モダンワークプレイス・インタビューシリーズ Archives - マイクロソフト業界別の記事 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/tag/modernworlplace-interview/ Tue, 27 Nov 2018 03:00:24 +0000 en-US hourly 1 最新のテクノロジー×革新的なオフィス空間で働く人々のクリエイティビティが加速【マイクロソフト×スチールケース特別対談】 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/microsoft-in-business/2018/11/27/steelcase-interview/ Tue, 27 Nov 2018 03:00:24 +0000 アメリカで創業され、以来100年以上の歴史を持つ、オフィス家具メーカーのグローバルリーダーであるスチールケース社の日本法人、日本スチールケース社のブランドン・ピーターズ氏と、日本マイクロソフト社の三上智子に、働く人々がクリエイティブな思考を発揮し、より良いコラボレーションを生み出し、より多くを達成できることを目指す、両社の協業について、話を聞いた。.

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※ この記事は 2018年03月09日に DX LEADERS に掲載されたものです。

【モダンワークプレイス・インタビューシリーズ】第4回

アメリカで創業以来100年以上の歴史を持つ、オフィス家具メーカーのグローバルリーダーであるスチールケース社は、家具やインテリア、テクノロジーなど多様な製品ポートフォリオの研究からデザイン、製造までを手がけ、「人」「場」「テクノロジー」を融合した最新のオフィス空間を提唱し続けている。

同社とマイクロソフト社は、働く人々がクリエイティブな思考を発揮し、より良いコラボレーションを生み出し、より多くを達成できることを目指して、オフィス空間デザインと最新のテクノロジーという両社の強みを生かす協業を行っている。両社が目指す個々のクリエイティビティ(創造性)を引き出すオフィス空間が、日本企業における働き方改革にどのように貢献できるのか。日本スチールケース社のブランドン・ピーターズ氏と、日本マイクロソフト社の三上智子氏にお話を伺った。

テクノロジーの進歩やダイバーシティがオフィス空間を変革する

──まず、どのような経緯で両社のパートナーシップが実現したのか、その経緯を教えていただけますか。
ピーターズ氏:以前、さまざまな企業のCEOが一堂に会するイベントがアメリカで開催されました。そこで出会ったマイクロソフトとスチールケースの両CEOが、両社の企業ミッション*には非常に近い想いがあると感じたのがきっかけです。私たちは、働く人たちの可能性を最大限に引き出すことを目指しています。マイクロソフトはテクノロジーを通じて、スチールケースは設備や空間デザインを通じて、その2社が手をつなぐことでお互いの強みをさらに生かせると考えたのです。

*両社の企業ミッションは以下のようなものとなっている
スチールケース:当社は世界の先進的企業と共に、「人」、「チーム」、「組織」の成果を向上させる働く「場」 づくりに取り組んでいます。(Steelcase helps leading organizations create places that unlock the promise of their people – places that inspire people to bring purpose to life. This is who we are. It’s also what we do.)
マイクロソフト:地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする。(Our mission is to empower every person and every organization on the planet to achieve more.)

──オフィス家具メーカーであるスチールケース社は、現在のオフィス環境に対してどのようなお考えをお持ちでしょうか。
ピーターズ氏:スチールケースは企業や技術、そして世界の変化に合わせて、常に進化してきました。最近では、変化のスピードはどんどん速くなっています。言うまでもなく、大きな変化をもたらしているのはテクノロジーの進歩です。かつては、個人の机なしでは仕事ができませんでしたが、モバイルPCやスマートフォンの普及により、今はオフィスワーカーも個人の机という場所から解放されました。仕事をする「人」の動きに合わせて、自由に働く場所を選択できるようになっています。

変化をもたらしたもう一つの要因は、若い世代が社会に出たことで職場の多様性が増したことです。こうした変化に対して、私たちは常に研究を進め、先進的な企業を効果的かつ創造的にサポートし続けるために、どのようなオフィス環境や空間が必要なのかについて考えてきました。
日本スチールケース社 ブランドン・ピーターズ氏

イノベーションを生み出す「クリエイティブ スペース」とは?

──その答えの一つが、スチールケース社とマイクロソフト社の協業なんですね。協業の内容について、具体的に教えてください。

ピーターズ氏:創造のプロセスを段階ごとにサポートする、5つのオフィス空間「クリエイティブ スペース」を共同開発しました。両社は、創造性を発揮する仕事は、これまでの典型的なプロセス重視型のオフィスワークとは大きく異なると考えています。私たちが持っていた重要な知見のひとつは、創造性を発揮する仕事には、チームが集まって新たなアイデアを生み出したり、ペアであったり個人が集中してアイデアを練り上げたりといったさまざまな場面があり、それらに対応したスペースが必要だということです。

また、マイクロソフトの Office 365クラウド サービスに対応した Surface Hub のような固定式のコラボレーションデバイス、 Surface Book や Surface Pro などのモバイルデバイスといったテクノロジーも必要です。これにより、アイデアをいつでもどこでも形にすることができます。空間のデザインが、人々がどれだけテクノロジーを使いこなせるかに、顕著な影響を与えることも分かったのです。

