ビジネス プロセスを明確に視覚化
ビジネス プロセス モデリング表記法 (BPMN) を使用して、重要なビジネス プロセスを標準化し、チームに伝達することができます。
BPMN 図でビジネス プロセスを合理化
組織のあらゆるレベルにおいて、詳細かつ理解しやすいダイアグラムでビジネス プロセスを標準化しましょう。
ビジネス プロセス モデリング表記法とは
ビジネス プロセス モデリング表記法 (BPMN) は、ビジネス プロセスを最初から最後まで表現するための標準的な方法です。プロセスの仕様の曖昧さを取り除き、プロセスを完了させるために必要なコンテキストを提供できるように設計されています。プロセス マッピングは非常に複雑で理解しづらくなりがちですが、BPMN では標準的なモデリング手法と標準化された記号を使用する汎用的なソリューションが提供されるので、技術者かどうかに関係なく、誰でもプロセス モデルを簡単に共有したり読んだりすることができます。BPMN 図では、プロセスに関わるステップがわかりやすく視覚的に表現され、実装を成功させるのに十分な詳細情報が提供されます。 BPMN 図は、より良いコミュニケーションとコラボレーションを可能にし、効率を高めたり改善すべき点を判別したりする場合に特に役立ちます。
BPMN の利点
すべての組織が、BPMN によってサポートされる、改善されたビジネス プロセスの恩恵を受けることができます。ビジネス プロセス モデリング ソフトウェアを利用すると、プロセスの要件に応じてシンプルまたは複雑なダイアグラムを作成できます。作成したフローチャートは、技術的な経歴の有無にかかわらず、利害関係者が容易に認識して理解することができます。
BPMN の主な目的は、すべてのユーザーが理解できる標準によって、組織全体でのビジネス プロセス管理をサポートできるようにすることです。以下は BPMN のいくつかの利点です。
- 理解しやすさ。 すべてのチームが解読できる BPMN 図を作成すると、複雑で入り組んだワークフローが理解しやすくなります。企業は業務手順を定義できます。
- 標準化。 1 つのソリューションを用意することで、情報をすばやく共有し、誰もが理解できるようになります。BPMN は、すべてのレベルの利害関係者に対して標準的な表記法として機能します。
- シンプルさ。 ダイアグラムは視覚的な学習ツールであるため、説明文よりも理解しやすいです。業界標準でもあるため、間違いが生じることはほとんどありません。
- コミュニケーション。 すべてのレベルの部署が理解できるフローチャートを設計できるので、BPMN はさまざまなチーム、部署、組織間のコミュニケーション ギャップを解消するのに役立ちます。
- コラボレーション。 BPMN によって、関連するすべての利害関係者がプロセスに関与できるので、効果的なコラボレーション ツールとして機能します。複数の部署がフローチャートを確認し、詳しい説明がなくても、ビジネス プロセス、チームの成果、次のステップを、ほとんどすぐに判別することができます。
- 能力の強化。 BPMN によってすべての部署で効果的かつ効率的なコミュニケーションが促進されるため、従業員はビジネス プロセスやその他のアクティビティを表すフローチャートを作成できるようになります。チームメイトがチャートをすばやく解釈できるようになれば、より短時間で豊富な知識に基づいてビジネス上の意思決定を行うことができます。
BPMN のしくみ
BPMN によって、最初から最後のステップで必要なアクションを示す視覚的なフローが提供されるので、組織内外のチーム間のコミュニケーション ギャップが解消されます。また、プロセス作成の世界的な標準である BPMN は、単一の情報源で維持されています。
もともとは Business Process Management Initiative (BPMI) によって開発された BPMN は、2005 年の合併以降、Object Management Group (OMG) によって維持されています。OMG は現在、他の世界的な標準も管理しており、さまざまな技術や業界を対象とした企業統合標準の開発に貢献しています。BPMN のバージョン 2.0 では、名称が Business Process Modeling Notation から Business Process Model and Notation に変更されました。
プロセス モデル固有の複雑さを転換させながら、理解しやすい表記法を作ることが BPMN の最優先事項なので、BPMN ではグラフィカルな側面を特定のカテゴリに整理することで対処しています。数少ない一連の表記のカテゴリによってチャート内の記号を認識できるようになっているので、読み手は基本的な要素を識別し、目の前のダイアグラムを理解することができます。BPMN は、適切なデータを取り込んで、それをグラフィカルかつ正確に、一貫性を持ってすべてのチームに示すうえで役立ちます。ダイアグラムの外観を変えずに、追加情報やコンテキストをフローチャートに追加することができます。それぞれの記号やアイコンには、アクションのための特定の意味や注釈があります。
BPMN 図の作成は、特に作図ソフトウェアをすでに使用している場合は、シンプルです。プロセスを視覚的に表現するために、すべての BPMN 図を通して使用される視覚言語とデザイン要素を理解し、配置する必要があります。
BPMN のデザイン要素
BPMN は、記号と、それらの記号をビジネス プロセス モデルにどのように接続するかというルールを集めたものです。それらのモデルで使用される BPMN 言語は、以下の 5 つの要素に分けられたフローチャートとグラフィカルな表記に基づいています。
