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業界

メディア業界の変革を支援する日本マイクロソフト

サブスクリプション型の動画配信サービスやネット ネイティブなニュース媒体が急速に普及している今、地上波テレビや新聞といった従来のメディアには、ビジネスモデルの再構築による収益構造の改革と、業務の効率化とよりクリエイティブな業務への集中による、さらなるコンテンツの付加価値向上が求められます。
そのためには、データ活用による DX の推進が不可欠です。本稿では、メディア業界の課題を分析しながら、日本マイクロソフトが提供する、メディア業界の変革を支援するためのさまざまなテクノロジーやソリューションをご紹介します。

■収益減と費用増、両面のリスクに直面するメディア業界

まずはメディア業界の現状を整理してみましょう。収益減少のリスクとして、既存の広告モデルからの収益の伸び悩みと、映像サブスクリプションサービスの台頭が挙げられます。一方、費用が増加するリスクとして、自分たちが投資して放送設備を構築し、かつ維持していかなければならない点が挙げられます。この費用は恒常的に必要とされるものなので、収益減少時にはますます負担が拡大してしまう構造になっています。

収益を向上させ、費用を削減するためには、いくつかの解決すべき課題が存在します。まず収益を向上させるには新たなチャネル、特にインターネットの活用によるリーチの拡大が必要です。また、インターネットの活用拡大に合わせて、データの分析などを通して視聴者が求めているコンテンツ消費体験を把握することが重要になります。

費用の削減については、まずはコンテンツ制作オペレーションの効率化が必要です。また、制作オペレーションだけでなく、周辺業務における申請や承認、知見の蓄積や活用といった部分で効率化や自動化が実現すれば、よりクリエイティブな業務にリソースを割けるようになり、消費者の期待に適うコンテンツづくりに繋がる好循環を生み出せるはずです。

■ニューノーマル下での新たなコンテンツ消費体験を協創

私たち日本マイクロソフトは、メディア業界の皆さまをサポートするためのいくつかのアセット (経営資源) を持っています。

一つ目は、「メディア業界に精通したパートナーエコシステム」です。私たちは、メディア業界に特化したソリューションを提供している多くのソフトウェア ベンダーとグローバルでの強力なパートナーシップを築いています。海外で築いたソリューションを日本で展開したい意向を持つベンダーと日本のメディア業界に精通した SIer を繋ぐことで、海外のソリューションを日本のワークフローに当てはめる支援を行うことが可能です。

二つ目のアセットは、「日本マイクロソフト自身の DX 経験」です。日本マイクロソフト自身もソフトウェアの会社からクラウドの会社に変革するため、また生産性を常に高め続けるために、これまで長年 DX に取り組んで来ました。お客様にサービスやツールを導入していただくだけではなく、試行錯誤も含む自分たちの DX 経験を反映した、トランスフォーメーションを実現するための制度設計や社内文化の醸成、テクノロジーをより活用しやすくするための体制づくりなども含めて、お客様の変革を支援いたします。

三つ目は「メディア業界に特化したテクノロジー/プラットフォーム/ソリューション」です。業務効率化や高付加価値化を支援するソリューション、映像の分析や音声認識に活用できる AI サービス、特に報道分野などで求められる世界最高レベルのセキュリティ・プライバシーなど、日本マイクロソフトが得意とするサービス分野での支援を行います。

これらのアセットによって、私たち日本マイクロソフトは「ニューノーマル下での新たなコンテンツ消費体験を協創するパートナー」として、メディア業界に貢献してまいります。

■DX推進を支えるデジタル フィードバック ループとは?

続いて、日本マイクロソフトが提唱している「デジタル フィードバック ループ」の概念についてご説明します。デジタル フィードバック ループは、「お客様とつながる」「社員にパワーを」「業務を最適化」「製品の改革」の 4 つの観点において業務をデジタル化して、収集されたデータをクラウド上で分析し、業務にフィードバックすることで生産性を高めていくという、 DX のあるべき姿を描いたフレームワークです。

私たちは、メディア業界においては先に挙げた 4 つの観点を「視聴者が求めるコンテンツ消費体験の把握」「クリエイティブな業務への集中」「制作オペレーションの効率化」「新たなチャネルの活用によるリーチ拡大」と定義しています。これらの領域で DX を実現することが、視聴者の求めるコンテンツ消費体験に、より高付加価値なコンテンツで応えることにつながっていくと考えています。