5つのクリエイティブ スペースのうち、東京・広尾にあるスチールケース ワークライフ東京には、メーカー・コモンズ、デュオ・スタジオ、レスパイト・ルームの3つが設置されています。グループ全員のコラボレーションや、小規模グループでのメンバー間の会話、個々の熟考や集中などのさまざまなタスクを迅速に切り替えることができるように設計されているため、私たちはこれらの空間を「エコシステム」と呼んでいます。クリエイティブ スペースを実際に使用すると、両社のコラボレーションの意義や、どのようにイノベーションが生まれるかを実感していただけると思います。

三上:最近では、働き方改革ということが広く言われるようになりました。マイクロソフトでもさまざまな取り組みをしてきましたが、従来はテレワークのようにオフィスの外でも働ける環境をどう提供するか、という分野に注力してきました。

ただ、働き方改革をさらに進めていくためにステップバックして考えてみると、オフィスで過ごす時間が長いことを無視するわけにはいきません。やはりより良いコラボレーションやアイデアを生み出す上で、フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションに優るものはなく、そこから生み出されるものの価値は計り知れないと私たちは考えています。ですから、オフィス空間をどう充実させるかの提案は私たちにとって非常に重要です。

日本マイクロソフト 三上智子

──働き方改革の進展に伴って、日本のオフィス環境はどのように変わっていくとお考えですか。

三上:日本で一般的なオフィス環境というと、今でも部屋に隙間なく机を並べて、そこでキーボードを打っているという会社を想起するのではないでしょうか。しかし、オフィス外で働く機会も増えており、また、部門の垣根を超えた意見交換やコラボレーションもより重要になっています。そうした新しい働き方に寄り添った空間のつくり方が発展していくことでしょう。

マイクロソフトでは、ホログラフィック・コンピューターとヘッドマウントディスプレイを組み合わせたミックスド・リアリティ(MR:複合現実)を実現しています。こういったテクノロジーがさらに進化することで、例えば遠距離とのコミュニケーションも、パソコンのディスプレイといったような自分と相手を隔てる物理的な障壁に捉われた従来のやりとりではなく、相手が目の前にいるかのように会話ができるようになります。プレゼンテーションも、二次元的なスクリーンに投影するだけでなく、空間全体がスクリーンになり、グラフや画像などをより直感的に操作できるようになるのではないでしょうか。そうなると、オフィスは机やパソコンが並んでいるだけではなく、これまでの概念を覆すようなさまざまな形の空間が求められると思います。

また、今後はソーシャルメディアになじんミレニアル世代が次々に会社に入ってきます。そうした若い世代の人たちから、40代、50代の人たちも含めて、いろいろな経験と考え方を持った人たちが働きやすい環境づくりをすることが、これまで以上に大切になるでしょう。そして、オフィス設備や機器に投資してオフィス環境を整えることが、社員のモチベーションを高めると同時に、優れた人材を確保することにつながってくると思います。

多様な働き方をサポートする空間とテクノロジー

──日本のこれからのオフィス環境を考えていく上での「鍵」は、どのような点にあるとお考えですか。

ピーターズ氏:これまで私が日本市場を見てきた経験から言わせていただくと、「オーセンティシティ(自分らしさ)」と「ウェルビーイング(働く人の心と体、感情の健康)」が非常に重要な概念になってくると思います。私たちの研究によると、オフィス空間のデザインは、人々が会社でどのように感じ、行動するかに影響を与えるという調査結果があり、これは裏を返せばオフィス空間を戦略的に設計することで働く人にオフィスで自分らしさを発揮させたり、心地よさを感じさせたりすることも可能ということです。オフィス空間は、持続的なイノベーションを生み出すために必要な基盤なのです。

三上:ピーターズさんのおっしゃるオーセンティシティというのは、「自分らしさを出して働く」という意味だと思います。これは非常に重要なことだと私も考えています。自分らしさを出して自由な表現をすることで、新しいアイデアが生まれるからです。そのためには、いろいろな世代のいろいろな働き方を包み込むようなオフィス環境やテクノロジーが欠かせません。
また、コラボレーションも大切なキーワードです。プロジェクトによってさまざまなチームが構成され、その交流を支えるのもまた、テクノロジーでありオフィス環境だと思います。
もちろん、心と体の健康を保つことは、社員のモチベーションを維持してそれぞれの可能性を引き出すために不可欠です。
日本スチールケース社 ブランドン・ピーターズ氏(左)と日本マイクロソフト 三上智子

──スチールケースの「空間」とマイクロソフトの「テクノロジー」が組み合わされた今回の協業についてのお二人の思いをお聞かせください。

ピーターズ氏:お互いのチームが、熱い思いをもって活動できているので、本当にワクワクする毎日です。なかでも、お客さまやビジネスパートナーを巻き込んで、改善の方法を見つけ、より良い働き方を生み出す手助けをすることが、私たちにとって貴重な経験になっています。スチールケースとマイクロソフトは、この協業で互いに多くを学び、さらに深い関係が構築できると確信しつつ、日本のお客さまやパートナーがもっと活躍できるよう支援したいと考えています。

三上:まだ協業がはじまってから期間は短いのですが、マイクロソフトの社員みながとても喜んでいるのが印象的です。とくに、空間に対するスチールケースの「哲学」を知ることで、さらに深い形でお客さまへのソリューション提案ができるようになりました。

