医療機関の働き方改革をデジタルコミュニケーションで促進する
本ブログの内容は、以下リンクにて動画でご紹介しております。
もしご興味のある方は動画をご視聴ください。
第一回 医療機関向けWebinar 院内コミュニケーションの概要と変遷 (microsoft.com)
Executive Summary
- 医療機関のデジタルトランスフォーメーションを実現することで、医療サービスの満足度向上と医療従事者の働きやすさを実現できます
- デジタルコミュニケーションを取り入れることで、従来の方法より柔軟なやり取りを実現し、密な連携が必要なチーム医療を強力にサポートします
- デジタルデータの活用により、医療現場の業務を効率化し多忙な医療従事者の業務負荷軽減できます。
1. 医療機関におけるデジタルトランスフォーメーションの重要性
医療機関におけるデジタルトランスフォーメーションはますます重要性を増しています。
デジタルトランスフォーメーションとは、「企業が外部エコシステム(顧客、市場)の破壊的な変化に対応しつつ、内部エコシステム(組織、文化、従業員)の変革を牽引しながら、第 3 のプラットフォーム(クラウド、モビリティ、ビッグデータ/アナリティクス、ソーシャル技術)を利用して、新しい製品やサービス、新しいビジネス・モデルを通して、ネットとリアルの両面での顧客エクスペリエンスの変革を図ることで価値を創出し、競争上の優位性を確立すること」[1]です。
医療の現場において、上記デジタルトランスフォーメーションの定義を読み変えると、「デジタルの技術を使って医療サービスを充実化、効率化し、患者様により良い医療サービスを届け、満足度を高めること」といった解釈ができると考えます。
デジタル化を推進することで、業務で得られた情報を価値あるデータとして組織に蓄積することができます。経営判断の材料にすることや、病院運営の管理数値としても使用できるため、継続的な改善が取り組みやすくなり、サービスの品質を向上させることに結び付きます。AI や IoT 技術などを取り入れることで、新たな医療サービスの価値創造をできるようになり、患者様に対してより良い医療サービスを提供することにも繋がると考えております。
また、デジタルトランスフォーメーションは患者様にとっての満足度を向上させるだけでなく、医療従事者にとっても、業務の半自動化や意思伝達、ドキュメント参照のスピード向上など様々な価値を生みし、医療機関における喫緊の課題である医療従事者の働き方改革への貢献も非常に大きなものになるのではないでしょうか。業務負荷の温床となっている事務作業等を削減することで、新しい医療サービスの創造や医療スタッフ個々のスキルアップのための時間をつくることができ、医療現場の働く環境を改善することができます。様々な業務のタスクシフトが求められる中、医療そのものに関わる業務以外を AI や IoT にタスクシフトすることも働き方改革の一つの解決策になるのではと考えております。
医療機関への求職者もデジタル化がされている職場かどうかを一つの判断基準にしており、働きやすさが重視される昨今の現状で、今後もそのトレンドは強くなっていく可能性があり、本ブログが働く環境について考え直すきっかけとなっていただけたら幸いです。
2. デジタルトランスフォーメーションの手始めとして、デジタルコミュニケーションから始める
医療の現場におけるデジタルトランスフォーメーションを進めていくうえで、取り組みやすく、かつ導入後の効果がわかりやすい領域として、デジタルコミュニケーションが挙げられます。デジタルコミュニケーションが、医師、看護師、医療スタッフ間での情報共有とコラボレーションを容易にし、電子カルテのメッセージ機能だけでは実現しづらかったチーム間での情報共有をより強固なものとします。
また、アナログな場で共有されていた知見をデジタルな場に置き換えることで、医療の業務で得られた知見をデータとして組織に蓄積することができます。今まで個人に依存していた業務知識を組織で共有することができるため、患者様に届けるサービスの質も高めることができ、業務の効率化にも直結します。
もう一つの効果として、時間と場所の制約を克服することができます。医師や看護師などのスタッフが、モバイルデバイスやデスクトップ PC を使用して、即時性のあるリアルタイムコミュニケーションできることにより、必要な情報の共有や連絡が行えます。対面でのやりとりがすぐに行えない場合や緊急の場合、災害時にも迅速なコミュニケーションと対応が可能になります。
コミュニケーションスタイルから変えていくことはスマートな医療 DX を目指すうえで重要な第一歩と考えることができます。
3. 医療スタッフ間でのドキュメント共有
医療機関においては医療チームをはじめ、各種委員会やワーキンググループなど多岐にわたるチームが構成されています。チーム内でのコミュニケーションが重要であることは勿論のこと、メッセージング機能と一緒にドキュメントも管理できる適切なやり取りができるツールが重要になります。Microsoft では、セキュリティやプライバシーに考慮した、柔軟なコミュニケーションが可能な Microsoft Teams を提供しております。豊富なメッセージ機能と併せてパワーポイントや PDF、動画の共有も一つのツール上で実現できるため、モバイルデバイス上で手戻りなく業務に関連するやり取りを実現することができます。
4. 病床管理など実際の医療機関における業務をデジタル化して効率化する
Microsoft Teamsでは、スタッフ間でのデジタルなコミュニケーションを実現したうえで、デジタル化できる事務業務をプラットフォーム上で実現し、効率化することができます。実際に Microsoft Teams が採用され、柔軟なデジタルコミュニケーションが行える医療機関では、病床数の管理や医療現場でのミーティングの議事録管理などに応用され、各医療現場のニーズに合わせてアプリケーションをご活用いただいています[2]。このような現場の困りごとに直結するようなアプリケーションは医療従事者の作業負担を軽減し、本来業務である患者様への医療サービス向上に注力することができるようになります。口頭や紙媒体での情報伝達、電子カルテのメッセージでのやり取りでは、やり取りする場所やアクセスが制限されており、リアルタイムでの情報伝達が難しかったのに対して、誰もがセキュアにアクセスでき、柔軟なコミュニケーションが行えるプラットフォーム上で、包括的に医療現場における業務を無駄なく遂行することができます
5. 教育と研修のサポート
デジタルコミュニケーションができる環境では、医療従事者の継続教育に関する課題に対してもアプローチできます。既に紙として保存されているファイルは PDF 等にデジタル化しドキュメントとして管理することにより、ペーパーレスにして効率的なファイル参照が可能となります。また、研究論文も一緒に管理することにより、体系的な研修プログラムを構築することができ、組織の学習を促進することができます。
組織内で開かれるセミナーに関しては、参加者は場所にとらわれずに参加できるため、セミナーへの参加者を増やすことができます。当日参加できなかった人には録画した動画を配布することにより、広範囲に情報を伝達することができます。
6. 最後に
将来的に、医療機関においてデジタルトランスフォーメーションを進めることは不可欠であり、デジタルコミュニケーションを始めとするデジタル化の取り組みによって、医療サービスの品質向上や医療従事者の働きやすさが実現されます[3]。
Microsoft Teams はチーム医療を実現するデジタルプラットフォームとして使用できますので、是非一度体感してみてください。
医療機関におけるデジタルトランスフォーメーションを Microsoft は協力させていただきますので、担当営業までご連絡ください。
7. 製品
8. 参考文献
[1] IDC Japan 株式会社 – 用語解説一覧
[2] Microsoft Customer Story-現場の声から「病床管理システム」を独自開発。Microsoft Teams を基盤に看護師長主導で病床運営を効率化
[3] Microsoft Customer Story-病院の職員が Microsoft Power Apps で業務アプリを内製開発。 市民開発プロジェクトで現場のDX を推進