マイクロソフトが成果に基づく予算管理を促進できるよう財務機関を支援する方法
※本ブログは、米国時間 2023 年 3 月 20 日に公開された Discover how Microsoft can help treasury agencies drive outcome-based budgeting の翻訳です。
※下記で紹介しているイベントコンテンツは、すべて英語で提供されています。
予算・財務機関およびその責任者は、無数の課題に取り組むと同時に、さまざまなマクロ経済の状況に対処することが求められており、少なくとも、公共支出、財務サービス政策、歳入徴収システムの戦略的な監督、および重要なインフラ プロジェクトの資金供給に関する責任を負っています。これらを実施することで、予算・財務機関は、公的資金の効率的な利用や持続可能な経済成長を確実なものにしながら、政府機関の国家の財政状態の管理能力に対する国民の信頼を獲得しています。
今日、政府機関は、社会から今まで以上に多くのことが求められるようになっています。税金を具体的成果に明確に直結させることなく、政府予算を決定できたのは、はるか昔の話です。今日、部局・部門の業務のサイロ化を許容する従来型の “アナログ” な行政構造は、国民、職員、および企業から当然ながら問題視されるようになっています。
では、予算・財務機関が望ましい成果を達成し、リアルタイムの公共サービスを実現し、目に見える社会的・経済的成果をもたらすにはどうすればよいのでしょうか。その答えは、成果に基づく予算管理を可能にする革新的なテクノロジの利用です。これにより、さらに多くの説明責任を果たし、政府機関間の効率を高めることができます。
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成果に基づく予算管理により、政府機関は、これまでほぼ不可能であった管轄の成果の進捗状況を追跡することが可能になります。また、望ましい政府投資に対応する革新的かつ安全なツールで政府機関職員の能力を強化し、金融包摂を促進できます。
以下の図 1 の四角形は、それぞれ政府機関が達成を目指している成果を示しています。色は、これらの成果を測定するための財務関連の洞察の提供に必要なテクノロジの種類を示しています。一例として、政府機関は、職員のスキルを向上させ、将来的により良い職務に就けるようにすることを目指しています。この成果を実現し、測定するには、Microsoft 365や Microsoft Viva ラーニングなど、コラボレーションや知識の共有を強化するテクノロジが必要になります。同様に、国内および国外の両方での取引を容易にするという業務成果を実現するには、両方のデジタル決済管理用のテクノロジ、Microsoft Azure、および Microsoft 365 のようなコラボレーションや知識の共有のためのテクノロジが必要になります。
図 1: 政府機関が達成を目指している成果を実現するには、テクノロジを組み合わせて利用する必要がある
この成果に基づく予算管理と財務関連の洞察のビジョンを実現できるかどうかは、予算・財務機関の変革の以下の 3 つの柱にかかっています。
- 予測性、接続性、俊敏性を高める: 財務部門が相互接続されたグローバルな社会経済エコシステムの不安定さの増大に対処し、より幅広い政策に影響を及ぼすことを可能にする戦略的洞察力によって影響力を拡大します。
- 信頼される、透明性の高い政府機関アドバイザーになる: 信頼と透明性の積極的な構築と、ほぼリアルタイムの政策アドバイスの支援に焦点をシフトします。
- 金融包摂、イノベーション、回復性を促進する: 進化する財務イノベーションの環境を実現し、金融包摂および政府機関と国全体の回復性を促進させます。
このような変革を促進させるため、予算・財務機関は、以下の 4 つの主要なテクノロジ領域について検討する必要があります。
- 最新の予算計画: 即効性のある実用的な予算の執行、報告、およびコンプライアンス管理を実現する、拡張された予算予測機能、および俊敏でインテリジェントなリアルタイムのプロセス自動化機能。
- 説明可能な財務管理: 国の資産、負債、準備金、投資の流動性を自動的に管理する、透明性の高い、機敏かつインテリジェントな管理システム。
- 対象を絞った補助金管理: 国の投資目的に沿った、効率化された補助金プログラム、および補助金の効率的な支払いを促進させる、より簡潔で、より透明性の高い承認手続き、ならびに国内総生産 (GDP) の成長や雇用創出などの国家目標に対する支出の影響に関するレポートの生成機能。