例えば、会議机と Surface Hub の間が1.8m離れている方が、ディスカッションに参加しているメンバーが自由に立ち上がって Surface Hub を操作しやすく、コラボレーションが生まれやすいデザインであるとか、会議机や椅子を高く設定することで、立ち上がった人と座っている人との目線の高さがちょうど同じになり、参加者が発言しやすくなるといった、人間工学や心理学を駆使した空間に対するスチールケースの「哲学」を知ることで、これまで以上に具体的な提案が可能になりました。

今後も、両社の協業がさまざまな化学反応を起こしていくことを期待しています。それによって、日本の働き方改革に少しでも貢献していければと考えています。

日本スチールケース社 ブランドン・ピーターズ氏(右)と日本マイクロソフト 三上智子

マイクロソフト×スチールケースが生んだオフィス空間とは?

今回、「クリエイティブ スペース」も設置されたスチールケース ワークライフ東京をピーターズ氏に案内いただいた。

日本スチールケース社 ブランドン・ピーターズ氏

以下、創造性を発揮するために考え抜かれた、それぞれのスペースの特徴をご紹介いただこう。

●メーカー・コモンズ
アイデアの生成とグループ内の交流を支援するように設計された空間。リラックスした雰囲気のオープンスペースに Surface Hub が設置され、人々が会話に参加し、新しいアイデアを試すことを促す。会議のための大きなテーブルに座るのではなく、ソファに座ったり、立ったり、さまざまな姿勢を取ることができるようになっているのは、動き回っている時の方が人々がより創造的であるためだ。

日本スチールケース社 ブランドン・ピーターズ氏
●チーム・スタジオ
小規模な作業グループのメンバーが集まって、アイデアを共有したり評価したり、新しいアイデアを生み出したりするための空間。「素晴らしいコラボレーションを生み出す空間を作るには、メンバーの数や姿勢、アイデアを共有しチーム内での信頼を築くなどさまざまな側面を検討する必要があります。典型的な会議では8人以上のメンバーがいる場合、リーダーが生まれてしまうとされます。そこでチームスタジオは8人以下で使用されるように作られています。部屋の誰もがスクリーンやホワイトボードでアイデアを共有できるようになっていて、立っていても座っていても目線が同じ高さになるため、メンバー間に上下関係ができず、積極的な参加を促すことができます」とピーターズ氏は説明する。


●デュオ・スタジオ
創造的な仕事で重要となるのはチームの全体だけでなく、より小回りのきくペアでの作業。ふたりでの作業のためのデュオ・スタジオは2つのゾーンで構成されている。 Surface Studio もしくはモバイルデバイスが設置された人が立った高さのデスクと、 Surface Hub を備えたリラックスエリアだ。こちらでは他の人を招き入れて、アイデアを交換したり評価したりすることもできる。


●レスパイト・ルーム
このスペースは、周囲から離れて、一人でアイデアを考えたり、忙しい仕事の合間にリフレッシュしたりできるように設計されている。「創造的なプロセスでは、時間をかけて“自分らしさ”を高めていくが大切。それが結果的にチームのコラボレーションを高めます」とピーターズ氏は語る。内装には自然の素材が使用され、リラックスした気分でクリエイティブな思考や作業に専念できるように設計されており、「日本における新しい働き方の提案といってよいでしょう」。このように工夫が凝らされたワークライフ東京の各スペース。こうしたスペースを活用すれば、働き方も大きく変化していくことだろう。

関連リンク

▪️ 法人向け Surface 紹介サイト

▪️ 日本スチールケース株式会社

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思いついたアイデアをその場でカタチに! Surface Book で学生たちの発想が飛躍 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/microsoft-in-business/2018/11/27/surface-book/ Tue, 27 Nov 2018 02:25:59 +0000 CADソフトウェアのトップ企業であるオートデスクの中村翼氏と渡辺朋代氏にお話を伺った。中村氏は、日本大学藝術学部デザイン学科の講師も務め、3D CADを用いたプロダクトデザインの授業を担当している。2017年度の授業では新たな試みを行ったという。.

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※ この記事は 2018年02月01日に DX LEADERS に掲載されたものです。

【モダンワークプレイス・インタビューシリーズ】第3回

これまで、デザイナーやイラストレーターの仕事は、オフィスに据え置かれたハイスペックなデスクトップPCに向かって作業をするのが“常識”だった。だが、高性能なモバイルデバイスの登場や使い勝手のよいクラウドの普及によって、こうしたクリエイティブな世界にも変革の波が押し寄せつつある。

今回は、CADソフトウェアのトップ企業であるオートデスクの中村翼氏と渡辺朋代氏にお話を伺った。中村氏は、日本大学藝術学部デザイン学科の講師も務め、3D CADを用いたプロダクトデザインの授業を担当している。2017年度の授業では新たな試みを行ったという。

