SIEM とは?
セキュリティ情報イベント管理 (SIEM) は、脅威が組織のビジネスに支障をきたす前に検知するのに役立つセキュリティ ソリューションです。
SIEM の定義
セキュリティ情報イベント管理 (SIEM) は、セキュリティの脅威が組織のビジネス運営に支障をきたす前に検知、分析、対応するのに役立つソリューションです。
SIEM (読み方は「シム」) は、セキュリティ情報管理 (SIM) とセキュリティ イベント管理 (SEM) の両方を 1 つにまとめたセキュリティ管理システムです。SIEM テクノロジは、さまざまなソースからイベント ログ データを収集し、通常から逸脱するアクティビティをリアルタイム分析で特定し、適切なアクションを実行します。
つまり、SIEM を使用すると組織のネットワーク内のアクティビティを可視化できるので、サイバー攻撃の可能性に迅速に対応し、コンプライアンス要件を満たすことができます。
この 10 年ほどの間に、SIEM テクノロジは進化して脅威の検知とインシデント対応をさらにスマートに、速くできるようになりましたが、これには人工知能が活用されています。
SIEM のツールのしくみ
SIEM のツールのしくみ
SIEM のツールによって組織のアプリケーション、デバイス、サーバー、ユーザーから大量のデータがリアルタイムで収集および集約されて分析されるので、セキュリティ チームは攻撃を検知してブロックできます。SIEM ツールでは事前定義済みのルールが使用されますが、これはセキュリティ チームが脅威を定義してアラートを生成するのに役立ちます。
SIEM の機能とユース ケース
SIEM システムでできることはシステムごとに異なりますが、一般的に以下のような中核的機能があります。
- ログ管理:SIEM システムは、膨大な量のデータを 1 か所に集めて整理し、そのデータが脅威、攻撃、または侵害の兆候を示しているかどうかを判断します。
- イベントの相関関係:潜在的な脅威をすばやく検知して対応するため、このデータを分類してリレーションシップやパターンを特定します。
- インシデントの監視と対応:SIEM テクノロジは、セキュリティ インシデントの監視を組織のネットワーク全体で行い、インシデントに関連するすべてのアクティビティのアラート生成と監査を行います。
サイバー リスクを軽減するための SIEM システムのユース ケースは広範にわたっており、たとえば不審なユーザー アクティビティの検出、ユーザー行動の監視、アクセス試行の制限、コンプライアンス レポートの生成などがあります。
SIEM を使用することの利点
SIEM ツールには、以下のような多くの利点があり、組織の全体的なセキュリティ態勢を強化するのに役立ちます。
- 潜在的な脅威を一元的に把握
- リアルタイムでの脅威の特定と対応
- 高度な脅威インテリジェンス
- 法令遵守のための監査と報告
- ユーザー、アプリケーション、デバイスの監視における透明性の向上
SIEM ソリューションを実装する方法
あらゆる規模の組織が、サイバーセキュリティのリスクを軽減するとともに各種規制に準拠するために SIEM ソリューションを使用しています。 SIEM システムの実装におけるベスト プラクティスには、以下のようなものがあります。
- SIEM の展開の要件を定義する
- テスト実行を行う
- 十分なデータを収集する
- インシデント応答計画を用意する
- SIEM を継続的に改善する
企業における SIEM の役割
SIEM は、組織のサイバーセキュリティ エコシステムの重要な部分です。SIEM は、セキュリティ チームがそのエンタープライズ企業全体から大量のデータを収集し、集約、分析するための中心的な場所となり、セキュリティ ワークフローを効果的に合理化することができます。他にもオペレーションの機能として、コンプライアンス レポート、インシデント管理、ダッシュボードなどがあり、脅威のアクティビティの優先度を決定することができます。
SIEM についてさらに学ぶ
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よく寄せられる質問
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SIEM ソリューションは、組織のネットワーク全体のアクティビティを俯瞰的に把握するためのセキュリティ ソフトウェアです。これによって、ビジネスに支障をきたす前に脅威への対応をすばやく行うことができます。
SIEM のソフトウェア、ツール、サービスは、リアルタイム分析でセキュリティ脅威を検知してブロックします。さまざまなソースからデータを収集し、標準から逸脱したアクティビティを特定し、適切なアクションを取ります。
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セキュリティ情報管理 (SIM) は、イベントとアクティビティのログ データを分析目的で収集し、保存し、監視するプロセスです。これは、より広範で、より長期的なプロセスと考えられます。
セキュリティ イベント管理 (SEM) は、セキュリティ イベントとアラートをリアルタイムで監視および分析するプロセスであり、その目的は脅威への対処、パターンの特定、インシデントへの対応です。SIM とは対照的に、危険な可能性のある特定のイベントに注目します。
SIEM は、これら 2 つのアプローチを 1 つのソリューションに統合したものです。
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SIEM は、日々進化するサイバー脅威に対応できるよう適応してきました。15 年あまり前に SIEM ツールが登場したときは、さまざまな規制への遵守に役立てるために使用されていました。その一例が Payment Card Industry Data Security Standards (PCI DSS) です。今日では、効果的な SIEM ソリューションはクラウドベースになっており、人工知能を活用して脅威の検知、調査、対応を加速させています。
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SIEM と SOAR は、どちらもサイバーセキュリティにおいて重要な役割を担うテクノロジです。
簡単に言えば、SIEM は組織がアプリケーション、デバイス、ネットワーク、サーバーから収集したデータの意味を理解するのに役立つように、インシデントとイベントを特定し、分類し、分析するものです。
SOAR (Security Orchestration, Automation and Response) は、脅威と脆弱性の管理、セキュリティ インシデント応答、セキュリティ オペレーション (SecOps) の自動化に対処するソフトウェアを指します。
SOAR は、脅威と SIEM からのアラートの優先度をセキュリティ チームが決定するのに役立つように、インシデント応答ワークフローを自動化します。また、重大な脅威の発見と解決をスピードアップするために広範なクロスドメイン自動化を行います。SOAR を使用すると、膨大なデータから真の脅威を見つけてインシデントを迅速に解決することができます。
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XDR (拡張検出と応答) は、サイバーセキュリティに対する新しいアプローチの 1 つであり、特定のリソースにおける詳細なコンテキストを利用して脅威の検出と応答を向上させます。
XDR プラットフォームは、次のようなことを行うのに役立ちます。
- 特定のリソースの理解に基づいて攻撃を調査し、これをプラットフォームやクラウドを横断して、つまりエンドポイント、ユーザー、アプリケーション、IoT、クラウドのワークロードのすべてにわたって行います。
リソースを保護して態勢を強化し、ランサムウェアやフィッシングなどの脅威に対して防御します。 自動修復機能を使用して脅威に迅速に対応します。SIEM ソリューションを導入すると、SecOps による包括的な指揮統制がそのエンタープライズ企業全体に対して可能になります。
SIEM プラットフォームは、次のようなことを支援します。
- セキュリティ オペレーションを、組織の資産に対する俯瞰的視点から管理します。
- 組織全体からデータを収集して分析することによって、インシデントの検出、調査、対応をサイロ横断で行います。
- SecOps の効率を、カスタマイズ可能な検出、分析、組み込みの自動化で向上させます。
デジタル資産全体の幅広い可視化と、特定の脅威に関する深い知識の両方を戦略に組み込んで、SIEM と XDR のソリューションを結合することは、SecOps チームの日々の課題を克服するうえで役に立ちます。
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