デジタル フィードバック ループを円滑に循環させるには、3 つのステップが必要です。まずは業務をデジタル化すること。次に、そこから得られたデータを統合・分析・可視化すること。そして最後のステップで分析結果のフィードバックを得て現場に還元していきます。すなわち、正しいフィードバックを得るためにはデータが正しく統合・分析・可視化される必要があり、その元となる正しいデータを得るためには現場業務のデジタル化が必要なのです。

■DX の民主化を実現する日本マイクロソフトの支援ソリューション

日本マイクロソフトでは、先述の 3 つのステップを着実にクリアするための支援ソリューションを、それぞれの支援範囲に合わせてご用意しています。

まず「データの統合・分析・可視化のためのソリューション・テクノロジー」として、データの収集から活用に至るまで End to End で支援できるクラウドサービスを提供しています。クラウド上に構築されたプラットフォームに、全ての工程に対応するツールが実装されており、ユーザーはワンストップで利用することが可能です。セキュリティや機能面においても常に進化を続けており、外部の調査でも、データ収集・蓄積・統合から活用に至る全ての工程におけるソリューションで高い評価を得ているのはマイクロソフトだけという結果も得ています。

続いて日本マイクロソフトが提供するのは「業務のデジタル化のためのソリューション・テクノロジー」です。こちらは実例でご説明します。 ある東北の地方放送局では、これまで局内の編集室に設置していた映像編集環境をマイクロソフトのクラウドサービス Microsoft Azure 上にも構築しました。この変革によって、例えば遠方でのロケなどでも現地から直接クラウドに素材をアップし、持参した普通のノート PC からクラウド上の編集環境にアクセスして映像編集を行えるようになりました。その結果、これまでは多人数の撮影チームが編集機材一式を持って現地入りしていたのが、最低限の人数とノート PC だけで現地入りできるようになりました。

こうした仕組みを活用することで、取材スタッフや編集スタッフといった人的コストを削減するとともに、必要な時に必要な分だけ使えるクラウドサービスの利点を生かして設備コストも削減。さらに、編集エンジニアのリソースを系列局間で融通し合ったり、クラウド上で編集した映像を編集データと共に系列局間でシェアしたりといった業務の効率化も視野に入ってきます。

さらにはクラウド上からインターネットメディアに映像を送出して、多チャンネル展開によるリーチの拡大に繋げたり、視聴動向の蓄積・分析によって視聴者に求められるコンテンツ作りに役立てたりといった使い方も可能になります。

この事例は放送局のワークフローの中でも映像の編集に関わる部分についてのものですが、日本マイクロソフトでは放送局のワークフローを End to End で支えるテクノロジーやソリューションをグローバルで用意して、お客様を支援しています。

また、日本マイクロソフトでは、「業務のデジタル化、データ利活用を推進するための体制構築・技術習得」の支援も行っています。

DX の失敗事例として多いのは、経営層からの指示に基づいてデータ活用の取り組みが始まり、 IT 部門が独自の判断でツールを導入、目的が不明確なままデータの収集を行ってしまうことで現場が混乱し、データ活用が浸透しないというケースです。データ活用による DX 推進の際には、現場起点で課題を抽出し、現場でデータを運用すること、すなわち現場の課題解決手段としてデータ活用を捉えることが重要なのです。

日本マイクロソフトは、費用、期間、作業負担の軽重など、さまざまなパターンに合わせた支援プログラムを用意するとともに、戦略的なフレームワークや基本的なクラウド アーキテクチャの提供、CCoE (Cloud Center of Excellence) と呼ばれる DX 推進のための組織づくりなどの支援を通して、現場の声を反映し、お客様自らでテクノロジーを活用した課題解決を推進していく「DX の民主化」に貢献してまいります。

以上のようなテクノロジー・ソリューションを通して、私たち日本マイクロソフトは、ニューノーマル下での新たなコンテンツ消費体験を協創するためのパートナーとして、生産性の向上や業務の効率化、新たなビジネス創出を支援してまいります。

ご相談も随時承りますので、どうぞ弊社担当営業に気軽にお問い合わせください。