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Microsoft デジタル防衛レポート 2024

Microsoft デジタル防衛レポート 2024: サイバーセキュリティの基礎と新たなフロンティア

複雑で困難、そしてますます危険を増す

昨年、サイバー脅威の状況は引き続き、より危険で複雑なものとなっていました。世界の悪意のあるアクターは、ますます洗練された戦術、技術、ツールを駆使しており、世界最高のサイバーセキュリティ防御者たちにさえ挑戦する、より優れたリソースとより優れた準備態勢を整えつつあります。  Microsoft でさえ、果敢で、豊富なリソースを持つ敵対者による巧妙に計画された攻撃の被害に遭っています。また、当社のお客様は、ランサムウェアからフィッシング、ID 攻撃にいたるまで、毎日 6 億件以上のサイバー犯罪者や国家による攻撃にさらされています。

Microsoft 独自の広範でグローバルな視点により、個人から国家まで、あらゆる人々に影響をおよぼすサイバーセキュリティの主要なトレンドについて、これまでにない分析情報が提供されます。セキュリティに関するシグナルのスペクトルは、政府、大小さまざまな企業、消費者、ゲーマーなど、多様なお客様やパートナーによってさらに強化されています。

Microsoft ならではの貢献

  • Microsoft は世界中で数十億ものお客様にサービスを提供しており、さまざまな企業、組織、消費者からのセキュリティ データを集約することができます。
     

    私たちはデジタル エコシステムの中で重要な役割を果たしており、サイバーセキュリティの主要なトレンドを把握することができます。サイバーセキュリティに対する Microsoft の見解は、50 年にわたる経験と分析情報に基づいています。

  • デジタル脅威や犯罪的なサイバー活動を理解し、それらから保護するために、クラウド、エンドポイント、ソフトウェア ツール、パートナー エコシステムから 1 日あたり 13 兆* もの追加のセキュリティ シグナルが送信されます。

     

    *2023 年: 65 兆、2024 年: 78 兆

  • Microsoft 脅威インテリジェンスは現在、1,500 以上の固有の脅威グループを追跡しており、これには 600 以上の国家主導型脅威アクター グループ、300 のサイバー犯罪グループ、200 の影響工作グループ、その他数百のグループが含まれます。
  • 増大するサイバー脅威に対応して、Microsoft は約 34,000 人のフルタイム相当のエンジニアをセキュリティ イニシアティブに再配置しました。このチームは、防御の強化、フィッシング耐性のある MFA の開発、企業ネットワークの強化に専念しています。Microsoft はセキュリティを優先することで、ますます巧妙化するサイバー攻撃に対する製品とサービスの回復力を確保しています。

  • Microsoft のクラウド インフラストラクチャ、プラットフォーム、アプリケーション、マルチクラウド シナリオのサポートは、電力監視やビルのオートメーション システムなどの重要な環境全体にわたる脆弱性を分類するのに役立ちます。このパートナーの広大なエコシステムによりデータが強化され、重大な弱点の検出が可能になります。このデータを活用することで、脅威インテリジェンスを強化し、エコシステムのセキュリティを継続的に強化しています。

第 1 章では、高度な技術を持つ国家アクター、ランサムウェア攻撃の増加、進化する詐欺の手口、根強いフィッシング詐欺の脅威、そして ID セキュリティにおける新たな課題などにより、グローバルなサイバー脅威の状況がますます複雑化していることを強調しています。この章からの分析情報により、積極的かつ多面的なサイバーセキュリティ戦略の緊急性が明確になります。

第 1 章の要約

  • 国家関与型脅威アクターは、金銭的利益のために作戦を展開し、サイバー犯罪者やコモディティ マルウェアを活用して情報を収集します。 

     

    2024 年の重要なインサイトの 1 つは、"教育と研究" が、国家関与型脅威アクターから 2 番目に多く狙われるセクターになったことです。これに属する機関は研究や政策にインテリジェンスを提供する存在であるため、多くの場合、アクターは真の標的を手掛ける前の実験台として攻撃しています。

  • ランサムウェアは、依然としてサイバーセキュリティの重大な懸念事項です。Microsoft の観測では、人間の操作するランサムウェアに関連した遭遇件数 (ネットワーク内の少なくとも 1 つのデバイスが標的にされたもの) が、前年比で 2.75 倍に増加しています。ただし、遭遇件数は増えたものの、最終的に身代金の請求を受けた (暗号化段階にリーチされた) 組織の割合は、2 年の間に 3 分の 1 未満まで減少しています。

  • サイバー対応型の金融詐欺は世界的に増加しており、その中には、決済詐欺のトレンドや、正当なサービスをフィッシングや悪意ある活動のために悪用するトレンドが新たに発生しています。詐欺に関しては、テックサポート詐欺 (正規サービスへのなりすまし、偽のテクニカル サポートや広告によってユーザーを騙す) が憂慮すべき形態の 1 つになっています。2021 年から 2023 年にかけて、テックサポート詐欺のトラフィックはマルウェアとフィッシングを大きく上回るペースで急増しており、より強力な防御の必要性を浮き彫りにしています。
  • 世の中の組織がクラウドへの移行を進める中で ID 関連の攻撃が急増しており、攻撃者は、侵害した資格情報を使用して重要なリソースにアクセスしています。 

     

    Microsoft Entra のデータによると、ID 攻撃は 1 日あたり 6 億件発生していますが、そのうち 99% 以上はパスワードベースの攻撃です。Microsoft では、ここ 1 年間に毎秒 7,000 件のパスワード攻撃をブロックしています。この種の脅威がきわめて幅広く執拗に行われていることがわかります。