2Dスケッチは「紙に描く」から「デジタルディスプレイに描く」時代へ

デジタル化の大きな波を受け、産業界ではすでに2Dデータ作成から3Dデータでの製品設計まで、製品開発のあらゆる段階でのデジタル化が進んでいる。

「私が担当している大学のプロダクトデザインの授業では、3D CADのスキル向上に時間を費やしています。しかし、昨今のフルデジタル化の流れを受けて、授業の課題もフルデジタル化するという新しい試みに取り組みました」とオートデスクの中村翼氏は話す。具体的には、中村氏が受け持つ日本大学藝術学部デザイン学科の2017年度の授業で、3年生24名全員がマイクロソフト社の 2 in 1 ノートパソコン「Surface Book」を利用し、オートデスク社のクラウド3D CADソフトで、教育機関は3年間無償の「Autodesk® Fusion 360」とデジタルスケッチ/ペイントツール「Autodesk® SketchBook® Pro」を用いたプロダクトデザインを行うという取り組みだ。

従来、広く行われてきた3Dプロダクトデザインの制作方法では、紙に2Dでスケッチをして、それをスキャンしてデジタル化した後に、CADソフトで3D化するというアナログからデジタルデータへの移行が生じる。中村氏の授業では、CADソフトを使いこなすことに加えて、デザイン作成の入り口にあたる2Dのスケッチを Surface Book と Surface ペンを使ってデジタルで作成することも重要なポイントになった。

新しいデバイスが自由な発想を支援同時に生産性をアップする

中村氏が授業で重要視したのは、自由でクリエイティブな発想である。

「CADの使い方自体は、基本レベルまで到達することが目的ですが、会社に入ってからでも覚えられます。私の授業では、Fusion 360を軸にいろいろなツールを試してもらい、学生たちの発想の幅を広げることに主眼を置きました」(中村氏)

2Dのスケッチを描くことと、3D化してプロダクトデザインの完成度を高めていくこと、この2つの作業に、場所を選ばずどこでも作業ができるクラウド環境と、スタジオモードやラップトップモードなど使い方に応じて自由に変形できる Surface Book は効果的だったという。

「2Dスケッチを描く際に、スタジオモードに切り替えて描くと、紙にペンで描く感覚と近いですからアナログ環境に慣れた学生たちにも違和感がありません。一方、Fusion 360でCADの作業をするときはラップトップモードで利用できます。このように、自分がしたい作業に合わせてフレキシブルにデバイスを使いこなせる体験が、学生たちのデジタル化への障壁を減らしていると感じました」と中村氏。なかには、 Surface Book をハの字の形で立てたままの状態でスケッチをしている学生もいたという。

「新しいデバイスの使い方という点で興味深かったのは、2Dスケッチの練習をしているときに、 Surface Book の内蔵カメラで撮影した画像を上からトレースして、似顔絵のようなものを描いた学生がいたことです。なるほど、そんな使い方もあるのだと感心しました。ゼロから書きはじめるスキルも大切ですが、実際の製品開発に当たっては、こうしてサンプルになるものをベースとすると、作業が効率化できて生産性アップにつながります」(中村氏)

アイデア次第で、自由に自分の使いやすいスタイルを確立できることは、クリエイティブな作業に集中し、より良いアウトプットを生み出すための近道となる。その結果、「風や光を感じるセンサーを内蔵して、効率よく洗濯物を干せるピンチハンガー」や「紙の上に光を投影することで、まっすぐに文字が書けるボールペン」など、授業を通じて学生からユニークなコンセプトの作品が次々に生み出された。

クリエイティブの世界にもモバイルオフィスの時代が到来

今回の授業で使用されたFusion 360は、クラウドを利用するCAD ソフトだ。これからはクラウド環境によって、よりクリエイティビティの高い作品が場所や時間の制限にとらわれず創り出されていくことになる。

CADソフトというと専用のPCを用いて操作する印象が強く、モバイルデバイスとは馴染まないと考える人が多いかもしれない。確かに、これまではハイスペックのデスクトップPCが前提で、作業をするのはオフィスというのが常識だった。

「クラウドベースのFusion 360は起動が早いだけでなく、操作もかなり軽くなっています。 Surface Book のようなデバイスを用いることで、プロダクトデザインのコンセプトづくりやモデリングをデスクやオフィスにしばられることなく、いつでもどこでも作業できます」と渡辺氏。

デザイナーにとって、アイデアが出たタイミングで、すぐにそれを描ける環境があれば理想的。アイデアがホットなうちに形にすることで、クリエイティビティの高い仕事が可能になる。今回の授業で学生たちも、アイデア出しの段階から納得のいく作品を完成させるまで、自然にモバイルデバイスとクラウド環境の組み合わせの恩恵を受けていたのではないだろうか。

「コンセプトは、スケッチやCADにすることで初めて相手に伝わります。これをデジタル化することで、作業が効率化され、スピード感が増していきます。学生たちには、そういう実感をもってもらえたのではないかと思います。これまでも、言葉をメモすることは Microsoft Word を使って誰でもやってきました。これからは、デザイナーにとどまらず、絵を描くことがコミュニケーションの手段になる機会も増えていくのではないかと思います」(中村氏)

そもそも、デザイナーの仕事というのは、自分一人で進めることはほとんどなく、エンジニアやクライアントと確認し合いながら進行していくのが一般的だ。その際、これまではデザインを紙に出力したり、ファイル転送サービスを使ったりすることが多かったが、そうした作業も過去のものとなりそうだ。

