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業界

生成 AI とパブリックセクター

生成 AI がパブリックセクターのミッションを刷新する

マイクロソフトでは、グローバルなメッセージングとして「生成 AI とパブリックセクター」と題したアナウンスを発出しています (Angie Heise, Corporate Vice President, Microsoft Worldwide Public Sectorによる英文での投稿 は、こちら)。 今回のブログは、この記事の翻訳をお届けするとともに、日本マイクロソフトからの生成 AI 導入の支援策をご紹介します

(以下、上記記事の翻訳となります:)

「課題への向き合い方」を革新する可能性

人工知能 (AI) は、あらゆる種類の企業や組織のゲームを変えています。生成的 AI と大規模な言語モデルを中心とした新しい高度な自然言語の処理機能は、世界中のあらゆる想像力をかき立てています。これらの機能は、政府が市民と対話する方法と、公共の労働力が社会の課題に取り組む方法の両方を変革する多大な可能性を秘めています。パブリックセクターの組織は、政府や教育の目的で生成 AI を活用し、責任を持ってそのテクノロジーを採用する方法について考え始めることが不可欠です。

人工知能への責任あるアプローチ

この強力な技術の応用が、責任あるものであり、倫理的であり、幅広い利益をもたらし、社会に価値を提供する方法で各国へ展開されていくことを保証するために、生成 AI の進歩は、社会への影響に関する我々の考察の深度においても、同様の進歩を要求します。責任ある AI を管理するための原則や枠組み (英語) は、すでに構築されており、技術とともに進化を続けていくでしょう。

責任ある AI の基準に則ることで、その技術の展開が公平性、プライバシーとセキュリティ、信頼性と安全性、包括性、および説明責任を重視することを保証することができます。しかし、AI が私たちを取り巻く世界を変えていく中で、パブリックセクターの各機関がフリーズしたままでいることはできません。コミュニティは、AI が社会にもたらすより効果的で効率的なサービスに値するものですし、パブリックセクターの職員皆さまは、その使命を遂行するための最も効果的で効率的なツールを活用するに値します。先進的なリーダーたちは、国民にとって有益な方法でこれらのテクノロジーと関わりを持ち、それらの関わりを通して、社会の利益のために AI の力を理解し、活用していくことを学ぶことでしょう。

人工知能がパブリックセクターをサポートする方法

先進的な AI はパブリックセクターに多くの影響を与えますが、ここでは検討すべき関連分野をいくつか紹介します:

①市民サービス

生成 AI は、政府およびパブリックセクター組織が、よくある質問への回答、入力に基づくサービスの推奨、さらには簡単な取引の処理など、「情報アシスタント」として機能することにより、政府をより身近で時間のかからないものにする、充実したサービス体験を提供できるようにします。

多くの政府がすでにチャットボットの実験を行い、COVID ワクチン接種に関する簡単な質問への回答、納税時の手続きのサポート、よくある問い合わせ (FAQ) への回答──などを提供しています。 Generative AI は、チャットボットが、より高度で複雑な資料よりも、よりオープンな領域の質問に対応できるようにし、いつでもどこからでも幅広い質問に迅速に対応できるようにするなど、市民のアクセシビリティを高めると同時に、政府の効率を高め、行政負担を軽減することに効力を発揮します。

市民は、自分の現在の状況を説明し、これまで知らなかったサービスの選択肢を発見することもできます。また、これらのツールにより、パブリックセクターの職員は、一般的な質問への対応など、ありふれた反復的な業務に縛られることなく、戦略的なプロジェクトに集中することができるようになります。

②組織内部の効率化

行政は、公務員・公的機関の職員皆さま自身にとっても、複雑なものです! イントラネットや公的な資料を直感的に検索し、チャットでやりとりできる機能を公務員に提供することで、新入職員の受け入れやオンボーディングが容易になり、サイロの解消や部門間の効率が上がり、管理負担を最小限に抑えることができます。この機能により、公共機関の職員は本来のミッションにおける優先事項へと集中することができ、燃え尽き症候群を減らし、より少ない労力でより多くのことをこなす (do more with less) ことができるようになります。

③ディープデータ

大規模な言語モデルは、これまで別々に手作業で分析されていた膨大なデータを交差させた分析・インサイト導出に取り組むことができます。AI に簡単な指示を与えるだけで、トピックやドメイン間の典型的なつながりや予想外のつながりが得られ、分析プロセスに拍車をかけることもできます。

膨大な量のメディア報道や一般市民の声を、洞察に満ちた簡潔な要約としてわずか数秒で生成することができます。生成 AI は、従来の常識に客観的に挑戦し、著者・作業者のバイアスによって暗黙のうちに選別されていたかもしれない新しい角度、疑問、反論を提起するのに役立ちます。このアプローチは、最終的に、より強く、より包括的なアウトプットを生み出します。

④創作活動の補助 (クリエイティブ・エイド):

もう、著作者・作家によるブロックはありません! 生成 AI は、要約、アウトライン、スピーチ、簡単な通信文、メモ、よくある質問、ホワイトペーパー、市民ガイドなどの初稿・草稿を作成するのに役立ちます。公式なコミュニケーションを発出する際にはもちろん、正確性を確認し、人間の「声」を適用し、情報が完全で誤解を招くものでないことを確認するために、常に人間がレビューのループに入る必要がありますが、クリエイティブ・ライティングの「補助」としての生成 AI は、プロセスを劇的に加速させ、一般的なライティング タスクを完了させるまでの時間を短縮しながら創造性を加速する火付け役となることができます。

上記に挙げたような、市民サービスの向上、効率化、データの管理と分析の改善、そして創造的な補助としての役割を果たすことで、生成 AI は、より効果的で包括的、かつ応答性の高い政府機関・公共機関の実現に貢献することができるのです。

また、パブリックセクターの職員皆さまにとっても、より効率的で生産性の高い、やりがいのある職場環境を実現することができます。各国の政府機関は、AI を業務に活用することの意味を慎重に検討し、技術が倫理的かつ責任を持って使用されるように適切な措置を講じる必要があります。今こそ、パブリックセクターの組織は、生成的な AI 機能の活用と採用を開始する時であり、関与と実験を推進する立場からそうすることができ、そうすべきです。

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おわりに:パブリックセクターチームでは、生成AIの導入をご支援

対話型 AI・生成 AI (生成 AI) の急速な普及を受け、各国政府・公共機関 (パブリックセクター) では、これらの最先端技術が導入されはじめています。(マイクロソフトの生成 AI サービスについては、上記の「Learn More」もご覧ください)

今回のブログでは、マイクロソフトが政府・公共機関向けに発表した公式アナウンスである「Generative AI and Public Sector」(英語) の翻訳をお届けしました。
日本マイクロソフトでは、中央省庁様・地方自治体様をはじめとするパブリックセクター各機関のお客様からの①具体的なユースケース、②実証の手法に関するお問い合わせやご相談をお待ちしております。