とデータの利活用で顧客を可視化することにより高い付加価値を生み出すデジタルマーケティングへのシフトにおいても、業務の効率化を支える Dynamics 365 等と連携する多彩なソリューションがクラウドプラットフォーム Azure で提供されている。

中でも、金融に特化したソリューションを手がけるのが Backbase Japan と Personetics で、国内外で実績を伸ばしているフィンテック企業として知られる。昨今、銀行サービスをスマートフォンなどのアプリから利用する消費者が増え、特に PayPay や交通系電子マネーなど非銀行系の決済アプリとの連携や他社サービスとの連携が求められている。

Backbase Japanでは、こうしたニーズに対応したデジタルバンキングのソリューションを提供する。小売、中小企業、富裕層を対象に、口座開設やローン・融資の申し込みなどの場面でも、顧客とのエンゲージメントを支える。Dynamics 365、「Microsoft Power Platform (以下 Power Platform)」、Teams を含む Microsoft 365 とシームレスに連携する。

Personetics は、オープンバンキングを活用し、顧客の取引データや経済状況を可視化することで、新規の口座開設や資産管理を顧客ごとに最適化した提案を可能にする Dynamics 365 と連携している。

また、ウェブサイトからのローンの申し込み等で課題になるのが、顧客が途中で離脱することだ。Contentsquare Japan が提供するのは、EC 機能を備えたウェブサイトやスマートフォン等のモバイルアプリ上で、顧客が離脱することによる機会損失を防ぐなど、顧客の行動や意図を分析し、改善すべき点を明らかにするソリューションだ。

金融機関に対して、こうしたマイクロソフトのソリューションをニーズに合わせて導入支援するのが電通国際情報サービスと日本ビジネスシステムズだ。電通国際情報サービスは、ローン成約率向上や店舗業務の効率化、顧客の待ち時間を低減するなど、さまざまな業務改善に活用できる地域金融機関向けマーケティングプラットフォームとして「Dynamics 365 Customer Insights」の導入を支援する。散在しがちな顧客データを統合して、多面的に顧客を理解し、顧客の行動を可視化しながら、将来的な活用イメージを具体化する。このほか、賃貸不動産融資に特化した業務支援や、リモートワークに伴い煩雑化する従業員、管理職、人事や総務における作業負担を軽減する「勤怠チャットボットコンシェルジュ」なども提供している。

日本ビジネスシステムズは、金融業界の働き方改革を推進するマイクロソフトソリューションとして Dynamics 365、Power Platform、Microsoft 365 の導入を支援する。クラウドへ移管する懸念を払拭し、上流から下流まで、顧客企業のニーズに応じてシステム化の企画構想から内製化、定着化まで、継続的に伴走する。また Microsoft Teams Rooms デバイス体験セミナーを 1 枠 1 社限定で、虎ノ門ヒルズ森タワーで随時開催している。

デジタル技術が可能にするセキュリティとコンプライアンス

日本マイクロソフトが重視するもう一つのポイントが、セキュリティとコンプライアンスだ。セキュリティは、外部からの侵入に対しては言わずもがな、内部不正にも対処が求められる。

例えば、紙媒体で情報管理をすると、比較的容易に持ち出せてしまう。デジタル化することで情報漏洩や持ち出しが起きないよう、セキュリティとコンプライアンスを担保できる堅牢な環境を構築することが可能になる。また、最近ではコンプライアンスにも配慮が求められるため、退職する行員が大量にデータをダウンロードしていたり、ハラスメント的な言動が目立ったりなど、不適切な動きがあれば管理者にアラートされるなど、従業員と顧客を守るためにも、Teams を含め、Microsoft 365 の活用が広がりを見せている。

マイクロソフト傘下の Nuance Japan は、声紋認証を使った本人確認をわずか数秒で実現する驚異的な声紋認識技術と言語処理技術を有する。不正アクセスを防止する「Nuance Gatekeeper」は、顧客の資産保護が重要となる金融機関や高いセキュリティを求める企業で採用が進み、国内外 500 社が導入している。バーチャルアシスタントとして顧客対応の自動化を実現する対話型 AI のボイス・チャットボットの「Nuance Mix」は、顧客の問い合わせの意図を理解し FAQ に誘導するなど業務効率化に役立てられている。今回、この Nuance を含む、Dynamics 365、Power Platform、Teams、Azure からなる「Microsoft Digital Contact Center Platform (以下DCCP)」も紹介した。DCCP は、コンタクトセンター、コンタクトセンター AI、CRM のための統合プラットフォームで、より強固なセキュリティを担保しながら、個のニーズに沿った質の高いカスタマーサービスを求められる金融業界での活用が見込まれている。