「モバイルデバイスとクラウドを組み合わせることで、言葉での表現に頼らない、ビジュアルでのコミュニケーションが素早くできるようになります。その場で修正もできますし、意思決定も早くなるという大きな利点があります。同時に、確認がこまめにできるようになったので、手戻りが減るのも大きなメリットです。また、学校などの教育現場では、先生方が教室や研究室にいなくとも、クラウドを経由して学生のプロジェクトの進捗を確認できます」(渡辺氏)

これまでのデザイナーの仕事というのは、外で打ち合わせをしたのちに、オフィスに戻って作業をするという、場所に制約されたワークスタイルが当たり前だった。今後は、現代のオフィスワークと同様に、カフェや移動中に仕事をするというスタイルも普通になるに違いない。

デザインというクリエイティブの現場にも、さらなるデジタル化の波は着実に押し寄せている。それを支えるのは、 Fusion 360 のようなクラウドベースの環境であり、 Surface Book のような直感的な操作が可能なモバイルデバイスになっていくだろう。こうした新しいツールによるワークスタイルの変革は、生産性の向上にとどまらず、デザイナーのイマジネーションを拡張させる可能性を秘めているのではないだろうか。学生たちの取り組みは、その可能性の一端を感じさせるものだった。

アナログ環境からもシームレスな移行が可能に〜学生たちの声をレポート

実際に今回のプロダクトデザインの授業を受けた印象を、学生に聞いてみた。デジタルのペンを使ったのは初めてという人が多かったが、はたして操作性はどうだったのか。

「基本的に紙とペンで書くのと変わらないので、3、4枚も書けば十分に慣れました。最大のメリットは、失敗したときにすぐに戻れること。これだけでも、ずいぶん作業が効率化しました」

スケッチはA3の用紙に書くのが基本だというが、 Surface Book の画面の印象はどうなのか。「実際に使ってみると、狭いという印象はありませんでした。むしろ、見たい部分を自由に拡大できるのが便利に感じました。なにより、A3の紙を持ち運びするよりもコンパクトで扱いやすいのがいいですね」今までは紙にスケッチしたものをスキャンしてPCに取り込んでいたというが、完全デジタル化でその手間が省けたことを喜ぶ声も多かった。

Surface Book を常に持ち歩いていたという学生もおり、「メモや改善点など、思いついたことをすぐに書けるので重宝しました。新幹線の車内でも作業ができて便利でした」と作業場所を選ばずに活用していた様子がうかがえる。

こうした声を聞くと講師である中村氏が期待していることを、学生たちがうまく先取りしているという印象を持った。また、今回の授業の最終回では、日本マイクロフト本社のスペースを借り、学生たちによる自らの作品のプレゼンが行われた。新たなデバイスを使いこなし、自由な発想のプロダクトを3D化した学生たちの力作は、これからの可能性を感じさせるものだった。

関連リンク

▪️ 法人向け Surface 紹介サイト

▪️ Fusion 360 製品紹介サイト

▪️ Autodesk 教育機関・学生向けサイト(ソフトウェアの無償利用登録)

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【インタビュー】IT環境の段階的な進化が社員の意識に変革を生み出す(株式会社デルフィス植田晃氏) http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/microsoft-in-business/2018/11/27/delphys-interview/ Tue, 27 Nov 2018 00:38:41 +0000 トヨタ自動車のマーケティングサービスカンパニーであるデルフィスは、Creative、Communicate、Collaborate、Connectなど8つの「C’s(シーズ=seeds)」を働き方改革のビジョンに掲げる。今回は、デルフィスの働き方改革において、ITが果たした役割とその可能性について、同社エグゼクティブITマネージャーの植田晃氏にお話を伺った。.

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※ この記事は 2017年12月18日に DX LEADERS に掲載されたものです。

【モダンワークプレイス・インタビューシリーズ】第2回

トヨタ自動車のマーケティングサービスカンパニーであるデルフィスは、Creative、Communicate、Collaborate、Connectなど8つの「C’s(シーズ=seeds)」を働き方改革のビジョンに掲げる。中でも重要になるのは「コミュニケーション」だ。そこではどのようなITが活用されているのだろうか。今回は、デルフィスの働き方改革において、ITが果たした役割とその可能性について、同社エグゼクティブITマネージャーの植田晃氏にお話を伺った。

「場所に付く」仕事から「人に付く」仕事へのパラダイムシフト

デルフィスは、時代に先駆けて2014年に「働き方改革」を断行した先進的企業だ。その改革の動きは、2011年の“3.11”にさかのぼる。

「それまでも、震災やパンデミックのたびに、業務に大きな支障が出ていました。その原因を探っていくと、社員の『場所に付く』仕事の仕方にあることが原因の一つとして分かってきました。東日本大震災後、業務の効率化には、この仕事スタイルを変えなければという危機意識が高まりました」とデルフィスのエグゼクティブITマネージャーである植田晃氏は振り返る。

それまで同社の従業員が使えるデバイスは、自席のデスクトップPCと固定電話、携帯電話、そして貸出用のノートPCだった。同社では国内の各拠点に、出張した社員が使用するためのデスクトップPCも用意していた。その結果、全社のPC数は、役員を含めた全従業員数の1.3倍超に達していた。

