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オープンな産業用 IoT エコシステムを構築する

Microsoft Industry Blog

※本ブログは、米国時間 2019 年 7 月 29 日に公開された “Creating an open industrial IoT ecosystem” の抄訳 (しょうやく) です。

 

全体効率ダッシュボードに、予測メンテナンスに、資産の監視。デジタル化に伴って新たに誕生する各種ビジネス。オートメーション企業や、機械メーカー、製造業者は、こうした産業用 IoT (IIoT) の機能を活かして、業務効率を最大限まで引き上げようとしています。

しかし、これらのイノベーションを利用するには、システムやソリューションの種類を問わず、データをマシンからクラウドへとシームレスに移動できなければなりません。その障害となっているのが、閉鎖的な各社独自のデータ サイロです。ほとんどの場合、生産ラインで使われている機器の型式や製造年は多岐にわたります。そのため、製造業者には、従来の設備をつなぎ、多種多様なデータを理解するためのソリューションが必要です。

昨今、相互運用性と連携に基づく、これまでにないオープンな企業文化への転換が見られるようになり、製造業で当たり前になっていた各社独自のデータ モデルやインターフェイスから、オープンな相互運用性標準やオープンなデータ モデルへの移行が進んでいます。これにより企業では、個々のマシンや工場全体、あるいは全社のデータを把握できるようになりつつあります。

 

製造システムのオープン化を後押し

マイクロソフトでは、オープン化の効果を信じるだけでなく、異なりながらも関連する 4 つの手段でオープン化を後押しします。

 

Azure-IIoT

 

  1. オープン プラットフォーム。Azure では、お客様に使いたいものを決めていただきます。つまり、お客様がインフラストラクチャ、アプリケーション、サービスを自由に組み合わせることができます。マイクロソフトからは、セキュリティ、スケーラビリティ、パフォーマンスをサポートする参照アーキテクチャとユース ケースをご紹介しますが、主導権はお客様にあります。
  2. オープン ソース。マイクロソフトの IIoT サービスはすべてオープン ソースのため、OS に依存しません。だれもが使用できるように GitHub で公開すると共に、MIT のオープン ソース ライセンスを利用して、お客様が独自の製品にそれらのサービスを容易に取り入れられるようにしていますが、当社はサポートに対応し、そのサービス品質に責任を持っています。
  3. オープン スタンダード。オープンな通信形式やプロトコルによって障害を取り除くことができます。マイクロソフトは、お客様がデータへのアクセスに時間を費やすのではなく、データに基づいてイノベーションを起こすことに集中できるようにしたいと考えています。各社独自のシステムへのデータ アクセスでクラス最高の技術を誇り、データをオープン スタンダードに変換します。
  4. オープン データ モデル。どれだけデータを容易に分析できるかは、データ モデルにかかっています。マイクロソフトは、オープン スタンダートを使って各社独自のデータ モデルを正規化するために開発したソリューションによって、お客様の分析パイプラインを簡素化します。また、Azure にデータを送信されても、データはお客様のものです。マイクロソフトは、簡単にデータを保存できるようするだけでなく、同様の手軽さでデータを取り出せるようにします。もちろんそれは、同時にお客様のデータをセキュリティで保護するということでもあります (これは、IoT のサイバー セキュリティに対するマイクロソフトの重点取り組みによるものです)。

 

お客様はこのようなメリットを得ることができます。たとえば、Azure IoT を採用した食品加工機器メーカーの Bühler グループでは、従業員が機器のパフォーマンスを監視し、正確に記録できるようにしています。OPC UA の相互運用性によって、サプライ チェーンの透明性を高め、食品メーカーに役立つ新たな可視化の手段を開発しています。「データをリアルタイムで確認できるようにすることで、お客様に各々のプロセスに対するかつてない透明性を提供します」と、Bühler グループのデジタル責任者である Stuart Bashford 氏は言います。「これにより、生産ラインでのアクションに必要な情報をもたらす有益な洞察が得られるようにしています」

 

相互運用性によって製造企業の発展を促進

相互運用性は IIoT の基盤となります。マシンから収集されたデータを比較できなければ、機械学習を利用するどころか分析さえできません。Open Platform Communications Unified Architecture (OPC UA) で、相互運用性を簡素化し、メーカーはいち早く資産をスマート ファクトリーへと変換することが可能になります

OPC UA は、産業オートメーション用デバイスやシステムの相互運用性、セキュリティ、データ正規化を促進するものです。1994 年以来、マイクロソフトは OPC Foundation と連携して、相互運用性への道を切り開くべく、さまざまな業界の標準化団体へ働きかけを行ってきました。

その活動には、Azure IoT や Windows 10 IoT をはじめとする各種 IoT オファリングでの OPC UA に対するマイクロソフトのサポートも含まれます。さらに、OPC Foundation の GitHub 上のオープン ソースに.NET Standard 参照スタックを提供したことにより、マイクロソフトは 10 倍の規模で OPC Foundation への最大のオープン ソース提供者となりました。

OPC UA への対応を提案しているとはいえ、マイクロソフトのオープン ソース アプローチの目指すところは、だれにもその使用が要求されないようにすることです。オープン化に向けた当社の取り組みによって、お客様に選択の自由を提供します。お客様がビジネス ニーズに合わせてツール、テクノロジ、ソリューションを採用する傍らで、マイクロソフトはお客様のイノベーションを支えるプラットフォームを提供します。

たとえば、収集される新たなデータをすべて利用できる有益なものに変える上で、コラボレーションのさらなるポイントとなるのが Common Data Model です。このモデルによって、多様なアプリでのデータの利用、アプリ開発の簡素化、レポートの容易な作成が可能になります。その結果、データ インテグレーターがアプリごとに異なるデータ モデルを作成する必要がなくなります。

 

工場の最新化を容易に

古いマシンに最新の標準を採用するにはどうすればよいでしょうか。そんな場合には、マイクロソフトのパートナー ネットワーク (しかも、業界最大規模) の出番です。当社のパートナーが提供するソリューションは、お客様独自のデータ モデルを OPC UA のオープンなデータ モデルに対応付けます。

これらのパートナー ソリューションにより、マシンのデータを最もよく理解しているマシン オペレーターに近いエッジでデータが標準化されます。その後、データはクラウドへと送信され、マイクロソフトのソフトウェアと機械学習による一連の大規模ソリューションによって詳細な分析が行われます。Azure では、多数の生産現場のデータを世界中から共通の画面で分析できます。

 

今後の展望

当社は、これらのトレンドをすべてオープンなエコシステムに統合しようとしています。2019 年 4 月には、Open Manufacturing Platform (OMP) を発表しました。Azure Industrial IoT クラウド プラットフォーム上に構築された OMP は、組織間のコラボレーション フレームワークだけでなく、オープン ソースの、標準に基づく参照アーキテクチャやデータ ストアも備えています。OMP に採用された参照アーキテクチャによって、企業は展開を劇的に加速できます。これにより、コラボレーション、分析、機械学習といった複数のユース ケースを、1 つのデータ レイヤーに展開することが可能になります。このプラットフォームに提供されるイノベーションによって、だれにとってもその有用性が高まり、インダストリー 4.0 がさらに加速するでしょう。また、データや知的財産を保護しながら、安全にコラボレーションを進めることができるオープン フレームワークも実現します。

OMP は、プラットフォーム、データ、データ モデルだけでなく、アプリケーション自体にまでオープン化を広げます。IoT イノベーションが産業界の企業のみならず、あらゆる業界に変革をもたらす未来が見えています。それこそがオープン化の力です。

 

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