地域金融機関が顧客のデータを活用しながら、自分たちのビジネス プロセスを、堅牢なセキュリティとコンプライアンスを守りながら、円滑かつ効率的に回していく。これを実践可能にするのが、DX ソリューションを提案する日本マイクロソフトの狙いだ。企業の規模や業態に関わらず、内部的な情報共有とコミュニケーション、顧客とのエンゲージメント、業務効率化とパフォーマンス向上のあり方の変革は進んでいる 。

金融機関に求められる中小企業・小規模企業の DX 化支援

イベント会場でミニセミナーに登壇する平鹿氏

ブース内のミニセミナーでは、「DX は自分事以上!地域の事業者は皆さんの支援をまっています」 と題して、マイクロソフトテクノロジーセンターの平鹿 一久氏が登壇し、金融機関による DX 支援へのニーズの高さや、金融業界での DX 実践のポイントが紹介された。DX の活用が浸透する一方で、難航する金融機関もある。IT 化と DX の違いに理解を深めるとともに、新しい仕組みを導入する際に生じがちな内部的な抵抗感など、経営者層や開発部門に共通する課題を紐解き、DX の実践を呼びかけた。

金融庁が公表した令和 4 年度「金融機関の取り組みの評価に関する企業アンケート調査*」では、地域金融機関をメインバンクとする中小企業・小規模企業の約 30% が「今後金融機関から受けたいサービス」として、「業務効率化のためのIT化・デジタル化への支援」を選んだことが明らかにされている。企業が金融機関による支援に期待を寄せる背景には、事業成長に視点を合わせた経営に資する支援と、圧倒的な信頼感、そして、金融機関自身が取り組んできた DX の実績が挙げられる。

(*https://www.fsa.go.jp/common/about/research/20220630/01.pdf)

DX の推進を支える両輪として、「デジタル技術」と「イノベーション」という大きく 2 つの要素がある。イノベーションがデジタル技術を具体的な価値に変え、デジタル技術がイノベーションの武器となる。Teams を活用し、意思決定のスピードを数倍にした金融機関の事例なども紹介された。この両輪に、もう一つ大切な要素として、「今を変えようとする力」を発揮するリーダーシップや企業の文化がある。ミニセミナーに登壇した平鹿氏は「企業文化を培っていくことが支援のポイントになる。その力を増す方法は実践に尽きる」と強調した。マイクロソフトのデジタル技術は、金融機関でも中堅・中小企業でも同じ技術を活用できる。同社がデジタル技術を提案し、イノベーションを企業が実践する。そして、その実践の支援を同社・パートナー企業が担い、金融機関による中堅・中小企業への支援を支えていく姿勢が打ち出された。

金融サービスの業務に適した Surface シリーズが人気なワケ

ブースでは金融業界で多く採用されている端末「Microsoft Surface (以下、Surface)」シリーズも展示された。ローンや生命保険の申し込みなどの契約において使用すれば、単に紙を電子化するのではなく、プロセスを電子化するため、行員による手順の間違いやお客様の記入漏れなど、業務のミスを防ぐことができる。行員の業務の習熟度に関わらず、安定したクオリティでお客様への対応を実現し、事務作業も 1 台の Surface でおこなえる点が採用金融機関から評価されている。例えば、タブレットを活用した金融商品の提案から、内蔵カメラでお客様の公的書類の取り込み、Surface 専用ペン併用による電子署名 によりペーパーレスのまま申し込みを完結させ、PC から行内ネットワークで事務作業をおこなえる。まさに、PC の処理能力にタブレットの柔軟性を兼ね揃える Surface シリーズならではの魅力だ。

LTE 内蔵モデルなら、モバイル閉域網サービスを使って、お客様の大事なデータを外出先から安全な行内ネットワークに保存でき、閲覧もできる。そのため、渉外や営業などで外出する際も資料をあらかじめ印刷したり、渉外用デバイスにローカル保存したりといった手間が不要になる。外出が多い行員も直行・直帰がしやすくなり、仕事を効率化できる。バッテリー駆動は最長 19 時間 (モデルにより異なる) であるため、お客様への対応中に電源が落ちる心配もない。

最新の事例集や豊富な資料もブースの魅力に

最新情報の展示や専門家によるミニセミナーに加え、豊富な資料が配布されたのも多くの人がブースに足を運んだ理由に一つだった。日本マイクロソフトのデバイス・各種ソリューションのカタログに加え、パートナー各社の資料・事例集も配布された。

本稿では、当日の配布資料の中から日本マイクロソフトの金融機関事例集を特別公開する。

セブン銀行や三菱 UFJ フィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、北國銀行、明治安田生命保険など 13 社の成功事例が詳細にまとめられている。

▶『Microsoft | 金融機関における最新事例集』ダウンロードはこちら >

(取材協力:FIT事務局)

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