- 持続可能な公的調達: 任意の時点で IT または財務の自動監査を簡単に行えるようにする、規制に準拠した、透明性の高いデジタル調達プラットフォーム、および ESG (環境、社会、企業ガバナンス) 目標やさまざまな貿易協定などの国家的議題に沿った調達プロセスに新しい政策や規制を組み込む機能。
コロンブス市が予算計画を向上させ、予算管理プロセスを効率化
コロンブス市 (英語) は、テクノロジの力を活用して、プロセスを効率化し、職員の能力を強化し、前述の成果に基づく予算管理のテナントを採用している政府の予算・財務機関の代表例です。オハイオ州の州都であり、米国で 14 番目に大きい都市である同市は、政府の予算管理および会計に関する課題など、成長し続ける近代都市のさまざまな課題に対応するために懸命に取り組んでいます。税金の徴収および支出に対する審査レベルは市としては高く、前述のとおり、財務計画、予算管理、および会計には完全な透明性と追跡可能性が求められていることを理解していました。
同市は、マイクロソフトと提携し、Dynamics 365 Finance をベースとし、Dynamics 365 Supply Chain Management、商取引アプリケーション、および Microsoft Power Platform の構成要素を利用するソリューションを導入しました。同市は、現在、150 件を超える予算計画、9,000 もの予測職位、および 3,500 件を超える補助金と資本プロジェクトを管理しています。これらのプロセスの多くは、複数の承認レベルを含むワークフローを使用しており、複雑化しています。
Microsoft Dynamics 365 により、同市は、ニーズの変化に応じて、これらのプロセスのフローの維持、管理、調整を簡単かつ柔軟に行えるようになっています。また、Dynamics 365 により、予算計画にかかる労力の 10% 以上の削減や、リモート職員の生産性向上など、期待された成果の一部を短期間で実現できました。
- より少ない労力でより優れた予算計画を実施: Dynamics 365 により、同市は、予算計画に携わる約 60 人のユーザーの予算管理プロセスを強化しました。直感的で使いやすいインターフェイスは Microsoft Excel と外観が似ており、これによって予算のモデル化や管理にかかる時間と労力の削減が可能になっています。チームは、予算サイクルの各段階で、最新の予算情報と共に、予算データのビューを含む一連の Microsoft Power BI レポートを使用して、予算の確認と検証を行っています。
- リモート職員の生産性を向上: 職員は、VPN なしで、どこからでもシステムにアクセスできます。これにより、生産性が向上し、ディザスター リカバリーも強化されています。これらの機能は、コロナ禍において、ロックダウンが定着し、市職員が在宅勤務を余儀なくされた際に十分にテストされました。オフィスにいるのと同様にシステムにアクセスして操作できたことにより、同市は、生産性を維持し、コロンブスの住民のニーズに対応し続けることができました。
テクノロジを活用して、長期的な財務回復力を構築
財務機関が新たな課題に直面し、財務機関の優先事項が現在および将来の危機への対処へとシフトする中、政府機関は、新しいテクノロジをどのように活用して、長期的な財務回復力を構築し、金融包摂を促進させ、職員の能力を強化し、サステナビリティを実現しているか示すまたとないチャンスを手にしています。そのためには、簡単に自動化して、金融包摂やサステナビリティなどの他の優先事項に時間や労力をかけることができる、効率的な内部プロセスが必要になります。Dynamics 365 Finance や Microsoft Power Platform などのマイクロソフトのソリューションを活用することで、オペレーショナル エクセレンスを実現し、自動化のためのローコード ツールを提供できます。マイクロソフトは、世界中の組織と提携し、これらの学びから得た洞察、およびデータドリブンのサービスや連携の力を活用して、すべての人のためにより良い未来を築いています。
コロンブス市 (英語) がテクノロジを活用して財務プロセスを変革した方法、およびマイクロソフトが成果に基づく予算管理を促進できるよう財務機関を支援する方法についての詳細は、Microsoft for Public Finance をご覧ください。