  • DDoS 攻撃は、このレイヤーを標的にして進化を続けてきました。今年下半期に Microsoft が軽減した DDoS 攻撃の件数は、前年比 4 倍の 125 万件にのぼります。

     

    2024 年の注目ポイント: 攻撃対象がアプリケーション レイヤーに移りつつあることは、ビジネスの可用性にとって大きなリスクになります (例: オンライン バンキングなど)。このレイヤーへの攻撃は、ネットワークレベルの攻撃よりもステルス性が高く、巧妙で、軽減が困難です。

進化するサイバー脅威の現状に関する詳細については、レポート全文をダウンロードしてください

第 2 章では、すべての人に、自分の家をきちんと管理することについての責任があることが強調されています。単なるコンプライアンスのチェックリストを超えた強固な説明責任を提唱し、サイバー空間全体の回復力を強化する、脅威の理解に基づいた防御戦略を推進します。この戦略は、組織のセキュリティにとどまらず、重要な環境や選挙にも適用され、全体的なセキュリティを強化するために、業界と政府間のより強固な集団行動を促し、より強い共同行動を呼びかけています。

第 2 章の要約

  • 生成 AI の台頭により、組織は最新のデータ セキュリティ ポリシーを導入しながら、技術的負債、時代遅れのセキュリティ対策、シャドー IT に対処し、回復力を維持する必要があります。
  • 特に重要なインフラストラクチャにおけるオペレーショナル テクノロジ (OT) システムのセキュリティ確保には、これらの環境のセキュリティ対策を向上させるために特別な配慮が必要です。OT セキュリティにますます影響を与えるであろう、いくつかの傾向が見られます。
  • グローバルなサイバーセキュリティの脅威に対処するには、防衛システムのセキュリティ確保から、共同イニシアティブを通じた民主的な選挙の保護まで、業界、政府、組織間の協力が不可欠です。

注目すべき分析情報: 脅威の理解に基づいた防御のための攻撃経路の理解

第 2 章から得られる重要な教訓の 1 つは、脅威の理解に基づいた防御を行うために攻撃の経路を理解する必要があるということです。組織は、重要な資産につながる可能性が最も高い攻撃の経路を特定し、継続的に緩和策を取る必要があります。攻撃経路の分析には、資産目録、脆弱性データ、外部攻撃面が組み込まれ、重要な資産につながる可能性のある攻撃チェーンを構築します。
セキュリティを軸とする組織のあり方の詳細については、レポート全文をダウンロードしてください

第 3 章では、AI によって脅威の状況とサイバーセキュリティ防御の両方がどのように変化しているかを考察し、国家による活動を含む、AI がもたらす新たなサイバーリスクに焦点を当てています。AI を活用したツールが防衛能力をどのように強化するかを強調し、AI 技術の安全性を確保するための基準や枠組みを確立するための世界的かつ継続的なコラボレーションを詳しく説明しています。

第 3 章の要約

  • 急速に進化する AI の脅威の状況は、システム上の脅威とエコシステム上の脅威の両方を生み出しています。新たな脅威をもたらすアクターの手口には、AI を利用したスピア フィッシング、レジメ スウォーミング、ディープ フェイクなどが含まれます。
  • AI により、脅威の検出、対応速度、インシデント分析の改善によりセキュリティ運用を強化し、防御者が高度な攻撃に対して大きな優位性を獲得できるようにし、サイバーセキュリティ運用のさらに効率的な管理を実現できます。 
  • 政府と産業界は、AI の責任ある利用を確保し、AI をサイバー攻撃に悪用する、悪意あるアクターによるリスクを軽減するために、AI のセキュリティ規制、国際標準、集団防衛の取り組みについて協力関係を築いています。

注目すべき分析情報: 影響工作に AI を使用する国家脅威アクター

第 3 章から得られる多くの分析情報のひとつに、ロシア、イラン、中国などの国家が、生産性、効率性、対象ユーザー エンゲージメントの向上を求めて、AI によって生成または強化されたコンテンツを影響工作にますます取り入れているという観察結果があります。

Microsoft は、この Microsoft デジタル防衛レポートの最新版により、20 年以上にわたり、サイバー脅威への理解と緩和を支援するという伝統を誇りに思います。

透明性と情報共有は、グローバルなサイバー エコシステムの保護に不可欠であると私たちは信じています。独自の視点から得た分析情報を伝えることは、サイバー空間をより安全な場所にするために Microsoft が取り組んでいる多くの方法のひとつです。

エグゼクティブ サマリー

エグゼクティブ サマリー

エグゼクティブ サマリーでは、Tom Burt による脅威の状況に関する紹介と、レポートの主な分析情報が提供されています。

CISO エグゼクティブ サマリー

CISO エディションのエグゼクティブ サマリーでは、Igor Tsyganskiy による概説と、現代の最高情報セキュリティ責任者にとって重要なポイントを中心にした、解説記事スタイルの奥深い要約情報をお伝えします。

政府および政策立案者向けエグゼクティブ サマリー

Tom Burt が紹介した、政府および政策立案者向けのエグゼクティブ サマリーでは、脅威アクターの活動、抑止、集団行動における主な傾向を明らかにし、政府のセキュリティ リーダーや政策立案者にとって重要な分析情報を提供しています。

詳細情報を Security Insider で参照します

信頼獲得への Microsoft のお約束

Microsoft は、責任ある AI の使用、プライバシーの保護、デジタルの安全とサイバーセキュリティの推進をお約束します。

新たな脅威レポート

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Microsoft デジタル防衛レポート アーカイブ

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