そこで考えたのが、モバイルの活用だ。モバイル端末なら人の動きに合わせてフレキシブルに仕事ができる。万一、事故や災害があっても、出社せずに業務遂行できる。移動時間も仕事に使えて、出先や会議中に急な対応が必要になった場合にも迅速な対応が可能だ。出張者用の席なども不要になるので、オフィススペースも減らせる。しかも、1人1台のデバイスになるので管理コストも削減でき、良いことづくめだ。

しかし、一気呵成に改革を推し進めれば、軋轢が生まれてしまう。そこでワンクッション置くことにしたという。

「当時のワークスタイルには、多くのアナログ部分が介在していたので、すぐに本格的なモバイル環境へ移行するのは難しいと判断しました。そこで、まずは社員それぞれがモバイルデバイスに慣れるためにタブレット端末を導入しました」と植田氏。一時的に個人のデバイスの数は増えるが、段階的に環境に慣れてもらうためと、割り切った。

それから約2年後の2014年に、次の段階に移行する。働き方のフレキシブル化を担保する本格的なモバイル環境への移行だ。iPhoneを導入し、自席のデスクトップPCをモバイルPCである「Surface Pro 3」に変えることで、“場所から人へ”の本格的なモバイル活用の実現に向け舵を切った。「既に社員がモバイルデバイスに慣れていたので、大きな抵抗なく受け入れてもらえました」と植田氏は当時を振り返る。

株式会社デルフィス エグゼクティブITマネージャー 植田晃氏

セキュリティを強化しながら“どこでもオフィス”を実現

同社が本格的なモバイル環境に移行する上で重視したのは、セキュリティだった。仕事の関係上、発売前の車種情報なども扱うため、情報セキュリティ対策は必須。例えば、ファイルをWebストレージで共有するためにも、ISMS(Information Security Management System)の監査に耐え得るシステムでなければならない。

SIer(システムインテグレーター)にも相談しながら選定を進めている時に浮上したのが「Surface Pro 3」だった。12型の画面を持ち、薄型・軽量のこのデバイスは、普段からのモバイル運用に最適に思えた。さっそくデルフィスは、SIerを通じ、日本マイクロソフトにもアドバイスを求めることにした。

「柔軟なワークスタイルを支援するために、この頃にはOffice 365を活用していました。ここに Surface Pro 3 とEnterprise Mobility Suite(EMS)を組み合わせて導入すれば、各種の認証やデバイス管理を包括的に実現でき、より有効な社員のサポート体制が構築できることが分かりました」と植田氏は説明する。

Surface Pro 3 でログインする際に、端末認証とID/パスワード認証を行うことで多要素認証が可能になる。また、未認証USBメモリーの排除や、新しいアプリケーションの強制インストールなども可能だ。紛失した際には、GPSトラッキングもできる。

さらに、モバイル端末を使い社内で仕事をする場合には、必要に応じてディスプレイやキーボード、マウス、有線ネットワーク、充電器など、多くの機器を接続したいという仕事上の要望もあった。端子を多く備えつつ、利用の際の手間を削減できる拡張アクセサリ、 Surface ドックを用意する Surface Pro 3 はこの点でも好都合であった。

「タブレットPCとしての利用に加え、キーボードを装着したノートPCや、Surfaceドックに接続したデスクトップPCとしての使い方に対応できる Surface Pro 3 の3 in 1スタイルは、デルフィスのモバイル環境に最適でした」(植田氏)

クライアントや協力会社とのやりとりが多い同社にとって、Officeファイルを扱えることも重要な要素だった。Surface Pro 3 であればその点でも安心だった。2014年、同社は Surface Pro 3 の導入を決定し、本格的なモバイル活用を開始した。植田氏は「デバイスが2つになり、しかも“どこでもオフィス”の実現につながりました」と語った。

働き方改革を進めたことで社員の意識が大きく変わった

実は、デルフィスの「働き方改革」には、Surface Pro 3 の導入後にもう一つ大きなポイントがある。それは、2015年9月の同社の新オフィスへの移転だ。新オフィスでは新たにグループアドレスが採用されたが、既にそれまでの“どこでもオフィス”に慣れていたことで、現場に大きな混乱はなかったという。

「マネジメント面での不安を感じる人はいましたが、人の動きに合わせたワークスタイルを実践していましたので、新システムへの移行はスムーズでした。移転後のオフィスは以前よりも小さい上、従業員数は3割も増加していますが、従業員からは働きやすくなったと評価されています」と植田氏は笑顔を見せる。

グループアドレスなどによって、社員は仕事の内容やその日だれと一緒に仕事を進めたいかなどに応じて、自由に席を選べるようになった。さらに社内電子申請システムなどのサービスも稼働し、モバイルによる徹底したペーパーストックレスを実施した結果、紙類を保管するキャビネットの削減が叶い、空いたスペースを休憩や簡単な相談ができる「Center Cafe」や、少人数の会議や面談が可能な「Focus Room」、立ったままで会議後の確認などに活用できる「Standing Corner」といったコミュニケーションスペースとして活用した。

