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ポスト コロナに向けたサプライチェーン構築、課題はデジタル化によるプラットフォーム強化

倉庫で在庫確認を行う男性

新型コロナウイルス感染症の世界的な流行によって、製造業に携わる多くの企業がサプライチェーンに大きな打撃を受けました。こうした企業を中心に、サプライチェーンの強化に乗り出す機運が高まっています。ここで課題としてクローズアップされているのが、事業環境の変化や想定外の問題に速やかに対応できる「柔軟性」と、被害を受けても短期間で回復する「復元力」を備えたサプライチェーン、いわゆる「レジリエントなサプライチェーン」を構築することです。それを実現するために欠かせない重要なポイントは、サプライチェーンを巡る大量の情報 (データ) を一元的に活用できる、インテリジェントな基盤を構築することです。ここでは、製造業のサプライチェーンが直面している課題を整理しながら、サプライチェーンのインテリジェント化に向けてマイクロソフトが展開している具体的なソリューションとその事例を紹介します。

新型ウイルスによる感染症の世界的な拡大という予期していなかった事態は、日本の産業界に様々な被害をもたらしました。その中でも特に大きくクローズアップされた問題の 1 つがサプライチェーンの機能不全です。感染拡大防止のために世界各国間や国内において人の移動が制限されたことで、部品や材料の生産や物流が停止。これによって産業活動を支えているサプライチェーンの一連の流れが分断されて正常に機能しなくなり、多くの企業が事業計画を見直さざるを得なくなりました。

 

ストックヤード

こうした事態を収拾するために、部品・部材の調達先変更や、代替品の検討など様々な対策を急ぐ一方で、根本的な解決に向けてサプライチェーンの仕組みを強化し、自然災害などサプライチェーンの機能を脅かすリスクや不確実性に対する耐性や回復能力を一段と高める取り組みを始める動きが製造業に関わる企業の間で出てきました。

この背景には、今回のコロナ禍がサプライチェーンに対して引き起こした事態が、企業にとって想定以上に厳しかったことがあるのではないでしょうか。東日本大震災 (2011 年) や熊本地震 (2016 年)、多くの日本企業が進出していたタイで発生した洪水 (2011 年) など、近年の大きな自然災害に遭遇したことで、BCP (Business Continuity Planning、事業継続計画) を整備した企業は多いと思います。その中で、ほとんどの企業がサプライチェーンで発生する問題についての対応も織り込んだはずです。ただし、今回のコロナ禍では、従来よりも難しい事態が発生しました。1 つは、新型ウイルスの感染拡大とともに、サプライチェーンで発生する問題が刻々と変化したことです。従来の自然災害の際には、問題となったポイントは決まっていました。さらに、市場の動きも止まってしまったことが企業にとって一段と事態を深刻にしました。つまり、サプライチェーンを超えて商流全体の動きが止まってしまいました。こうした、より複雑な問題に実際に直面した以上、企業がサプライチェーンの強化に取り組まざるを得えないと考えるのは当然でしょう。

もっともコロナ禍はあくまで 1 つのキッカケに過ぎず、もともとサプライチェーンの仕組みを強化することは、製造業に携わる企業の多くが従来抱えていた課題だったとも言えます。国内だけでなく海外でビジネスを展開し、グローバルなサプライチェーンを構築している企業が増えたからです。これにともなって、サプライチェーンが大規模化すると同時に、モノや情報の流れが複雑化しています。しかも、世界経済に大きな影響を与えかねない国際問題が次々と浮上しており、世界情勢の不確実性が高まってきました。グローバルな規模で安定したサプライチェーンを構築することは難しくなる一方です。こうした状況に対応するために、サプライチェーンに関する大きな改革の必要性を感じている企業は少なくないのではないでしょうか。

 

生産現場で在庫管理を行う女性

クラウドをベースにしたシステム構築は必須

このような状況に対応できる強力なサプライチェーンを構築し、市場における競争力を維持するために、製造業のサプライチェーンに関して企業が、取り組むべき課題は大きく 3 つあるとマイクロソフトは考えています。第一は、サプライチェーン全体の動きを可視化して、サプライチェーンのどこで何か発生しているかを迅速かつ的確に把握できる仕組みを設けることです。第二は、発生した問題や関連する情報を、関係部門や関係者の間で素早く正確に共有できるようにすること。第三は、人の動きが制限された場合でも、場所を問わず担当者が問題やリスクに対応できるようにリモートワーク環境を構築することです。今回のコロナ禍によって、リモートワークを導入する動きが産業界に一気に広がりました。もはや、リモートワークへの対応は必須といえるでしょう。

これら 3 つの課題を最も合理的な形で解決するうえで欠かせないのは、言うまでもなくICT (情報通信技術) とデジタル化の取り組みです。設計・開発、購買、製造 (加工/組み立て)、物流 (配送)、サポートなど、サプライチェーンを構成する様々な工程からデータを収集し、情報システムで一元管理することで、サプライチェーン全体の状況を迅速かつ的確に把握し、速やかに問題解決に向けたアクションを始めることができます。情報ネットワークを介して部門間で効率よく情報を共有することも可能で、リモートワークの環境でもその情報を活用できるようになります。また国や地域の枠を超えた広範囲からデータを収集する必要があることや、膨大な量のデータを扱うことから、サプライチェーンを管理する一連の仕組みは、クラウド上に設けることが前提になるでしょう。

こうした仕組みを構築することは、製造業全体の大きなトレンドである DX (デジタル トランスフォーメーション) の実現に向けた取り組みにほかなりません。マイクロソフトは、パートナー企業と連携しながらサプライチェーンの強化に向けた一貫したソリューションを提供しています。それを導入し、すでにサプライチェーンの改革を進めている企業もあります。この記事の後半では、マイクロソフトが展開している具体的なソリューションと、そのソリューションを導入した企業の事例を紹介します。

(監修: 日経BP 総合研究所 クリーンテックラボ)

 

この投稿は前後編です。
後編加速するサプライチェーンの「インテリジェント化」、データ活用の成果は着実に形に

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