金子 暁, Author at マイクロソフト業界別の記事 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog Fri, 01 Aug 2025 10:12:20 +0000 en-US hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.9.4 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog/wp-content/uploads/sites/6/2026/06/microsoft_logo-150x150.webp 金子 暁, Author at マイクロソフト業界別の記事 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog 32 32 りそなグループと日本マイクロソフトが戦略的枠組み締結。生成 AI を活用し CX を加速      ―価値創造力の強化、経営基盤を次世代化― http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog/financial-services/2025/08/01/resona-microsoft-cx-article/ Fri, 01 Aug 2025 10:12:20 +0000 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog/uncategorized/2025/08/01/resona-microsoft-cx-article/ 2025 年 5 月 29 日、りそなホールディングスと日本マイクロソフトが戦略的枠組み契約を締結しました。通常のシステム導入支援を超え、人財育成から業務変革まで包括的に取り組む本格的なパートナーシップです。狙いは、ルーティン作業に追われる従来の働き方から、人と AI が協働して価値創造に集中する新たなビジネスモデルへの転換。金融業界における生成 AI 活用の先駆的な取り組みとして注目されています。

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2025 年 5 月 29 日、りそなホールディングスと日本マイクロソフトが戦略的枠組み契約を締結しました。通常のシステム導入支援を超え、人財育成から業務変革まで包括的に取り組む本格的なパートナーシップです。狙いは、ルーティン作業に追われる従来の働き方から、人と AI が協働して価値創造に集中する新たなビジネスモデルへの転換。金融業界における生成 AI 活用の先駆的な取り組みとして注目されています。

りそなグループは2023 年にグループパーパス「金融+で、未来をプラスに。」を策定。長期ビジョン「リテールNo.1~お客さま・地域社会にもっとも支持され、ともに未来へ歩み続けるソリューショングループ~」の実現に向け、従来の提案力では応えきれない複雑化・高度化するお客さまのこまりごとに対応する必要性を感じています。

今回の戦略的枠組みは生成 AI を活用し CX を加速し、価値創造力の強化、経営基盤の次世代化を、スピード感をもって実現することが狙いです。
本稿では、契約締結の背景や経緯、ポイントについて、りそなホールディングスの経営層、現場のキーマンにお聞きしました。

人と生成 AI の協働で価値創造型の働き方へ

「今回、パーパス実現に向けた CX の取り組みは、カルチャーを変える活動だと思っています」と、りそなホールディングス 執行役 グループ戦略部長 伊佐 真一郎氏は話します。

「当社グループは、金融をサービス業と位置付けています。銀行業は融資やバンキングアプリなどの商品を、人がしっかりと考えたソリューションとして提案するビジネスモデルです。そのため、提案力が最大の競争力となります。脱炭素化、デジタル化といった社会構造変革や人生 100 年時代、ライフスタイルの多様化など市場の変化に伴い、お客さまのこまりごとは一層複雑化・高度化していくことが予想されるため、従来の提案力では、お客さまの期待に応えることができないと強い危機感を持っています。」

A man sitting at a table
株式会社りそなホールディングス
執行役 グループ戦略部長
伊佐 真一郎 氏

この危機感をパーパス実現の推進力に変えるため、りそなグループが着目したのが生成 AI です。「人の知識や能力だけでは限界があります。人と生成 AI を組み合わせた価値創造型の働き方や文化の醸成に活路を見出しました。金融業界において、生成 AI の活用はまだこれからであり、先行事例もほとんどありません。急速に進化する生成 AI を、当社グループで最大限に生かすためには、部分的支援ではなく、戦略的枠組みの中で取り組むことが必要でした」(伊佐氏)

戦略的パートナーとして日本マイクロソフトを選択した 2 つのポイントについて伊佐氏は話します。「1 つ目は、生成 AI をはじめとするテクノロジーに関して圧倒的な技術レベルの高さです。2 つ目は、日本マイクロソフトの充実した支援体制です。どんなに優れた技術も導入しただけでは意味がありません。生成 AI 活用を定着させ、将来に向けて進化させていく観点から、ベストパートナーであると判断しました」

りそなグループは、これまでもマイクロソフト製品をベースにさまざまな取り組みを行ってきました。「生成 AI の登場は、これまでのツールとインパクトが異なります。進化のスピードもそうですが、人の能力を拡張する世界をもたらします」と、りそなホールディングス 執行役 兼 グループCIO  IT企画部担当 兼 ITセキュリティ統括部担当 兼 グループ戦略部(システム改革)担当  片山 光輝氏は話し、こう続けます。

「当社において、ルーティン作業をしつつ業務を行うという基本的スタイルは、何十年も変わっていません。従来の働き方から、いかに価値を生み出す働き方に変えていくか。人と AI が連携し業務を行う環境をつくることで、環境から変革を促すことにしました。また、生成 AI を活用する基盤づくりでは、クラウド サービス Azure を活用することで、AI アプリ開発・展開のスピードアップが図れます。働く環境の早期切り替えが、戦略的締結の背景にあったと思います」

A man sitting at a table
株式会社りそなホールディングス
執行役
兼 グループCIO IT企画部担当
兼 ITセキュリティ統括部担当
兼 グループ戦略部(システム改革)担当
片山 光輝 氏

DX により金融業界の構造変革が進んでいます。りそなグループによる生成 AI を活用したCX は、金融の新しい姿を示しています。「金融は経済活動の、いわば血液です。経済が成長するためには、社会の中心で金融が存在感を発揮することが欠かせません。業界において当社グループの CX が成功モデルとなることにより、国内の個人や法人のお客さまと金融との新しい関係構築につながると思っています」(伊佐氏)