また、ユニークなものとしては、外部を遮断して集中的に作業するための「Haven Pit」や、休憩にも使える半隠れ家的な「Solo Work Bench」などちょっとした遊び心あるスペースもあり、こうした複層的な「働き方改革」が社員の心に響いている。

新オフィス移転後のアンケート結果からは、そうした社員の評価の高さが伺える。「デルフィスに将来を感じる」と答えた人が16%から66%に増え、「効率的に働いている」と回答した人が48%から80%に増えているのだ。「働き方改革が社員をポジティブにさせたと言えるのではないでしょうか」と植田氏は分析する。

Surface Pro 3 そのものの評価も高い。これまでオフィスの自席に戻らないと出来なかった作業も、会社に戻らず客先の待合室や出張先のホテルで行ったり、協力会社で一緒にプロジェクトを進めることもでき、クライアントと自社、協力会社との間でのコミュニケーションもスムーズになったという。「かなり便利で、動きやすくなったとの声が多いです」と植田氏。1人当たりの端末が整理されたことで、管理コストも低減できたという。

また、採用活動などにも改革の効果が目に見える形で出ている。最終面接に併せて行われるオフィス見学を決め手に「他の広告代理店ではなくて、デルフィスで働きたい!」と入社を決める人たちが増えているというのだ。また、「日経ニューオフィス賞」を受賞している同社のオフィスは見学に訪れるグループ会社も多く、クライアントとの接点づくりの面でもプラスに働いている。

デルフィスでは働き方の進化に向けて、現在、LTEに対応する新しい Surface Pro の導入も検討中だという。LTEに対応することで、ドック接続時の有線ネットワーク、社内での無線LAN、外出中のLTEと、ネットワーク環境をシームレスに使えるようになるだけに、その効果は大きいだろう。植田氏は、次のように話す。

「人の動きに合わせたワークスタイルを確立できる最新のモバイル端末への移行は、オフィスにひもづく固定的な管理コストの低減と、フレキシブルなワークスタイルが実現可能な『どこでもオフィス』という2つの大きなメリットがあります。この有用性を、さまざまな社員に対して上手に、そして具体的に伝えていくことが大切です」

働き方改革が時代のホットワードとなる以前から、先見の明を持って自身の革新を進めてきたデルフィス。これからの働き方改革を推進する上で参考になるアドバイスではないだろうか。

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【特別対談】マリメッコCEO×マイクロソフト~創造の源泉は多様性に富んだコラボレーションとお互いへの尊敬の念 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/industry/blog/microsoft-in-business/2018/11/27/marimekko-surface/ Tue, 27 Nov 2018 00:26:05 +0000 鮮やかな色と大胆なデザインの柄で世界中にファンを持つ、フィンランドのアパレル企業であるMarimekko(マリメッコ)。マリメッコとマイクロソフトは「Marimekko for Microsoft Surface」コレクションで、で協業している。マリメッコ CEOのTiina Alahuhta-Kasko氏に、日本マイクロソフトの業務執行役員 Windows&デバイス ビジネス本部 本部長 三上智子が話を聞いた。.

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※ この記事は 2017年11月08日に DX LEADERS に掲載されたものです。

【モダンワークプレイス・インタビューシリーズ】第1回

鮮やかな色と大胆なデザインの柄で世界中にファンを持つ、フィンランドのアパレル企業であるMarimekko(マリメッコ)。マリメッコとマイクロソフトは「 Marimekko for Microsoft Surface 」コレクションで、「わたしらしさ」を表現しながら、よりイキイキと、高いパフォーマンスを発揮できることをコンセプトとした、 Surface 専用のスリーブやタイプカバー、スキンシールで協業している。その発表イベントのために来日したマリメッコ CEOのTiina Alahuhta-Kasko氏に、日本マイクロソフトの業務執行役員 Windows&デバイス ビジネス本部 本部長 三上智子が「創造性を発揮するための働き方」をテーマに話を聞いた。

マリメッコのミッションとは

三上:まず最初にマリメッコとはどのような会社なのか教えてください。

Tiina Alahuhta-Kasko氏(以下、Tiina):マリメッコが設立された1950年代初頭は、戦争が終わったばかりで、フィンランドはまだ貧しい国でした。文化的にも、何か失われたものがあると感じられた時代です。そこで、創業者のArmi Ratia(アルミ・ラティア)は若い女性のアーティストを集め、夫の工場で柄物のプリントを始めました。

その後、アルミが開催した大胆で自由なファッションショーが評判を呼んだことから、1951年、フィンランド語で「メアリーのドレス」を意味するマリメッコを社名として、ライフスタイルのコンセプトを提案する会社を設立しました。そのライフスタイルの中心にあるのが、ファブリックプリントの制作です。

創業以来、マリメッコのミッションは、自分らしくあるということ、そして日常生活をプリントの柄や色を通じて楽しんでもらうことにあります。

三上:自分らしくあるということは、非常に興味深いミッションですね。人はこれまでの自分から変わろうと努力するものですが、自分らしくあっていいというビジョンに、心惹かれます。

Tiina:それは自分自身の個性を大事にすることであり、さらには周囲に対しても、住む家や身に着ける服装の在り方から自己を表現することでもあります。そして、その根底にあるのは、自分自身が生活を楽しみ、満足することです。

