データ ストーリーテリングは通常の人間的なストーリーテリングと非常によく似ていますが、さらなるメリットとして、より深いインサイトを活用できること、裏付けになる証拠をグラフやチャートで示せることが加わります。複雑な情報をデータ ストーリーテリングによってシンプルに伝えると、オーディエンスをコンテンツに引き込むことができ、より迅速に確信を持って重要な意思決定を行わせやすくなります。
データ ストーリーを構築することによって人の心を動かし、行動を起こさせる手法は、非常に強力なツールになります。効果的なデータ ストーリーテリングには、人と組織にプラスの影響を及ぼす力があります。優れたデータ ストーリーテリングには以下のようなメリットがあります。
優れたデータ ストーリーテリングは、収集した生データをすべて分析し、仮説を確認したうえで行われます。そして、意図した変化をそのデータ ストーリーの発信によって実際に発生させることを期待して行われます。
ストーリーを開始するには、すべてのデータをレビューしてからにしましょう。自分の理論の裏付けになるデータ セットにばかり注目したくなることもありますが、誘惑に負けず、全体像を見る必要があります。データの語りかけてくる声を受け止め、明確なデータ ストーリーを、適切なツールを使ってチームに発信します。手に入るデータ セットがあまりにも膨大で圧倒されるかもしれませんが、それらは、自分が望む形でストーリーを伝える方法を体系的に組み立てるための参考になります。
自分の理論の裏付けになるデータだけでなく、理論に合わないデータにも必ず目を向けることが重要です。とはいえ、手に入った個別のデータをすべて盛り込む必要はありません。偏りがないナラティブの指針として役立つデータセットを使いましょう。データ ストーリーは、常に、ビジネスに役立つアクションや変化をどのように促すかを反映したものであるべきです。
データのビジュアル化は、オーディエンスにどれくらい複雑な情報の受容力があるかを決める上で重要な役割を担います。データのビジュアル化は、無限のデータをシンプル化し、消化しやすいものに変換するために役立ちます。この作業では、ストーリーをサポートするために必要なビジュアルを提供します。効果的なビジュアル化は以下の意味で役立ちます。
データのビジュアル化ツールで構築したデータ ダッシュボードを使うと、そのような発見やインサイトのほとんどについて、理解しやすさを高めることができます。
データ ダッシュボード は、情報管理とビジネス インテリジェンス (BI) に使われるツールです。データ ダッシュボードには、重要な情報がわかりやすい形式で 1 か所に整理して表示されるため、複雑なメトリックの意味が見えるようになり、データ ストーリーとストーリーの仮説との関係をオーディエンスに理解してもらうために役立ちます。
データ ダッシュボードを使うことには以下のメリットがあります。
構造化されたアプローチを取ると、データ ストーリーテリングとデータのビジュアル化を連携させ、インサイトを 3 つの主要素 (ナラティブ、ビジュアル、データ) で伝えることができます。データ ストーリーを作成する際は、以下の 3 要素を組み合わせて、自分の理論を包括的に伝えるエピソードと、その結果としてユーザーに期待する行動を記述することが重要です。
以上 3 つの要素を組み合わせれば、オーディエンスの感情に訴えかける効果的なデータ ストーリーを作成できます。感情は、意思決定において重要な役割を担う要素です。データ ストーリーテリングの中で、感情のコンテキストと客観的なデータが結びつくと、人に影響を及ぼす力が生まれます。これら 3 つの主要な要素をうまく統合したとき、そのデータ ストーリーには、人に影響を及ぼして変化を促す力が備わります。
データ ストーリーテリングは、状況設定を伴うナラティブの中でデータを伝える技術です。データ ストーリーを提示するには、いくつかの異なる方法があります。データ ダッシュボードには、ナラティブづくりに利用できるすべてのデータが表示されます。下の図はオーディエンスの目を引くデータ ストーリーテリングの例です。
ダッシュボード上では、あらゆる情報が主役級の扱いで前へ出てきます。ある程度のコンテキスト情報をダッシュボードから読み取ることは可能ですが、データ ストーリーとして伝えるには、ナラティブを構築し、点と点をつなぐ必要があります。簡潔さを心がけましょう。最も手早くデータ ストーリーを伝えるには、多くの場合、イントロの説明文 1 つとデータドリブンなグラフィックを示す方法が使えます。
もう 1 つは、データのビジュアル化を複数連携させたデータ ストーリーテリングの例です。コール センターの分析結果として、テーマ別の顧客満足度、満足した顧客と不満足な顧客の割合、満足した顧客と不満足な顧客の総数、その他の小さなストーリーを組み合わせて、全体の大きなストーリーを語る構成になっています。
インフォグラフィックは、データ ストーリーテリングの一形態であり、魅力的なビジュアルでデータ ストーリーをすばやく伝える方法でもあります。ストーリーの伝達を助ける個別のビジュアル化データを並べて構成するだけでも、インフォグラフィックは成立しますが、それでは上の例のようなナラティブが伝わりにくい場合があります。
データ ストーリーテリングは、データと分析の消費方法を大きく変える可能性を持っています。生データによって示される意味不明な数字や数値に、データ ストーリーテリングは人間的な温かみを加えることができます。そのプロセスの主な要素はナラティブ構築ですが、力強いストーリーを作成するためには、偏りのない視点からその情報を理解して解釈できる必要があります。Microsoft Power BI は、そのストーリーを伝える作業の助けになります。
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