りそなホールディングスと日本マイクロソフトの戦略的枠組みのイメージ図
基盤刷新から生成 AI 活用、人財育成まで連動した取り組みを展開

2025 年 5 月、りそなホールディングスと日本マイクロソフトの戦略的枠組み契約締結。背景には、りそなグループにおいて社内業務の生産性に関する 2 つの課題がありました。1 つ目は、業務を支えるインフラの老朽化。既存の他社製グループウェアは、データ活用など発展性が懸念されました。2 つ目は、業務の非効率性。多くの従業員が旧来型のグループウェアを前提とした、報告書や資料作成、スケジュール調整、集計業務などのルーティン業務に追われていました。

2024 年 3 月、りそなグループは既存他社製グループウェアからの脱却を目指し、高度なセキュリティを有する Microsoft 365 E5 を導入。また、2024 年 10 月、従業員の生産性向上を目指すワークスタイル変革室を立ち上げました。「Microsoft 365 導入に際して、日本マイクロソフトからのアドバイスで印象に残っているのは、体験から変えることの大切さでした。Microsoft 365 により従業員体験の向上を図る過程で、業務の断捨離や見直しが行えます。長年利用してきた既存グループウェアの刷新は全社を巻き込んだ大規模プロジェクトとなりますが、2026年3月までの1年間の短期集中で、一気にやり切りたいと考えています。と、りそなホールディングス グループ戦略部 ワークスタイル変革室東家有里氏は話します。

A woman sitting at a desk
株式会社りそなホールディングス
グループ戦略部 ワークスタイル変革室
東家 有里 氏

りそなグループは、業務非効率の解決に向けてマイクロソフトの生成 AI を活用しています。2023 年に、OpenAI が開発した AI モデルを、Azure のセキュアな環境で利用できる Azure OpenAI Service の利用を開始。従業員向け QA サービス、部署ごとの AI エージェントなどの開発を行っています。

「生成 AI の活用では、知見を蓄積するために内製化を目指しています。これまでのDX 推進で定義した人財育成と生成 AI 活用における人財育成ではスキルセットが変わってきます。今回、日本マイクロソフトとの戦略的枠組みにおいて、生成 AI に関して人財育成と活用の仕方は重要テーマです」と、りそなホールディングス グループ戦略部(IT 改革担当) 部長 薄井 孝尚氏は話します。

A man in a grey suit jacket talking
株式会社りそなホールディングス
グループ戦略部(IT改革担当)
部長
薄井 孝尚 氏

今回の戦略的枠組みでは、AI を使う人と、作る人に分けて取り組みを進めていきます。使う人は、グループ全従業員が対象です。「Microsoft 365 で利用できる AI アシスタントMicrosoft Copilot の利用が中心となります。1 年後には、ユーザーが Copilot 利用率などをダッシュボードで見て競い合うこともマイルストーンの 1 つとしています。パーパスの実現に向けて生成 AIを活用し、ルーティン作業を削減するとともに、創出した時間を価値創造の業務に充てていくことでワークスタイル変革の実現を目指しています。(東家氏)。

作る人は幅が広いと、りそなホールディングス IT企画部 グループリーダー 右﨑 通孝氏は話し、説明を加えます。「作る人」は、主に IT 部門を対象としています。認証やセキュリティなど、生成 AI を活用・運用するための Azure 基盤インフラを整備していきます。また、AI エージェントに関しては、社内情報と外部情報を組み合わせる RAG(検索拡張生成)を含めた定義が必要です。今後のポイントは、生成 AI を活用して「作る人」が出てくるということです。IT 部門に限らず、ユーザー部門による“従業員開発”の要素も、生成 AI 活用の裾野を広げるうえで重要です。生成 AI に関しては、これら 2 種類の「作る人」の育成が必要であり、今回の戦略的枠組みに含まれていると考えています。」

A man sitting at a desk
株式会社りそなホールディングス
IT企画部 グループリーダー
右﨑 通孝 氏

今回の戦略的枠組み締結のポイントは、さまざまな施策が連動しパーパス実現という目的に向かっていく点にあります。日常業務の基盤を Microsoft 365 で刷新し社内情報の一元化を実現。それらを使って Copilot で従業員一人ひとりの生産性・創造性向上を図っていきます。生成 AI を活用する文化を醸成するために使う人と作る人を育成。日本マイクロソフトは、りそなグループ向けに勉強会などを開催し教育面も支援しています。

「3~5 年後には、カルチャー変革の成果が求められます。今後、KPI (重要業績指標) や全体計画を、日本マイクロソフトと一緒につくっていきます。スピード感をもって、計画を進めることができるのは、今回の契約締結があればこそだと思います。また、Copilot や生成 AI の活用によりカルチャー変革の実現をスピードアップできると考えています。」(薄井氏)

3~5 年後、りそなグループの働き方はどのように変化しているのでしょうか。「大半のルーティン作業がなくなり、全ての従業員一人ひとりが、価値創造業務に従事する働き方になっていると思いますと、りそなホールティングス グループ戦略部 ワークスタイル変革室 グループリーダー 加藤 渉氏は話します。

A man sitting at a table
株式会社りそなホールディングス
グループ戦略部 ワークスタイル変革室
グループリーダー
加藤 渉 氏

作る人の視点から薄井氏は、「生成 AI を組み入れたシステムを実装することで、生成 AIと共存する業務プロセスを実現できていると考えています」と話します。右﨑氏は「使う人側は意識することなく、裏側で生成 AI が動いているという業務は多くなっていると思います」と付け加えます。東家氏は、働き方の変化について言及します。「パソコンの前に座って仕事をするのではなく、スマホで生成 AI と会話しながら、場所を問わず仕事を進めていくスタイルをイメージしています」