マリメッコ CEO Tiina Alahuhta-Kasko氏

素晴らしい製品を生む、クリエイティブ・コミュニティという働き方

三上:マリメッコはコラボレーションを大切にする会社だと聞いています。

Tiina:マリメッコの仕事のやり方がユニークなのは、クリエイティブ・コミュニティと呼ばれるグループによって創造性を高めることにあります。私たちは、専門知識、文化背景、年齢、性別など、様々なバックグラウンドを持っている人をクリエイティブ・コミュニティへ迎え入れてきました。多様な背景を持つアーティストや専門家が一堂に会して自由に議論をしながら、その瞬間その瞬間でもっともイノベーティブなデザインを生み出していくのです。ダイバーシティ(多様性)のレベルが高ければ高いほど、良いものができると私たちは確信しています。

そして、マリメッコが大切にしている価値観は、大胆で失敗を恐れないことです。たとえ失敗するリスクがあっても、勇気をもって共に物事を成し遂げるという精神を、私たちは後押ししています。なぜなら、その精神から素晴らしい製品が生まれると考えているからです。
日本マイクロソフト 業務執行役員 Windows&デバイス ビジネス本部 本部長 三上智子

三上: 大胆であり、失敗を恐れないという点について、何か具体的な例はありますか。

Tiina:最も有名なのは、マリメッコの代表的なプリントであるUNIKKO(ウニッコ/けしの花)が誕生したときのエピソードでしょう。これは、マリメッコの歴史でもっとも有名なデザイナーであるマイヤ・イソラ(Maija Isola)の1964年の作品です。これが誕生する直前、創業者のアルミは自然界に存在する花より美しいものはないという考えから、花柄のプリントをやめるように言い渡していました。ところがマイヤは、確固たるビジョンをもって、ポピーの花をモチーフにしたプリントをデザインしたのです。それは確かに花柄ではありましたが、お姫様を感じさせるようなロマンチックなものではなく、非常に大胆かつ斬新なデザインでした。その内面から湧きだす強さや自由さが、マリメッコのミッションを体現していることを、アルミも認めるしかありませんでした。

三上:そうした多様性や大胆さを重視した企業文化は、今も引き継がれており、様々なデザイナーが協業しているのですね。

Tiina:ええ、そうです。現在のデザイナーグループには20人ほどが在籍していますが、何十年と働いているベテランもいれば、才能あふれる若手もいます。プリントデザイナーは、制作グループやファッショングループなど他部門他部署とも密接に連携しています。そうした会話や対話を通じて、自らデザインしたものが、プリント、シルエット、そして最終完成品として息が吹き込まれるまで見届けているのです。

三上:部門部署にかかわらず、お互いが尊敬し合っているということですね。

Tiina:そうです。まさに尊敬というのが大事なキーワードです。このようなクリエイティブな文化を繁栄させていくには、信頼という土台が欠かせません。その土台があるからこそ、大胆な発想ができるのです。そして、この大胆な発想がないと、本当の意味での創造性は生まれてこないと思います。こうした点について、私たちは特に注意を払っています。

マリメッコで働く人たちは一人一人が主人公です。私たちは、デザイナーに対してこうするべきだという制約を一切設けていません。私はCEOとして、いろいろな背景を持った人たちから、その才能を引き出し、必要なツールを提供し、のびのびと働ける環境を保つのが役割だと考えています。そして、そのためにはクリエイティブプロセスに関わる全ての人が、納得するまで十分に話し合うことが必要だと考えています。

Surface (サーフェイス)とのコラボレーシは運命的

三上:ところで、今回のマイクロソフト Surface (サーフェイス)とのコラボレーションについては、どうお考えでしょうか。

Tiina:自然体で受け入れることができました。それどころか、この2社はコラボレートするべきだという運命すら感じています。マリメッコは、自分らしさを表現するデザインを日常生活に取り入れるというのがミッションです。そして、言うまでもなく、デジタルデバイスは私たちの日常生活に密接に入りこんでいます。ですから、その両者が融合するのは自然な流れだと思ったのです。今回のコラボレーションを通じて、 Surface ユーザーの方々が、自分自身の個性やアイデンティティを表現するきっかけになることでしょう。

三上:今回は4種類のデザインがあります。この4つはどのように選んだのでしょうか。

Tiina:まず、マリメッコを象徴する代表的なデザインとして、先ほどもお話ししたウニッコとKAIVO(カイヴォ/泉)の2種類。そして、現代的なデザインとして、Räsymatto(ラシィマット/使い込まれたラグ)とSiirtolapuutarha(シイルトラプータルハ/市民菜園)の2種類です。優れたデザインは時代を超えて生き続けるというのが、私たちの考え方です。ですから、伝統的なものと現代的なものとが隣り合っても、まったく違和感がありません。まさに、マリメッコの自由と大胆さを象徴していると思います。

三上: それぞれデザインは異なりますが、脈々とマリメッコの伝統が流れていることがよく分かりました。 Surface という製品は、ユーザーの様々な利用シーンを想定して、使いやすいようにディテールにこだわって仕上げています。そういう意味ではマリメッコと Surface には共通項が数多くあり、本当にいいコラボレーションだったと思っています。

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