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【インタビュー】AIはヒトの仕事を奪うのか?ディープラーニングの活用で最強のパートナーが手に入る

※ この記事は 2017年05月19日に DX LEADERS に掲載されたものです。

2017年現在は、第三次AIブームといわれ、ビジネスにおけるAIの利用が加速している。自動運転、IoT、広告のレコメンドなどを通して多様な産業分野で活用されているのはもちろん、マイクロソフトが開発した女子高生ボットのりんななど、若者層に対しても意識せずともAIが身近になってきている。一方で、2014年、オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン氏は、「人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる」と予測をし、現在に至るまで様々なメディアで話題となっている。

ただ、AIには明確な定義がなされておらず、人によってとらえ方も違う。今回は、AI開発の歴史的な背景と、ビジネスへの活用の仕方について、ストックマーク株式会社CTO 有馬 幸介氏に伺った。ストックマーク株式会社は、東京大学での人工知能アルゴリズム研究をベースとして、先端的なAIアルゴリズムを活用したサービスを開発し、創業2年ながら複数の大手企業をクライアントに持つ気鋭のAIベンチャーである。有馬氏は、東京大学大学院情報理工学系研究科修士課程を卒業後、大手SIerに入社し、2000人月規模の会計業務システム開発などにてチームマネージャーとして従事、大手企業に各種AI関連サービスを提案してきた経験を持つ。その後、同社の創業に参画し、テクノロジーとビジネスソリューションの融合を得意とするAIエンジニアとして活躍している。

第三次AIブームをもたらしたディープラーニングも、基本的な発想自体は1980年代からあった

AIについて、あえて定義づけをするとすれば、「人間が知能を使って遂行していることを機械で再現するための技術」である。

「AIにはブームが何度かありましたが、歴史的に紐解くと、探索アルゴリズムを活用した手法が始まりです。コンピュータのチェスであれば、盤上の打ち手のパターンを取得しておいて、この手が来たら、優位になる手はこれだ、という形で勝負をしていきます。」(有馬氏)

この探索の基本的な考え方は、可能性のあるパターンを先読みし、最終的に最もよくなる状態の手を選択していくことである。コンピュータチェスでは1996年にコンピュータがチェス世界チャンピオンに勝ったことが当時は話題となった。

次にルールベースと呼ばれる手法が発達。コンピュータが誕生して以来、プログラムの基本的な動作である条件分岐を活用した応答システムなどが開発されるようになった。

「条件分岐による簡単な応答システムは、この質問をされたら、こう答えるといった回答パターンをロジックとして書いておきます。たとえば、業務システムの応答システムで、法改正などがあり、ルールが変更される場合はもう一度ルールのロジックを見直す必要が出てきます。」(有馬氏)

ルールベースの場合、コンピュータが判断するためのルールはヒトが与え続けなければならない。また、膨大なルールのロジックをプログラム内で記述するとなると、ソースの量も非常に多くなってしまい、保守コストも大きい。そこでさらに発達したのが機械学習だ。

「機械学習を用いると、データを学習させれば、ルールも自分で判断できるようになりました。学習のさせ方は、正解データを提示し、自分で特徴を理解して分類できるようになるというものになります。データを読み込みさえすれば、分類が可能で、人間に代わってルールを見つけ出して判断します。わかりやすい例だと、迷惑メールのフィルタでしょうか。ルールベースで行うと、人間が予め与えた迷惑メールにありがちな文言だけで判断されてしまいます。機械学習になると、単語だけで判定せず、機械が大量の学習データから理解した特徴を用いて判断を行うので、より精度が高い分類が可能になります。」(有馬氏)

ビッグデータの進化が、ディープラーニングの発達に貢献した

そして、より人間の思考に近づき、最近ブレイクスルーを起こしたのが、機械学習の手法の一つであるディープラーニングである。

「人間の神経回路を模している、ニューラルネットワークと言われるアルゴリズムがベースとなっています。たとえば人間のこどもが猫の画像を見て、猫と認識するには、猫をたくさん見せて覚えこませる必要がある。そうすると、人間は無意識のうちに“耳がとがっている”、”目が大きい”、”毛がある”、”ひげが生えている”などの特徴を見つけ出して猫と判断するわけです。ディープラーニングでも、人間の神経回路に相当する中間層と言われる部分が、”耳が大きい”などの特徴をあぶり出し、その特徴により合致したものを猫としています。」(有馬氏)

ストックマーク株式会社 CTO 有馬 幸介氏

ニューラルネットワークは、入力(上記の例だと猫の画像を見せる)と出力(猫と判断する)間のネットワークをトレーニングするためにたくさんの処理が走っており、膨大な計算を行っている。発想の骨子自体は数十年前からあったとのことだが、この計算量に耐えうるコンピュータは数十年前ではなかったため、計算も遅く結果が出るまでに時間がかかる、あるいは計算がそもそも終わらないという状況が続いていた。

しかし、着実なアルゴリズムの改善が積み重ねられた上で、最近ではコンピュータの性能も上がり、データも蓄積されていることから、認識力も高く、計算も早い、間違えたデータを渡さない限りは、一度覚えたデータは忘れない、ということでビジネスにも使えるものとなっていった。