今回の戦略的枠組み契約締結により、りそなグループの CX が加速します。その動きを、地方銀行も注視しています。「りそなホールディングスは、スマホアプリを提供するなど地方銀行との連携を積極的に行っています。当社グループにおける、生成 AI を活用した CX 事例を積み上げて、成功モデルやノウハウを提供していきたいと思います」(薄井氏)

りそなホールディングスの CX の取り組みは業界の道標に

りそなホールディングスとの戦略的枠組み締結について、日本マイクロソフト 代表取締役社長 津坂 美樹氏は次のように話します。「りそなホールディングス様とは、長年さまざまな形でお付き合いがありました。AI時代は、変化のスピードがあまりにも早い。個別支援ではなく、包括的かつ戦略的な契約を結ばせていただくことで、エンジニアの技術やイノベーションのリソース、最先端の機能を、スピード感をもって活用いただくことができます」

生成 AI活用は、日本の金融業界が新たな成長軌道に乗る絶好の機会となります。しかし、さまざまな規制や企業文化など乗り越えるべき課題もあると津坂氏は続けます。「課題をどう乗り越えて CX を実現していくか。国内金融業界を牽引する、りそなホールディングス様の取り組みは、業界の道標になると思います。パーパス実現に向けてデジタル技術を使ってチャレンジする、りそなグループ様を、テクノロジーパートナーとして全面的に支援していきます」

津坂氏は、企業変革を成功させる要因について分析します。「企業のトランスフォーメーションで重要なのは、アルゴリズムが 10%、テクノロジーとデータが20%、そして人とプロセス、つまり経営層が組織を動かす力が70%です。AI は、あくまで人がリーダーシップを発揮して推進すべきものだと考えています」

実際に、りそなホールディングスの経営陣の本気度は際立っています。2025年6月8日の日曜日、日本マイクロソフト品川本社で開催した「生成AIを活用した業務改革ハンズオン」には、南昌宏 氏(りそなホールディングス グループCEO)をはじめとする経営層が参加しました。東京での実施を皮切りに、大阪、神戸、埼玉を含む全4回の開催を通し、りそなグループの経営・役員陣ら計80名以上へのハンズオンが完了となります。

「今回のハンズオンは非常に熱気に満ちており、トップの強い意気込みを肌で感じることができました。この経営層の姿勢こそが、今回の戦略的枠組みを成功に導く最大の要因だと確信しています」(津坂氏)

A group of people in a room
りそなホールディングスの経営陣が参加した「生成AIを活用した業務改革ハンズオン」の様子
金融業界の新たな成長モデルへ

りそなホールディングスと日本マイクロソフトの戦略的枠組みは、単なるシステム導入を超えた包括的な変革への挑戦です。生成 AI を活用してルーティン作業から価値創造業務へと働き方を転換し、お客さまの複雑化するこまりごとに応える新たな提案力を構築する。この取り組みが成功すれば、金融業界全体のデジタル変革を加速させるモデルケースとなるでしょう。

人と AI が協働する未来の働き方は、もはや構想段階ではありません。りそなグループの実践が示す道筋は、日本の金融業界が持続可能な成長を実現するための重要な指針となります。3~5 年後に描く「ルーティン作業 2 割、価値創造業務 8 割」の世界は、金融サービスの新たな可能性を切り拓いていくことでしょう。

A group of people standing in front of a sign

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グロースマインドセットが導く DX 伝道師への道〜SMBC グループと日本マイクロソフトの人材育成コラボレーション〜 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog/financial-services/2023/03/31/smbc_msacademy2022-02/ Fri, 31 Mar 2023 08:30:00 +0000 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog/uncategorized/2023/03/31/smbc_msacademy2022-02/ 2022 年 3 月に、マイクロソフトと SMBC グループはクラウド分野における戦略的提携の締結を発表しました。現在 Microsoft Azure の活用促進に向けた施策や人材育成を進めており、その取り組みの一環として、SMBC グループの従業員を対象とした DX 人材育成プログラム「2022 MS Academy」を開校しました。

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2022 年 3 月に、マイクロソフトと SMBC グループはクラウド分野における戦略的提携の締結を発表しました。現在 Microsoft Azure の活用促進に向けた施策や人材育成を進めており、その取り組みの一環として、SMBC グループの従業員を対象とした DX 人材育成プログラム「2022 MS Academy」を開校しました。

参考:ビジネス変革の“タネ”は社内にあり。新たな価値を生み出す SMBC グループの自律人材育成アカデミー

本稿では 2022 MS Academy を振り返りつつ、2023 年 3 月 9 日に開催された結果発表会において優秀賞に選ばれた皆さんの声をお届けします。

株式会社日本総合研究所
ネットワーク・クラウド基盤システム本部 CCoE グループ 次長
秋吉 郁郎 氏

三井住友フィナンシャルグループ
IT企画部 インフラ企画グループ グループ長
北野 健太 氏

業務執行役員 金融サービス事業本部 銀行・証券営業本部長
金子 暁

インダストリーソリューションデリバリー事業本部 エンタープライズソリューションデリバリー統括本部 アーキテクト
大原 誠

マインドの変化と企画力の強化が大きな収穫に

――MS Academy を開校した意図を改めてお聞かせください。

秋吉 DX を成功に導ける人材とは、デジタル技術を使いこなすだけではなく、目的と課題を明確にしたうえで、やるべきこととそれ以外を区別し推進できる人材だと思っています。MS Academy でもその点を重視し、企画力の向上を目的として日本マイクロソフトと一緒にプログラムを組み立てました。