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フローチャート
フローチャートは、プロセスを形成するのに役立つ要素を接続するものです。
- イベント: 円として描かれていて、発生する事象を表します。イベントは 3 つのタイプに分類されます。"開始" はプロセスの最初のステップ、"中間" は最初と最後の間に発生する任意のイベント、"終了" はビジネス プロセスの最終段階を表します。
- アクティビティ: 角の丸い長方形として視覚的に表現され、人やシステムによって実行されるタスクを表します。BPMN のアクティビティのタイプには、タスク、サブプロセス、コール、トランザクションの 4 つがあります。
- ゲートウェイ: ひし形のアイコンは、アクティビティが別のプロセス フローを経由する必要があるかどうかを示します。排他、包含、並列、複合など、いくつかの異なるゲートウェイ記号によってフローが分離および接続されます。
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接続オブジェクト
接続オブジェクトは、フローの中でオブジェクトがどのように接続されるかを記号で表しています。
- シーケンス フロー: ビジネス アクティビティの順番を実線と矢印で表示したものです。
- メッセージ フロー: 異なる部署や組織間のメッセージのフローを、丸と矢印の付いた破線で表現したものです。
- 関連: 成果物やテキストをイベント、アクティビティ、ゲートウェイに接続する点線です。
- データ関連: この矢印の付いた点線は、データとフロー オブジェクトを表します。データ関連はアクティビティのインプットとアウトプットを示します。
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スイムレーン
スイムレーンは、プロセスの参加者と、誰がどの部分の責任を負うのかを表すグラフィカルなアイコンのことです。
- プール: 社内外を問わず、プロセスで作業を行う重要な参加者のことです。
- レーン: これらのオブジェクトは、参加者のアクティビティとフローを示し、プロセス内での責任を決定づけます。プールは、そのグループがプロセスで完了する必要があるアクションによって決まるので、多くのレーンで 1 つのプールが構成される場合もあります。
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成果物
成果物は、フローに影響を与えずに、ダイアグラムに追加された情報を明確にするものです。成果物は、関連接続によってプロセスまたは接続と関連付けられます。
- テキスト注釈: ダイアグラムの一部にコンテキストを提供するコメントです。
- グループ: ダイアグラムのフローを変えずに、アクティビティを論理的にグループ化したものです。
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データ
データ オブジェクトは、ビジネス プロセスを作成または実行するために必要な情報を提供するもので、ファイル アイコンとして表現されます。データ オブジェクトは、メッセージまたはシーケンス フローに直接影響しないため、成果物とも見なされます。
- データ オブジェクト: アクティビティに必要なデータを示します。
- データ入力: プロセス全体に対する外部データ入力のことです。
- データ出力:プロセス全体を通じた、そのデータの結果です。
- データ ストア: データの読み書きが行われる場所であり、プロセスを通して存続します。
最新バージョンの BPMN 2.0 では、以前のバージョンをベースに、より広範な一連のアイコン、記号、表記が提供され、必要に応じてより詳細にすることができます。
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よく寄せられる質問
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BPMN は、ビジネス プロセスを完了させるために必要な一連のイベントを、理解しやすい標準的な方法で文書化するために使用されます。
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ビジネス プロセス モデリングとは、改善の可能性を判別するために、企業のビジネス プロセスやワークフローをグラフィカルに表現したものです。
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BPM と BPMN の違いは、BPM では組織の目標を達成するためにどのように作業を割り当てるかが描かれるのに対し、BPMN ではあらゆるタイプのビジネス プロセスが図示されることです。
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BPMN は、標準化されたプロセス内での用途が各アイコンに定義されていることから、グラフィック プログラミング言語と考えられています。
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フローチャートは標準が規定されていないグラフィカルな表現であり、BPMN はビジネス プロセスのためのグラフィカルな表現に対する標準に基づく手法です。
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