業務での適用例についても、有馬氏は以下のように語っている。

「ルールを明示的に与えなくても判断できるようになる、というのはディープラーニングの強みですね。そのためには正解データも必要となります。業務の中では、例えば、採用の時のエントリーシート選考には使えるかもしれません。新卒採用が多い企業であれば数千、数万のエントリーシートに目を通さないといけないかと思いますが、過去の通過したエントリーシートの生データごと、ディープラーニングのシステムに入れてしまえば、AIが勝手に判断して合否を決めてくれるようにすることもできると思います。」(有馬氏)

こういう形で、データがある何かを判断しているところに関してはディープラーニングとの相性はよいと言える。逆に、対人的な接客や営業の商談などに関しては、ヒトの表情や状況を読んで、ヒトが判断して対応しているためデータが取りづらく、現時点ではAI技術の適用にはあまり向かない、と有馬氏。

AIに学習させるデータは質のいいデータであることが大事だ。悪意を持って正解データとされるものに間違ったデータを学習させてしまうと、AIの精度はどんどん悪くなってしまう。また、データは社内に限らず、オープンな環境からも大量に取ることができるようになっている。

「AIを搭載したパッケージサービスはいろいろありますが、基本的な提供メニューはある程度共通していると思います。ただ、ソリューションごとに得意な部分はあるので、そこを見極めての導入が必要となります。あとは予算と達成目標を明確にすることですね。」(有馬氏)

AIを導入するとなると、どのツールで、どういった体制を組んで導入するか、という検討が必要になってくるであろう。

Azure Machine LearningやIBMのWatsonなど最近は製品のバリエーションも増えてきている。自社がどのような業務を行うかによって、製品を使うべきなのか、或いは開発者とデータサイエンティストがOSSなどを駆使して今までにないような新しいモノを作っていくかは、AIを活用して達成したいことや、社内のリソースと相談しながら進めていく必要がある。時には実証実験なども行う必要があるだろう。

また、これだけAIが話題となっていると、AIにかかれば何でもできるという幻想を抱いてしまう可能性もある。ファーストステップとしては、先の例に挙げたエントリーシートの選考のサポートなど、蓄積されたデータがある確実な業務領域から適用を検討していくとよいだろう。社内の業務で、判断が必要かつ、データが存在しているものを洗い出すと、AI化できそうな業務はいくつか見えてくるのではないだろうか。

AIは脅威ではなく、新たな価値観を生み出すためのソリューション

「これまでも、バックオフィスの業務はITの力で自動化されていましたが、AIが入ったことによって、ルールが明確化されている定型的な業務だけでなく、ある程度判断を伴う業務も自動化できるようになりました。ミドルオフィスや総合職の若手がやっていたような業務(たとえば議事録作成、会議スケジュール室の調整・設定など)もこれからは自動化できます。最近は、サービスの価格も昔よりは安くなっているので、総合職の若手に労務費を払って対応してもらうよりも、サービスを導入したほうが安価になる業務も増えつつあります。そのために、人がやらなくてもいい作業のレイヤが上がっていくのです。」(有馬氏)

こうなると、ヒトは何を行えばよいのだろうか。これからの時代は、ヒトはより、抽象的な判断を求められるようになるのだという。AIは、データがない・前例がないところの作業は苦手とする。つまり、正解データがないところはヒトが知恵を絞りださないといけない。ヒトはより、創作的・クリエイティブなところに集中できるようになるはずだ。

同社のAnewsは、AIを活用して「組織の知」を機械学習し、企業のビジネスに直結したニュースを配信する新しいナレッジシェアサービスである。これまではミドルオフィスの若手や広報部門などが自社のビジネスに役立ちそうな記事を人力で選んでいたところを、AIが代わって記事をピックアップしている。ミドルオフィスの作業を効率化している好例といえるだろう。
 

さらに今後の展開について、有馬氏はこうも語っている。

「今後、AIによって人間の判断が必要だった業務が徐々に自動化されていきます。そうするとビジネスにおける生産性も上がっていくでしょう。少し先の未来になると思いますが、ゆくゆくは、人間が最低限食べるに足りるレベルならば、AIだけで稼げてしまうかもしれません。そうなるとAIによって世の中の人々の働き方に対する意識は大きく変革するので、経済合理性に適ったものとは違う価値観を提示できた人に価値が出てくるのではないでしょうか。なんとなく会社に来て仕事をする、というのもなくなるかもしれません。」(有馬氏)

かつて、ITがビジネスに活用されたとき、ビジネスのスピードは急激に上がった。キーパンチャーや電話交換手という仕事があったが、今はそういった仕事はなくなっている。一方で、ITエンジニアをはじめとした仕事は急激に求人も伸び、人手不足といわれる事態にもなっている。冒頭で触れたとおり、AIの進化によってなくなる仕事があると予測はされているが、逆に新たに生まれる仕事もあるはずだ。次世代のリーダーは、この変化の時、新しい価値を見出すことが必要になってくるであろう。また、企業で働くビジネスパーソンたちは、AIによって浮いた時間をどう社員に有効活用させるか、というのもキーとなってくる。労働時間を減らすのか、自己研鑽に充てる時間を増やし、新しいことを創造する時間を増やしていくのか―。

AIを単なる業務効率化のためのツールや、ヒトの仕事を失くす脅威としてではなく、新しいビジネスや価値観を生み出すきっかけとして、よりビジネスを加速させるために活用していきたい。

取材・文:池田 優里

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