大原  MS Academy ではまず思考法や企画立案を学んだうえで、実際に企画を立案し、その後にクラウドを活用して企画を実装・実現していただく点に大きなポイントがあります。 日本マイクロソフトでは、チャレンジを推奨し、経験のすべてを成長につなげる考え方である「グロースマインドセット」を社員が共有し、自社の変革を進めています。MS Academy のプログラム中は、参加者の皆さんがもともと持っているグロースマインドセットを、少しでも多く引き出せるよう常に意識しました。開始当初はどうしたらよい企画が立てられるのか戸惑われた方もいるかもしれませんが、プログラムで日を重ねるにつれてもともと備わっていたグロースマインドセットが花開き、最終的には自身で考え企画を実現する体験をしていただけたのではないかと考えています。

授賞者へ表彰盾が手渡される様子

――MS Academy を振り返って、どのような感想をお持ちでしょうか?

北野 画一的な座学ではなく、日本マイクロソフトのスペシャリストによるコーチングのもと、参加者の皆さんが自ら企画を立て、そのアイデアを具体的に実装し、成果を競い合えたことは大きな収穫だったと思います。
結果発表会では、普段の業務や生活のなかで感じていた問題意識をしっかりと課題に落とし込んで、いきいきとプレゼンする様子がとても印象的でした。

秋吉 参加者の皆さんのマインドの変化や成し遂げた結果には目を見張るものがあり、SMBC グループの DX を成功に導く人材として、新しい一歩を踏み出したものと確信しています。特に効果的だと感じたのは、彼ら自身が自分の課題に気づき具体化するきっかけになったこと。そして失敗を恐れずチャレンジを続けるといったマインドの変化につながったことです。
皆さんにとっては、これまでほとんど経験のなかった企画力や実践力を問われる課題に対するプレゼンテーションや実装を経験するにあたり、思い描いていたのとまったく違うと感じたことも多かったのではないでしょうか。そんななかでも失敗を繰り返しながらやり抜く機会を得たことで、これまでの考え方では通用しない壁があること、それを乗り越えるためには企画力と技術スキル、チームワークが欠かせない要素であることに気づきがあったのではないかと思います。

北野 クラウドは、迅速にサービスインできるといったメリットがある反面、その内容を理解した上で正しく使いこなさなければ、効果が半減するどころかセキュリティインシデントにつながるリスクを孕んでいます。ですからクラウドを熟知し、使いこなせる人材はとても重要ですし、参加者の皆さんが MS Academy を通して Azure を使いこなす入口に立てたことは、SMBC グループとしても大きな成果だったと思っています。

会議室で全体に向けて説明をする男性

――これから、どのような展開を期待しますか。

北野 参加者の皆さんには、これからもチャレンジを重ねて、自らの成長につなげるとともに、SMBC グループにおける Azure を利用した開発案件に従事するなど、適切なクラウド活用の促進に貢献してくれることを期待しています。そして日本マイクロソフトには、引き続き人材育成も含めた SMBC グループ全体の DX を推進するための支援をお願いしたいと思っています。

大原 MS Academy は金融業界のみならずすべてのお客さま、パートナーさまとの共創における人材育成のモデルケースになったのではないかと考えています。
私たち日本マイクロソフトにとっても、大変意義深いプログラムになりました。SMBC グループのようなパートナーさまのなかに DX を推進するためのマインドを持った人材が増えることで、私たちのテクノロジーを最大限活用いただくことができ、それがテクノロジーの進化につながり、さらにパートナーさまのDX 推進に役立てていただける、そんな循環が構築できることを期待しています。

秋吉 私たちは 2022 年度の MS Academy の経験を踏まえて、今後さらに自分たち自身の力で目的と課題を明確化し、DX を推進できる人材の育成に力を注いでいきたいと考えています。具体的には、本プログラムをさらに改良して企画力と実現性を問うプログラムに成長させていきたいと思っていますので、日本マイクロソフトにも、Azure のベストプラクティスに基づくアーキテクチャデザインのレクチャーなど、育成プログラムの充実に協力をお願いしたいと思っています。

会議室で全体に向けて説明をする男性
会議室で全体に向けて説明をする男性

三者三様に評価を受けたチームが各賞を受賞

MS Academy に参加した 8 チームが、それぞれ工夫を凝らしたプレゼンテーションを繰り広げた結果、以下の 3 チームが表彰を受けました。評価対象は企画・アーキテクチャ・プレゼンテーションの 3 点。成果物だけではなく、そこに込められた思いやアピールへの意識も含めた審査が行われました。

結果

最優秀賞 D チーム「AI Boss」
株式会社日本総合研究所 ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
廣川 奏絵 氏

株式会社日本総合研究所 ホスト・情報基盤システム本部 コンタクト・情報基盤システム
石川 勇太 氏

株式会社日本総研情報サービス 銀行運用本部 東京ITシステム運用第一部
中川 直 氏

株式会社日本総研情報サービス 開発本部 開発第二部
中牟田 匠梧 氏

企画賞 E チーム「つながるソフト」

株式会社日本総合研究所 ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
栗田 果穂 氏

株式会社日本総合研究所 グローバル市場システム本部 金利・デリバティブシステム部
萩原 敦史 氏

アーキテクト賞 F チーム「ワークライフパッション」

株式会社日本総合研究所 ホスト・情報基盤システム本部 コンタクト・情報基盤システム チーム長
鷲尾 光彦 氏

株式会社日本総研情報サービス 開発本部 開発第二部
八重樫 秀一 氏

株式会社日本総合研究所 ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
礒部 紫帆 氏

ここで生まれたつながりが DX の原動力となることに期待

三井住友フィナンシャルグループ
IT 企画部 インフラ企画グループ グループ長
北野 健太 氏

参加者の皆さんは現業を抱え、相当大変な思いをしながら企画・実装・プレゼンの準備まで取り組まれたと思います。もっと専念したいという思いもあったかもしれません。ですがプレゼンを拝見して、どの企画もこの短期間でつくるものとしてはとても素晴らしいと感じました。

「AI Boss」は、私たち管理職の業務を肩代わりしてくれるツールだと思うので、早く実用化されてほしいですね。「つながるソフト」は、実は私は一番高く採点しました。アジャイル開発によって実装できた部分とできていない部分を踏まえた上での提案で、工夫の余地まで見えたのが好印象でした。「ワークライフパッション」は、パッションという一見会社の業務とはかけ離れた着眼点がとてもよかったと思います。どの企画も改善の余地は大いに残されていると思うので、このプロジェクト終了後も、やり残した部分に取り組んでもらえると嬉しいです。

会議室の椅子に座ってインタビューを受ける男性

ひとつ贅沢を言えば、もう少し現状を踏まえた提案もほしかったですね。新規で実装する視点だけではなく、現在使われているツールやシステムをどう生かすか、といった視点があれば、もっと実用に近いアイデアが生まれたのではないかと思います。

MS Academy で最も印象的だったのは、参加者の皆さんが自分たちで率先して、協力しながら楽しそうに取り組む様子です。私は主にリモートで参加していたのですが、もっと現場で皆さんと触れ合って熱を感じておけばよかったと少し後悔しています。

この経験を通して DX の入り口に立った皆さんには、現部署に戻ってからぜひとも DX の伝道師になっていただきたいと思います。そして MS Academy で生まれた業務や部門を超えたつながりが、SMBC グループの DX 推進の原動力になることを願っています。

横一列に並べられた表彰盾、左から「企画賞」「最優秀賞」「アーキテクチャ賞」
表彰盾を手に、上下 2 列に並ぶ授賞チームのメンバー

授賞チームの声

アーキテクト賞 F チーム「ワークライフパッション」

私たちが提案した「ワークライフパッション」は、タスクの登録管理と予実の見える化、タスクのマッチング、スキル管理の 3 つの機能を備えています。実用化するにはもっとレベルを上げないといけないと思いますが、音声認識や自然言語解析など、当初見込んでいなかった機能も盛り込めたので、ある程度は満足しています。

アーキテクト賞を受賞できた理由としては、ワークライフパッションは Azure の特定のサービスではなく複数のサービスを組み合わせてつくったソリューションなので、その辺りの工夫を評価していただけたのではないかと思っています。

私たちのチームはメンバーの年次や職掌がバラバラで、違う角度からのアイデア出しやペルソナの設定のリアリティといった点でよい効果が生まれたと思っています。3 人が役割分担してお互いにカバーし合えたことも、この結果につながった理由ではないでしょうか。

MS Academy でアジャイル開発を経験できたこと、Azure について学べたこと、グロースマインドセットを意識できるようになったこと、そしてなにより、ひとつの成果物をつくる成功体験を得られたことが大きな収穫だったと感じています。

アーキテクト賞の盾を持って横一列に並ぶ授賞者たち

企画賞 E チーム「つながるソフト」

私たちのソリューションでは、社内のつながりをより向上させることをコンセプトに、C パズルというプロダクトをつくりました。企画を応募したいときにお勧めの参加者を推薦したり、ユーザーにとってお勧めの企画を機械学習を用いて提案したりする機能を想定しており、PowerApps を使ってサイトを構築して、データを Azure とやり取りする仕組みを実装しました。

私たち自身、中途入社だったりコロナ禍の入社だったりしたので、横のつながりがないことを課題に感じていたことから、社内マッチングというアイデアが浮かびました。業務だけではなくプライベートでも使えるアプリという点が、評価されたポイントではないかと感じています。プレゼンでも、チームを会社に見立てて、コンセプトをわかりやすく伝える工夫をしました。

正直、最初の企画出しの段階では本当に完成できるのか不安でいっぱいだったのですが、グロースマインドセットに基づいて失敗を恐れずにタスクを進めるうちに、楽しもうという気持ちで取り組めるようになりました。また、アジャイル開発に触れたことで、自分のタスクだけでなく相手のタスクのことも意識できるようになりました。これらの経験はきっと現業でも生かせると思います。

企画賞の盾を持って横一列に並ぶ授賞者たち

最優秀賞 D チーム「AI Boss」

私たちが作ったのは、普段業務で使っている Microsoft Teams での会話を自動で収集して、質問項目を投げると適切な回答を返してくれる「AI Boss」です。Teams の機能を拡張する形で、通常のチャットボットをさらにレベルアップしたアーキテクチャになります。何人もの部下から同じ質問をされたり、何度も同じことを指摘したりする上司の手間や、逆に質問した人やタイミングによって別の答えが帰ってくることがある部下の不満を減らしたいという思いや、先輩方の頭の中だけにある知識を自動的に収集して次の世代に受け継げると便利だな、というアイデアが元になっています。

当初想定していた機能に加えて追加機能も実装できたので、自分たちの評価としては及第点以上のものはできたと思っています。プレゼンのときにちょっとした寸劇や審査員の方に参加していただくなど、演出を工夫した点も評価につながったのではないでしょうか。

活用できそうな Azure のサービスを調べるところから始めたので苦労もあったのですが、日本マイクロソフトのサポートで、のびのびと取り組めました。また、失敗を恐れないグロースマインドセットで臨んだことで、完璧ではないかもしれませんがひとつの成果物を残すことができました。なにより、お昼休みに食事しながら打ち合わせをするなど、メンバー全員が楽しみながら開発に取り組めたことが一番の収穫だったと思っています。あのワクワクした気持ちはこの先も忘れることはないと思います。

最優秀賞の盾を持って横一列に並ぶ授賞者たち

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ビジネス変革の“タネ”は社内にあり。新たな価値を生み出す SMBC グループの自律人材育成アカデミー http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog/financial-services/2022/12/27/smbc_msacademy2022/ Tue, 27 Dec 2022 00:33:06 +0000 http://approjects.co.za/?big=ja-jp/microsoft-cloud/blog/uncategorized/2022/12/27/smbc_msacademy2022/ 株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下 SMBC グループ)とマイクロソフト コーポレーション(以下マイクロソフト)は、2022 年 3 月にクラウド分野における戦略的提携を締結しました。
SMBC グループは Microsoft Azure(以下 Azure)をクラウドプラットフォームとして、そのサービスを活用して自社の DX を推進するほかに、マイクロソフトの知見やノウハウを活用して、従業員のデジタルスキル向上を図っていきます。その一環として実現したのが Microsoft Specialist Academy(以下 MS Academy)です。

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株式会社三井住友フィナンシャルグループ(以下 SMBC グループ)とマイクロソフト コーポレーション(以下マイクロソフト)は、2022 年 3 月にクラウド分野における戦略的提携を締結しました。

SMBC グループは Microsoft Azure(以下 Azure)をクラウドプラットフォームとして、そのサービスを活用して自社の DX を推進するほかに、マイクロソフトの知見やノウハウを活用して、従業員のデジタルスキル向上を図っていきます。その一環として実現したのが Microsoft Specialist Academy(以下 MS Academy)です。

本稿では、MS Academy を立ち上げに関わったSMBCグループの中核システム会社である株式会社日本総合研究所(以下 JRI)の秋吉氏と日本マイクロソフトの金子、大原による対談と、受講した若手エンジニアの皆さんのインタビューを通して、MS Academy の意義と会社に変革を起こすために必要な人材育成について考察していきます。

株式会社日本総合研究所
ネットワーク・クラウド基盤システム本部 CCoE グループ 次長
秋吉 郁郎 氏

グローバル市場システム本部 金利・デリバティブシステム部
浅賀 洋人 氏

ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
山銅 康弘 氏

ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
廣川 奏絵 氏

ネットワーク・クラウド基盤システム本部 クラウド基盤システム部
加古 晴也 氏

日本マイクロソフト株式会社
金融サービス事業本部 銀行・証券営業本部 本部長
金子 暁

インダストリーソリューションデリバリー事業本部 エンタープライズソリューションデリバリー統括本部 アーキテクト
大原 誠

自ら考え、物事を前に進められる自律人材を育成する MS Academy

秋吉 SMBC グループは 2022 年 3 月に日本マイクロソフトとの戦略的パートナーシップの合意を発表しました。この合意に基づき、両者は Azure をはじめとしたマイクロソフトのクラウドサービスを活用して、一般のお客さまと従業員に対して新しい価値を提供し、グローバルなビジネスの展開を目指します。さらにこのパートナーシップでは、SMBC グループ従業員の人材育成にも取り組んでいきます。
私たちにとっての人材育成とは、多くの従業員が技術力だけではなく企画力や提案力を兼ね備えることが必要だと考えています。この企画力といった点では、この MS Academy の実現がその見本となる企画でした。日本マイクロソフトのコンサルタントチームと共に、このプログラムを通して、受講生が抱えるスキルアップの目的や自身の課題に気付き、さらに具体化できるテーマはどんなものか、楽しみながら取り組み続けることができるカリキュラムはどういったものか、検討を重ね育成プログラムの企画を行ったものです。この内容について全体ガバナンスを担う SMFG IT 企画部や当社関係部署、日本マイクロソフト関係者へ提案し、協議の結果誕生したのが MS Academy です。

Microsoftロゴをバックにプロジェクトについて語る日本マイクロソフト社員とクライアント

金子 マイクロソフトはテクノロジーをお客さまにお届けする会社であり、DX そのものは、お客さまのビジネスの変革に向けた取り組みであるべきだと理解しています。また DX とは、クラウドを使うことや単純に IT 化することではなく本質的にビジネスを変革することであり、お客さまにマイクロソフトのテクノロジーを使ってビジネスを変革していただくためのお手伝いをするのが、私たちの立場です。
SMBC グループの経営層の方々からは、つねづねデジタル人材の育成を課題に感じているとお伺いしていました。この MS Academy でその課題を一緒に解決していければと考えています。

秋吉 実はこの MS Academy のプログラムを構築するにあたり、最初はもう少し技術寄りの、Azure の資格などを勉強する会はどうでしょうか、というところからスタートしたんです。しかし金子さんがおっしゃるように、DX 人材の育成においては、自ら企画を行い、実現のための技術を選定し使いこなすことで、その企画の実現ができる人材を育てることが大切だと考えていました。例えば、資格を取得したとしても、実践する機会に恵まれなければ、いわばペーパードライバーのような人材になってしまうことも考えられます。MS Academy は、まずは企画のために課題を特定して細分化し、どのように解決すればよいのかを考えられるようになること。そして “クラウドのさまざまなサービスを自身で学び、企画に適したサービスを選定し、自ら取り組むことができる力”を養うカリキュラムが中心となっています。

大原 ビジネスの現場で課題解決をリードできる自律人材の輩出をゴールに、マイクロソフトがこれまでさまざまなお客様にご提供してきた人材育成カリキュラムを再設計し、ご提供しています。自ら課題を発見・定義し、テクノロジーを使いこなして解決に導く、そういった人材がたくさん揃う企業が持続的に成長できるはず、という思いを込めています。
MS Academy は、前半の企画のフェーズと後半の実現・実装のフェーズに分かれた 3 か月間のカリキュラムとなっています。企画フェーズでは、まずデザインシンキングやロジカルシンキングといった思考法や企画立案について学んでいただいたうえで、3~4 名のチームを組み、実際にゼロから企画を立案・プレゼンしていただきます。後半の実現・実装フェーズでは、Azure のサービスを駆使して企画を実装し、成果をプレゼンしていただくという流れになります。もちろんカリキュラムのなかには基本的な Azure の概要や主なマネージドサービスを学んでいただく機会を設けています。今回、全 8 チーム、26 名の方に参加いただいており、特に優秀な 3 チームには、2023 年 2 月に最終成果発表会への参加と表彰を予定しています。

日本マイクロソフト 大原氏

MS Academy 受講生に聞く、ここで得られたこととこれからの課題

Q、MS Academy に参加してみていかがでしたか?

浅賀 私は入社当初、資本に関わらず大きな仕事ができる点に IT の魅力を感じていました。ただ入社後 3 年経って、業務のなかでアイデアをどのように着想して形にするかという部分は培いきれずにきてしまったという反省がありました。MS Academy ではそこに向き合えていると感じています。

山銅 参加する前は技術力に自信がなく、ついていけるか不安だったのですが、実際は実装より企画や同じ期の人たちと力を合わせることが重視された内容で、そういった意味では自分も貢献できるところがあったのではないかと思います。エンジニアとして技術力はもちろん必要ですが、普段の業務でも自分ひとりで完結する仕事はほとんどありませんから、大きな学びになりました。

MS Academyメンバーの山銅氏

廣川 たしかに実際の業務だと、企画だけ、実装だけといった形で部分的な知識しか得られないことが多いですよね。一連の流れで皆さんと協力しながらできるいい機会だったと思います。

加古 予想外だったのは、他の研修だと一連のマニュアル通りにフローを経験するようなものが多いのですが、MS Academy はとても自由度が高かったことです。どんなクラウドサービスを使ってもいいから、自分たちの立てた企画に必要なものを選んで組み立てていくというカリキュラムには、いい意味で驚かされました。

廣川 ただ自由度が高すぎて、アイデア出しのときに方向性を定めるまで少し戸惑いはありましたね。今回は業務に関する企画に決まったのですが、アイデアのひとつだった、私の趣味であるサウナの情報プラットフォームをつくる企画にも、個人的に取り組んでみたいと思っています。

浅賀 私は機械学習に興味があるので、ここで学んだことを生かして機械学習の API など皆さんに自由に使ってもらえるようなものをつくってみたいです。

会議室で談笑するMS Academy参加メンバー02

Q、MS Academy ではどんなことが身につきましたか?

山銅 今回教わったグロース・マインドセットのポイントのひとつに失敗を恐れないマインドがあり、それは大いに普段の業務でも役立つと感じています。今回立てた企画も、アイデア出しの段階ではちょっとした業務改善施策レベルのものを考えていたのですが、グロース・マインドセットに基づいて、実現できないかもしれないけれど、もっと大きなサービスにしてみよう、という方向で練り直しました。

加古 チャレンジ精神が身についたと思っています。金融関連のシステムはミスが許されない部分が多いのでどうしても保守的になりがちです。MS Academy で、チャレンジの結果失敗したとしてもチャレンジしなかった場合より得るものは多いということを学びました。業務の中でも、もともとあるやり方に対して別の方法を提案していくことにチャレンジしてみたいと思っています。

MS Academyメンバーの加古氏

廣川 参加以前は自分の目線でしかものごとを考えていなかったことに気づきました。さまざまなステイクホルダーの関係性も考えながら、自分はこういった課題を感じているけれど、別の立場の人にとってはどんな課題なのか、周りの視点を踏まえてよりよい解決方法を考えられるようになったと思います。

浅賀 視野が広がるという点では、私は普段はオンプレミスでシステム開発をしているのですが、それだけだと使える技術や知識が固定化してしまいます。全く異なるアーキテクチャがベースになる Azure を学ぶことで、新しい知見を得ることができています。

会議室で談笑するMS Academy参加メンバー03

Q、結果発表会についての意気込みは?

山銅 企画を完成させるのは前提として、ビジネスとしてマネタイズの部分まで考える必要があると思っています。単純に実装のクオリティを上げるだけではなく、その後を見据えたプレゼンにしていきたいですね。

加古 IT の世界というのは、からくりを知らなければ魔法のようなものだと思っています。私たちのグループでは、中高生がワクワクしてくれるような面白みのあるものをつくろうとしています。

廣川 上司と部下がテーマの企画なのですが、審査員である上席の皆さんの痒いところに手が届くようなものになると思います。最優秀賞を目指します。

MS Academyメンバーの廣川氏

浅賀 発表会で「それ面白いね、予算取るから事業化しちゃいなよ」と言っていただけることが本当の価値でありゴールだと思っています。そこを目指したいですね。

Q、もう少し学んでみたかったことや今後やってみたいことはありますか?

浅賀 MS Academy は自分で考えて行動することがひとつのテーマなのですが、自分の知識の範囲内や少し飛び出たところからの発想になってしまいがちなので、さらに自分の領域を広げられるようなことも学んでみたかったです。

MS Academyメンバーの浅賀氏

山銅 最終的に発表して人に見ていただくものを目指しているので、見えるところばかり気にしがちですが、その裏で動いているセキュリティに関して今回は手が届いていないので、機会があれば学んでみたいです。

加古 企画という意味では、自社の既存サービスを PaaS や SaaS で置き換えるとどこまでコストが抑えられるのか、そのためにはどんな課題があるのかというところを探ってみたいと感じました。

会議室で談笑するMS Academy参加メンバー04

山銅 たしかに、MS Academy では課題を見つけることがテーマなのでそこに時間をかけられますが、日々の業務ではなかなか時間が取れません。普段から意識して課題考察に割く時間を設ける必要があると感じています。

浅賀 金融というビジネスの枠を外れるような提案ができないかとも思っています。現状だと、SMBC グループ内では金融ビジネスに関して詳しい銀行側が企画せざるを得ない構図があります。そこに私たちのアイデアを加えて、JRI 発の全く新しい企画を実現してみたいですね。

廣川 社内でも、普段の企画業務は次長や部長クラスとユーザーである銀行との間で完結することが多いので、担当者レベルが課題に向き合う能力を持てれば、異なる視点からの意見を集めて企画力を高められるかもしれません。私自身、そのハブになれる能力を身につけていきたいと思います。

MS Academy参加メンバー、浅賀氏、山銅氏、廣川氏、加古氏

MS Academy をひとつのスイッチとして、社内のタネを花咲かせる

大原 今回、26 名の受講生に参加していただいているわけですが、私が想定していた以上に高いモチベーションとポテンシャルをお持ちの方ばかりで、大変驚いています。この 26 名の方々が中心となって SMBC グループの変革を進めていただけると信じていますし、MS Academy 終了後も、マイクロソフトは全力で変革をご支援していきたいと思います。

秋吉 受講生はさまざまな部署から集まっています。これまで彼らは要件に基づいて自分たちの業務範囲内でプロジェクトに関わってはきましたが、MS Academy を通して SMBC グループ全体に対する課題感やチャレンジする気持ちが芽生えたのではないかと感じています。今から成果発表会が楽しみですね。マイクロソフトが提唱されているグロース・マインドセットに代表されるような企画力ややり抜く力も評価の要素に入ってくると思うので、その部分がどれくらい身についているのか。とても期待しています。

株式会社日本総合研究所 秋吉氏

金子 普段の業務の範囲を外れた視点からどんな提案が飛び出すのか楽しみですよね。修了後は受講生の方が SMBC グループのなかでエバンジェリストのような役割を担っていただけると嬉しいです。MS Academy に参加した意義があったと思っていただけるとよいのですが。

秋吉 一方でこれからさらに求められるものは、企画力や提案力とそれを支える思考方法の部分ですね。例えばこの MS Academy の提案過程を振り返ると、それらの力がなければ「Azure のスキルを身につけましょう」「資格合格者何名!」といった内容で終わっていた可能性もあるわけです。このように考え方が変われば行動も変わりますし、得られる機会や知見も変わります。受講生には、自ら企画する機会は身近にあるということを知り、そのチャンスに気づけるようになってほしいと思っています。

金子 秋吉さんのおっしゃる通り、MS Academy の成果は受講生の皆さん自身がどのように変化したかによってわかると思います。今、社会から求められているのは、デジタル技術を使いこなせる人材です。MS Academy の受講がきっかけとなって、さまざまなテクノロジーに触れたり、それを使って何ができるか考えたりするスイッチが入ったのであれば、そのスイッチをずっとオンのままにしておいてほしいと思います。

日本マイクロソフト 金子氏

秋吉 前述の通り、SMBC グループでは DX 人材に限らず、課題解消のために適材適所で技術を選別する力とそれを実現する力のある若手中堅層の人材を増やしていきたいと考えています。これからはさらに内製開発にも力を入れていきますので、そういった人材、仲間を増やさないと変革は実現できません。ぜひ日本マイクロソフトの力もお貸しいただき、共に推進していきたいと思います。

金子 もちろんです。これからの DX においては、人材を内部で育成しなければならないという部分に気づけるかどうかが重要だと思っています。SMBC グループは、秋吉さんのような現場に近い方から経営層まで、皆さんにその課題認識があり、必要な取り組みを模索していることが素晴らしいと感じています。

秋吉 外部に発注すればそれで済んでしまうことがありますが、それでは新たな価値実現のための力に持続性が無くなってしまいますからね。それに、外部に任せてしまうと内部の人間の経験や育成の機会を逃してしまうかもしれません。今はクラウドサービスを活用すれば、オンプレミスの頃と比べ、さまざまなことが簡単に自分の手で実現できる時代です。例えばマイクロソフトが新しいサービスを発表したら明日から使いましょう、という人材がいるかどうかでビジネスのスピード感は大きく変わってくると思います。その新たな技術を自ら学び、課題解消のための企画と提案ができる人材が必要なのです。

金子 私たちがお客さまの人材育成をお手伝いする背景には「地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする」という企業ミッションがあります。変革のタネは必ずお客さまの中にあるはずです。そのタネから花を咲かせるためにできるお手伝いのひとつが MS Academy だと思いますし、これからもデジタルの技術で支援してまいりたいと思っています。

秋吉 ぜひこの MS Academy をブラッシュアップして一般にも広めてほしいと思っています。今はもうオンプレミスでハードを調達しなければいけないという時代ではありません。企画立案の力と巻き込み力を持ってマイクロソフトの各サービスを使いこなせる人材なら、必ずや新しい価値は生み出せるはずです。

MS Academy立ち上げメンバー、株式会社日本総合研究所 秋吉氏、日本マイクロソフト 金子氏、大原氏

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